USB接続で即使えるコンデンサマイク、Shure PG42-USB

レコーディングにおいて必須のアイテムであるマイク。DTMははじめてみたものの、肝心のマイクを持っていないという人も少なくないようです。確かに、ボーカルを録るわけではない、アコースティック楽器を弾くわけではない……という場合、マイクは必須ではないかもしれません。でも、マイクが1本あると圧倒的に便利です。

もちろん一言でマイクといっても膨大な数があり、何をどう選べばいいか難しいところ。そんな中、今回、紹介するのはPCとUSB接続するだけで即、高品質なサウンドでレコーディング可能というマイクです。プロ御用達のマイクのメーカー、Shureの製品、PG42-USBを見てみましょう。

ShureのUSB接続のコンデンサマイク、PG42-USB


マイクには、大きく分けてダイナミックマイクとコンデンサマイクという2種類があります。ダイナミックマイクは
・扱いが簡単で、頑丈・丈夫
・大音量でも歪みにくい
   ・小さい音は拾いにくい
という特徴があるのに対し、コンデンサマイクは
・高音質で小さな音もキレイにとらえる
   ・駆動させるファンタム電源が必要
   ・湿気に弱く非常にデリケート
という特徴があります。

よくカラオケなどで使われているのは、ダイナミックマイクであり、コンサートでボーカリストが使うマイクとしては、ShureのSM58がとても有名です(ちなみに、最近Shureというと高性能カナル型イヤフォンメーカーとしてのほうが知名度が高いかもしれませんね)。一方レコーディングスタジオなどで、ヘッドフォンモニタをしながら、網あみのポップスクリーン越しに録音しているマイクがコンデンサマイクです。

PG42-USBは立派なアタッシュケースに入った形で販売されている

では、DTM用途で考えるなら、どちらのマイクがいいのでしょう。私は圧倒的にコンデンサマイクがいいと思います。自宅で使う場合、あまり大声で歌うことはないでしょうし、バスドラムのような重低音を拾うということもないでしょう。

軽く歌うボーカルをとるとか、鼻歌-MIDI変換によるメロディライン入力用であったり、ギターなどのアコースティック楽器を録音するという使い方が中心だと思います。そうした使い方であれば、コンデンサマイクが非常にいいのです。絶対的に、キレイに音を捉えることができ、低域から高域まで無理なくフラットに録ることができるからです。

ただ、コンデンサマイクというと結構高価であるとともに、ファンタム電源が必要というのも面倒なところ。このファンタム電源は通常+48Vを供給する電源であり、オーディオインターフェイスや高性能なミキサーでサポートしているというもの。DTM初心者だと、持っていないという人も少なくないでしょう。

PG42-USBはUSB接続のマイクとなっている

そんなときにいいのが、ShureのPG42-USBという機材です。これはボーカル用のコンデンサマイク、PG42をDTM用途に改良したもので、接続端子がUSBとなっているのです。つまり、USBでPCと接続するだけで即使え、ファンタム電源もPCからの供給となるのです。したがって、オーディオインターフェイスなしで利用可能であるため、自宅ではデスクトップPC+オーディオインターフェイスという使い方でも、外ではノートPCとPG42-USBだけでレコーディングするといったことも可能になります。ちなみに、iPadとCamera Connection Kit経由でつないで見たところ、電力不足で、うまくいきませんでした。もちろんUSBハブをかませば大丈夫なはずですが。

ヘッドフォン端子ほか、ダイレクトモニタリング用のレベル調整などがある

また、このPG42-USBは単なるマイクに留まりません。ここにはヘッドフォンジャックが搭載されており、PCからの音を鳴らすことも可能です。また、MONITORレベルを調整すると、マイクから入力された音をそのままモニターすることが可能であり、いわゆるダイレクトモニタリングができるのです。そのほかのパラメータとして入力音量調整、ヘッドフォン音量調整、また0dB、-15dBの入力切替スイッチ、ローカットのOn/OFFといった設定も用意されています。

ところで、PG42-USBはUSBのGenericオーディオ・インターフェイスとなっているため、ドライバ不要でPCと接続すれば、即利用できるのも特徴。これはWindowsでもMacでも同様です。ただ、それだとWindowsにおいてDAWと接続した場合、扱いにくいというのも事実。やはり、ASIOドライバが欲しいところです。

ASIO4ALLを使ってPG42-USBをASIO化しよう

そんなときは、フリーウェアであるASIO4ALLを利用するのがお勧め。以前紹介した、Core-i7のPCでは、48kHzのサンプリングレートにおいて、バッファサイズを416Samplesまで小さくすることができました。これ以上縮めると、プチプチと音が途切れてしまいます。

バッファサイズを416Samplesに設定した

一方、Latency CompensationはIn、Outともに0Samplesにすることができます。その結果、入力レイテンシーを約12msec、出力レイテンシーを約10msec程度にまで縮めることができ、改定なモニター環境を構築することができました。

その結果、入力レイテンシーは12msecとなった

また、普通1本のマイクだとモノラルとして扱われるため、不便に感じることが多いのですが、PG42-USBはステレオとしても扱えるのも大きな特徴。もっともステレオの場合、左右ともまったく同じ信号とはなるものの、これが結構便利なんですね。

ネックはサンプリングレートが最大48kHzであり、ビット深度が16bitに限定されるということ。プロクオリティーのレコーディングとなると、ちょっと厳しいところですが、普通に使うなら、結構重宝しそうですよ。

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