とにかく使いやすいSONAR X1のブラウザ機能

SONAR X1の発売がカウントダウンに入っていますが、解説書である「MASTER OF SONAR X1」の準備もあって、私の手元では実際発売される製品版を動かして使っています。とはいえ、まだ本格的な執筆段階に入っているわけではないので、某社の書籍のほうが先に出てしまうだろうとは思うのですが……。

私のPCにインストールしているのはSONAR X1シリーズの最上位バージョン、PRODUCERです。先日の記事AV Watchの記事でも少し紹介したとおり、ユーザーインターフェイスが一新し、かなり“違った感”が出ているのですが、中でもすごく使いやすくて気に入っているのがブラウザ機能です。今回このブラウザ機能について紹介してみましょう。

SONAR X1の画面右側にあるのがブラウザ


画面を見てもわかるとおり、いかにも「ブラウザ」であり、とくにどうというほどには見えないでしょう。以前から「ループエクスプローラ」というものがあり、似たような画面でループ素材を選んで、プレビューしたり、トラックへドラッグ&ドロップでもっていくことができました。同様のことができるのはもちろんです。でも、機能はそこから大幅に拡張されているのです。

一見従来のループ・エクスプローラとなんら変わらないファイル選択画面にも見える

まずは、扱えるメディアが大きく増えていること。メニューで扱えるメディアを選択できるのですが、オーディオのほかMIDI、またプロジェクトそのもの、Session Drummer 3のMIDIループやステップシーケンサのMIDIパターン、そしてついにREXファイルもサポートされるようになりました。ここで見つけたファイルを、トラックビューへとドラッグすれば、すぐに使えるわけですね。MIDIグルーブクリップ、REXファイルとメディアを選ぶと、それが収録されているフォルダへ自動的に飛ぶのも便利なところです。

ACIDループはもちろん、REXファイルなども扱える

さらに、このブラウザではファイルだけでなく、プラグインの選択も可能です。オーディオエフェクトを選ぶとエフェクトの一覧が、ソフトシンセを選べばソフトシンセの一覧が表示されるわけです。エフェクトの場合、選んでエフェクトをかけたいトラックへドラッグ&ドロップで持っていけば、それが適用されるので、手順も簡単です。

ブラウザでカテゴリ分類されたエフェクトを選択できる

また、SONAR X1 PRODUCERになるとバンドルされているエフェクトの数がかなり膨大になり、通常のメーカーごとの分類だと、欲しいものがどこになるのか分かりにくいのも事実です。しかし、レイアウト表示を変更すると、エフェクトの種類ごとに分類されて表示されるため、分かりやすいし、複数あるリバーブの中からどれを選ぶか、差し替えるとどうなるか、といった使い方が容易になるわけです。

ソフトシンセの場合は、プラグインを選んで、トラックビューへドラッグ&ドロップすれば、そのソフトシンセを組み込んだMIDIトラックが即作られるのでセッティングも非常に簡単です。そのほかにもMIDIプラグイン、ReWireデバイスといった表示も可能となっています。

ソフトシンセも同様にブラウザで扱える

とにかく従来のSONAR 8.5以前と比較して断然使いやすくなったわけですが、最初これを見たとき、「あっ、これってCubaseの真似!?」と思ったことも事実です。そう、Cubaseも5にバージョンアップした際の目玉機能としてMedia Bayというブラウザ機能が搭載されたので、やはりそれをヒントにしているだろうなとは感じました。

ただ、実際に使ってみるとMedia Bayとはかなり違うものなんです。Media Bayのほうは、ある意味GarageBandの影響を受けた感じの作りでカテゴリやジャンルといったタグ情報を元に、検索するものとなっているほか、ソフトシンセも単体ではなく音色という単位で管理されています。それに対してSONAR X1のブラウザはもっと原始的であり、単純にエフェクト、ソフトシンセを見つけ出すためのものとなっています。どちらが好きかはユーザーによって好みが分かれるところですが、シンプルな分、より直感的で簡単に扱えるというのも事実です。ウィンドウの大きさも小さく、SONAR X1の1画面構成というユーザーインターフェイスにもピッタリマッチしているように感じました。みなさんはどう思われますか?

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