V-Remastering搭載のiPadアプリ、R-MIX Tabが850円で登場だ!

以前、Rolandの非常にユニークな技術、V-Remasteringについて紹介しました。私自身、はじめて発表会でそのデモを見た時「まさに画期的な技術!」と驚いたのですが、ついに12月8日、そのV-Remasteringを用いたソフトの第1弾が発売されました。

先に出たのはiPad版のアプリ「R-Mix Tab」。1月に発売されるといわれているPC版と比較すると処理結果が録音できない、トラックを追加して編集することができない、などいくつかの制限はあるものの、V-Resamplingの凄さ、面白さは十分に味わえることができるので、さっそく試してみました。
V-Remastering搭載のiPad版アプリ、R-MIX Tab



V-Reremasteringというのは、音をリアルタイムにグラフィックで可視化させた上で、それをいじってしまうというユニークな技術。FFTのような、サーモグラフィーのようなこの画面は横軸がPAN(定位)、縦軸が周波数を表し、表示させれている色は明るいほど音量が大きいことを表しています。

マニュアルを見ると、それぞれの役割が細かく示されていますね。
R-MIX Tabの各部の説明(マニュアルより)
この画面の中から任意の部分を窓として選択することができ、その窓の中の音だけを取り出したり、窓の内側を消すといったことができてしまいます。

言葉で説明していても分かりにくいので、まずはその操作をビデオで撮影してみたので、見てみてください。

先日の発表会ではPCで操作を撮影しモノラルで録っていたのですが、これはステレオで録音してみたので、ぜひヘッドホンなどを使ってステレオで音を確認してみてください。音の定位や、音の消え方、出方がハッキリと分かると思います。

PCの場合はマウスで窓の範囲選択するのですが、iPadでは指で範囲を自由に指定できるというのが大きなポイントとなっています。必要に応じて窓を広げていったり、消しゴムツールを使って消していくことも自在です。
右のスラーダーを下げると窓の外側の音が消える
窓を指定した上で、右のスライダーを下げていくと、窓の外側の音が消えていきます。反対に左側のスライダーを下げていくと、窓の内側の音が消える仕掛けになっているのです。
左のスライダーを下げると窓の内側の音が消える
これを使うことで、まさに自分の欲しいパートの音だけを抜き出したり、ボーカルを消してカラオケにしたり、ギターのマイナスワンを作ることなどができるし、ギターのソロパートだけを抜き出して、じっくり耳コピができるなど、ミュージシャンにとって夢のツールといってもいいのではないでしょうか?

ユーザーインターフェイスもよくできていて、窓を指でしばらくタップすると、窓の色が変わり、ドラッグすることで場所を移動させることが可能です。さらに、MOTIONボタンをオンにすると、iPadの傾きに応じて、窓を動かすことができるようになっているのも面白いところです。

もう1曲、フュージョン系の曲でも試してみたので、見てみてください。

かなり、うまく音を取り出すことができますよね。ただ、R-MIX Tabも、さすがにどんな曲でも万能というわけではないようです。このデモからも分かるように、それぞれの楽器の定位がハッキリしていることが重要なのです。

最近の曲では、コンプで音をつぶし、定位的にも隙間なく、全方位的に音を出している作品が多いため、各楽器やボーカルの位置が特定しずらいんです。もちろん、それでもある程度、音を取り出すことはできるのですが、特定の楽器だけを抽出というのは難しそうですね。
最近の曲だと狙った音だけを抜き出すのは難しい
とはいえ、こんなことができるアプリがたった850円で出てしまっていいんだろうか……というのが正直な感想。このアプリのためにiPadを買っても損はなさそうですよね!
【関連サイト】
ローランド R-MIX Tab製品情報
ローランド R-MIX製品情報

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