薄くて軽いのに弾きやすい、フル鍵盤のXkeyを使ってみた

DTMユーザーにとって必須のアイテムの一つがUSB-MIDIキーボードです。鍵盤が弾けない人でも、これがあるのと無いのでは大違い。シンセの音色を確認や音作りにおいて重要な役割を果たすし、ステップ入力においてもこれがあれば効率は大幅に向上します。現在、さまざまなメーカーから色々な機種が出ているわけですが、先日また新たなユニークな製品が登場しました。

実売価格が13,000円(税抜き)前後のXkeyというのが、それ。PCでの利用はもちろん、iPadやiPhone、またAndoroidでも利用可能な、とっても薄いキーボードなのですが、フルキーということもあって、なかなか弾きやすいんですよ。一番下のキーも、一番上のキーもドという2オクターブ・25鍵盤のXkeyについて紹介してみましょう。


とっても薄いけど頑丈なXkey。フル鍵盤サイズなので、弾きやすい

Xkeyの最大の特徴は、その薄さ。下の写真を見ても、すごく薄いことが分かりますよね。スペックを見ると高さが16mmとなっていますが、これは設置した机の面から黒鍵までの高さです。


iPhone5sと並べてみると、Xkeyの薄さがよくわかる

横から見るとアルミのボディーに鍵盤が取り付けられている構造が分かると思いますが、このアルミ板は4mm程度で、白鍵の高さだけを見ると2mm程度ですから、実際に持ってみるとすごく薄い鍵盤なんです。


横から見ると、 このような形になっている。アルミ部分の厚さは約4mm

でも鍵盤が薄いのでは、弾き難いのでは?」、「ベロシティーはつけられないのかな?」と思って触ってみたところ、フル鍵盤のサイズだからでしょうか、これが意外と弾きやすく、またベロシティーもしっかりとつけることができます。


鍵盤を押してみると、全体が下にさがる構造になっている 

普通のキーボードの場合、支点が奥側にあり、手前が沈む構造ですが、このXkeyの場合、鍵盤を押すと全体が均一に沈む形になっており、それが薄くても弾きやすい理由なのかもしれません。またアフタータッチも効くので、アフタータッチ部分だけをリアルタイム入力で利用するなんて手もありそうですね。

以下のビデオを見ると、冒頭部分でベロシティーをつけての演奏の様子などがあるので、雰囲気がよく分かると思います。

このビデオにもありますが、左側のボタンを使うことで、オクターブの切り替え、モジュレーション、ピッチベンドができるほか、サスティンペダルならぬサスティンボタンを使っての演奏もできるようになっています。


左側にはオクターブ切り替え、モジュレーション、ピッチベンド、サスティンの各ボタンが並んでいる 

多くのキーボードの場合、モジュレーションやピッチベンドは、ホイールなどを使いますが、このXkeyはあえてボタンを使っているようです。最初、かなり不思議な操作のようにも思いましたが、これも意外と使いやすく、かえってキーボードに不慣れな人には良さそうに感じました。というのも、ボタンを押すだけの操作で単純であるだけに、コツが掴みやすいんですよ。


USBバス電源供給で動作し、PCやiPadなどが接続されるとLEDが点灯する 

個人的に一番気に入ったのはサスティンボタン。普通は別売のサスティンペダルを使って演奏するわけですが、打ち込み用途であれば、別売のものを使うより、一体化されていて、ボタンで入力できるほうが圧倒的に便利。こんなキーボードってあまり見たことがなかったように思うのですが、これだけでも「買う価値がある!」と思ってしまいました。

ちなみに、ここに並ぶオクターブ切り替え、モジュレーション、ピッチベンド、そしてサスティンの6つのボタンはいずれもラバー仕立て。ツルツルの鍵盤側とは明らかに手触りも違うのですが、素早く押すのが、グリグリと押し込むのかによって、ピッチベンドやモジュレーションの効き具合が変化するようになっているので、なかなかユニークですよ。

そうはいっても、そんな薄いキーボードでは、チャチですぐに壊れるのでは……」なんて不安に思う方もいると思います。まあ、私も長時間使っているわけではないので、ハッキリは分かりませんが、使っている感じではかなり丈夫そう。実は、このXkey、4月にドイツのMusikmesseで見かけたのですが、そこではXkey連打コンテストなんてのをやってたくらいですからね。これを見る限り、そう簡単には壊れないと思いますよ。

さて、このXkeyの動作環境ですが、USBクラスコンプライアントの製品であるため、WindowsでもMacでもUSBで接続すれば、ドライバのインストールも不要で、すぐに使うことが可能です。


iPad miniと接続してみると、ソフトシンセを演奏することができた。画面はArturiaのiMini

またCamera Connection KitやLightning-USBカメラアダプタは必要ではありますが、iPadで使えるし、iOS7ならiPhoneでも使えます。ここではiPhone 5sに接続して使ってみましたが、iPhone 5sからの電源供給だけで問題なく動作することも確認できました。

さらに、Androidでも最近はMIDIキーボードを利用可能なアプリも徐々に登場してきており、AndroidデバイスをホストとするためのOTGケーブルを利用すれば、Xkeyを使うことができました。ちなみに、使ったのは、iBUFFALOのUSB(microB to A)変換アダプタ、BSMPC11C01BKというものですね。


Andoroidタブレット(Nexus10)上のソフトシンセ(画面はHeat Synthesizer)もバッチリ動作

たとえば強力なシンセサイザアプリであるHeat SynthsizerやMusic Synthesizerといったものでも使うことができますね。

なお現在、XkeyのメーカーであるCMEからXkeyをカスタマイズするためのiPadアプリ、Xkey Plusというものが無料で配布されています。これを利用することで、ベロシティーカーブをいじったり、センシティビティなどおパラメータを変更することも可能になっているので、使ってみるとよさそうですよ。

まだ国内では発売したばかりで、在庫数も少ないようですが、見つけたら早めに入手するのがいいかもしれませんね。

追記 2014.3.22
Windows版、Mac版のユーティリティソフト、Xkey Plusが公開されています。

【関連サイト】
Xkey製品情報
【価格チェック】
Amazon ⇒ Xkey
サウンドハウス ⇒ Xkey

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