ドラム打ち込みが身につくTR-808ベースの音ゲー、TR-REC GAMEがiPhone/Android用にRolandより無料で登場だ!

打ち込みの世界って興味はあるけど、なんとなく難しそうで……、なんて敬遠している方も少なくないと思います。その打ち込みも、いろいろな手法があるのですが、もっとも分かりやすく、また音楽制作の世界で広く使われているのがRolandTR-808で初めて採用されたTR-RECと呼ばれるドラム打ち込み方式でしょう。いまや、ドラム打ち込みのデファクトスタンダードとなっている手法ですが、まったく初めての人にとっては、やはり未知の世界。なかなかチャレンジできないかもしれませんよね。

そんな中、プレイしながら、ドラム打ち込み手法が身につくユニークなゲームアプリをRolandが無料でリリースしました。「TR-REC GAME」というこのアプリはiPhone/iPad(ユニバーサル)およびAndroidのどちらでも使えるもので、AIRAシリーズの入門版という位置づけ。楽しく遊びながら、4つ打ちとはどういうことなのか、16ステップがどんなもので、フィルってどういうタイミングで入れるのか……、といったことが習得できてしまうのです。用語や理論関係なしに、体ですぐに覚えられるこのTR-REC GAMEについて紹介してみましょう。


TR-808ベースのスマホゲーム、TR-REC GAMEのRolandから無料で公開された


ドン・ドン・ドン・ドン」という低いビートがキック=バスドラム(BD)で、「ツツツツツツツ」がクローズハイハット(CH)で、「ツー」って伸びるのがオープンハイハット(OH)、「バン!」と一番強い音で入ってくるのがスネアドラム(SD)で、「タン、トン、トン」と音程が変わって入ってくるのがハイタム(HT)、ミッドタム(MT)、ロータム(LT)。毎日音楽は聴いていても、その音が何なのかは意外と知らないかもしれません。


TR-REC GAMEはAIRAシリーズとしてリリース

ドラムについて多少知識のある方なら、音の名前は分かっても、では「それを打ち込んでみろ」なんて言われたら、さっぱり分からない……となってしまうかもしれませんよね。そこに登場してきたRolandの音ゲー、TR-REC GAMEは、まったく初めての人でも、すぐに打ち込みを理解でき、どうすれば、どんなリズムが作れるのかを体で覚えることができるというもの。まずは、そのTR-REC GAMEでのゲームプレイを記録した以下のビデオをご覧になってみてください。

なんとなく、雰囲気を理解いただけたでしょうか?このTR-REC GAMEは、ダンスミュージックに合わせて、バスドラム、スネアドラム、ハイハット、シンバル……といったドラムをお手本のリズムパターン通りに打ち込んでいくというゲームです。


ドラム打ち込み手法のTR-RECは1981年に発売されたTR-808で確立された

このTR-REC GAMEで採用されている基本的な入力手法は35年前に誕生したTR-808のときからまったく変わっておらず、最新のAIRA、TR-8でもまったく同じ。このゲームでは縦11×横16で構成されているマス目に音を埋めていくことで、リズムを作り出すというこので、かなり直観的に使えるというもの。

まず画面にはお手本となるリズムパターンが表示される

入力の手順としては、まずBD、SD、LT、MT、HT……と並んでいるボタンを使って音色(縦の位置)を選択。続いて下に1~16と並んだボタンで何拍目か(横の位置)を選択することで、マス目に音を打ち込むことができます。TR-808やAIRAのTR-8などのドラムマシンを使ったことのある方なら、見た瞬間に分かりますよね。


お手本通りにマス目を埋めていくこと形でリズムパターンを入力

ゲームの進め方としては、まず最初にお手本が表示されるので、これを見様見真似でいいので、単純にお手本通りにマス目を埋めていきます。流れるダンスミュージックとともに、時間がカウントダウンされていき、その制限時間内にお手本の通りの打ち込みが完成できたら、ステージクリア。完成できないとライフが1つ減っていき、ライフがなくなるとゲームオーバーです。


正しく入力できるとステージクリア

またゲーム中に出てくる★マークやハートマークをGETすることで、入力をサポートしたり、ライフを回復させることが可能となっています。時々登場するネズミのキャラクタによって、せっかく入力したリズムが食べられて、打ち込みし直さなくてはならないことがあるので、要注意ですよ。

★マークをGETすると、パターン入力しなくてもステージクリア

より詳しい使い方はSTAGE 00のTUTORIALをプレイすることで、自然に身につくようになっていますので、とくにマニュアルを読むこともなく、すぐに分かると思いますよ。


STAGE 00のチュートリアルを使えば、使い方はすぐに習得できる

いくつかのステージをクリアしたころには、ドラムの打ち込みがどんなものなのか、そのコツはどこにあるのかは身についちゃいますよ。


ゲーム中にはボーナスGETのためのキャラクタや、ゲームを妨害するキャラクタなども登場してくる

ドラム打ち込み初心者の学習用ゲームというよりも、単純に音ゲーとしてエキサイトしながら楽しめるようにできているので、「TR-8で毎日、打ち込みやってるぜ!」という人にとっても、かなり面白いアプリだと思いますよ。

入力方法はAIRAのTR-8ともまったく同じ

このTR-REC GAMEは、最初使い始めたときはSTAGE 00~06までが使えるようになっていますが、それらすべてをクリアすると、STAGE 09まで使えるようになり、もれらもすべてクリアするとSTAGE 12までが登場……と難易度が上がると同時に、バックで流れるダンスミュージックのバリエーションも増えていきます。また初心者用ステージではライフ数も無限大に設定されているので、何度失敗してもライフ数が減ることなく、あまり焦ることもなく、打ち込みを習得することが可能です。


初期状態ではSTAGE 00~06までがプレイできるようになっている

ただし、上達してステージを上げていくと、無料で利用できる限界点がやってくる仕掛けが設けられているんです。そう、いわゆるフリーミアムという形になっているんですね。


STAGE 19以上をプレイするにはコインが必要となるフリーミアムとなっている 

具体的にいうと、STAGE 18までが無料で、STEGE 19~48までは有料。またライフが消滅するとゲームができなくなるわけですが、これを回復させるために課金されたり、ライフ枠を拡大するのにも課金される仕組みとなっているのです。ただ、実際にはライフがなくなっても一定時間待っていれば回復してくれるし、ゲーム音痴な私にとってはSTAGE 18までたどり着くこと自体が至難の業ですから、有料になるところにまで行きつくこと自体、不可能なような気がしています。


コインはアプリ内課金の形で購入できるが、ゲームプレイ中にGETすることも可能

また有料とはいえ、コインを使って清算する形になっており、勝手に課金されるというような心配はありません。そして、そのコイン自体、購入しなくても、ゲーム中にGETすることもできますから、うまく進めていけば、まったく課金されることなく、上の有料ステージへと上がっていくこともできますよ。とはいえ、あまりハマり過ぎないように、注意してくださいね(笑)。

一通り、使ってみたところ個人的に感じたのは、ゲームによってドラム打ち込み手法を習得したら、ゲームだけでなく、自分で好きなフレーズを打ち込んでみたくなるだろうな……ということ。バックのダンスミュージックはいいけれど、打ち込んだ部分だけを聴いてみたくなるから、ドラムのソロ機能とか、各パートごとのミュート機能なんかもあると、もっと楽しいのになぁ……、と。


TR-REC GAMEの画面構成

この辺は、「物足りなくなったら、AIRAのTR-8を買ってね!」というRolandの戦略なんだとは思います。とはいえ、とくに何の機材も必要なく、単にiPhone/iPadかAndroidがあれば、無料で使えるのですから、嬉しいサービスだと思いますよ。まずは単純なゲームとして使ってみる価値は十分にあると思います。

なお、Rolandに聴いてみたところ、TR-REC GAMEのサウンドはTR-8の音をサンプリングしたものなんだとか。ただし、TR-8は24bit/96kHzで構成されているのに対し、TR-REC GAMEのサウンドは16bit/44.1kHzで、しかも圧縮されているので、クオリティーの差はあるようです。とはいえ、本家、RolandのTRサウンドで無料で音ゲーが楽しめるのですから、まずはダウンロードしてみてはいかがですか?

【ダウンロード】
TR-REC GAMEダウンロードサイト

Commentsこの記事についたコメント

6件のコメント
  • ChuChu

    さっそくダウンロードして、プレイさせていただきました。
    はじめは「まあ無料だからこんなものか」と思っていたのですが、TRAININGステージを全部終えると、なかなか曲のクオリティも高く、さながら“自分でTRを操っている”ような感覚にもとらわれます。
    高いスコアで終えるとコインももらえるようなので、本当に課金せずともある程度は遊べてしまいます。
    慣れるまでは、ノートに対応する楽器の場所がなかなか掴めず苦労させられました。
    TR-8実機を持っている方も十分に楽しめる作りですね。
    また、画面UIがTR-8に近く作られているようで、これをプレイした後に実機を使うとかなり扱えるようになってます(笑)

    2015年12月15日 9:25 PM
  • 老婆心

    「買えよ!」って・・・語気や表現としてはいかがなものでしょうか?ここは「買ってね!」程度におさめるのが相当かと。途中まで楽しく読んでいたのに、突然ヤンキーが割って入ってきたような無粋と違和感を感じました。このコメントは消してもらって構わないので御一考願います。

    2015年12月16日 2:14 AM
  • 藤本健

    老婆心さん
    ご指摘ありがとうございます。修正させていただきました。

    2015年12月16日 7:54 AM
  • とおりすがり

    元の文章がわかりませんが、細かい表現をいちいち指摘する小さい心の持ち主のおかげで、昨今の日本はとても息苦しくなってしまいましたね。
    芸術家の言葉が丸くなってしまったら、作品まで丸くなってしまいかねないと僕は思います。

    2015年12月16日 11:13 AM
  • 藤本健

    とおりすがりさん
    ありがとうございます。履歴を残さなかったので、余計にご心配をおかけしてしまったようで。
    「AIRAのTR-8を買えよ!」という表現を「AIRAのTR-8を買ってね!」と変えただけです。
    まあ、本筋に影響のない話で、これを不快に感じる方がいるのなら…と応じたところです。
    まあ、いろいろおっしゃる方はいるので、すべて対応はできませんし、するつもりもないのですが
    ある程度納得いくものであれば、ご要望にお応えしたいとは思っているところです。

    2015年12月16日 6:55 PM
  • 楽しそう

    楽しそうなので、早速インストールしてみます。
    楽器系アプリは色々あって楽しそうとは思うのですが、
    「で、これってどう使うの?」ってなっちゃいがちなので、
    音ゲー感覚でリズムトラックってどうゆう風に出来ているの?
    ってところがわかるのは嬉しいです。

    2016年11月16日 9:07 PM

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