M-AUDIOって懐かしい!」なんて思う人も少なくないと思いますが、高性能・低価格なオーディオインターフェイスとして一時は大きなシェアを持っていたM-AUDIOが、またスゴい製品とともに帰ってきました。国内で7月23日発売となるM-AUDIOの新製品、M-TRACKシリーズは世界初のUSB Type-Cに対応したオーディオインターフェイスで、しかも「CubasePro Tools化してしまう!?」驚きのプラグインを数多くバンドルしたトンでもない製品なんです。

そのM-TRACKシリーズ、いずれもデスクトップ型で24bit/192kHz対応となっているのですが、この中で実売価格14,800円(税込み)という手ごろな製品M-TRACK 2x2Mを、発売前に入手して試してみたので、どんなオーディオインターフェイスなのかを紹介してみたいと思います。


M-AUDIOが発売するUSB Type-Cに対応したオーディオインターフェイス、M-TRACK 2x2M
 
久しぶりにM-AUDIOの名前を聞いたけど、これまでどうしてたんだっけ?」なんていう人も少なくないと思うので、まず簡単にこれまでの経緯を説明しておきましょう。Audiophile192Firewire410などの大ヒット製品を飛ばしたM-AUDIOは、2005年にAvid傘下に入りPro Toolsのエントリー版、M-Poweredなどとセットで製品展開されてきました。しかし2012年にAvid傘下からinMusicグループへと移籍したことで、AKAIAlesisNumarkSONiVOXなどと同じ会社に統合されていたのです。


リアパネルを見ると、USB Type-Cの端子が搭載されている

そのinMusicになってからも、いくつかの製品は出していたのですが、今年1月のNAMM SHOWにおいて満を持して発表したのが、今回の新M-TRACKシリーズだったのです。大きな特徴はPCとの接続に世界で初めてUSB Type-Cのコネクタを採用したという点。USB Type-Cについては気になっていた方も多いと思いますが、これはUSBの次世代規格、USB 3.1で制定された新しいコネクタ規格。サイズ的にはmicroUSBとも近い小さなUSBコネクタでありながら、AppleのLightning端子のように上下・左右の区別がない構造になっているのです。


付属のUSB Type-CケーブルでMacBookと接続

また従来のUSBコネクタでは、PC側がAコネクタ、デバイス側がBコネクタで接続するというルールがありましたが、このType-CではPC側、デバイス側ともに同じコネクタを用いるというのも大きな特徴となっているんですよね。次期iPhoneやiPadでもLightningを廃止して、USB Type-Cにする、なんて噂もありますが、いま非常に注目度の高いコネクタであるのも事実。新型のMacBookでも、このUSB Type-Cポートが採用されています。


USB Type-C同士のケーブルのほかに、従来からのUSB端子、Aコネクタと接続できるケーブルも用意されている

この新しいM-TRACKシリーズでは、そのUSB Type-Cに対応したわけですが、ここで問題になるのは「ウチにあるPCにはUSB Type-Cポートなんてないよ…」という点でしょう。その新型MacBook以外、まだUSB Type-Cポートを装備したマシンなんてそうそうないですからね。でも、大丈夫なんです。実はM-TRACKにはUSB Type-C同士を接続するケーブルのほか、従来のUSB端子に接続するためのケーブルも付属しており、これを使えば、USB 2.0やUSB 3.0のポートに接続できてしまうんですよ。将来、MacBookのようなUSB Type-Cポートを持ったPCを入手したら、本来のケーブルに差し替えればいいわけですね。


今回発売される3つのM-TRACKシリーズ。右下は、再生専用のM-TRACK Hub

さて、ここからが本題。今回、発売されるのは
   M-TRACK 2x2  (10,800円)
   M-TRACK 2x2M (14,800円)
の2製品。そのほか、同時発売でM-TRACK Hub(実売8,980円)という再生専用(最高で24bit/48kHz)で、USB-HUB機能を持ったUSB 2.0対応の製品もありますが、これはちょっと性格も異なるので、ここでは除外しますね。また、近い将来、この上位バージョンとして8IN/4OUTのM-TRACK 8x4という製品も登場する予定ではありますが、これは入手し次第レポートする予定です。


M-TRACK 2x2Mは卓上型のオーディオインターフェイスでメイン出力調整用の大きなノブが搭載されている 

ご覧いただくと分かるとおり、いずれも卓上設置で大きなボリュームノブが搭載された製品。アルミボディーで約850gのかなりガッチリとした構造になっています。スペック的にはいずれも2IN/2OUTですが、M-TRACK 2x2のほうはマイクプリアンプが1つ、M-TRACK 2x2Mのほうがマイクプリアンプが2つで、さらにMIDI入出力も装備しているというもの。

そう価格的にも、スペック的にも、SteinbergのUR-12およびUR-22mkII、またFocusriteのScarlett SoloおよびScarlett 2i2とピッタリ一致する真っ向勝負の製品なっているんですね。それぞれのスペックを簡単にまとめて見ると以下のようになっています。


入出力 マイクプリ ライン入力 ギター入力 実売価格
M-TRACK 2x2 2in/2out 1 1 110,800円
UR-12 2in/2out 1 1 1 10,800円
Scarlett Solo G2 2in/2out 1 1 1 10,800円
M-TRACK 2x2M 2in/2out 2 2 2 14,800円
UR-22mkII 2in/2out 2 2 1 14,800円
Scarlett 2i2 G2 2in/2out 2 2 2 15,660円

ここではM-TRACK 2x2Mをお借りして使ってみたのですが、フロントにギター入力が2つ、そしてステレオヘッドホン出力が搭載されています。真ん中にあるスイッチはコンデンサマイク用のファンタム電源用ですね。


フロントの左2つはギターなどのHi-Z入力、右側はヘッドホン出力

リアにはマイク/ラインの入力が可能なコンボジャックが2つ、メイン出力×2、そしてMIDI入出力という構成。トップパネルには、その大きなメイン出力用のボリュームノブと、各入力用のレベルコントロール、PCからの出力とダイレクトモニタリングの調整ノブ、そしてヘッドホン出力のレベル調整ノブが搭載されています。


リアにはコンボジャック×2とTRSフォンのメイン出力、そしてMIDI入出力がある

形状がハーフラック型のURシリーズやScarlettシリーズに対して、M-TRACKシリーズは卓上型という違いがありますが、機能、スペック的にはほぼ同等であるのが分かると思います。どちらがいいかは、好み次第というところではりますが、設置スペースがあるのなら、かなりとても扱いやすいと思いますよ。なお、ループバック機能があるのはUR-12、UR-22mkIIのみで、M-TRACKもScarlettも対応していません。


DAWとしてはSteinbergのCubase LE 8がバンドルされている 

このようにハードウェア的には競合がいろいろあるM-TRACKシリーズですが、驚くのがバンドルソフトウェアです。バンドルといってもライセンス番号が入っていてダウンロードする形ですが、具体的には
Cubase LE 8
Xpand!2
Strike 2
Mini Grand
Creative FX Collection
のそれぞれ。そう、Pro Toolsに搭載されている音源として知られるXpand!2とMini Grandに、やはりPro Tools標準装備のエフェクト群、そして、プロユーザーの利用者も多いドラム音源のStrike 2のそれぞれです(StrikeはPro Toolsにはバンドルされてませんよ)。


ドラム音源のStrike 2、ピアノ音源のMini Grand、マルチ音源のXpand!2がバンドルされている 

これらはいずれもWindowsとMacのハイブリッドであり、VSTとAudioUnitsの環境で動くもの。つまり、Cubase LE 8で使えるわけですが、ある意味、CubaseがまるでPro Toolsのように変身しちゃうんですよね。


Pro Tools標準装備のプラグイン、全20種類を装備するCreative FX Collectionもバンドル。CubaseがまるでPro Toolsのよう…

BFD3、Addictive Drums2、EZ Drummer 2と並ぶ4大ドラム音源の一つ、Strike 2は単体購入すれば$149,99。つまり、Strike 2が欲しければソフト単体を購入するよりも、M-TRACK 2x2やM-TRACK 2x2Mを買ったほうが安い、というわけなんですよ!この価格設定はメチャメチャともいえますよね。

ちなみにMini Grandは$79,99、Xpand!2は$99.99、Creative FX Collectionは$149.99で、いずれも現行製品としてダウンロード販売しているので、これらをトータルすれば$479.96となり、Cubase LE 8を除いても5万円相当です。もちろん、LE版とかLite版などではなく、製品そのものですよ!


Strike 2は膨大なドラム音源ライブラリを持つフルバージョン。パターンエディタ機能なども装備している

ただしStrike 2だけでも38GB。Cubase LE 8もいれると44.6GBと膨大なため、ウチの光ギガ回線でもダウンロードに1時間近くかかりましたが……。

これだけのバンドルソフトをサービスできるのは、Strike 2、Xpand!2、Mini Grand、Crative FX CollectionがAirのソフトであり、これがinMusicグループの製品だからですね。これはものすごい魅力だと思いますよ!


せっかくならバンドルソフトのライセンス管理はiLokを利用することをお勧めします

ちなみに、これらのプラグインはWindows、Macにそのままインストールして使えますが、ライセンスの管理上、できればUSBドングルであるiLokを使ったほうがいいですよ!オマケなんてレベルではない、すごい価値を持ったプラグイン群ですから、ダウンロードしたらiLokにライセンスを移すことをお勧めします(後からのiLok導入でも大丈夫ですよ!)。

以上、M-AUDIOのUSB Type-C対応のオーディオインターフェイス、M-TRACK 2x2Mについて見てきましたが、いかがだったでしょうか? まだ私自身も、あまり使い込んでいないのですが、実際にボーカルやギターなどをレコーディングしてどんな音で録れ、使い勝手がどうなのか、7月19日に放送するニコニコ生放送、DTMステーションPlus!で実践する予定です(7月23日からはAbema TV FRESH!でも放送します)。

当日はシンガーのMamimor a.k.a PAPICOさん、ギタリストのKeishi Kuroishida(黒石田ケイシ)さんをゲストにお迎えし、Cubase環境でのレコーディングを行っていきますので、ぜひご覧になってみてくださいね。

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【関連情報】
M-TRACK 2x2M製品情報
M-TRACK 2x2製品情報
M-AUDIOサイト

【DTMステーションPlus】
第60回 DTMステーションPlus!(ニコニコ生放送)
第60回 DTMステーションPlus!(Abema TV FRESH!)