進化する完全デジタルスピーカー、OVO。MIDIでのLED電飾操作やブラウザ経由でEQ設定も可能となり、S/PDIF入力オプションも登場

東北のベンチャー企業、JDSoundが開発・製造するUSBスピーカー、OVOは一般的なスピーカーの常識を大きく覆す、非常にユニークな製品です。コンパクトながら高音質で大音量を出せるのが最大の特徴ですが、その背景にはOVOがアナログ回路を一切持たない完全デジタルスピーカーであることが挙げられます。また、2018年夏にリリースされてから、これまで頻繁にファームウェアのアップデートが行われ、5月1日現在、最新バージョンは7.2。そのアップデートとともに、さまざまな機能追加、機能向上が図られているのです。

たとえば24bit/96kHzさらには24bit/192kHzに対応したのはもちろんのこと、Webブラウザ(Chrome)経由でイコライザの設定ほか、各種設定ができるようになったのも、ほかのスピーカーにはない特徴。またOVOには音量によってさまざまに光るLEDが搭載されているのですが、そのLEDをMIDIでコントロールできるLED Liveなる機能が追加されるなど、まさに前代未聞のスピーカーなんです。またこのOVOに光デジタル(S/PDIFオプティカル)の信号を入力するための光コンバーターが、まもなく登場予定で、現在クラウドファンディングを実施中。改めてOVOとはどんなスピーカーなのか、紹介してみたいと思います。


東北生まれの高性能USBスピーカー、OVO。ファームウェアアップデートで機能がどんどん進化している

昨年1月「世界初の完全フルデジタルってどういうこと!?高音質・大音量な小型USBスピーカー、OVO。現在クラウドファンディング実施中」という記事で紹介したJDSoundのOVO。最終的にこのクラウドファンディングは7,572人、9,488万円を集め、無事にリリースされました。私自身もこのクラウドファンディングのときに2台購入し、自宅のデスクトップ上に1つ、事務所のPC用に1つ置いて、愛用しています。


シルバーとブラックを1つずつ購入した。ほかにもコバルト、ホワイト、グリーン、ゴールド、レッドのカラバリがある

現在はAmazon、Yahoo!ショッピング、楽天、BASEといったネットショップ中心に販売されており、店頭ではあまり見かけることがないのですが、かなり面白いUSBスピーカーなんです。これまでバスパワーで動くUSBスピーカーというと、ショボイ音量で、ノイズも多く、音楽を鳴らすのにはちょっと……というものがほとんどでした。ところがこのOVOは横幅24cmというコンパクトなサイズながら、バスパワーのUSBスピーカーとは信じられないほどパワフルな音が出るとともに、高域までクッキリと出る高音質なサウンドを出すことができるのです。


もともとはGODJ Plus用に開発されたスピーカーを抜き出してUSBスピーカーにしたのがOVO

以前の記事にも書いた通り、このOVOは2年前に「クラウドファンディングで大成功のデジタルDJ機、GODJ Plusが一般に向けて発売開始だ!」という記事でも紹介したDJ機器、GODJ Plusのアンプ、スピーカー部分だけを抜き出して製品化したもの。最大のポイントになるのは、これがフルデジタルのスピーカーになっているという点。普通アンプ内蔵のスピーカーというのはアナログ回路であるアンプで音を増幅して、スピーカーを鳴らすのが常識。ところが、このOVOにはアナログのアンプ回路は存在せず、0101……のデジタル信号を直接スピーカーに突っ込むという、常識外れ?の設計になっているのです。


PCから送られてきた信号をデジタルのままスピーカーへ届ける

この辺の詳しい話は、以前AV Watchの連載【藤本健のDigital Audio Laboratory】において「初のフルデジタルスピーカー『OVO』が、小さくても高音質な理由」という記事で書いたので、興味のある方はぜひご覧いただきたいのですが、やはり日本のベンチャー企業であるTrigence Semiconductorという会社が開発したDnote(ディーノート)というシステムを使うことで実現させています。このようなアナログ回路が皆無な設計にしたことで、スピーカーの直前まで、ノイズが入り込むリスクがなくなり、オーディオをデジタルのまま鳴らすことができるため、ノイズのない、高音質を実現できています。

また従来のパスパワー式のUSBスピーカーの場合、供給できる電力に限界があり、大きな音を出すの不可能でした。そこで、超大容量のコンデンサを使ったピーク・パワー・アシストという機能を搭載することで、USBからの小さな電力でも大きな音をしっかり出せるようにしているのです。

そんなOVO、すべてデジタル回路で構成されていることもあり、中にはマイコンも搭載されており、ファームウェアを更新することで、機能が進化するという仕掛けがされているんです。オーディオインターフェイスやデジタルシンセサイザでファームウェアを搭載したものはありますが、スピーカーにファームウェアが搭載されているなんて話、聞いたこともないですよね。そういう意味でもOVOは常識外れのスピーカーなのです。


GODJを開発するJDSoundの代表取締役、宮崎晃一郎さん

JDSoundの代表取締役、宮崎晃一郎さんは「OVOリリースして、まだ半年ですが、これまで大きく8回のファームウェアの更新を行い、現在の最新版は4月17日に出したバージョン7.2となっています。バージョンアップとともに機能・性能を向上させてきており、今後もさらに機能強化を図りたいと思っています」と話します。

その具体的な内容を少し紹介すると、当初44.1kHzのみの再生に対応していたものが48kHzさらには24bit/96kHz、そして24bit/192kHzへと対応していきました。またブラウザからOVOを設定できるようになったのも画期的なポイント。その設定内容としては、まずはイコライザです。5バンドのパラメトリックEQとなっており、設定した内容はOVO内部に記憶されるため、次回使用時にも引き継がれます。


PCのブラウザからUSBを通じてOVO内部にアクセスしてEQなどの設定が可能

ブラウザを通じて、OVOの内部にアクセスすることができ、EQの設定機能もその一つ

「このEQ設定をTwitterやFacebookでシェアする機能も搭載しました。実際『YouTubeの〇〇〇という曲は、この設定でキレイに聴こえる』といったツイートなどがされており、そのTwitterやFacebookにあるURLをクリックすると、その人がシェアしたEQ設定を自分のOVOに反映させることが可能になっています」と宮崎さん。


OVOサイトにあるEQギャラリー。さまざまなOVOユーザーのEQ設定を入手することができる

OVOサイトにはEQギャラリーという、みんなのEQ設定が一覧で見ることができるページがあるので、ここから人が作ったEQ設定を簡単に入手してすることができるわけです。反対にDTMで楽曲を制作している人の場合、OVOで聴く場合は、このようにしてほしい、と設定を公開する……なんて使い方も面白いかもしれませんね。


そのほかにもさまざまな設定項目が用意されており、ブラウザから設定できる

そのほかにも出力音量を一定に保つAUTO GAIN機能のON/OFFや低音域を3段階で調整するBASS BOOST、高音域を3段階で調整するHIGH BOOSTの設定、左右の入れ替え、低消費電力モードのON/OFF、さらにはLEDの点滅パターンの変更やLEDの色の指定、LEDの輝度の指定などができるようになっています。


左右に8つずつ搭載されているLEDをMIDI信号でコントロールできる

さらに、このファームウェアのバージョンアップの過程で、ちょっとトンでもないというか、バカバカしいというか……、とにかくとっても楽しい機能が搭載されました。それがMIDIでOVOのLEDをコントロールする、という機能なんです。OVOには左右に8つずつ、計16個のフルカラーLEDが搭載されており、通常は、再生する音の音量などに伴い、ピラピラとLEDの光り方が変わる仕掛けが施されています。しかし、LED Liveというモードにすると、MIDIのノート信号で、16個あるLEDを自由に光らせることが可能になるのです。

具体的なノート番号はこの対応表のとおり。つまり音程によって光らせることが可能でありR=赤、G=緑、B=青それぞれ別々に設定することが可能になっています。また、LEDの明るさはノートのベロシティーで設定できるようになっており、強く鳴らせば明るく、弱く鳴らせば暗くなる仕掛けです。


PC側からはMIDI入出力端子としてもOVOが見える

またLED LiveモードにするにはMIDIコントロールチェンジ=CCの#112に127を送ればONになり、CC #112に0を送ればOFFになる仕掛けになっています。実際、OVOをPCに接続していると、オーディオポートとして見えるのはもちろん、MIDIポートとしても見えるようになっており、ここにノート信号を送ればいいわけです。ちなみにMIDIチャンネルは1~16chのどこでも同じ結果になるようです。実際、動かしてみたのをビデオで撮影してみたので、ご覧ください。なお、MIDIのノート信号では、あくまでもLEDが光るだけであって、音は鳴らないですよ!

ところで、このOVOはフルデジタルのスピーカーではあるのですが、アナログ信号を入力して使う機能も搭載されているのも大きなポイントです。

「現在、発売中のOVOの初期ロットには、ADコンバータを搭載しており、付属のステレオミニーmicroUSBケーブルを利用することで、アナログ機器と接続することも可能になっています。ただ、高級なADコンバータを搭載したこともあって、ここに大きな製造コストがかかってしまうため、次期ロット以降はADコンバータは搭載しない予定です」と宮崎さん。


現在発売中のOVOはアナログ信号を入力することができる

シンセサイザなど楽器の場合、その大半はアナログ出力となっているので、それを接続するにはアナログ入力が必須。現在発売されているOVOであれば、それが可能なわけですね。この場合、microUSBのAUDIO端子にACアダプタからの電源供給が必要になります。実際、シンセサイザなどを接続しても、かなりいい音で鳴ってくれます。この機能はあくまでも現在発売中のロットに限られるので、買うなら早めがお勧めですよ!


光コンバーターによりS/PDIFのデジタルオーディオ信号をOVOに入れられるようになると話す宮崎さん

そして、このタイミングでもう一つユニークなオプションが登場しました。それが光コンバーターというもの。これは液晶テレビをはじめとする家電などに搭載されている光デジタル(S/PDIF オプティカル)端子と接続し、デジタルのままOVOを鳴らすことができるというもの。プロトタイプの光コンバーターを試してみましたが、簡単に接続でき、キレイな音で鳴ってくれます。


光コンバーターのプロトタイプ。この光入力端子にS/PDIFの光ケーブルを接続するとOVOから音が出る

またここにはテレビなどのIRリモコンを受信して音量を調整する機能も搭載されています。この光コンバーター自身が学習機能を持っているので、使ってないリモコンを利用してOVO用に学習させて使用するとよさそうですね。


各種リモコンからの信号を受信し、学習することができる

「現在の液晶テレビは、どれもデザイン重視で設計されていて、スピーカーがおざなりになっています。そのためOVOを組み合わせて使うことで、断然いい音で聴くことができると好評です。しかし、せっかくフルデジタルのスピーカーなので、デジタル接続したい、という要望を多数いただいたので、テレビの光デジタル端子と接続できるように、光コンバーターを開発しました。テレビで使うことも想定し、IRリモコン対応させているのです」と宮崎さんは解説してくれました。


液晶テレビと接続することで、テレビの音を劇的に向上させることができる

楽器の場合、光デジタル出力を持ったものはあまりなさそうですが、確かにテレビとの組み合わせというのは良さそうですね。現在、クラウドファンディングで光コンバーター単体および光コンバーターとOVOの組み合わせも安く販売されているので、これを入手するのもよさそうですよ。もちろん、この光コンバーターとの組み合わせのOVOもADコンバーターは搭載されているので、アナログ入力ができるようになっています。

【関連情報】
OVO製品情報
「OVO・OVO光コンバータ」クラウドファンディング
OVO・EQギャラリー
JDSoundサイト

【価格チェック&購入】
◎GREEN FUNDING ⇒ OVO・OVO光コンバータ
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