DTMで楽曲を打ち込む上で、そして自分で楽器を演奏する上で、まず最初に重要になることのひとつが耳コピですよね。譜面が入手できるものならば、それを利用するのが簡単ですが、譜面がない場合、そこにお金を投じてまでも…と思う場合、そもそも譜面なんて信じられないという場合もあるでしょう。そうなると耳コピとなるわけですが、慣れている人ならともかく、そうでないとかなり敷居の高い作業だとは思います。

そんなときに、やはり大きな助けになるのがコンピュータの力です。先日紹介したRolandのR-MIXCelemonyのMelodyneなども耳コピで大きな力を発揮してくれますが、今回は別のツールを紹介してみましょう。モノは以前にも紹介したドイツMAGIXの初心者向けDAW、Music Maker MXです。ここにはリミックス・エージェントハーモニー・エージェントという自動解析してくれる機能があるのこれを利用してみます。


Music Maker MXを使って自動コード解析を行ってみる
このMusic Maker MX、12,000円程度で購入できるDAWで、いろいろな面白い機能がテンコ盛りになっている不思議なソフト。先月もボーカルエディット機能について紹介しました。SONARやCubaseなどとは操作感が異なるので、慣れないとちょっと戸惑う点はあるかもしれませんが、MIDIもオーディオもソフトシンセもエフェクトも一通り何でも使える立派なDAWです。

今回はMusic Maker MXにMP3やWAVファイルなどを読み込む際に自動的に起動する機能を見ていきます。画面下に表示されるファイルマネージャーを利用することで、手持ちのMP3ファイルやWAVファイルなどをトラックへと読み込むことができます。この際、小さなループ素材の場合、そのままトラックへと貼り付けられるのですが、数分といった大きなデータの場合、「テンポとビート認識」というダイアログが表示され、「大きいファイルにはリミックスエージェントを使用」というメッセージが現れます。そのままOKを選ぶとリミックス・エージェントが起動してきます。


大きいファイルを読み込むとリミックスエージェント起動のダイアログが現れる

このリミックス・エージェントでは、まずビートを検出して、テンポと小節解析をしてくれます。それなりにビートがしっかりした曲ならばほとんど問題なく自動的に解析してくれます。ただ、DAWを使わないでレコーディングした古い曲などテンポが大きく揺れている場合には、途中からビートがズレてくる可能性はありますが、コード検出そのものができないわけではないので、とりあえずそのまま進めていきます。


ビートを自動的に検出し、小節線をつけてくれる
 
またビートが弱い曲の場合、裏拍で検出されたり、半分のテンポで検出されてしまったり……ということもありますが、その場合は実際に曲を聴きながらリズムに合わせてマウスをクリックするテンポタップを使うと、簡単にドンピシャに合わせてくれます。


テンポタップを利用するとドラムのないような曲でも大丈夫

さらに画面を進め「リミックスオブジェクトを生成」を選ぶとともに「ハーモニー・エージェントを呼び出す」にチェックを入れると、コード解析をしてくれ、その状態で再生させると、曲に合わせて解析した結果のコードがバックで鳴ってくれるのです。ちなみにこの「リミックスオブジェクトを作成」を選んだ場合は、基本的に4小節ごとに分解されるため、後で自由に組み替えてアレンジに利用できるというメリットもあります。曲を分割させたくない場合は「リミックスオブジェクトを生成」に以外を選べばいいわけです。


ハーモニー・エージェントを呼び出す

まあ、これで完璧に解析して正しいコードになるとまではいえませんが、7割程度の確率でそれっぽいコードが表示されるので、耳コピにおける大きな参考にはなるのではないでしょうか?


コードが自動解析される 

必要に応じて手動修正もできますが、とりあえずデフォルトの設定「アレンジメントのコードを生成」、「オーディオファイルにハーモニー情報を保存」に入った状態で、「適用」をクリックすると、Music Maker MXのトラックには、今指定したMP3ファイルがトラックに貼り付けられるとともに、コード情報を示すビデオデータが別トラックに生成されるようになっているのです。


一通り終えるとMusic Maker MXのトラックにコード情報とともに読み込まれる

このビデオトラックにはギターのフレットのどこを押さえればいいかがグラフィカルに表示されるので、これもちょっと便利そうですよね。もちろん、そのままビデオ出力することも可能なので、試しに作ってみました。

ニコニコ動画の規約を確認したところランティスの楽曲であれば著作権処理がされるので、UPしても大丈夫とのことなので、2曲ほど作ったわけですが、たとえばGod Knowsの場合はビートがハッキリしているので、ファイル指定から解析終了まで30秒ほどでできてしまいます。

 
「涼宮ハルヒの憂鬱」の劇中歌God Knowsを解析してみた

一方のanamnesisの場合は、ドラムがなくビートが弱いこともあり、タップ機能でビート指定をしましたが、すべてをタップに頼るのではなく、ピアノのビートにうまく合わせてくれるので簡単にピッタリと合わせてくれました。まあ、最初のコードがEで表示されていますが、これはBではないのか……など、明らかなミスも目立ちますが、少なくとも使うコードは検出されていますから、役には立ちそうですよね。

 
Anotherのエンディング、anamnesisを解析してみた

このように自動生成されたビデオの場合、コード変更のまさにそのタイミングでフレットを抑える位置の表示が変わるようになっています。そのため見ながら弾くのであれば、ビデオを音より1拍分程度先に表示されるようにトラック修正したほうがいいかもしれませんね。

このMusic Maker MX、とりあえず30日間は無料でフル機能が試せる体験版が配布されているので、気になる方は試してみてはいかがですか?


【関連サイト】
Music Maker MX Producer Editionの製品紹介
 
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