超優秀な人工知能DTMアシスタントOrb Producer Suiteの新Verが登場!MIDIインポートやMIDIエディタ、ベロシティマップが追加され、さらに便利に

以前DTMステーションで紹介した、人工知能を用いて作曲を手助けしてくれるプラグインOrb Producer Suiteの新バージョン、Orb Producer Suite 2.0がリリースされているのをご存知でしょうか? MIDIエディタが追加され、生成されたメロディーやコードをエディットできるようになったり、ベロシティマップが追加されたことにより、幅広い表現が可能になりました。さらに、オリジナルMIDIファイルのインポートが可能になったので、自分で打ち込んだメロディーに対して、Orb Producer Suite 2.0がコードとパターンを生成してくれたりと、かなり強力な進化を遂げています。もちろん旧バージョンのOrb Producer Suiteユーザーは、Orb Producer Suite 2.0へ全員無償でバージョンアップが可能なので、すぐに入手することをお勧めします。バージョンアップしたOrb Producer Suite 2.0の価格も従来と変わらず、12,500円(税込)。年末セールなどは行われていなませんが、DTMステーション読者限定で1月5日まで8,125円(税込)という特別価格で入手できる手段があるので、記事の最後で紹介しておきます。

AIにより動作するOrb Producer Suite 2.0は、超優秀なDTMアシスタントとして制作を手助けしてくれるので、DTM初心者にもお勧めな便利なプラグイン。コード進行、メロディーライン、ベースライン、アルペジオフレーズを自動で生成してくれて、そこから編集が可能なので、どんどん自分の楽曲に応用させていくことができます。とりあえずフレーズを生成するだけでも、新しいアイデアを思い付くきっかけを作ることができるし、普段思いつかない角度のフレーズが無限に生成されます。ちゃんと使えるレベルのフレーズを生成してくれるから、すごいわけですが、新バージョンで何がかわったのかなど、バージョンアップポイントを紹介してみましょう。

超優秀な人工知能DTMアシスタントがOrb Producer Suite 2.0にアップデート


以前書いた「コード進行やフレーズを生成するAIプラグインが発売開始。Orb Producer Suiteは、超優秀なDTMアシスタントだった」でも紹介している通り、Orb Producer Suiteは、
Orb Chords-コードバッキング
Orb Melody-メロディーライン
Orb Bass-ベースライン
Orb Arpeggios-アルペジオフレーズ

を担当するプラグインがバンドルされた製品。この4つのプラグインが1つとなって機能し、必要に応じてコード進行からフレーズの生成、リズムパターン作成まで任せることのできます。Orb Producer Suiteは、フランスのHexachords社が開発をしており、以前より発売されていたOrb Composerというスタンドアローンの自動作曲ソフトのプラグイン版。WindowsでもMacでも使うことができて、VST3またはAUプラグインに対応しているので、ほぼすべてのDAWで利用することが可能です。人工知能によって、いい感じのコード進行やフレーズ、リズムパターンを生成してくれるので、DTM初心者の強い味方になってくれるし、長年作曲をしてきている人にとっても新しいアイデアを思い付くきっかけを作ってくれます。

Orb Chordsをメインに4つのプラグインで構成されている

記事の反響も大きかったので、すでにOrb Producer Suiteを使っている方も多いと思います。以前のバージョンでも十分便利だったのですが、Orb Producer Suite 2.0になって主に以下のような機能が追加されました。

MIDIファイルの読み込み対応
ベロシティ設定の追加
MIDIキーボードからコードを入力に対応
MIDIエディタの追加
付属のシンセに「サブオシレーター」「ノイズオシレーター」「ユニゾン」が追加

MIDIファイルの読み込み対応から紹介すると、これは自分で作ったメロディーラインなどのMIDIファイルを読み込ませることで、自動でコード進行やベースライン、フレーズを生成してくれる機能です。使用するには、まずプラグイン内の「Harmonize」をクリックして、用意したMIDIファイルを選択します。

「Harmonize」をクリックして、用意したMIDIファイルを選択

その後、表示されるMIDI TYPEで、読み込むMIDIファイルがメロディーなのかベースなのかなどを設定し、TIMEで拍子と小節数を設定、TONALITYでキーを設定します。

ダイアログ画面で詳細を設定

設定が終わり「Harmonize」を押すと、自動でコード進行が生成され、Orb Chords、Orb Melody、Orb Bass、Orb Arpeggiosがこのコード進行に合わせて、フレーズなどを生成してくれます。たとえば、自分が作ったフレーズのキーが分からなくても、TONALITYでは、MIDIファイルの内容からキーを判断してくれたりと、かなり使いやすい機能となっています。もともとある機能として、生成されたコード進行を個別に変更することもできますし、コードを固定してフレーズを自動生成し直してもらうことも可能です。

読み込んだMIDIファイルをもとにコード進行が生成される

ただし、読み込んだMIDIファイルはOrb Producer Suite 2.0で再生されるわけではなく、あくまでコード進行生成用に読み込んだだけなので、自分が作ったメロディーのMIDIファイルを再生させる場合は、別途トラックを作って鳴らせる設定をする必要があります。

自分が作ったメロディーのMIDIファイルを再生させる場合は、別途トラックを用意する

次にベロシティ設定の追加ですが、これは左下に配置してあるセクションからアクセスできる機能で、Orb Producer Suite 2.0から、ここにノートとベロシティというタブが追加されているので、これを切り替えて使用します。ノートには今まで搭載されていたフレーズ内容の設定をできるページで、ベロシティがベロシティ設定を行うページとなっています。

ノートとベロシティというタブが追加されている

上3つのパラメーターは、特定箇所のベロシティを一括で調整できるパラメーターとなっており、以下のように動作します。

STRONG BEAT 1拍目/3拍目の強拍を一括で調整
WEAK BEAT 2拍目の弱拍を一括で調整
OFF BEAT 上記以外のノートを一括で調整

また、下3つのパラメーターでは、ベロシティのランダマイズ具合を調整できるパラメーターとなっています。

STRONG BEAT 1拍目/3拍目の強拍のランダマイズ具合を調整
WEAK BEAT 2拍目の弱拍のランダマイズ具合を調整
OFF BEAT 上記以外のノートのランダマイズ具合を調整

これらのベロシティを使うことで、DAWに搭載されているヒューマナイズのような機能をOrb Producer Suite 2.0上で使うことができるので、生成されたフレーズの表現をもっと複雑にすることが可能になったわけです。また左側のスライダーからは、全体のベロシティを調整することも可能です。さらに真ん中の「ORB」ボタンでは、ここのパラメータを自動的に変化していき、上下のオンオフボタンを押すと、そこに対応しているパラメータを固定しながら、ランダムにフレーズを生成してくことができます。

「ORB」ボタンを押すと、ランダマイズすることが可能

MIDIキーボードからのコード入力にも今バージョンから対応しており、コードが表示されているところの少し上にある鍵盤ボタンをオンにすることで、MIDIキーボードを演奏した際に、コード変更が行われるようになっています。地味ながらも使える機能ですね。

MIDIキーボードからのコード入力にも対応

さらに、MIDIエディタの追加が追加されたので、DAWのピアノロールでノートを調整するかのごとく、Orb Producer Suite 2.0上から、ノートを追加したり、ピッチや長さをエディットできるようになっています。わざわざ、DAW側にドラック&ドロップしてからエディットする必要がなくなったので、自動生成されたフレーズを自分好みにカスタマイズしてから、DAWに持っていくことができます。また下のベロシティバーも普通に調節可能なので、さきほど紹介したベロシティの自動調整も使いつつ、手動でも動かせるようになっています。

MIDIエディタが追加された

そして、付属しているウェーブテーブルシンセに「サブオシレーター」「ノイズオシレーター」「ユニゾン」が追加され、さらに本格的なものへと進化しています。実はこのシンセ自体、「Orb Synth」という名前で独立したインストゥルメントとして8,800円(税込みで販売されています。もし、生成したフレーズを鳴らしているシンセの音を使いたい場合は、Orb Synthを購入する必要がありますが、2つのオシレーター、フィルター、エンベロープ、LFOにモジュレーション、エフェクトが搭載された、いい音のするシンセなので、Orb Producer Suite 2.0用としてでなくても、普通に力を発揮してくれると思いますよ。

本格的なウェーブテーブルシンセOrb Synthも単体で販売されている

以上がOrb Producer Suite 2.0の進化点とその概要でした。そのほかUIに動きが追加され、よりスタイリッシュになっていたり、今後の進化が楽しみでもありますね。また、創業者でCEOのRichard Portelli(リチャード・ポルテッリ)さんにメールでいくつか質問してみました。

 

--Orb Producer Suite 2.0、非常にユニークなプラグインですが、これはどのような経緯から誕生したのでしょうか?
リチャード:以前リリースした作曲アプリOrb ComposerのためにOrbテクノロジーというものを開発しました。Orb Composerリリース以降、このOrbテクノロジーを使ったプラグインがほしいという要望が大きかったため、Orb Producer Suiteは誕生しました。

--AIを使っているとのことですが、この自動的に曲を生成する仕組みがどうなっているのか、簡単に教えてもらえますか?
リチャード:Orb Producer Suiteは、ディープラーニングと作曲アルゴリズムをミックスした技術を使っています。異なるフレーズがリズム的に、あるいはカッコよく相互作用するように設計しているのがポイントです。たとえばベースとメロディーとかですね。このアルゴリズムでは、ユーザーがより好みに合ったものに変更できるようにしています。つまり、ユーザー自身の音楽的アイデアも盛り込めるわけです。

--今回Orb Producer Suite 2.0へと進化しましたが、今回のバージョンにおける1番のポイントはどこですか?
リチャード:最も大きな部分はMIDIファイルを読み込んで、それを元にハーモナイズをする機能です。これによってワークフローが向上します。ほかにもベロシティマップが追加されています。これによってビートのアクセントを自在に設定できるわけですね。例えば表の拍だけ強くするとか、それ以外の拍を強調するとかが、簡単にできます。
--今後、Orbはまだ進化していくのでしょうか?
リチャード:もちろんです。現在Orb Orchestraという新製品を開発中なんですよ。

--日本のユーザーへ一言コメントをお願いします。
リチャード:日本人アーティストは才能がある人が多いと思っています。特にアバンギャルドな分野に関してですね。彼らは常に新しいことに挑戦していて、ルールに縛られないというか、自分の方法をクリエイトしているように思います。インスピレーションを大事にしていますね。作曲家の武満徹さんはまさに好例で、日本のアーティストの天才的な部分を象徴しているといえます。日本独自の感覚と西洋音楽の素晴らしい融合です。私は、新しいアイデアを探すときは、日本のデザインや建築の本を読むんですよ。なぜならそれらは、いつも多くの創造的なアイデアをもたらしてくれるからです。そうした日本のみなさんにこの、Orb Producer Suiteはきっと役立つツールになると思います。ぜひ、多くの方に活用していただければと思っています。

 

冒頭でもお伝えしたようにOrb Producer Suite 2.0の価格は、以前のバージョンと変わらず12,500円(税込)。そして、DTMステーション読者限定・期間限定で8,125円で購入できる最後に紹介しておきましょう。方法は簡単で、beatcloudからOrb Producer Suiteを購入する際に、

クーポンコード: ORBPDTM35

を入力すれば、35%オフが適用されます。またOrb Synthについても

クーポンコード: ORBSDTM50

を入力することで、半額の4,400円(税込)でゲットすることが可能です。Orb Producer SuiteもOrb Synthも期間は1月5日まで。過去一番安く手に入るタイミングなので、この機会にぜひゲットしてみてはいかがでしょうか。

※既にOrb Producer Suiteの初期バージョンをbeatcloudから購入された方は、購入時に受け取った同じダウンロード先リンクから、再ダウンロードすると新バージョンのOrb Producer Suiteになります。 

【関連情報】
Orb Producer Suite製品情報

【価格チェック&購入】
◎beatcloud ⇒ Orb Producer Suite
◎beatcloud ⇒ Orb Synth

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