BITWIG STUDIOとKEYLABのコンビネーションがとってもスマート

DTMにおける必需品、MIDIキーボード。何かいいものがあったら欲しいな……と思っている人は少なくないと思います。そんな中、いまオススメなのが、ArturiaKEYLAB(キーラボ)と今年話題のDAWであるBITWIG STUDIO、それにMiniMoogを再現するソフトシンセMINI VをセットにしたKEYLAB PRODUCER PACKです。

先日、「ArturiaがBITWIGとタッグ!?KEYLABとのセット製品が安すぎる!」という記事で紹介したこのKEYLAB PRODUCER PACKを試すことができたので、実際にどんなものなのかを紹介してみたいと思います。


BITWIG STUDIOとKEYLAB、MINI Vのセット製品、KEYLAB PRODUCER PACKを試してみた



まず、KEYLAB PRODUCER PACKの概要から説明すると、これは以下のようにDAWであるBITWIG STUDIO、USB-MIDIキーボードであるKEYLAB、そして2種類のソフトウェア音源から成り立つセット商品。

USB-MIDIキーボード KEYLAB 25/49/61
DAW BITWIG STUDIO
ソフトウェア音源 ANALOG LAB
MINI V

それぞれのメーカー小売価格を見ると以下の通りとなっており、実売価格はこれらよりも2割程度安くなっていることが想定されます。

BITWIG STUDIOは久しぶりに登場した、まったく新しいDAWであるだけに、ちょっと試してみたいという人も少なくないと思いますが、セットで買うと、すごく割安なので(BITWIG STUDIO単体の実売想定価格は41,000円)、これを機会にチャレンジしてみるのはよさそうですよね。


今年3月に誕生した新DAW、BITWIG STUDIO 

とはいえ、気になるのは、なんでBITWIG STUDIOとKEYKABがセットになっているのか?という点でしょう。KEYLAB自体は物理的にはコントローラ付のUSB-MIDIキーボードということになるのですが、実際にこれをWindowsマシンやMacと接続すると、楽器になります。KEYLABに標準でバンドルされるANALOG LABというソフトを起動すると、一心同体となり、まるでアナログシンセサイザを使っているような感覚でノブを動かしながら演奏することができるのです。


手動で設定させる必要はあったがCubaseでもKEYLABを使うことができた 

もちろんCubaseやLogic、SONAR、StudioOne、Ability……といった各種DAWでも使うことはできるのですが、BITWIG STUDIOとの連携がとくに優れていて、とってもスマートに使うことができるのです。

今回使った49鍵のKEYLAB 49 

その具体的なポイントを紹介していきましょう。まずBITWIG STUDIO、ANALOG LAB、MINI VそしてKEYLABのドライバやユーティリティソフトなどをインストールした状態で、USBでPCと接続します。今回入手したのは49鍵のKEYLAB 49で、結構大きい機材ではありますが、USB電源だけで動作するようになっています。


BITWIG STUDIOがKEYLABを見つけてくれ、すべて最適な状態に自動設定される

ここでBITWIG STUDIOを起動して、コントローラを検出させると、即KEYLABを見つけてくれて、自動的に最適なセッティングにしてくれるのです。KEYLABの液晶パネルには「Artira & Bitwig Let’s Groove!」って表示がされるんですよね。


どのパラメータがどこに割り当てられているかを示すプリファレンス

ここで「?」ボタンをクリックしてみると、各パラメータに何が割り振られているのかを示すプリファレンスが表示されます。必要あれば、これをプリントアウトしておけば、もうそれだけでBITWIG STUDIOの操作がすべてKEYLABからできてしまうといっても過言ではないのです。


このトランスポーズボタンで、BITWIG STUDIOをリモートコントロールできる

まずはトランスポーズボタンを押すことで、プレイ、REC、早戻し、早送り、ストップ、ループと操作できるのは、まあ、ほかのキーボードでもたいていできるので、そう珍しいことではありません。


液晶ディスプレイ下の「Sound」、「Multi」および液晶ディスプレイ右の「Bank 1」、「Bank 2」でモードを切り替える 

でも、ここでチェックしておきたいのが、いくつかのモードがあるということ。起動時にはSoundモードのBank 1という状態になっているのですが、このBank 1というのばBITWIG STUDIOを操作するためのモードであり、現在選択しているトラックを変更したり、そのトラックのパラメータを動かしたりといったことができるようになっています。


ノブやボタンを触ると、いま動かしているパラメータが液晶ディスプレイ上に表示される 

この際、何の操作をしているのが画面を見て分かるだけでなく、KEYLABの液晶パネルにも表示されるので、分かりやすいですね。先ほどの図にもあったとおり、このノブだけでなく、フェーダーも各パラメータが割り振られているわけです。したがってマウスに手をやることなく、KEYLABのコントローラで操作できてしまうんですね。

各フェーダーでBITWIG STUDIOのミキシングコンソールを操作できる

さらにSoundモードからMix/Multiモードへと変更すると、中央にあるフェーダーがBITWIG STUDIOのフェーダーへと変身します。フェーダーは全部で9本ありますが、一番右のフェーダーがマスターフェーダーの役割となっています。もちろんPANの設定やエフェクトへのセンド量の設定など、通常必要なパラメータはみんな割り振られているから分かりやすいところです。


Bank 2のArturiaモードにすると、BITWIG STUDIO上のMINI Vをフルコントロールすることができた

今度は、ソフトウェア音源であるMINI Vのトラックを作成した上で、KEYLABをBank 2に切り替えます。このBank 2がArturiaモードといわれるもので、KEYLABの各パラメータはArturiaの各ソフトウェア音源に最適化されるようになっています。MINI Vの場合、MiniMoog風な画面の各パラメータが各ノブ、フェーダーに割り振られており、ここに触れると液晶パネルにはどのパラメータをいじっているのかがすぐに表示されるので、マウスで操作するよりも圧倒的に使いやすいし、液晶パネルを見ていれば、マニュアルなど不要ですね。


KEYLAB付属音源であるANALOG LABももちろんフルコントロール可能

もちろん、ANALOG LABを起動しても同様です。ANALOG LABについては以前の記事「アナログ全部入りソフトシンセ、Analog Lab & MINILABを使ってみた」でも紹介しているので、そちらを参照していただきたいのですが、一言でいえばArutiraのアナログモデリングシンセサイザをすべて1つにまとめた強力な音源です。

前述のMINI Vもここに入っており、まったく同じ音が出せるのですが、違いはパラメータです。ANALOG LABの場合、フィルターやエンベロープなどキーとなるパラメータのみがいじれるようになっていて、MINI Vのすべてがいじれるわけではないのです。そのためゼロから音色づくりを行うのではなく、プリセット音色を使って多少調整するという使い方が基本となるのですが、イイトコ取りの使える音源であることは間違いありません。

別売のArutiraのアナログモデリングシンセサイザ、PROPHET Vとの連携も可能
またMINI VやPROPHET V、JUPITER-8Vなどオリジナル音源がインストールされていれば、ANALOG LABから引き継いで全パラメータのエディットができるようになるのも面白いところです。

このようにBITWIG STUDIOとKEYLABを組み合わせることで、非常に快適なDAW環境を構築することができるのです。もちろん、すでにほかのDAWを使っている人でも、一風変わった最新のDAWであるBITWIGと使い分けてみるというのも面白いし、従来のDAWでKEYLABを活用することはできます。当然、それらのDAW上で、ANALOG LABやMINI Vを使うこともできるので、いろいろな使い方ができるはずです。

このKEYLAB PRODUCER PACKは数量限定の製品とのことですので、なくならないうちに入手しておくとよさそうですよ。

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