Ableton Live内蔵のハードウェア、Push 3が誕生!パソコン不要でどこでも持ち運べる音楽制作環境を

Abletonが画期的ともいえるハードウェア、Push 3を発表と同時に発売を開始しました。今回登場したPush 3はハードウェア内部にCPUやメモリ、SSDなどを搭載するスタンドアロン版(税込価格:258,000円)と、プロセッサを内蔵などせずMac/PCと接続して使うことを前提とするコントローラ版(税込価格:128,000円)の2種類。スタンドアロン版のほうはコンピュータと接続せずに、Push 3単体で使うことができるのが大きな特徴となっています。

正式な製品名としてはバージョン表記はなく単に「Push」となっており、これまでのPushの後継で、第3世代目のもの。初代のPush 1、第2世代のPush 2と同様、8×8のパッドを備えている点は共通ですが、Push 3はPush 2の50~100倍のセンシティビティを持ったことにより、パッドのどこを触ったのかも細かく検知することで演奏表現をコントロールできるMPE対応になっているのも大きな特徴です。近日中に詳細レビュー記事を掲載する予定ですが、まずはPush 3がどんなものなのか簡単にレポートしてみましょう。

スタンドアロンで動作するPush 3が誕生

今回、発売されたPush 3は

・スタンドアロン版Push 3
・コントローラー版Push 3

の2種類があるわけですが、実は見た目も大きさもまったく同じ。入出力やパッドやノブ、ボタン類の大きさまでまったく同じだから、見かけ上の区別はつきません。それもそのはず、実際まったく同じなのですが、違いは内部のスロット部分にプロセッサが入っているかどうかなんです(そのためスタンドアロン版のほうが3.95kgと840gほど重い)。そして、そこにプロセッサというかコンピュータ・コンポーネントを入れれば、コントローラ版のPush 3をスタンドアロン版にアップグレードできる、という関係性を持っています。

第3世代目となったPush 3

そのコンピュータ・コンピュータというのは、Push 3用に独自設計されたIntel NUC Compute Elementというクレジットサイズののもので、ここにIntelの11世代Core i3とメモリ、SSD、Wi-Fiが入ったものとなっています。このコンポーネントはアップグレードキットとして2023年末に発売される予定で、価格は138,000円とのこと。つまり、とりあえずはコントローラ版のPush 3を入手し、必要になったらアップグレードキットを使ってスタンドアロン版にする……ということも可能なわけです。

Push 3をひっくり返すと左側にフタがある。ここを開けてアップグレードキットを入れることができる

さて、そのPush 3はもちろんPush 2の機能、考え方をそのまま引き継いでおり、音楽制作に必要なすべてを指先ひとつで操作できるインストゥルメントである、という位置づけ。別の見方をすればAbleton Liveのフィジカルコントローラですが、単にLiveをコントロールするというよりも、コンピュータ側の画面を見なくてもPushだけですべての操作ができ、パッドを叩くいて演奏もできるなど、マウス操作だけではできないことも実現してくれる、というものです。

8×8のパッドはMPE対応となっている

Push 3ではPush 2の操作性を大きく向上させるとともに、さまざまな機能強化を図っています。まずは8×8=64個あるパッドがMPE対応になっているという点です。縦方向、横方向それぞれ指の圧力と配置を検知し、ノートごとの繊細なコントロールを可能にしています。ベンドやスライドさせたり、コード内の特定の音だけをフィルターやエフェクトを適用できるなど、1つのパッドで複数のアーティキュレーションが表現可能となっています。

実際に少し試してもらったのを撮影してみたので、以下のビデオをご覧ください。

これを見れば、パッドが単なるボタンではないことがすぐにわかると思います。パッドのどこ位置を、どのくらいの強さで触れるのか…によってピッチや音色を変えたり、シンバルのどこを叩いているのかを変化させたり、ハイハットの開き具合を調整する……といったことが可能になっているのです。

一番気になるのがスタンドアロン版がどんなものなのか、という点でしょう。一言で言ってしまえば、Push 3内にAbleton Live 11が入っているということ。具体的にはLive 11 Introが入っているため、パソコン側でLiveを起動して、USB接続するのと同等のことができてしまうのです。

でも、すでにStandardとかSuiteなど、上位版のエディションを持っている…という人もいるはず。その場合、このPush 3とパソコンを同じWi-Fiに接続した上で、番号を入力する形で連携させると、StandardやSuiteがすべてPush 3上にコピーされて、使えるようになるのです。ただし、インストゥルメントやエフェクトはLive標準のもののみで、プラグインは対象外の模様。この辺は近日中に詳しくチェックしたいと思います。

Push 3と同じWi-Fiに接続した上で番号を入力することで、連携させることができる

もう一つPush 3の大きなトピックスはここにオーディオインターフェイス機能が搭載されている、という点。これはスタンドアロン版もコントローラ版も共通であり、最高で24bit/96kHzまで対応し、10in/12outという仕様になっています。この辺も詳細をチェックしてレポートしますが、ADATの入出力があるので、この数となっているようですね。

Push 3のリアパネル。オーディオの入出力のほかCV/GATE出力も可能

さらに、CV/GATEの出力も2系統搭載しているのも大きなトピックス。以前「まだまだ進化が続くAbleton Live。10.1のリリースに続き、モジュラーシンセと連携を可能にするCV Toolsを公開」という記事で、Ableton LiveでCV/GATEのコントロールができることを紹介しましたが、このCV Toolsも進化しており、それをPush 3で標準サポートしたということのようです。

とりあえず第一報ということで、AbletonのPush 3について紹介しましたが、本日より国内でもスタンドアロン版、コントローラ版ともに発売が開始されています。発売されたばかりのスタンドアロン版を、間もなく借りることができるようなので、細かな部分など分かり次第お伝えしていきます。もし、チェックしてほしいポイントなどありましたら、TwitterやFacebookページにコメントいただければ、と!

なお、自分でも直接触ってみたいという方は、東京・中目黒にあるAbletonのテックラウンジスペースに行くことで試すことができる、とのこと。予約が必要となりますが、テックラウンジではスタッフに機能や使い方を聞いたり、購入相談もできるとのことなので行ってみてはいかがでしょうか?

【関連情報】
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