商用利用も可能な音声素材集、ぴた声をAHSが発売開始。膨大なWAV素材管理に便利なぴた声アプリは無料配布

AHSぴた声という音声素材集を発表し、9月29日よりダウンロード販売サイトより発売が開始されます(現在、予約受付中)。ついなちゃん京町セイカフリモメンといったキャラクタの声や若い男性おばあさんの声など、発売時のラインナップは10種類。「フォローしてね」、「お疲れ様です」、「本日もご視聴ありがとうございました」……といった、実況系動画などにすぐに活用できる音声素材が900~1,300程度が詰まって1本1,500円(税込)という手ごろな価格での発売です(京町セイカのみ収録数200で、価格は600円)。

いずれも24bit/48kHz・モノラルのWAVファイルなので動画素材として利用してもDAWに読み込んで使うこともできます。さらにAHSが無料配布を開始する「ぴた声アプリ」を利用すれば、より簡単に検索できるようになるとともに便利に活用可能になります。しかもこのアプリ、ぴた声のライブラリに限らず、一般のWAVファイル素材集やループ素材集を管理するのにも便利に利用できるというもの。実際に試してみたので、ぴた声とはどんなものなのか紹介してみましょう。

9月29日にAHSから発売が開始される、ぴた声

「ぴた声って何?」という方も多いと思うので、まずは、以下の1分ほどの紹介ビデオをご覧になってみてください。

なんとなく雰囲気はお分かりいただけたのではないでしょうか?まさに今すぐ便利に使えそうなセリフが膨大に詰まった音声素材集というわけです。今回リリースされるのは、以下の10種類。

ぴた声 特徴 CV
彩澄しゅお ぴた声シリーズのキャラクタとして誕生した10歳の女の子。彩澄りりせの妹 櫻井海亜
彩澄りりせ ぴた声シリーズのキャラクタとして誕生した16歳の女の子。彩澄しゅおのお姉さん 本宮佳奈
御手師マリー 弦巻マキに憧れてギターを始めたjamバンドメンバー。良家のお嬢様でヴァイオリンが得意。一人称は「ぼく」 伊藤ゆいな
フリモメン AHSストアやAHS公式生放送でおなじみの「フリモメン」。2006年の誕生以来、初めて声がついた 古賀明
ついなちゃん 現代に生きる方相氏(鬼退治師)の女の子 門脇舞以
京町セイカ 京都府精華町の広報キャラクタ 立花理香
若い男性 「20代くらいの若い男性」の声の音声素材集 加瀬英臣
若い女性 「20代くらいの若い女性」の声の音声素材集 若守みづき
おじいさん 「おじいさん」の声の音声素材集 赤地紅河
おばあさん 「おばあさん」の声の音声素材集 鈴木咲

「いかにもアニメキャラっぽい声はどうも……」という方でも、若い男性、若い女性の声などは抵抗なく、ごく普通に使えると思うので、幅広い活用ができそうです。実際にそれぞれの声を聴いてみたいという方は、YouTube上に再生リストがあるので、ここからチェックしてみてください。

ぴた声は24bit/48kHzモノラルの音声データが数多く収録された音声素材集(画面はSOUNDFORGEでぴた声を読み込ませたもの)

ぴた声は「いろいろな場面にぴたっとハマる」がコンセプトなので、音楽でも実況でも動画編集でも、幅広い用途で伝えるものとなっています。

それぞれ1,000程度の音声素材が収録されている

数多く用意されているセリフを利用できるだけでなく、いろいろなバリエーションがある相槌などを使うことで、なんとなく会話を成り立たせてしまうことが可能になっているのです。

したがって、ぴた声は音楽作品そのもので使うのはもちろん、音楽番組としてYouTubeにUPする際に「チャンネル登録お願いします!」といったセリフを挟み込む形での利用に便利です。もちろん、VOICEROIDやCeVIO AI Talkと一緒に利用するのも手。声のキャラクタが異なるので、掛け合いなども簡単に実現できるという意味では大きいですよね。

一方で、「VOICEROIDやCeVIO AI Talkなどでしゃべらせたほうが早いのでは?」と思う方も少なくないでしょう。とくにCeVIO AI Talkなど、人のしゃべり声との差がなくなってきているので、そちらのほうが汎用的で、使いやすい面もあるとは思います。ただし、VOICEROIDやCeVIO AI Talkなどの場合、商用利用には制限があるため、YouTubeなどで収益をあげる目的の場合、線引きが難しかったり、正式に見積もるとかなり高価であった……というケースが少なくありません

ぴた声は商用利用および業務利用が可能となっている

それに対し、ぴた声は商用であっても自由に利用可能という点は大きなメリットになるはず。しかも1,000前後の言葉が1,500円で入手できてしまうのですから、かなりお手頃。この価格で、商用利用、ビジネス利用を可とした音声素材集って過去になかったのではないでしょうか?

AHSが無料配布を開始するぴた声アプリ

そんな便利な音声素材集、ぴた声ですが、1,000近いファイルをどう管理すればいいのか、どうやって目的の音声データを見つけ出すか…となると、扱いが面倒そうです。そこでAHSがフリーウェアとして9月29日に公開するのが、ぴた声アプリというもの。これはWindows専用のアプリなのですが、とっても便利に使うことができます。

ぴた声アプリをインストールし、ダウンロード購入したぴた声のフォルダを指定すると、セリフが一覧で表示され、テキストで検索することもできます。セリフを選んで再生ボタンを押せば、その場で音を確認することもできるし、お気に入り登録して、よく使うセリフを簡単に呼び出すこともできるようになっています。

ぴた声アプリからDAWへドラッグ&ドロップで音声を貼り付けできる(画面はCubase)

さらに便利なのは、ここからセリフをドラッグ&ドロップで持っていくことで、各種アプリにWAVファイルをそのまま貼り付けることができるという点。たとえばCubaseやAbility、Studio One…などにドロップすれば、そのままトラックに配置することができるし、VEGASのようなビデオ編集ソフトにドロップしてもセリフを貼り付けることができます。

ぴた声アプリからビデオ編集ソフトへもドラッグ&ドロップ可能(画面はVEGAS)

一方、AHSではRecotte Studio(レコッテ スタジオ)というとってもユニークな実況動画作成ソフトを発売しています。そのRecotte Studioに、ぴた声アプリからドラッグ&ドロップすることも可能ですが、実はこのタイミングでRecotte Studioがアップデートし、ぴた声アプリに相当する機能を内蔵してしまっています。

Recotte Studioに「フォルダを追加」する形で、ぴた声の収録フォルダを指定する

新規プロジェクトを立ち上げると「声ライブラリ」というタブが追加されているので、ここでフォルダを指定すれば、ライブラリの一覧を表示することができ、そこから必要なセリフを選んで、動画上に貼り付けていくことができるのです。また、ぴた声アプリと同様、画面上にはその声のキャラクタのサムネール画像が表示されるので、とっても分かりやすくなっています。また[ぴた声アプリの設定をインポート]というメニューも用意されており、これを選択すると、 すでにぴた声アプリでライブラリ登録をしている場合、そのライブラリをすべて一気にRecotte Studioにインポートすることができるようになっているのもポイントですね。

話者トラックにドラッグするとセリフがテキストで表示される

さらに、Recotte Studioのすごいのは、話者トラックにドラッグすると、セリフがトラック上にテキストで表示されるということ。これならば、いちいち音をチェックしなくても、全体を通してプロジェクトを見ることができるので、効率のいい編集ができそうです。

そんな、ぴた声アプリ/Recotte Studioですが、実は、ぴた声のライブラリ専用というわけではなく、WAVファイルではれば何でも管理できる便利なソフトウェアでもあるのです。もっとも簡単な利用法として、例えばexVOICEのような音声素材を取り込んでしまうこと。音声素材を保存しているフォルダを指定すると、そこに収録されているWAVファイルがずらりと一覧表示されるとともに、画面右側にはサブフォルダ名が表示されています。そして、絞り込み機能を用いることで、特定のサブフォルダの中身のみを表示させることも可能になるので、音声素材の管理が面倒…と思っていた人にとってはすごく便利な機能ですよ。

exVOICEが収録されたフォルダ追加すると一覧表示され、画面右でフォルダごとの整理、絞り込みも可能

さらに、セリフだけでなく、ループ素材集などの管理にも利用できることが確認できました。膨大なループ素材を1つ1つフォルダを開いて探している人も少なくないと思いますが、このぴた声アプリを利用すると、非常に便利に使えそうですよ。

ぴた声アプリでループ素材を整理することもできた

ちなみに、購入したぴた声のライブラリのフォルダをぴた声アプリやRecotte Studioで指定すると、セリフが表示されたり、サムネール画像が表示されるのは、ライブラリデータ内にWAVファイルのほかにデータベースファイルなどが収録されているから。データベースといっても、テキストファイルで記載されたCSVファイルとなっており、仕様は以下のとおり。

A列 ファイルのパス(CSVファイルから見た相対パス)
B列 表示名(ぴた声アプリやレコスタ上からの表示)
C列 セリフ
D列 セリフ 読み仮名 (カタカナの読み仮名)
E列 カテゴリ(音声が属すカテゴリ)

これにしたがってExcelなどで作成すればオリジナルのデータベースを作ることが可能です。ちなみに、ぴた声では たまたま カテゴリが無いため、 (キャラ名) vol.1 などのカテゴリ名になっていますが、”挨拶”、”蔑み”、”泣き言”など それぞれのセリフが属すカテゴリ名で管理することができるようになっていますます。

またcharacter.iniはキャラクタ情報が記載されたテキストファイルで、キャラクタ名やキャラクタの特徴などの情報が記載されています。さらにthumbnail.pngがサムネール用の画像なので、このファイル名で画像を置いておけば、ぴた声アプリやRecotte Studio上に表示されるというわけです。

以上、AHSが新たに発売する、ぴた声および、ぴた声アプリについて紹介してみました。どう利用するかはユーザー次第だと思いますが、音声合成とはちょっと違った活用ができそうです。なお、今後AHSはぴた声の製品バリエーションを増やしていくようですが、ぴた声アプリ上で見ても、それぞれ「Vol.1」となっているので、キャラクタの追加とともに、セリフの拡充という意味でもいろいろと増えていきそうですね。

【関連情報】
ぴた声製品情報
ぴた声サンプル再生リスト(YouTube)

モバイルバージョンを終了