使い勝手は抜群!iPad版のiVOCALOID VY1が発売開始

先日のYAMAHA Y2 AUTUMN 2010で発表されたiPad版のVOCALOIDであるiVOCALOID VY1および、iPhone版のiVOCALOID VY1tが揃って本日(12月13日)の午前11時ごろより、App Storeで販売が開始されました。1月12日までの1ヶ月間、発売記念価格ということで、それぞれ1,800円、350円となっています。

さっそく購入しようと思ったものの、出先だったので、PCの母艦ではなく、iPad、iPhoneでの直接購入にトライ。ファイルサイズが100MBを超えるようで3G回線では購入できず、改めてWiFi環境でダウンロードしたところiPad版は無事成功しました。

iPad用のiVOCALOID VY1


一方のiPhone版ですが、動作条件を見るとiPhone4とあり、私の持っている3GSでは動かないようです。が、特に跳ね除けられることもなかったので、そのままダウンロードしてみたところ、あっさり動いてくれました。試してみるもんですね!

iPhone3GSでも動いたiVOCALOID VY1t

【追記】
先ほど、YAMAHAの剣持さんにTwitterで尋ねてみたところ、「3GSでは若干不安定なところがありますので、動作対象外とさせていただいております。只今、3G/3GSでも対応できるように作業中です。 」というお返事をいただきました。とりあえず安いうちに購入してしまうのが得策かもしれませんね。

画面を見てもわかるとおり、それぞれは完全に別のアプリです。両方をいっぺんに記事にすると長くなるので、まずはiPad版のほうのファーストインプレッションということで紹介してみましょう。

起動して立ち上がった画面は、まさにVOCALOID Editorそのもの。画面右上に歌詞を入力し、ピアノロール画面上で音程を入力していけばいいので、VOCALOIDのユーザーであれば、何も戸惑うことはないでしょう。というより、このiPad版のほうが、ずっと入力しやすい感じです。やはりピアノロールはタッチパネルでの入力に向いているんですかね?

文字は右上の枠にひらがなかカタカナで入力

この文字入力に使えるのはひらがなとカナタカナのみ。入力すると自動的に音符上に展開されるようになっています。ピンチイン・ピンチアウトで時間軸のスケールを変更できるようになっており、最大17小節までの入力が可能です。また最小分解能は8分音符となっています。

ピンチイン/ピンチアウトで横のスケールを調整可能

ただ、よくわからなかったのが音程のところ。画面上ではC3~F4までのスケールが表示されています。画面を縦にするとレイアウトは多少変わりますが、ここでもスケールは同様。ドラッグしたりしてもこの音程を変更することができないんですよね。マニュアルをざっと読んだものの、見つかりませんでした。なんらかの方法がありそうなものですが、データ容量の制約などから使える音程に制限がかかっているのかも知れません。

PC版では下にコントロール入力画面が表示されていますが、このiVOCALOID VY1ではボタン操作で画面を切り替えます。ここで入力できるのはDyn=ダイナミクス、Vib=ビブラート、Pit=ピッチの3種類。そう、PC版と異なり、ビブラートはここで入力するんですね。ペンシルボタンを選択すれば指でコントロールカーブを描いていくことができるので、とても扱いやすいですよ。

Dyn、Vib、Pitのパラメータの入力も可能

さらにPC版にはない便利な機能が伴奏機能です。テンポと名前が書かれた伴奏を選択するとそのテンポに設定されるとともに、演奏する際に伴奏が鳴るようになっているのです。デフォルトではBasic8th、Funk8BeatA、Motown8Beat、Monkey8BeatAなど10種類が入っています。実はこの伴奏、16bit/44.1kHz・モノラルのWAVデータで構成されているものです。そしてiTunes経由でPCから転送して増やすことも可能なので、オリジナルの伴奏を入力できるというのも嬉しいところです。

WAVによる伴奏データを指定できる

またPCとの連携という意味では、このiVOCALOID VY1で作成したデータをiTunes経由またはメール経由でPCへ転送することが可能となっています。データはVSQファイルですから、iPadで粗方の入力を行い、PCへ転送して細かくエディットするというのもいいかもしれません。ちなみに、逆方向での転送、つまりPCで作ったデータをiPadへ送ることはできません。またiVOCALOID VY1でWAVを書き出すといった機能はないので、最終作品に仕上げるならPCへ転送するか、オーディオを直接外部のレコーダーで録音するということが必要になります。

メールやiTunes経由でVSQファイルを送ることができる

ちなみに、このiVOCALOID VY1はその名前からもわかるとおり、以前、開発者インタビューを行ったPC版のVY1の歌声データベースが用いられています。考えてみれば、発売元がYAMAHAとなっているVOCALOID製品はこれが初というわけですよね。iPhone版のiVOCALOID VY1tについては、また改めて記事にしたいと思っています。

 

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