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話題沸騰の新ソフトシンセ、SERUM2。圧倒的進化を遂げた音源の実力を徹底紹介

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リリースから既に2ヶ月が経過したXfer RecordsSERUM2(SONICWIREダウンロード価格:27,478円、※通常価格は36,201円で、5月31日までのキャンペーン価格です。また価格は為替レートによって変動します)。業界内では、その性能の高さ、そのサウンドの斬新さから大きな話題になっているので、やや今更感はありますが、まだ手に入れていない方も少なくないと思います。

ご存じのとおり、SERUMはEDM系の世界では圧倒的な人気を誇ってきた音源。Vital、Sylenth1、Massive Xなどほかの強豪音源と比較しても、やはり高い支持を得ている中で、メジャーバージョンアップを遂げたのは衝撃的でもありました。しかも、従来のSERUMユーザーなら無償でSERUM2が入手できるというのも大きな話題になった理由でした。もちろんEDMに限らず、さまざまなジャンルで使えるシンセですが、DTMステーションではこれまでSERUMをきちんと紹介する機会が、あまりなかったのも事実。そこで、今回その新しくなったSERUM2について、改めて初心者にもわかりやすい形で、基本から最新機能まで徹底解説してみたいと思います。

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SERUM2とは?

まずはSERUM2の基本概要から見ていきましょう。SERUM2は、2014年にリリースされた人気ウェーブテーブルシンセサイザー「SERUM」の最新バージョンです。開発元のXfer Recordsは、Steve Dudaを中心とした小さなチームで、電子音楽プロデューサーのdeadmau5も設立メンバーの一人です。

Skrillex、Martin Garrix、Flume、Porter Robinsonといった世界的アーティストに愛用されてきたSERUMは、そのクリアなサウンド品質、直感的な操作性、そして深い音作りの可能性から、EDMを中心に多くのジャンルのプロデューサーに支持されてきました。発売からおよそ10年、ついに待望の大型アップデートとなるSERUM2が登場し、業界に大きな衝撃を与えています。

特筆すべきは、当初から開発者のSteve Dudaが「SERUMは永久に無料アップデートになる」と約束していたことを実際に守り通した点です。多くのソフトウェアメーカーが有料アップグレードを提供する中、この対応はユーザーからの大きな信頼を獲得しています。

さらに、SERUM2の開発にはDMG Audioの技術者Dave Gambleも参加しており、DSP(デジタル・シグナル・プロセッシング)部分に彼の専門知識が活かされています。DMG Audioは高品質なオーディオプラグインで知られる会社であり、この協力関係によってSERUM2のサウンド品質はさらに向上しています。

SERUMとEDMシーンの関係性

SERUMが登場した2014年以降、EDMシーンのサウンドはそれまでとは一線を画すものになりました。特にダブステップやフューチャーベースなどのジャンルでは、SERUMの特徴的なウェーブテーブルサウンドが標準となり、現代の電子音楽の音作りに革命をもたらしたと言っても過言ではありません。

初代のSERUM1

競合製品としてはNative InstrumentsのMassive(およびMassive X)、Lennar DigitalのSylenth1、比較的新しいVitalなどがありますが、SERUMはそのビジュアルフィードバックの豊かさと直感的なワークフローで多くのプロデューサーの支持を集め続けてきました。

今回のSERUM2では、従来のウェーブテーブルシンセの枠を超え、複数のシンセエンジンを搭載した「ハイブリッドシンセサイザー」へと進化。単なるアップデートではなく、新たな音楽制作の地平を切り開く可能性を秘めています。

SERUM2の主な新機能

SERUM2では従来のウェーブテーブルシンセの枠を超え、複数のシンセエンジンを搭載した「ハイブリッドシンセサイザー」へと進化しました。その主な新機能を詳しく見ていきましょう:

1. オシレーターの拡張

SERUM1では2基だったメインオシレーターが、SERUM2では3基に増強されました。これにより、より複雑で豊かな音色を作成することが可能になりました。さらに従来のウェーブテーブルに加え、以下の新しいオシレータータイプが追加されています。

オシレーターが3基搭載され、5種類から選択できる

マルチサンプル: リアルな楽器音のレプリケーションが可能になりました。世界中で録音されたオーケストラ、合唱団、ピアノ、ギターなど、様々な楽器のサンプルが付属しており、それらを自在に操作して新たなサウンドを作成できます。また、オープンスタンダードである「sfz」フォーマットを使用して、自分のマルチサンプル録音をインポートすることも可能です。たとえば、お気に入りのピアノライブラリをロードして、各ノートに個別のフィルターモジュレーションを適用することができます。

サンプル: 一見シンプルですが、単一サンプルを高度に操作できる機能が満載です。スナップループ検出機能付きのループ、柔軟なループモジュレーション、テープストップエフェクトなどのための「Rate」コントロール、リアルタイムスコア抽出/再生機能付きのサンプルスライシングなど、多彩な機能を提供しています。さらに、FM/PD/ディストーションタイプのエフェクトも適用可能です。

グラニュラー: サンプルをグレイン(粒)単位で操作する先進的なサウンドデザインを可能にしました。一見シンプルな見た目ながらも、グレインサイズ、密度、ピッチなどを操作するための多数のパラメーターを備えており、実験的で未来的なサウンドから有機的で自然なテクスチャーまで、多様なサウンドを作成できます。

スペクトラル: リアルタイムの倍音再合成が可能になりました。音のスペクトル(周波数成分)レベルでのオーディオ「手術」が可能で、ポップアップウィンドウでスペクトルフィルターの形状を自由に描くことができます。この機能は、サンプルの高度な時間と周波数の操作を可能にし、全く新しいサウンドデザインの地平を開きます。

さらに、ウェーブテーブルエンジン自体も強化され、新たな「Smooth Interpolation(スムース補間)」モードが追加されました。これにより、ウェーブテーブルフレーム間のシームレスな遷移が可能になり、より有機的なサウンドを作成できます。また、既存のフィルタリング、FM、PD、リングモジュレーション、ディストーションに加え、新しいワープモードも追加されています。

2. LFOセクションの強化

LFOモードが大幅に拡張され、新たにパスモード、カオスモード、サンプル&ホールドジェネレーターなどが追加されました。

LFOも大きく機能強化されている

パスモード: XYパッド上に描いた経路に沿ってモジュレーションを適用できます。この機能は、Rob Papenのプラグインでも人気のある機能に似ていますが、SERUM2ではさらに詳細な調整が可能です。オートメーションを細部まで微調整でき、非常に複雑で有機的な動きを実現できます。

カオスモード: 2種類のカオスモードが提供され、予測不可能でありながらも美しいモジュレーションを生成します。アニメーションも視覚的に魅力的で、LFOセクションに大きな強化をもたらしています。

サンプル&ホールド: 古典的なモジュラーシンセのようなステップ状のランダムなモジュレーションを簡単に作成できます。

これらの新機能により、かつてないほど複雑で表現力豊かなモジュレーションが可能になりました。また、LFOセクションは視覚的にも強化され、モジュレーションの動きを直感的に把握できるようになっています。

3. アルペジエーターとクリップシーケンサー

SERUM2では新たにアルペジエーターとクリップシーケンサーが統合されました。これらの機能により、SERUM2はシンセサイザーとしてだけでなく、パフォーマンスツールとしても使用できるようになりました。

アルペジエーターは12個のスロットを持ち、それぞれに独自のパターンや設定を保存できます。伝統的なアルペジオパターンから実験的なシーケンスまで、様々なリズミカルな表現が可能です。

クリップシーケンサーとアルペジエーターが統合されている

クリップシーケンサーも同様に12個のスロットを備え、従来のシーケンサー方式でステップを描いたり、プリセットパターンを選択したり、MIDIファイルをインポートしたりできます。特に強力な機能として、キーボードキーを押すことで個別のスロット/パターンを切り替えることができます。各スロットは異なる設定を持つため、素早くメロディックな出力を作成できます。さらに、各パターンごとにパラメーターのオートメーションも描き込めるため、非常に表現力豊かなフレーズを作成できます。

このシーケンサーのワークフローとオートメーションレーンは、Ableton Liveに似ており、直感的に操作できます。これにより、複雑なリズミカルパターンやエボルビングサウンドを簡単に作成できるようになりました。

4. ミキシングワークフローの改善

SERUM2では、ミキシングワークフローが完全に刷新されました。新しいミキシングセクション/タブが追加され、各オシレーター、フィルター、バス、メインセクションに専用のチャンネルを持つ完全なミキサーを備えています。

この新しいミキサーでは、各チャンネルのボリューム、パン、ルーティングを個別に調整できるため、より細かいミックスが可能になりました。これは特に複数のオシレーターを使用する複雑なサウンドの作成時に威力を発揮します。

自由自在にルーティングできる超強力なミキサーを搭載

また、エフェクトルーティングも大幅に改善され、2つの独立したFXバスを使用できるようになりました。これにより、SERUM1の古いミキシングワークフローを忘れさせるほどの柔軟性が実現し、サウンドのミキシングとエフェクトのルーティングをより自由に行えるようになりました。

メインのほかに2つのFX BUSも利用可能になっているエフェクト

5. フィルターとエフェクトの拡張

SERUM2には新しいフィルターカテゴリ(S2 Filters)が追加され、さらに幅広いフィルタリングオプションが利用可能になりました。新たに追加されたフィルタータイプには、Diffusor、Pz SVF、Wsp、DJ Mixerなどがあり、より多様なサウンドメイクが可能になっています。

SERUM1にはなかったフィルタも数多く搭載されている

また、各オシレーターの信号を2つのフィルターに送ることができるようになり、より複雑なレイヤーサウンドの作成が可能になりました。これにより、これまで様々な手順を駆使して再現していたサウンドを、より手軽に素早く再現できるようになっています。

エフェクトセクションも大幅に強化され、スタジオ品質の処理が可能になりました。クラシックなアナログエミュレーションを含む11の新しいクリエイティブフィルタータイプ、プロフェッショナルグレードのエフェクトプロセッサー、複数の独立したエフェクトバスが追加されています。

6. マクロコントロールの増加

SERUM1では4つだったマクロスロットが、SERUM2では8つに倍増しました。これにより、より複雑なサウンドコントロールが可能になりました。マクロノブは、複数のパラメーターを一度に制御するための強力なツールで、ライブパフォーマンスや複雑なサウンドデザインに欠かせない機能です。

8つあるマクロスロットで、各パラメータにアサインし自在にコントロールできる

マクロの増加により、さらに緻密なフレーズを作成したり、奇抜なギミックを作成したりすることができるようになりました。また、MIDIクリップ(クリップシーケンサー)と組み合わせて使用することで、さらに幅広い表現が可能になっています。

7. プリセットとコンテンツの拡充

SERUM2には626以上の新プリセットと288のウェーブテーブルが付属しており、すぐに使える豊富なサウンドを提供しています。これらのプリセットは、EDM、ポップ、ヒップホップ、アンビエント、実験音楽など、様々なジャンルをカバーしています。

膨大なプリセットが用意されている

また、SERUM1で使用していたプリセットもSERUM2で読み込め、「S1 Presets」というカテゴリに分類されます。これにより、お気に入りのサウンドを失うことなく、新しい機能を活用できます。SERUM2で新しく追加されたファクトリープリセットは「Factory」カテゴリに含まれています。

SERUM1のプリセットも利用できるようになっている

サンプルやマルチサンプルのコンテンツも充実しており、オーケストラ、合唱団、ピアノ、ギターなど、世界中で録音された楽器サンプルが含まれています。これらのサンプルを活用することで、リアルな楽器サウンドから実験的なサウンドデザインまで、幅広い音作りが可能です。

実際の使用感とサウンドの特徴

SERUM2は見た目の美しさだけでなく、その音質と使いやすさでも際立っています。従来のSERUMと同様に、クリアで力強いサウンドが特徴ですが、新機能によりさらに多様なサウンドを生み出せるようになりました。

ウェーブテーブルオシレーターの進化

従来から高く評価されていたウェーブテーブル機能が、SERUM2ではさらに進化しています。新たに追加された「Smooth Interpolation」モードでは、ウェーブテーブルフレーム間の遷移がより滑らかになり、より自然で有機的なサウンドを作成できます。これは特にパッドやアンビエントサウンドの制作に効果的です。

ウェーブテーブルフレーム間の遷移がより滑らかになるSmooth Interpolationモード

また、ウェーブテーブルエディターも改良され、より直感的に操作できるようになりました。3つのオシレーターすべてに素早くアクセスでき、倍音を編集したり、時間経過に伴うウェーブフォームの変化動作を制御したり、数式データを使用してウェーブテーブルを保存・呼び出したりすることができます。

新しいオシレータータイプの実用性

新しく追加されたオシレータータイプは、単なる機能追加ではなく、実際の音楽制作において非常に実用的です。たとえば、マルチサンプルオシレーターを使用すると、ピアノやギターなどのリアルな楽器音をSERUM2内で再現でき、さらにSERUMの強力なモジュレーション機能を活用してそれらを変形させることができます。

マルチサンプルオシレーター

グラニュラーオシレーターは、サンプルから全く新しいテクスチャーを作り出すのに最適です。例えば、ボーカルサンプルを取り込み、グラニュラー処理を施すことで、驚くほど表現力豊かなパッドやアトモスフェリックなサウンドを作成できます。グレインサイズ、密度、ピッチなどのパラメーターを操作することで、同じサンプルから無限のバリエーションを生み出せます。

グラニュラーオシレーター

スペクトラルオシレーターは、特に実験的なサウンドデザインに適しています。このモードでは、サンプルの倍音成分をリアルタイムで操作でき、従来のシンセシスでは難しかった複雑な音色変化を実現できます。

スペクトラルオシレーター

LFOとモジュレーションの実用例

SERUM2の強化されたLFOとモジュレーションシステムは、動的で表現力豊かなサウンドを作成するためのカギとなっています。たとえば、パスモードを使用して、フィルターカットオフとレゾナンスを同時に制御する複雑なモジュレーションパターンを作成できます。XYパッド上に円や螺旋、ジグザグなどの形状を描き、それに沿ってパラメーターが変化するようにプログラムできます。

LFO1のXをCUTOFF、YをRESに割り当てることで、XYパッドでフィルターがコントロールできる

カオスモードは、予測不可能でありながらも音楽的なモジュレーションを生み出します。これは特にドラムやパーカッションのような要素に適用すると効果的で、同じパターンが繰り返されないため、より自然で生き生きとしたリズム感を演出できます。

アルペジエーターとシーケンサーの活用法

新しいアルペジエーターとクリップシーケンサーは、SERUM2を単なるシンセサイザーからリズムとメロディを生成できる包括的な音楽制作ツールへと変貌させます。

たとえば、異なるアルペジオパターンを12個のスロットに保存し、キーボードの異なるキーを押すことでパターンを切り替えることができます。これにより、ライブパフォーマンスでの柔軟な展開や、録音時の変化に富んだシーケンスを簡単に実現できます。

12個のスロットを持つアルペジエーター

クリップシーケンサーでは、各ステップごとにピッチやベロシティだけでなく、フィルターカットオフやリリースタイムなどのパラメーターも自動化できます。これにより、単調になりがちなアルペジオパターンに微妙な変化を加え、より表現力豊かなフレーズを作成できます。

価格と入手方法

SERUM2は国内ではSONICWIRE(https://sonicwire.com/product/99927)で取り扱われています。現在、5月31日までリリースキャンペーン価格として27,478円(通常価格は36,201円)で購入可能です。なお、SONICWIREでの表示価格は日々の為替レートによって変動するため、実際の購入時には価格が異なる場合がありますので、最新の価格はSONICWIRE公式サイトでご確認ください。

SONICWIREサイトから購入できる

最も注目すべき点として、すでにSERUMを所有しているユーザーは、無料でSERUM2にアップデートできる、というところです。これはソフトウェア業界ではかなり珍しい太っ腹な対応と言えますよね。多くのユーザーがこの無料アップグレードに歓喜しており、アップグレード時にXfer Recordsにチップを送るユーザーもいたり、2つ目を購入している人も少なくないようです。

Xferサイトの自分のアカウントでSERUM2へのアップグレードが可能

購入前に試してみたい方のために、15分間使用できるデモ版も提供されています。これにより、実際の使用感とサウンドを体験してから購入を決めることができます。

SERUM2とSERUM1の共存について

SERUM2はSERUM1とは別のシンセという形でインストールされるため、両方を共存させて使うことができます。これは重要なポイントで、DAWのプラグインメニューでも別々に表示されるので、既存のプロジェクトとの互換性を心配する必要はありません。

SERUM1とSERUM2は別の音源であるため共存できる

SERUM1で使用していたプロジェクトを開くと、自動的にSERUM1が読み込まれるため、以前のプロジェクトが新バージョンによって影響を受けることもありません。これにより、安心して新バージョンに移行できます。

また、SERUM1で使用していたプリセットはSERUM2でも読み込め、「S1 Presets」というカテゴリに分類されます。一方、SERUM2の新しいファクトリープリセットは「Factory」カテゴリに含まれています。拡張プリセットも含め、これまで使用していたお気に入りのサウンドがSERUM2でも使用できるため、「アップデートしたらお気に入りの音が使えなくなるのでは?」という心配も不要です。

SERUM2では、グローバルタブに「SERUM1互換性」トグルも用意されており、完全な再現を確保することができます。これはDSPが改善されている可能性を示唆していますが、互換性モードを使用することで、以前と全く同じサウンドを再現することができます。

これからの音楽制作に欠かせない一品

SERUM2は、単なるアップデートを超えた大幅な機能拡張により、ウェーブテーブルシンセからマルチエンジンハイブリッドシンセへと進化しました。既存ユーザーへの無料アップデート対応も含め、開発元のXfer Recordsの姿勢は高く評価されています。

5月31日までのキャンペーン期間中に購入するか、既存ユーザーは無料アップデートを忘れずに行いましょう。SERUM2は間違いなく、現代の音楽制作において必須とも言えるツールの一つとなるでしょう。

【関連情報】
SERUM2製品情報

【価格チェック&購入】
◎SONICWIRE ⇒ SERUM2

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