日本のベンチャーメーカーであるSoundMakerが手がけるギター保管庫が、現在Makuakeでクラウドファンディングを実施中です。この保管庫は、単なる収納家具ではありません。温度・湿度を自動で管理し、大切なギターを最適な環境で保護する、まさに楽器のための「高級金庫」とも言える製品です。特に日本の高温多湿な環境では、木製楽器の管理は非常に重要。従来は壁掛けや木製ラックでの保管が一般的でしたが、湿度管理ができないため、ギターの反りやクラック、塗装の劣化といった問題が避けられませんでした。
この保管庫は、加湿・除湿機能を内蔵し、一年を通じて楽器に最適な環境を維持します。また、LEDライトによる美しいディスプレイ機能も備えており、コレクションを眺める楽しさも提供してくれます。価格は16万円からと決して安くはありませんが、50万円、100万円といった高級ギターを複数本所有している方にとっては、むしろ必要不可欠な投資と言えるでしょう。先日SoundMakerのオフィスに伺ってお話を伺うとともに実物も見てきたので、どんなものなのか紹介してみましょう。

SOUND MAKERが現在クラウドファンディング中のギター保管庫
急成長中のSoundMaker、多彩な製品ラインナップ
まず、この保管庫を手がけるSoundMakerについて簡単に紹介しましょう。お茶の水にある小さなメーカーですが、ギター保管庫以外にもDTM用デスクやチェア、防音材など中国のOEMという形でさまざまな製品を出しています。
先日、同社のオフィスを訪問した際に、DTM用デスクも実際に見せていただきました。このデスクは非常に機能的で、左右それぞれに8Uのラックマウントが設置され、さらに机の下も左右で8Uずつと、合計32Uという驚異的な収納力を持つかなりカッコイイ製品でした。横幅が2.2mとちょっと大きいのが気になるところではありましたが、88鍵盤のキーボードが載せられるサイズであり、モニタースピーカーのスタンドもしっかりと付いており、DTMユーザーには非常に魅力的な仕様となっています。機会があれば、このデスクにターゲットを絞ってじっくり紹介してみたいと思っているところです。

SOUND MAKERはDTM用デスクなども販売している
また、吸音材・防音材については従来の製品とは異なるアプローチを採用。完全な吸音ではなく、反射を利用して音を制御するという独自の技術で、吸音効果30%、反射効果70%というバランスで設計されています。これにより、より自然な音響環境を実現しているとのことです。

SOUND MAKERの吸音・調音パネル
今回のギター保管庫も、そうした「本格的でありながら家庭でも使える」というコンセプトに基づいて開発された製品です。従来、楽器の湿度管理というと、大型の業務用保管庫が中心でしたが、個人ユーザーが手の届く価格帯で、かつ家庭に設置できるサイズでの製品化を実現した、という製品です。
2つのモデルをラインナップ
今回クラウドファンディングに登場するのは、用途に応じて選べる2つのモデルです。
1本のギターを収納するコンパクトなモデル。サイズはW50cm × D28cm × H126cm、重量約33kgで、内部のネックキャッチャーが自動的にロックをかけ、楽器の落下を防止する仕組みを備えています。高級ギターを1本、最適な環境で保管したい方に最適です。

ギター1本用の保管庫、MMF-1
最大3本までのギターを収納できる大容量モデル。サイズはW55cm × D52.7cm × H126.7cm、重量約48kgで、複数の楽器をまとめて管理できます。こちらはネックキャッチャーが手動となりますが、より多くの楽器を所有している方には魅力的な選択肢です。

ギター3本用の保管庫、MMF-2
両モデルとも基本的な機能は共通しており、湿度管理、LED照明、庫上収納機能(最大40kg耐荷重)などを搭載しています。
日本の気候に最適化された湿度管理システム
それでは、この保管庫の核心機能である湿度管理システムについて詳しく見ていきましょう。日本は四季を通じて湿度の変化が激しく、梅雨時期には80%を超える高湿度、冬場には20%台まで下がる低湿度と、楽器にとっては過酷な環境です。

保管庫内の温度、湿度が一目で確認でき、調整も可能
この保管庫には、加湿・除湿両方の機能を持つ一体型の機器が内蔵されています。水タンクは保管庫内部に設置され、約1週間程度の連続運転が可能。湿度が高い時期には自動的に除湿モードで動作し、乾燥時期には加湿モードに切り替わります。除湿時は、集めた水分を霧状にして外部に排出する仕組みとなっているため、水を溜めてくみ出す…といった必要がありません。

加湿・除湿機に水を差すことで、加湿が可能となっている
温度・湿度は保管庫前面のデジタル表示で常時確認でき、設定値から外れた場合には自動的に調整が始まります。電源はACアダプター方式で、家庭用コンセントから安定した電力供給が可能です。

電源はACアダプタを用いる
ギター愛好家なら誰もが経験したことがあるであろう、季節の変わり目のネックの反りや、湿度変化による音程の狂い。これらの問題を根本的に解決するのが、この保管庫の最大の価値となっているわけです。
美しいディスプレイ機能とLED照明
保管庫としての機能性だけでなく、コレクションケースとしての美しさも追求されています。内部には調色可能なLEDライトが設置され、暖色系から寒色系まで、ギターのカラーや部屋の雰囲気に合わせて照明を調整できます。

見た目にもカッコイイ、ギター保管庫
アコースティックギターの温かな木目を強調したい時は暖色系、エレキギターのクールな質感を際立たせたい時は寒色系といった具合に、まるで楽器店のショーケースのような高級感のあるディスプレイが実現できます。

中のLEDを暖色系、冷色系かの設定が可能
扉は透明度の高いガラスを使用し、ギターの美しさを存分に堪能できる設計。友人を招いた際の話題作りにもなりそうです。また、サイドのガラス部分に対して紫外線カットのためのUVカットフィルムを施す機能追加も検討されており、塗装の退色防止にも配慮した設計となるようです。
安全性と耐久性へのこだわりと、家庭に設置しやすいサイズ感
高価な楽器を保管する以上、安全性は最重要ポイントです。この保管庫は非常に重厚な作りで、通常の地震程度では微動だにしない重量感があります。「これだけの重さがあれば、地震で倒れるような状況では、人の命に関わるレベル」と関係者が語るほどの安定感です。
内部には楽器を傷つけないよう、底面にクッション材を配置。さらに、ラッカー仕上げのギターなど、デリケートな塗装の楽器のために、専用の保護布の開発も進められています。楽器との接触面すべてにおいて、最適な材質選択を研究し続けているとのことです。

底面部分にはクッション材が設置されている
確かに日本の住宅事情を考えると必ずしも小さいとは言えないかもしれませんが、本格的なスタジオ用保管庫と比べれば、圧倒的にコンパクトで個人宅でも設置可能なサイズに収まっています。
従来、こうした本格的な楽器保管を求める場合、大工さんに特注で作ってもらうか、業務用の大型保管庫を導入するしかありませんでした。しかし、前者では湿度管理機能がなく、後者では価格と設置スペースがネックとなっていました。この保管庫は、そうした従来の選択肢の間を埋める、絶妙なポジションの製品と言えます。
クラウドファンディングで早割実施中
現在、この保管庫はMakuakeでクラウドファンディングを実施中です。目標金額は300万円で、早割価格として20%〜30%オフの特別価格が設定されています。
MMF-1(1本用)は一般販売予定価格168,000円のところ、早割1個購入で134,000円(20%オフ)、2個セットで252,000円(25%オフ)、4個セットで470,400円(30%オフ)となっています。
MMF-2(3本用)は一般販売予定価格198,000円のところ、早割1個購入で158,400円(20%オフ)、2個セットで297,000円(25%オフ)となっています。

Makuakeでのクラウドファンディングは7月30日まで
クラウドファンディング期間は7月30日までとなっており、すでに目標金額は達成していますが、もともと達成に関わらず購入が成立するAll-in型で実施されています。
なお、クラウドファンディング終了後は、正規販売が開始される予定で、全国の楽器店での取り扱いも検討されています。将来的には、より多くの楽器愛好家の手に届くよう、販売網の拡充が進められる予定です。
高級ギター愛好家にとっての必需品
「10万円以上するギターケースなんて不要」、「そんな金があれば、もう1本ギターが買える」……という人もいると思います。実際、この保管庫はそういう人のためのものではなさそうです。この保管庫のターゲットは50万円、100万円といった高級ギターを複数本所有している人のための製品、ということのようですね。
高級ギターのオーナーにとって、楽器の状態維持は永遠の課題。湿度変化による木材の収縮・膨張、それに伴う音程の狂いやネックの反り、さらには塗装の劣化やクラックの発生など、適切な環境で保管しなければ、楽器の価値は確実に下がってしまいます。

クラウドファンディング終了後は一般販売されるが、今のうちだと安く入手可能
そう考えると、MMF-1で168,000円、MMF-2で198,000円という価格は決して高くありません。むしろ、大切な楽器を守るための「保険」として考えれば、非常にリーズナブルな投資と言えるのではないでしょうか?
SoundMakerのギター保管庫は、これまで個人レベルでは実現困難だった本格的な楽器保管環境を、手の届く価格で提供する画期的な製品です。単なる収納家具を超えた、楽器のための専用環境として、高級ギター愛好家には必需品となりそうです。
【関連情報】
ギター保管庫 MMF-1/MMF-2製品情報(Makuakeプロジェクト)
SoundMaker公式サイト
【価格チェック&購入】
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