世界が注目。種田聡さん開発のiPadシンセの新作、金属系サウンド音源が気持ちいい!

先日「海外で大ヒット、強烈なiOSシンセは日本人開発のアプリだった!」という記事を書いて大きな反響がありました。いまでは数多くあるiOSシンセですが、iPadが登場する遥か以前、2008年のiPhone 3GS時代から数多くのシンセを開発し、主に海外で大ヒットさせてきた日本人ということで、種田聡さんのインタビューを紹介したのです。

 

ARGON SynthesizerXENON Groove SynthesizerCASSINI SynthesizerLaplace Resonator SynthesizerLORENTZ Polyphonic Synthesizerといった独創的な音源を開発してきた種田さんだから、世界中がその新作を待ち望んでいたわけですが、先日またとっても気持ちいいサウンドが出るシンセが720円(現在セール中の480円)でリリースされました。MersenneというiPad用の音源なのですが、どんなものなのか紹介してみたいと思います。


iPadアプリとしてリリースされた金属系サウンドのパーカッシブ・シンセサイザ、Mersenne

今回、新たに登場したMersenneMelodic Percussion Synthesizerという副題がついたiPad用の音源。スティールドラムみたいな音やベル系のサウンドなど、金属系サウンドを中心とした音源なのですが、どんなサウンドなのか、まずは以下のビデオをご覧ください。

https://youtu.be/GGbO3Hj8wQA

 

いかがですか。とっても気持ちいいサウンドでしょ。これがどんなシンセサイザ構造になっているのかを示すのが以下のブロックダイアグラムです。


Mersenneのブロックダイアグラム

見てお分かりになるでしょうか?金属系サウンドを作り出す元となっているのはちょっと変わった形のFM音源であり、Attack OperatorSustain Operatorを掛け合わせる構造になっているんですね。


先日、某所でお会いした種田聡さん

そのFM音源がTONE AとTONE Bと同じものが2つ搭載されているほか、ノイズジェネレータが1つあり、それをミックスさせる形になっているほか、このミックス時にRESONATOR(レゾネータ)を通せる形になっているのもMersenneの大きな特徴。これによって、フィードバックによる発振ができる形になっています。


プリセットで用意されている音色は24種類 

 

プリセットも24種類ほど用意されており、これらを鳴らしてみると、Mersenneがどんな音源であるかはすぐに分かります。どれも幻想的な金属系サウンドという感じなんです。ほかのシンセでこの音を作ろうとしても、なかなか難しいんじゃないでしょうか。

 

ただ、24のプリセットのうち、最後に「Wezen」というベースシンセがあるんですが、これは金属系サウンドとはちょっと雰囲気の異なる結構太い音が出る音色。アナログシンセ系とも違うし、やっぱりDXのベース音源に近い感じかもしれませんね。


最終段にコーラス、ディレイ、リバーブ、さらにフィルタが入っている 

 

また先ほどのブロックダイアグラムにもあったように、最終段にはコーラス、ディレイ、リバーブが直列に並んでいることもあり、広がり・響きのある音色を演出しています。これも幻想的なサウンドにしている大きな要因ですね。

 

なおブロックダイアグラムには入っていないのですが、最終段にはフィルタもあるようで、ここでは普通のシンセっぽい音作りも可能なようです。ただ、Mersenneの音作りでは、この最終段フィルターをあくまでもちょっとした味付けと捉え、FM音源側で音色づくりをしていくのがいいように思いました。 

※追記 2016.3.7
種田さんから直接指摘をいただきましたが、フィルタはディレイの中に存在しているもので、独立したフィルタが存在しているわけではありませんでした。そのため、このフィルタを減算型シンセ的に使うのではなく、ディレイに付随するエフェクトの一種として使うようです。

その音色づくり自体はとっても簡単ですよ。以下のビデオでそのパラメータをいじったときの音色変化が見れるので、参考にしてみてください。

 

https://youtu.be/ZbbK8gCkmEw

 

基本的には、一番上の列で構成されるTONE Aでの音作りができれば、7割理解したのも同然。主にはSUSTTAINとATTACKというところにあるパラメータを動かせば、ベースとなる金属系サウンドの音色傾向は決まるので、あとは味付け、という感じ。


高性能な16ステップのアルペジエーターも搭載 

 

ただしRESONATORは、まただいぶ異なる音の要素を作る部分。エフェクトという位置づけではなく、TONE A、TONE B、NOISEとは別のオシレーターであると捉えるのがよさそうです。


アルペジエーターだけを見てみるとLORENTZに搭載されているものとほぼ同等 

 

また、ここには16ステップのアルペジエーターも搭載されていて、かなり複雑なパターンを組むことまでを可能にしているのも面白いところです。このアルペジエーターは種田さんのこれまでの開発作品であるLORENTZなどに搭載しているものとほぼ同等のもののようですね。


Inter-App Audioにも対応しているのでたとえばCubasisの音源などとして利用できる 

 

なお冒頭のビデオにも合った通り、MersenneはInter-App Audioにも対応しているし、AudioBusにも対応しています。もちろん、CoreMIDIを使って外部のMIDIキーボードから弾くこともできるし、microKEY Airやmi.1、MD-BT01、UD-BT01、A-01K……といったBLE-MIDI(MIDI over Bluetooth LE)対応のキーボードで弾くこともできるので、自在に活用することができます。


AudioBusにも対応しているから、AuriaをはじめとするDAWへのレコーディングもできる 

 

ちなみに、このMersenne、リリースと同時に種田さんから連絡はもらっていたのですが、それから10日間のうちに海外ユーザーの間にも広がっていき、さっそくファーストインプレッション・レビュー・ビデオなんかもUPされてますよ!

 

 

願わくは、iPad版だけでなく、いつかVST版やAudioUnits版など、さまざまなプラットフォームへの展開も期待したいところ。ぜひ、これからも種田さんが、こうした独創的な音源を開発し、世界に発信していってくれることに期待したいと思います。

【ダウンロード】
◎App Store ⇒ Mersenne – Melodic Percussion Synthesizer
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