昨年TV放映されていた高校生の吹奏楽部を題材にしたアニメ「響け!ユーフォニアム」をご覧になりましたか?「けいおん!」ほどの大ヒットにはなりませんでしたが、やっぱり音楽もののアニメだったので、DTMユーザーにもご覧になっていた方が多いのではないでしょうか?私自身は、ブラバン経験者ではないけれど、結構のめり込んで見てました。あのドロドロな雰囲気も含めて、とっても面白かったな、と。いま上映中の劇場版は、オマケ付き前売り券を買い逃したこともあって、まだ行けてないんですが、今年10月から2期も決まっているので、とっても待ち遠しいところです。

さて、その「響け!ユーフォニアム」、楽器関連協力としてヤマハがクレジットされていたので、きっと何かやってくれるのでは……と思っていたのですが、このタイミングですごいiPhoneアプリがヤマハからなんと無料でリリースされることになりました。ユーフォやトランペット、フルートといった楽器を自分で演奏すると、それをカラオケのように採点してくれる、というもの。しかも単に点数が出るというのではなく、あの優しそうでいて物凄くキツイ言葉で攻めてくる顧問の滝先生が厳しくコメントしてくれるというのです。どんなアプリなのか紹介してみましょう。


ヤマハから5月末に「響け!ユーフォニアム」を題材にしたiPhone用の演奏採点アプリがリリースされる
 
まず、そのアプリの名称ですが、ちょっと長いんですよね(笑)。正式名称はふこうよアンサンブル~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~とのことで、5月末にヤマハからリリースされます。


北宇治高校吹奏楽部を舞台にアプリが繰り広げられる

位置づけとしてはヤマハがアニメ「響け!ユーフォニアム」とコラボで開発した「管楽器演奏支援アプリケーション」とのこと。そう、このアニメの舞台である北宇治高校吹奏楽部の一員となって、楽曲を演奏して楽しむことができるアプリなのです。


アニメでの演奏シーンに合わせて自分も演奏する

もちろん演奏する曲は、最終回のコンクールで使われた自由曲「三日月の舞」(すみません、知らない人はまったく分からないですよね…、劇中曲です)。これを自分で吹くと、iPhoneアプリが採点してくれるというものです。


あすか先輩とともに楽器を選択!


ここで気になるのはどんな楽器を採点してくれるのか、ということだと思います。主人公である黄前久美子のパートであるユーフォニアムはもちろんなんですが、対応しているのは以下の7つの楽器。
ユーフォニアム
フルート
B♭クラリネット
アルトサクソフォン
テナーサクソフォン
B♭トランペット
ソプラノリコーダー


部長の晴香先輩と一緒にチューニングして準備


この中でポイントとなるのは、たぶんソプラノリコーダーですよね。ユーフォやトランペットを吹けと言われたって、普通はできないけど、ソプラノリコーダーならブラバン経験のない人でもできそうですから。吹ける人だって、気軽に家で吹けるもんではないですし……。
追記 2016.5.29 22:50
ソプラノリコーダーに対応しているのは下記の「きらきら星」、「愛を見つけた場所」の2曲のみとのことです。

 

そして、その演奏の課題曲となるのは上の前述の「三日月の舞」(上記YouTubeの楽曲)のほか、基礎練習に悩む葉月に久美子と緑輝がアンサンブルの面白さを教えてあげた基礎練習曲「きらきら星」の2曲が無償コンテンツとして用意されています。楽曲やパートによっては2ndや3rdパートも選択可能になっています。


演奏する楽曲を選択

また演奏する際にはマイナスワン演奏となるのですが、その伴奏となるのはランティスが提供する原盤音源を使用しているので、この点でも完璧ですね。
追記 2016.5.29 22:50
マイナスワンに対応しているのもソプラノリコーダー対応と同様「きらきら星」、「愛を見つけた場所」の2曲のみとのことです。


葉月にとって初のアンサンブルとなる「きらきら星」の演奏シーン 


さらに、アプリ内課金として用意されるオプションとして、麗奈と久美子が大吉山の頂上の公園でアンサンブルをした「愛を見つけた場所」なども登場する予定。個人的にはサンライズフェスティバルで演奏されたYMOの「RYDEEN」なんかも追加されたらいいのにな……なんて期待しているところなのですが。


オプションとなるコンテンツ、大吉山での二人のアンサンブル

でも、これらの楽曲の譜面はどうするの?」という疑問を持つ人もいますよね。そこはさすがヤマハ、ちゃんとビジネスと絡んでくるようです。ご存知の方も多いと思いますが、ヤマハでは譜面をネットで購入できる「ぷりんと楽譜」というサービスを行っていますが、追加楽曲の楽譜は必要なパートだけを購入可能となっているんです。当然有償とはなりますが、どんなパートになっているのか、全部買っちゃう人も出てきそうです。


画面上表示されるのはピアノロール。譜面は「ぷりんと楽譜」から入手する


なお、6月にはヤマハミュージックメディアから「響け!ユーフォニアム北宇治高校吹奏楽部体験ブック」なる書籍が発売され、そこに無償コンテンツの楽譜が掲載されるほか、吹奏楽の基礎知識やアプリの使い方、アニメスタッフへのインタビューなどが載るんだとか。あ、私はその執筆にはまったく関係してないですよ(笑)。


そして、次の曲がはじまるのです。


と、完全にヲタクな話になってしまった気もしますが、ここからがDTMステーションとしての本題。どうやって演奏の採点をしているのか、というシステムについてです。


この「響け!ユーフォニアム」のアプリにはヤマハの最新技術virtanaが搭載されている


ここにはヤマハが新たに開発した楽器演奏評価技術、「virtana(ヴィルターナ」というものが用いられています。VIRTUOSO(名演奏家)+ANALYZEということから、楽器演奏や練習をより楽しんでもらう技術、人と楽器を結ぶ技術として生まれたもの。


楽器演奏評価技術「virtana」とは 

演奏する楽器の種類とお手本を指定すると、演奏をリアルタイムに判定しながら、演奏全体の分析をして、点数やアドバイスを出すという、まさにカラオケシステムとよく似たシステムになっているんですね。リアルタイムに行う分析においては、演奏の正確さの判断をする物理的分析(音程、音量、スペクトル、ノート、タイミング、音色)と、演奏の表現力の判断をする音楽的分析(技法、抑揚、安定感)の2方面から行ったうえで、評価をしていくのです。


演奏を元にリアルタイムに分析し、評価される

その評価も技術点、芸術点、ミス、アドバイスといろいろあるんですね。入念にサンプルが収録された上で、専門家による評点も加えて、採点結果が出てくるなど、かなりしっかりしたアルゴリズムになっているようですよ。この「virtana」の技術詳細については、DTMステーションでもたびたび取り上げてきたヤマハの実験的機関であるY2 PROJECTのWebサイトで解説されているので、そちらもご覧になってみてください。


その結果、滝先生が良かったところ、悪かったところも交えて厳しく評価


なお、同じvirtanaを取り入れたiPad用アプリとして「やろうぜ管カラ!Lite」というものも本日5月20日より無料でリリースされているので、興味のある方はそちらも試してみてはいかがでしょうか?

そして、次の曲がはじまるのです。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
【関連情報】
virtana技術紹介ページ(Y2 PROJECT)