WAVESユーザーにとって見逃せないイベント、「WAVES WORLD 2025」が先日、渋谷LUSH HUBで3日間にわたり開催されました。会場では、プロのエンジニアたちによるセミナーや、DTMユーザーが関心を持つユニークな企画展示が行われました。中でも大きな注目を集めたのが、ユーザー投票によってWAVESの人気プラグインを選出する「WAVES総選挙」の結果発表と、それに連動した記念セールのスタートです。
気になる総選挙の第1位には、ボーカルミックスの定番ともいわれるプラグイン「Vocal Rider」が選ばれました。そして、予想以上の反響に応え、当初の予定を変更しトップ10入りした全てのプラグインが、一律4,620円という特別価格に。この記念セールは、2025年6月16日(月)15:00までの期間限定です。ここでは、このWAVES総選挙でトップ10入りしたプラグインの詳細と見逃せないセール情報を中心に、現在開催中のミックスコンテスト「GoldenMix 2025」の概要、イベントで行われたセミナーや企画展示の模様も交えながら、その内容を紹介していきたいと思います。
3日間開催されたWAVES WORLD
2025年5月22日から24日にかけて、東京・渋谷のLUSH HUBにて、WAVESユーザーお待ちかねのイベント「WAVES WORLD 2025」が開催されました。このイベントは、WAVES社製品の国内代理店であるメディアインテグレーションが主催するもので、多数の無料セミナーや体験型の企画展示などが用意され、連日多くのDTMユーザーやプロのエンジニアが訪れ、大きな盛り上がりを見せていました。
加えて、このWAVES WORLD 2025の開催前から、同じくメディアインテグレーションが主催する大規模なミックスコンテスト「GOLDENMIX 2025」が既にスタートしており、こちらも注目度の高い企画となっています。
このコンテストは、Waves Goldバンドルに収録されているプラグインのみを使用して指定された課題曲のミックスクオリティを競うもので、賞品も非常に豪華。最優秀賞(1名)にはMIストアポイント300,000円分が贈られます。さらに優秀賞(計3名)には、Apogee Symphony Desktop(1名)、Focal CLEAR MG PRO(1名)、AMS Neve 88C(1名)と、それぞれプロユースの機材が、そして特別賞(10名)にもWaves Creative Access Ultimateの1年間ライセンスが用意されているとのこと。まさに自身のスキルを試し、豪華賞品を獲得する絶好のチャンスといえるでしょう。詳細については、記事の最後の方で紹介しますね。
さて私は最終日である24日にこのWAVES WORLDに参加してきたのですが、特に盛り上がりを見せていたのが、イベントの目玉企画である「WAVES総選挙」の結果発表と、それに伴う記念セールのスタート。
「WAVES総選挙」トップ10発表&ALL4,620円セール開催
今回の「WAVES総選挙」は、WAVESユーザーがお気に入りのWAVES製品に投票し、その人気ランキングを決定するというもの。そして、見事トップ10に輝いたプラグインが、期間限定の特別価格で提供されるという、まさにWAVESユーザーにとっても、まだWAVESプラグインを使ったことのない人にとっても見逃せないビッグな企画となっていました。イベント最終日には、その注目の結果が発表されました。気になる総選挙の結果、数あるWAVESプラグインの中からトップ10に選ばれたのは以下の製品です。それぞれのプラグインについて、簡単ながら特徴を見ていきましょう。
第1位:Vocal Rider

WAVES総選挙で見事1位に輝いた Vocal Rider。多くのミックスエンジニアに愛用されている
ボーカルのレベルをフェーダー操作なしにリアルタイムで自動調整し、ダイナミックレンジを適切にコントロールしてくれる革新的なプラグインです。コンプレッサとは異なり、音色変化をさせずに音量のみをターゲットに追従するため、非常に自然な仕上がりが得られます。一度設定すれば、あとはVocal Riderがボーカルのレベルをキープしてくれるので、ミックス作業の大幅な効率アップが期待できる、まさに現代の制作環境に必須のツールといえるでしょう。
◎MIオンラインストア ⇒ Vocal Rider
第2位:H-Delay Hybrid Delay

定番ディレイプラグインの一つ、H-Delay Hybrid Delay
アナログとデジタルのハイブリッドな特性を持つ、非常に人気の高いディレイプラグインです。往年のアナログディレイが持つ温かみのあるサウンドから、クリアで多機能なデジタルディレイまで、幅広い音作りが可能。BPM同期はもちろん、ピンポンディレイやモジュレーション機能も搭載し、さまざまな楽器やボーカルに深みと空間を与えることができます。直感的なインターフェイスも魅力で、手軽に高品位なディレイ効果を得たいユーザーにはぴったりです。
◎MIオンラインストア ⇒ H-Delay Hybrid Delay
第3位:Renaissance Bass

ベースサウンドを力強くするRenaissance Bass
WAVESのRenaissanceシリーズの中でも特に人気の高いベースエンハンサ。「R-Bass」の愛称でもお馴染みですね。MaxxBass技術を基に、原音の低域成分に倍音を付加することで、小型スピーカーでも聴き取りやすい、豊かで存在感のあるベースサウンドを素早く作り出すことができます。操作は非常にシンプルで、数少ないパラメータで効果的なベース処理が可能。ベースラインをミックス内でしっかりと聴かせたい場合に重宝します。
◎MIオンラインストア ⇒ Renaissance Bass
第4位:Clarity Vx

強力なノイズ除去能力を持つClarity Vx
WAVESのニューラルネットワーク技術を駆使した、最先端のボーカル用ノイズ除去プラグインです。複雑なノイズの中からボーカル成分だけをクリアに分離し、エアコンの音や部屋鳴り、マイクのハムノイズなどを劇的に低減させます。簡単な操作で、非常に自然かつ高品質なノイズリダクション効果が得られるため、宅録環境やロケ収録素材のクオリティアップに絶大な威力を発揮。クリアなボーカル素材はミックスの第一歩ですよね。
◎MIオンラインストア ⇒ Clarity Vx
第5位:VU Meter

定番のVU Meterプラグイン
DAW上でアナログコンソールのような視認性の高いVUメータリングを実現するプラグイン。一般的なピークメーターとは異なり、聴感に近い音量を表示するため、ミックス時のレベル管理やバランス調整に役立ちます。キャリブレーション機能も搭載し、より正確なメータリング環境を構築可能。見た目の雰囲気も良く、モチベーションアップにも繋がるかもしれません。
◎MIオンラインストア ⇒ VU Meter
第6位:Renaissance Vox

ボーカル処理の定番、Renaissance Vox
ボーカルトラックの処理に特化したダイナミクスプロセッサ、通称「R-Vox」。コンプレッション、ゲート、リミッティングといった基本的な処理を、非常に音楽的かつ簡単にコントロールできるように設計されています。わずかな操作でボーカルを前面に押し出し、ミックスの中で際立たせることができるため、多くのエンジニアに長年愛用されています。
◎MIオンラインストア ⇒ Renaissance Vox
第7位:MV2

シンプル操作のダイナミクスプロセッサMV2
ローレベルコンプレッションとハイレベルコンプレッションを、それぞれ独立したスライダで直感的にコントロールできるダイナミクスプロセッサです。小さい音を持ち上げつつ、大きい音を抑えるといった複雑なダイナミクス処理を、非常にシンプルな操作で実現。あらゆるソースに手軽に適用できる万能プラグインとして、持っておくと何かと便利です。
◎MIオンラインストア ⇒ MV2
第8位:F6 Floating-Band Dynamic EQ

多機能なダイナミックEQ、F6 Floating-Band Dynamic EQ
6バンドのフローティングバンドを持つダイナミックEQです。通常のEQ機能に加え、各バンドが入力信号のレベルに反応してEQ処理の深さを変化させるダイナミック機能を備えています。これにより、特定の周波数帯域の不要な響きを抑えたり、逆に必要な部分だけを音楽的に持ち上げたりといった、より繊細で高度なトーンシェイピングが可能です。
◎MIオンラインストア ⇒ F6 Floating-Band Dynamic EQ
第9位:H-Comp Hybrid Compressor

アナログフィールが魅力のH-Comp Hybrid Compressor
アナログモデリングとデジタル技術を融合させたハイブリッドコンプレッサ。トランス、真空管、トランジスタといったアナログ機器の挙動をモデリングしたサウンドキャラクタを選択でき、温かみのあるクラシックなコンプレッションから、クリアで現代的なサウンドまで幅広く対応します。独自のリリース特性や「PUNCH」ノブによるアタック感の調整も特徴的です。
◎MIオンラインストア ⇒ H-Comp Hybrid Compressor
第10位:Vitamin Sonic Enhancer

ミックスに輝きを与えるVitamin Sonic Enhancer
マルチバンド方式のハーモニックエンハンサで、オーディオ信号に豊かな倍音を付加し、サウンドに「ビタミン」を与えるように輝きとパワーを加えるプラグインです。各周波数帯域ごとにエンハンス量を調整でき、ミックス全体や個別のトラックに存在感と鮮やかさをもたらします。少し地味な音も、これを通すだけで生き生きとしてくるから不思議です。
◎MIオンラインストア ⇒ Vitamin Sonic Enhancer
やはり、ボーカル処理の定番であるVocal Riderが堂々の1位を獲得。そのほかにも、ディレイ、ベースエンハンス、ノイズ除去、ダイナミクス系と、日々の音楽制作に欠かせない強力なプラグインがランクインしました。これらは長年多くのユーザーに支持されてきた実績のある製品ばかりですね。みなさんの中にも、愛用しているプラグインがランクインしていたのではないでしょうか。
そして、このトップ10入りしたプラグイン全てが、なんと一律4,620円(MV2のみ5,280円)という驚きの特別価格で購入できる記念セールがスタートしています。当初はトップ5のみのセール予定だったそうですが、予想以上の反響に応えてトップ10全製品が対象となったとのこと。これはWAVES社とメディアインテグレーションの太っ腹な計らいといえるでしょう。まさにビッグチャンス到来ですね。
※2025.6.1追記
WAVES WORLD 2025での発表当初はMV2のみ5,280円とアナウンスされていたのですが、その後すぐにMV2を含め一律4,620円になっていたとのこと。お詫びして修正いたします。
このお得な記念セールは、2025年5月24日(土)から2025年6月16日(月)15:00までの期間限定となっています。欲しかったあのプラグイン、試してみたかったこのプラグインを手に入れる絶好のチャンス。この機会を逃す手はありません。詳細はメディアインテグレーションのWAVESストア特設ページ で、ぜひチェックしてみてください。
豪華なセミナーも多数開催された
WAVES WORLD 2025では、3日間にわたり、プロのエンジニアたちによる貴重なセミナーが多数開催されました。私が参加したのは最終日の24日でしたが、ほかの日程でも非常に興味深いセッションが行われていたようです。
初日の5月22日は「LV1 CLASSIC SEMINOR DAY」として、FabrizioさんによるLV1 Classicセミナーがストリーミング限定で開催されました。続く23日の「LIVE & BROADCAST DAY」では、Waves Product SpecialistのMichael Pearson-Adamsさんによるプレゼンテーションをはじめ、出原亮さんによる「Waves LV1で叶える理想のライブミックス」、元TBSアクトの桑原博之さんによる「放送現場での実践活用術」、そしてAudinateの高見沢雄一郎さんによる「多拠点を結ぶクラウドソリューション」といった、ライブや放送の現場に特化した、まさにプロフェッショナルな内容のセミナーが終日行われていました。
私が参加した最終日、24日の「MUSIC ENGINEERING DAY」では、まずWaves Product SpecialistのMichael Pearson-Adamsさんによるプレゼンテーションがありました。
その後、Xylomania Studio LLCの古賀健一さんが登壇し、「D.W. ニコルズ『エバーグリーン』のMIXを徹底解説」と題したセミナーが行われました。古賀さんといえば、数多くのトップアーティストのミキシングやマスタリングを手掛ける著名なエンジニア。このセッションでは、実際のミックスコンテストの楽曲を題材に、古賀さんがどのようにレコーディングしたのか、どのようミックスしていったのか、その思考プロセスや具体的なテクニックが惜しみなく披露されました。
なお、WAVES社のプロダクトスペシャリストであるMichael Pearson-Adamsさんの単独インタビューも行いましたので、その詳細については近日中にDTMステーションの記事で紹介する予定です。こちらもご期待ください。
DTMユーザーなら見逃せない!WAVES WORLD 2025 企画展示エリア
また、イベント会場では、セミナー以外にもさまざまな企画展示が用意されていました。
まずは、ソフトウェアベースライブミキシングシステム「eMotion LV1 Classic」を実際に操作し、その実力を体験できるコーナーが設けられていました。SoundGridネットワークによる高い拡張性と、WAVESプラグインを低レイテンシーで活用できる柔軟なミキシング環境、そしてタッチ操作に最適化された直感的なユーザーインターフェイスを、多くの来場者が熱心にチェックしていました。
また、「本当に動く、新旧Mac対決」と題されたコーナーも非常に興味深いものでした。WAVESプラグインは、すべてリリース初期のものから現役で使える息の長い製品であることが特徴のひとつですが、このコーナーでは10年前のMac環境と最新のMac環境を用意。その10年前の環境のものが、最新のMacでもセッションが問題なく立ち上がるのかを比較デモンストレーションしており、WAVES製品の互換性の高さを改めて実感できる展示となっていました。
さらに、「Immersive Sound Experience」では、今回特別に用意された専用ルームにて、イマーシブに対応した作品を聴けるという、贅沢な体験ができました。
また「5分でミックス、早業チャレンジコンテスト」というブースも用意されており、これは会場限定の企画で、用意されたセッションデータを使い、わずか5分間でどこまでミックスを仕上げられるか、その腕を競うというもの。参加した方々には後日抽選の上、粗品が贈呈されるとのことで、多くのチャレンジャーがそのテクニックを披露していました。
ほかにも、WAVESカルタだったり、
WAVESプラグインの年表、
WAVESプラグインを愛用する著名なアーティストやエンジニアからのコメントの展示などなど、楽しいイベントとなっていました。
ミックスコンテスト開催中「GoldenMix 2025」
そして、WAVES WORLD 2025の開催と連動していた、メディアインテグレーション主催による大規模なミックスコンテスト「GOLDENMIX 2025」も、応募受付が開始されており、現在も引き続き参加者を募集しています。
このコンテストは、Waves Goldバンドルに収録されているプラグインのみを使用して課題曲をミックスし、そのクオリティを競うというもの。ミックスのパラデータは、古賀さんがレコーディングしたD.W.ニコルズの素材。プロがレコーディングした素材を聴ける機会はなかなかないので、ダウンロードするだけでも、かなり価値のあるものだと思いますよ。
また審査員には、WAVES WORLD 2025のセミナーでも登壇した古賀さんを迎え、入賞者には最優秀賞(1名)のMIストアポイント300,000円分をはじめ、優秀賞(計3名)としてApogee Symphony Desktop(1名)、Focal CLEAR MG PRO(1名)、AMS Neve 88C(1名)、そして特別賞(10名)のWaves Creative Access Ultimate 1年間ライセンスなど、豪華賞品が用意されています。
腕に自信のある方はもちろん、これからミックスを本格的に学びたいという方にとっても、目標となる絶好の機会といえるでしょう。応募期間は2025年6月20日までとなっており、結果発表は7月頃を予定しているようです。コンテストの詳細や応募方法については、特設ページ をぜひチェックしてみてくださいね。
【関連情報】
WAVES総選挙 結果発表&記念セールページ
GOLDENMIX 2025 特設ページ
WAVES WORLD 2025 イベントページ
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