StudioOneを核とする19,800円のDTMパッケージが誕生!

“音がいい”と最近、注目を集めているDAW、Studio One。そのエントリーバージョンであるStudio One Artist 2をコアに、オーディオインターフェイスコンデンサマイクモニターヘッドホンをセットにした、まさにDTMスターター・キットといえる製品が19,800円の低価格で発売されました。

これは米PreSonus(プリソーナス)のAudioBox STUDIOという製品で、2年前に「1Box」という名称で限定数量発売された製品を新たなパッケージにし、価格も下げて再登場させたもの。これからDTMを始めたいという人にとってはかなり魅力的な製品といえそうです。実際に使ってみたので、どんな製品なのか紹介してみましょう。


DAW、オーディオインターフェイス、コンデンサマイク、モニターヘッドホンがセットで19,800円! 


このAudioBox STUDIOというパッケージ、盛りだくさんな内容になっており、まさに箱の中にはパンパンになるほどの製品が詰まっています。

AudioBox STUDIOのパッケージ

中身を列挙してみると

AudioBox USB(オーディオインターフェイス)
Studio One Artist 2(DAW:ソフトウェア)
M7(コンデンサマイク)
HD7(モニターヘッドホン)
・XLRケーブル
・USBケーブル
・キャリーバッグ(マイク用&ヘッドホン用)
・ドライバーCD-ROM
・マニュアル


AudioBox STUDIOのパッケージを開けると、まさに中はテンコ盛り!

などとなっています。他社製品でもオーディオインターフェイスとDAWのセットというものはいくつかありますが、コンデンサマイクとヘッドホンをセットとしたものってなかったはずだと思います。


同梱のコンデンサマイク、M7はPreSonusオリジナル品だが市販されてはいない

考えてみれば、DTMにおいてもマイクは必需品。ダイナミックマイクと比較して圧倒的に高感度なコンデンサマイクはやはりひとつ持っておくべきものですが、これを単体で購入するとなると結構高価だし、何をどう選べばいいかも難しいものですよね。価格はピンからキリまでいろいろですが、安いものでも通常1~2万円はしますから、それだけでも十分、もとが取れてしまいそうです。このM7は市販されていないPreSonusオリジナルの単一指向性マイク。ボーカル用としてはもちろん、ギターなどのアコースティック楽器用として、ギターアンプやベースアンプの音を拾うためのマイクとしてなど、さまざまな利用が可能なオールマイティーな機材。3mのケーブルも付属しているから、使い道は本当にいろいろです。


ちょっとAKG風?なデザインのセミオープンのモニターヘッドホン、HD7

一方、ヘッドホンはみんな何かしら持っているとは思いますが、やはりDTMをするならモニターヘッドホンをひとつ持っておくべき。このHD7は単体で6,000円で販売されているようですが、セミオープンタイプのもので、軽いのが特徴。ネオジウム・ドライバーを採用しており、低域がしっかり出てくれます。リスニング用と比較すると、高域がかなり強く出ているのがモニターヘッドホンの特性ともいえるところですが、だからこそ、細かな音色の違いがハッキリと聴きわけられるんですよね。


コンパクトながらオールマイティーに使える2in/2outオーディオインターフェイス、AudioBox USB 

そして本題となるのがオーディオインターフェイスとDAWです。まずオーディオインターフェイスのAudioBox USBは24bitで44.1kHzと48kHzに対応した2in/2outでMIDI入出力も備えたというベーシックな機材。単体では実売価格が15,000円程度で販売されているハードウェアです。

下のビデオにもあるように、踏んづけても、蹴っ飛ばしても、クルマに踏まれても大丈夫という強度を持つこの機材。でも、単に頑丈というわけではなく、音質的にもなかなかいい感じですよ。

ポイントとなるのは、フロントにある2つのコンボジャックの入力。+48Vのファンタム電源供給ができるので、前述のM7というコンデンサマイクを接続できるわけですが、ここにはPreSonusが誇るXMAXクラスAマイク・プリアンプというものが搭載されてます。この回路自体は上位機種でもこのAudioBox USBもまったく同じとのことですから、かなりのコストパフォーマンスですよね。もちろん、この入力端子にはその他のマイクやキーボードなどの楽器を接続できるのはもちろん、ハイインピーダンス対応となっているので、エレキギターやベースを直結してもOK。

リアにはUSB端子、MIDI入出力、メイン出力、ヘッドホン出力(左から順)の端子がある
リアパネルには標準ジャックでのオーディオメイン出力のほか、ヘッドホン出力もあるので、ここにHD7を接続すればいいわけです。まさに何にでも使えるオーディオインターフェイスとなっています。

Studio One Artist 2のDVD-ROMとドライバのCD-ROMがバンドルされている
次にソフトウェアであるDAW、Studio One Artistについても簡単に紹介してみましょう。これは現在DAW市場でもっとも急成長しているといわれるDAW、Studio One 2のエントリー版。正確には上から
Studio One Professional 2
Studio One Producer 2
Studio One Artist 2
Studio One Free

と4種類あるうちの上から3番目。つい先日、国内価格の改定で大幅に値下げされたのですが、Artistのダウンロード版が8,800円となっており、市販されていないDVD-ROM版がバンドルされるわけです。上記ラインナップのスペックの違いはStudio One 2の製品ラインナップのページなどをご覧いただくのがわかりやすいと思いますが、エントリー版とはいえ、これでDAWとしてほぼ必要十分な機能を備えていることがわかると思います。


見た目にもカッコイイStudio One Artist 2はトラック無制限、数多くのエフェクトも収録されいてる

WindowsでもMacでも使うことができ(アプリケーションとして32bit版、64bitネイティブ版の両方を収録)、ソフトシンセもエフェクトも一通り装備しています。トラック数もオーディオ、MIDIとも無制限となっているから、初心者にとっては、ちょっと贅沢すぎるスペックともいえそうですが、機能はいっぱいあって損はないですから!

ちなみにStudio One Freeとの違いを見てみると、まずArtistはStudio One 2での新機能をすべて搭載されています。またソフトシンセがFreeでは同時に1つしか使えないのに対しArtistは4つまで、同様にエフェクトは7個同時であるのに対し、26個まで使えるようになっています。

一方、上位版のStudio One Producerと比較したときの違いは「MP3をサポートしているかどうか」と「AU、VST2、VST3およびReWireをサポートしているか」のみ。したがって、フリーウェアのプラグインを追加する…といったことはできませんが、そうした拡張を考えなければ、これ1本あれば事足りる機能、性能を備えているわけです。


インストールすると自動的にドライバの設定などもしてくれるから初心者でも安心

また、購入後やっぱりVSTやAUのプラグインを使いたいからProducerがいいという場合も大丈夫。国内の販売元であるエムアイセブンジャパンのサイトに行くと、「Studio One Artist → Producer 2アップグレードDL版(S1 ART-PROD UPG)」なるものが8,000円で購入できるようになっているので、もし物足りなくなったらステップアップするというのもよさそうですよね。

ちなみにコンデンサマイクやヘッドホンなどはついていませんが、同じオーディオインターフェイスであるAudioBox USBStudio One Professional 2をセットにした「Studio One BOX」というものもあり(ブルーバージョンとホワイトバージョンの2種類がある)、36,800円で数量限定発売されているみたいです。

以上、見てきたAudioBox STUDIO、いかがでしょうか?単純計算してみると、
Studio One Artist:8,800円
AudioBox USB:15,000円
HD7:6,000円
M7:10,000円?
ケーブルとバッグ:3,000円?
で、合計42,800円相当。これが、19,800円なのだから、なかなかの魅力だと思います。これからDTMを始めるという方も、もう1セット揃えたという人も、この価格ですから1つ買ってみて損はないと思いますよ。

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