Banner B0
640x200伸縮サイズ
Banner B1
640x200伸縮サイズ
Banner A0(728x90)伸縮サイズ

Rolandの歴史すべてが詰まった音源、INTEGRA-7とは?

先月、Rolandから久しぶりにMIDI音源モジュール、「INTEGRA-7」が発売されました。INTEGRAとはラテン語を語源とする「完全な」、「集大成」といった意味を持つ言葉で、まさにRoland音源技術の集大成となるもの。はるか昔のアナログシンセから、懐かしいあのLA音源、サンプリング音源、そしてアコースティック楽器など上手に再現するSuperNATURAL音源まで、Rolandの歴史のすべてが詰まった音源ともいえるものなのです。

 

集大成音源だけに、機能を並べていくと際限ないほどいっぱいで収集がつかないほど。そこで、INTEGRA-7の面白さをおそらく一番よくご存知と思われる、キーボーディストで作/編曲家である篠田元一さんにいろいろと話を伺ってみました。そう、篠田さんはINTEGRA-7の開発段階から音色作りなどで関わっており、製品発表会やシンセフェスタ2012でもINTEGRA-7のデモ演奏などを披露されている方です。


Roland音源の集大成というMIDI音源モジュール、INTEGRA-7

 


Banner B2
640x200(320x100)
伸縮サイズ
Banner B3
640x200(320x100)
伸縮サイズ
Banner A1(728x90)
伸縮サイズ

個人的にも昔からのファンなので、一度じっくりお話をしてみたいと思っていたのと、発表会で行われていたデモ演奏がとってもよかったので、もう一度見てみたいと思ったのも、今回インタビューをお願いした理由です。そう、篠田さん制作の曲の演奏を見ると、INTEGRA-7がどんな音源なのか、よく分かるのです。実際、そのデモ演奏を改めてしていただいたのをビデオに収めて見たので、まずはこれをご覧ください。

これがINTEGRA-7のサウンドです。見ると分かるとおり、さまざまな音色で篠田さんが演奏しているわけですが、そのバックに流れているのももちろんINTEGRA-7のサウンド。このバックの演奏はMIDIで鳴らしているのではなく、予め篠田さんのスタジオでオーディオとしてミックスしたものとなっています。また、このオーディオはそのままMIDIと同じ16パート以内、エフェクトもすべて内蔵のものを使っているとのことです。

ビデオからはやや見えづらいですが、そのバックの演奏は発売前のSONAR X2 PRODUCERで再生しており、それに合わせて篠田さんの弾くパート用にMIDI信号を発生させてINTEGRA-7の音色を切り替えるようになっています。


INTEGRA-7のバックでSONAR X2 PRODUCERが動作している

 

演奏しているキーボードは来年1月に発売予定の88鍵ハンマー・アクション鍵盤を採用したRoland A-88です。ビデオ画面左下に、INTEGRA-7の画面表示を入れてみましたが、拡大して表示させると、音色名だけでなく、音色配列を示すMSBLSB、そしてProgramChangeの番号などが表示されているのも確認できるはずです。そう、6,000音色以上がプリセットとして入っているんですよね。では、さっそく、篠田さんにお話を聞いてみましょう(以下敬称略)。

 

--INTEGRA-7の開発段階から関わっていたと伺いましたが、いつごろから、どのように関わっていたのですか?

篠田:2011年秋の楽器フェア直後くらいに音源モジュールの開発をしている、といった話は聞いていました。てっきりJUPITER-80のモジュール化したものを出すのだろうと思っていたのですが、とにかく全部入りのすごい音源になっていて驚きました。Rolandの音源モジュールというと、やはりSC-88ProSC-55mkIIなどのハーフラックの1U、2UのDTM音源の印象が強いですが、INTEGRA-7はある意味、いたってシンプルな2Uラックマウントという形状。でも、担当者からINTEGRA-7についての説明を聞き、実際に音を出してみて、正直、複雑な思いでしたよ。


INTEGRA-7について、いろいろと語ってくれた篠田さん

 

--複雑とは、どういうことですか?
篠田:自分が最初に使ったシンセは、RolandのSH-1。もう30年近く前のことです。それ以来、数多くのRolandのシンセを買ってきたので、それを上に重ねていくと、床から天井に届くくらいの山が3つはできるのではないでしょうか……。そして、それぞれのシンセにいっぱいの思いが詰まっているんですよね。楽器というのはミュージシャンを成長させる道具だと思うんです。昔はモノフォニックだったので、創意工夫して音楽を作り出したり……。楽器の進化とともに、ミュージシャンも成長していく。あの時は、こんなことができるようになった、このシンセが登場して、こんなことをやったな……って。そうしたたくさんの思いが詰まった、多くのシンセがこれ1つに収まったと言われると、狂喜的に嬉しいという思いと、本当にそれでいいのだろうか、という思いといろいろでね(笑)。

 

--そうした昔のシンセは、今でも使ってらっしゃるのですか?

篠田:結構使っていますね。1987年発売のRoland初のフルデジタル音源であり、まさにデジタルシンセのハシリとなったD-50は大好きで今でもよく使っています。LA音源のあのザラついた感じのサウンドが好きでね。SEサウンドも使えるものがいっぱいあるから、倉庫から引っ張り出してきては使ってますよ。そんな音までINTEGRA-7で再現できてしまう。


実際に音を出しながら、INTEGRA-7の面白さを語ってくれる篠田さん

 

--その辺が、イマイチよく理解できていないのですが…。INTEGRA-7のカタログを見ると「音楽制作のスタンダードであるXV-5080SRXシリーズ12タイトルのすべてを収録、高品位なGM2PCM音色も備え、合計で6,000以上の音色を搭載」といった表現はあります。ということはXV-5080以降の音源が入っているということではないのですか?昔のJUPITER-8JUNO-106D-50……といった音は、サンプリングしたもので再現しているということなんですよね?だとしたら、他社のPCM音源でもRolandのビンテージシンセをサンプリングしたものはいろいろあるから、ことさらINTEGRA-7がすごいというようにも思えないのですが……。やはり単にサンプリングした音というのと、実機というのは違いますよね。
篠田:そのとおりですね。でも、INTEGRA-7のはサンプリングとは違うんですよ。サンプリングされたアナログ音源ってどうしても“一波形くさい”というか、サンプリングした音ズバリの基音はいいのですが、ちょっと音程を上げたり、下げたりすると、すぐに音の雰囲気が破綻してしまう。でも、それがないんですよね。またフィルターをいじると、まさに当時のアナログシンセの感覚で使えるんです。当時の名機ってカットオフとかレゾナンスも一直線に動作するのではなく、あるところで急に上がったり…。アナログシンセの魅力って単にカットオフを上げると、フィルターが開いて音が明るくなるのではなく、上げることにともなって、音量変化が生じたり、レゾナンスと一緒に動かすと独特の変換があったりというのがあると思います。こうしたものはサンプリング音源では絶対に再現することができません。でも、INTEGRA-7ではそれができてしまう。

 

--え?何でですか??

篠田:私も詳細な仕組みまでは分からないのですが、それがSuperNATURALシンセ・トーンという仕組みだそうです。これによってアナログシンセ特有の振る舞いを再現して、ビンテージシンセのローパスフィルターによる分厚いサウンドなども再現できるんですよ。音色名を見ると、「JP-8 Pad 2」など、当時のシンセの名称も付いているので、それを選んで、フィルター操作などをすると、まさにという音がしますよ。先ほどのD-50のサウンドなどもいろいろ入っていますが、これはLA音源が入っているわけではなく、D-50という楽器のポイントを押さえた上でSuperNATURALシンセという最新の音源を使って再現しているから、その音が出せているようですね。


INTEGRA-7のトップパネルにはダイアグラムが描かれている

 

--なるほど、SuperNATURALシンセというのはそういうものだったんですね。
篠田:先ほど、Rolandの音源のすべてといいましたが、実はプリセットを見てみると「OB Strings 1」とか「MG Lead」なんていうのもあるんですよ。分かりますか?そうOBはOberheim、MGはMoogですね。Minimoogの再現性とかはすごいですよ。

 

--ぜんぜん、理解できていませんでした。INTEGRA-7ってそんなことができる音源だったんですね。ギターやトランペット、サックス……といったアコースティック音源っぽい演奏ができるSuperNATURALを搭載した音源だというは分かっていましたが、昔のシンセを再現できるものだったとは……。なるほど、それならばRolandの音源の集大成であるという意味も分かってきました。とはいえ、今はソフトシンセ全盛の時代。ArturiaやNative Instrumentsなどのソフトメーカーが、ビンテージシンセを再現するソフトシンセをいろいろ出しています。そのソフトシンセの時代にあえてハードである音源モジュールを持つ理由というのはどこにあるのでしょうか?

篠田:個人的にはやはりソフトよりハードが好きですね。ソフトシンセで音を出すと、オーディオインターフェイスのせいなのかな、どうしても楽器の音ではなく、キレイすぎてオーディオの音という感じがしてしまう。でもハードだからなのか、楽器の音がするんですよね。またとにかく動作がスピーディーで、操作が速くできるのも魅力ですね。音色を探すのも速いし、ロードする時間もなく瞬時に切り替えられる。また個人的には、昔、打ち込み関係の仕事を膨大にやっていたということもあり、MIDI音源モジュールを駆使するのが好きなのかもしれません。当時、身に着けた数々のノウハウがここに投入できるというのもいいですよね。


ここでは書ききれないほどたくさんのお話をしてくれた、篠田さん、ありがとうございました!

 

--SuperNATURALアコースティックやSuperNATURALドラム・キットの話も伺いたいところですが、キリがなくなってしまいそうなので、今日はこの辺までにしたいと思います。まずは、今日伺ったシンセの音について、今度改めて自分でもいろいろと試してみたいですね。本日はありがとうございました。
【お知らせ】
既にご存知の方も多いと思いますが、11月23日、冨田勲先生の新作「イーハトーヴ」交響曲の世界初演公演が東京オペラシティコンサートホールで行われます。そう初音ミクとの共演ということで大きな話題になっている公演ですね。管弦楽は日本フィルハーモニー交響楽団が行い、シンセサイザーを演奏するのが篠田さんです。詳細については下記URLをご確認ください。
http://billboard-cc.com/classics/2012/11/post-15.html

【関連サイト】

篠田元一 MOTO MUSIC TOWN
Azure Day (篠田さんブログ)
INTEGRA-7製品情報

 

Commentsこの記事についたコメント

1件のコメント
  • 匿名

    これ、いつか購入してやって見ます!良い音源だそうですね。あ~ぁ、これ高価だし値下げしてくれないかなぁ。

    2013年8月15日 8:35 PM

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です