高性能なマイク、広角レンズを持った小さなビデオカメラ、ZOOM Q2n
Q2nは、まさに手のひらに乗る小さなビデオカメラ。ちょっと不思議な形をしていますが、中央に広角レンズのカメラがあり、頭にはX-Y型の高感度なステレオマイクが搭載されています。
一方、リアには1.77インチのフルカラーディスプレイとスイッチ類が搭載されており、ここで録画、再生、各種設定などの操作を行う形になっています。1.77インチといってもピンと来ないと思いますが、横幅を計ってみると約3.5cm。画像チェックするには結構十分な大きさだと思います。
まあ、細かな説明は後に回し、まずはこのQ2nで録画してみた以下の映像をご覧になってみてください。
どうですか?すごくリアルに録音できているのが分かりますよね。YouTubeの映像なので、録画したMOVファイルと比較して、かなり音質は落ちてしまっていますが、十分そのニュアンスは分かると思います。
先日のDTMステーションPlus!で小南千明さん、小谷哲典さんに出演いただいた
ここで歌っているのはDAW女・シンガーソングライターの小南千明さんで、ギターを弾いているのは作曲家の小谷哲典さん。そう、11月末に終わってしまったTokyo Tech Street・クレオフーガRadioでパーソナリティーをしていたお二人。私も月に1度この番組に出させていただいていたのですが、その縁で12月6日のDTMステーションPlus!に出演していただきました。
その番組本番前にスタジオでのリハーサル風景を録らせてもらったのがこれなのです。聴いてもお分かりいただける通り、PAを一切通さず、生のボーカルと生のアコギのサウンドをそのままQ2nの内蔵マイクで録っています。
その録音の設定は16bit/44.1kHz、24bit/48kHz、24bit/96kHzから選択できるようになっていますが、YouTubeへのアップロードを考えると24bit/96kHzはちょっとオーバースペックかなと思い、24bit/48kHzを設定してみました。
Q2nを持って、小南さん、小谷さんの間をちょっと移動したりしていたのですが、ヘッドホンなどで聴くと、カメラがどこにいるか実感できるし、小南さんの歌う顔の向きまで凄くリアルに感じられますよね。
緑のヘッドホン端子からモニターできる。赤は外部オーディオ入力端子
ちなみに、この録画する際、映像は液晶ディスプレイで見ることができる一方、レコーディング中の音はサイドにあるヘッドホン端子からモニターすることも可能となっています。また、その入力音量レベルは反対側の入力ゲインつまみで調整できるので、事前に少し練習してもらっている間に調整をしてみました。もちろんオートレベルに設定して、入力レベルはQ2nのシステムにお任せといった設定も可能ですが、演奏を録るなら、やはり手動がお勧めですよ。
他社でもコンパクトなデジタル・ビデオカメラはいろいろありますが、ここまで高性能なマイク、レコーディング機能を搭載したものはないですよね。ZOOMの製品だけに、どちらかというとカメラよりも録音機能のほうが主役であるだけに、カメラをオフにして、リニアPCMレコーダーとして音だけを録音するという機能も搭載されています。この場合は、WAVファイルとして記録される形になります。
ビデオに関しては「1080p/30fps」、「1080p/24fps」、「720p/30fps」、「720p/24fps」から設定できるようになっています。また必要に応じてローカットといった機能をオンにすることもでき、その設定も80Hz、120Hz、160Hzからの選択が可能になっていますが、ここではもちろんローカットは行っていません。
ところで、このビデオの色を見て、「さっきとちょっと違う」と思った方もいると思います。Q2nにはSCENEボタンというのがあり、先ほどはAUTOの設定で録っていたですが、ほかにもOutdoor、Sunset、Night、Concert Light、Concert Lo-Lit、Concert Hall、Jazz Club、Dance Club、Rehearsal Studio、Garageという設定が用意されているんです。それぞれで色合いが少しずつ違ってくるのですが、レコーディングスタジオでの録画なので、なんとなく「Rehearsal Studio」を選んでみた結果、こういう色になったんですね。
録画した内容は液晶ディスプレイとヘッドホン出力で即確認できる。ヘッドホンなしでもスピーカーでの確認も可能