
Ozone 8とNeutron 2がリリースされたので、さっそく試してみた
以前「人工知能プラグイン、Neutronはホントに使い物になるのか!?」という記事で、昨年リリースされたiZotopeのNeutronについて少し検証してみました。このNeutron自体は、トラックを調整するためのプラグインであり、EQやコンプ、トランジェントシェイパー、エキサイターなどで構成されるもの。それらのエフェクトを個別に見れば、それほど際立った特徴があるものではありません。
しかし、最大の特徴というのがTrack Assistantという機能。Neutronをボーカルトラックとかドラムトラック、ギタートラックなどに挿した上で、「Track Assistant」ボタン一発クリックするだけで、そのトラックをいい感じにトリートメントしてくれるんです。使っているのはEQ、2種類のコンプ、トランジェントシェイパー、エキサイターなんですが、やはりミックスに慣れた人でないと、何をどう調整すればいいのかってなかなか分からないですよね。まあ、だからこそミックスエンジニアという職業が存在し、その職人がいい感じに仕立ててくれるわけですが、そこを人工知能でうまく処理してくれるのがNeutronのTrack Assistant機能だったわけです。
「Track Assistant」をクリックして、再生させると人工知能が判断していい感じに仕上げてくれる

Track Assistant機能は、従来どおりすべてお任せというのが基本ではある

必要に応じて、そのトラックが何なのかを明示してあげることも可能
各トラックに複数挿したNeutronのすべてを見て音量とPANを調整できるVisual Mixer
またちょっと面白いツールがNeutron 2 Visual Mixerというもの。Neutronは、もともと各トラックに1つずつインサートして使うタイプのエフェクトですが、それぞれを統括して見れるようにするのが、Visual Mixerです。これを使うことで、各トラックに挿したNeutronの音量とPANを視覚的に調整することができるのです。Visual Mixer自体はどこに挿してもOKなプラグインで、そのトラック自体には影響を与えません。なので、マスタートラックに挿すのが分かりやすいかもしれませんね。
Ozoneは、各種エフェクトを組み合わせてマスタリングを行うためのツール
さて、今回の2製品のバージョンアップにおいて、最大の目玉といえるのがOzone 8に搭載されたMaster Assistant機能です。これ、一言でいえば、NeutronのTrack Assistant機能をマスタリング用にしたものです。使い方も同様で、マスタートラックにOzoneを挿した上で「Master Assistant」ボタンをクリックするだけでOK。
この際、CD用のマスタリングなのか、ネットストリーミング用のマスタリングなのかを指定するとともに、強めに掛けるのか、弱めに掛けるのかを指定することができます。あとは全部お任せで、人工知能がいい感じにマスタリングしてくれるのです。
あとは人工知能がサウンドを自動的解析し、それに合ったパラメータを作り出してくれる

10秒程度で解析が終わるので、最後にAcceptボタンをクリックすれば、いい感じに仕上がる
というのも、Ozoneはマスタリングエフェクトとして、EQ、コンプ、マキシマイザ、リミッタ、ステレオイメジャー、テープシミュレータ、エキサイター……といったものから成り立っているわけですが、Master Assistantが自動処理してくれるのは、これらのエフェクトの各パラメータの割り当てです。したがって、調整した結果を聴いてみて「ちょっと高域がキツくなったので、少し削りたい」とか「低域をもうちょっと持ち上げてみたい」など、気になる部分を後から簡単に調整できるのです。

Ozone 8に搭載されているテープシミュレータ。必要に応じて自由に調整することも可能
この辺はNeutronのTrack Assistant機能と同様ですが、LANDRの場合は、完全お任せで出来上がったものは、そのまま受け入れるしかないので、「自分で音をいじりたい」というこだわりのある人なら、Ozoneのほうが、しっくりくるのではないかと思います。
従来のOzoneから搭載されている機能だが、リアルタイムにMP3やAACの音を確認できるのも便利
ただし、マスタリングエンジニアの仕事として重要な、アルバムを作っていくという考え方はここにはあまりありません。つまり、複数入る曲のつながりをよくして、全体的な統一感を揃えていくという部分については、今後のバージョンアップのポイントになっていくのかもしれません。
ところで、このMaster Assistantには、その「統一感を出す」というところにも繋がる驚異的な機能が用意されています。それは、マスタリングのターゲットとなるサウンドを設定できる、というものです。つまり、自分が気に入っているCDの曲、目標としたいサウンドと近い雰囲気の仕上がりにしたい、という場合、そのサウンドのWAVファイルをリファレンスとして取り込めば、そこに自動的に近づけてくれるんです。これって、まさにマスタリングの理想形じゃないですか!?
ターゲットとなる楽曲を読み込むと、自動的にいくつかのパートに分割してくれるので、イメージに合う部分を指定する
実際に試してみたところ、ちょっと笑っちゃうくらいに、それっぽくマスタリングしてくれるんです。その似せ具合を「さりげなくフワっと行う」のか、「思い切り近づける」のか、などの調整もできるから、これだけでもかなりマスタリングごっこができて楽しいですよ。
マスタートラックの最終段に挿して、結果のサウンドを視覚的に確認できるTonal Balance Control

Tonal Balance ControlはFine画面にすると、帯域ごとの状況をより細かく確認できる
では、どうやって近づけるのかですが、ここがOzoneとNeutronの連携部分なのですが、画面下に、現在インサーションとして組み込んであるOzoneおよびNeutronのEQを表示することができ、ここからコントロールできるのです。まあ、マスタリング工程なので、普通はマスタートラックに設定したOzone側でコントロールすべきところですが、やはり場合によっては、各トラックに設定したNeutronで調整してしまったほうが効率がいいというケースもあります。

Tonal Balance Controlで全体を確認しつつ、現在挿しているNeutron、Ozoneのパラメータを調整できる
OzoneもNeutronも、Tonal Balance Controlから調整することができ、最終的な結果が視覚的にターゲットを見ながら確認できるので、効率的に作業することができるわけで、これまでなかなかできなかった手法ではないかな、と思います。
ターゲットとすべき楽曲のWAVファイルを読み込んで、それに合わせこんでいくことも可能
Tonal Balance Controlを通じてOzoneとNeutronがお互いに連携しながら、最終的な音作りができるようになったというのもユニークなところです。もっとも、2つのソフトの連携はまだ一部分にすぎないというのも事実なので、連携についてあまり過剰な期待をするのは禁物ですが、今後のバージョンアップで、どんどん連携度合いが強くなるのでは……と期待しているところでもあります。今後のアップデートなどで面白い動きがあれば、また紹介していきたいと思います。
なお、NeutronもOzoneもそれぞれAdvanced、Standard、Elementsの3つのグレードがあります。新バージョンが出たのはAdvancedとStandardですが、人工知能のMaster Assistant機能およびTrack Assistant機能はどちらのグレードにも搭載されています。ただし、NeutronとOzoneが連携する機能についてはAdvancedのみとなっているので、その辺を考えつつ、価格と照らし合わせて製品選びをしてみてはいかがでしょうか?ちなみに以前の記事で紹介したiZotope Elements Bundleからアップグレードすることでかなり安く入手できる場合もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
【価格チェック&購入】
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【関連情報】
Ozone 8製品情報
Neutron 2製品情報
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