コードからコードへのベンディングという画期的な機能で話題を呼んだFluid Chordsが、さらなる進化を遂げて帰ってきました。インドのPitch Innovationsが開発したFluid Chords 2は、前作の革新的なコード・ベンディング機能に加え、インテリジェント・ハーモニー・エンジン、リアルタイム演奏機能の強化、新しいハイブリッド・サウンド・エンジンを搭載。単なるアップデートを超えた、まったく新しいハーモニー表現を実現してくれます。
前作同様、ピッチベンドを使って和音から和音へ自然にモーフィングさせることができる唯一無二の機能はそのままに、より音楽的で表現力豊かなベンディングが可能になりました。税込価格は通常16,500円ですが、リリース記念のイントローセールとしてとして7月18日まで50%オフの7,678円で提供されています。これまでにない音楽表現を可能にするユニークなプラグイン、Fluid Chords 2を試してみたので、紹介してきましょう。

インドのPitch InnovationsからFluid Chords 2がリリース
コードからコードへベンディングする画期的なプラグイン、Fluid Chords 2
まずはFluid Chords 2がどんなプラグインなのか、以下の動画をご覧ください。
いかがでしょうか?動画を見れば、Fluid Chords 2の革新性がすぐに理解できたのではないでしょうか。コードからコードへと滑らかにベンディングしていく様子は、これまでのMIDIプラグインでは決して実現できなかった表現です。単音であればピッチベンドは簡単ですが、複数の音が異なる動きをする和音のベンディングを自然に行うのは非常に困難な技術。それをFluid Chords 2は独自のアルゴリズムで見事に実現し、しかもリアルタイムで演奏できるようにしているのです。
この動画で紹介されているように、あらかじめ設定されたコードを鍵盤一つで呼び出すTRIGGERモードはもちろん、自分でコードを定義したり、リアルタイムでコード進行を演奏しながらベンディングしたりと、表現の幅は無限大です。
革新的なプラグインを次々とリリースするPitch Innovations
Fluid Chords 2を開発したPitch Innovationsは、Bollywoodと呼ばれるインド最大の映画産業拠点ムンバイに拠点を置くプラグインメーカーです。これまでも「インドメーカーが開発。手持ちのMIDIキーボードをMPE対応にする画期的プラグイン、Fluid Pitchが国内発売開始」、「◯、△、□のアイコンを並べてグルーブを作り出すプラグインGroove Shaperがスゴイ!」、「アルペジオに命を吹き込み、より表現豊かな演奏を。Pitch InnovationsのEternal Arpsがリリース」、「PCのキーボード操作で無数のリズムを生成するドラムマシン、インドPitch Innovations開発のRhythm Boxが超便利」といった記事で紹介してきたように、ユニークで画期的なプラグインを次々と開発している注目のメーカーです。
同社の製品は、従来の音楽制作の概念を覆すような革新的なアイデアと、実際の音楽制作現場で役立つ実用性を兼ね備えているのが特徴。Fluid Chords 2も、そんな同社の哲学を体現した意欲作となっています。
3年前の前作Fluid Chordsからの大幅な進化ポイント
Fluid Chords 2は、以前の記事「コードからコードへのベンディングを実現する画期的なプラグイン、Fluid Chordsが誕生」で紹介した初代Fluid Chordsから大きく進化しています。前作でも十分に画期的だったコード・ベンディング機能が、今回さらに洗練され、より音楽的で自然な表現が可能になりました。その内容を具体的に見ていきましょう。
スマート・コード・ベンディング
新たに搭載されたボイス・リーディング・エンジンにより、これまでにない音楽的なベンドが実現されています。特に注目すべきは「Strum」機能で、一音一音がまるで弦を弾くように自然にベンドする表現が可能になりました。また「Flow」機能では、ホーム・コードからターゲット・コードに移行する際、最も近い音に解決するか、最も遠い音に解決するかを選択でき、コード進行の表現力を大幅に向上させています。

Strumパラメーターで動きを調整できる
インテリジェント・ハーモニー・エンジン
新たに搭載されたハーモニー・エンジンは、キーとジャンルを選択するだけで、ワンクリックでインスピレーションあふれるコード進行を生成します。ジャズ、ローファイ、シネマティックなど、さまざまなスタイルのコード進行が瞬時に作成できるため、アイデア出しの段階から完成まで、制作プロセス全体をサポートしてくれます。

キーとジャンルを選ぶだけでマッチしたコードを生成してくれる
新しいハイブリッド・サウンド・エンジン
従来版ではMPE対応の外部音源が必要でしたが、Fluid Chords 2では強力な内蔵音源を搭載。ウェーブテーブル・シンセとサンプラーを組み合わせたハイブリッド・サウンド・エンジンにより、外部音源なしでも高品質なサウンドでコード・ベンディングが楽しめます。

ウェーブテーブル(左)とサンプラー(右)のハイブリッドエンジン
2つのモードで自由自在なコード演奏
Fluid Chords 2には、用途に応じて選択できる2つの主要なモードが用意されています。
TRIGGERモード
TRIGGERモードでは、鍵盤を1つ押すだけで、あらかじめ設定されたコードを鳴らすことができます。プリセットで多数のコードパターンが用意されているほか、自分で好きなコードを定義することも可能です。単音から和音まで、どんなコードからどんなコードへのベンディングも設定でき、表現の幅は無限大です。

鍵盤1つでコードを鳴らせるTRIGERモード
和音のベンディングという技術は、単音であれば簡単に実現できますが、複数の音が異なる動きをする和音のベンディングを自然に行うのは非常に困難です。Fluid Chords 2は、この技術的な課題を独自のアルゴリズムで解決し、他では見ることのできない画期的な演奏体験を提供しています。
REALTIMEモード
REALTIMEモードでは、自分で好きなコードを演奏し、そのコードから次のコードへのベンディングをリアルタイムで行うことができます。サスティン・ペダル不要で、MIDIコントローラーだけでコードをその場でベンドできるため、ライブパフォーマンスにも対応。スタジオでもステージでも、音楽を即座に形にできる自由度の高いモードです。

自分で鍵盤を弾いてコードを鳴らすREALTIMEモード
2つのプラグインで柔軟な運用
Fluid Chords 2をインストールすると、「Fluid Chord 2」と「Fluid Chord 2 MFX」という2つのプラグインが利用可能になります。

MIDIを生成するプラグインであるFluid Chord 2 MFXを利用して、別の音源を鳴らすことも
前者は音源内蔵のインストゥルメント・プラグインとして動作し、そのまま音を鳴らすことができます。後者のMFXは音源を持たないMIDI出力専用のプラグインで、別トラックに設置した他社のインストゥルメントにMIDIデータを送信する形で使用します。この仕組みにより、お気に入りのシンセサイザーでFluid Chords 2のコード・ベンディング機能を活用することが可能になります。

MIDI生成プラグインであるMFXのほうは音源を搭載していない
強力な内蔵音源システム
Fluid Chords 2の内蔵音源は、左右2つのシンセサイザーを同時に使用できる強力なシステムです。SOUND A(左)とSOUND B(右)それぞれに独立して音源を設定でき、中央のBLENDノブでミックスバランスを調整できます。

強力なウェーブテーブルシンセ
各サウンドエンジンでは、SYNTH(ウェーブテーブルシンセ)とSAMPLER(サンプラー)を選択可能。どちらも豊富なプリセットが用意されており、AとBそれぞれ独立して設定できるため、レイヤーサウンドや複雑な音作りにも対応できます。

波形を選択して使うサンプラー
さらに興味深いのは、Pluginセクションを選択することで、Fluid Chords 2内に他社のプラグイン音源をホストできる機能です。例えば、SOUND A側には内蔵のウェーブテーブルシンセを、SOUND B側にはお気に入りの他社プラグイン音源を設定し、BLENDノブでミックスバランスを調整するといった使い方も可能です。この柔軟性により、制作者の創造性を最大限に引き出すことができます。

外部プラグイン音源を読み込んで使うことも可能
その他の注目機能
Fluid Chords 2はそのほかにも、いろいろな機能が搭載されており、旧バージョンからさらに進化しています。いくつかをピックアップしてみましょう
Split & Playモード
有効にすると、1つの鍵盤で左手による表現豊かなコード・ベンディングと、右手による自由なメロディー演奏を同時に行うことができます。左手でコード進行を作りながら、右手でメロディーラインを即興演奏するといった、まったく新しい演奏スタイルが実現できます。

Split & PlayモードをONにすれば、コードベンディングプレイとメロディーの両方を演奏できる
MIDI機能の強化
生成したコード・ベンディングは、MIDIファイルとしてDAWに直接ドラッグ&ドロップできます。さらに、MIDIファイルをFluid Chords 2にドラッグ&ドロップすることで、各コードを自動的にトリガー・キーにマッピングする機能も搭載。既存の楽曲データを活用した新しい表現も簡単に実現できます。
グライド機能の詳細設定
グライド・タイム設定でコードが自動ベンドするまでの時間をコントロールでき、グライド・カーブでベンドの感触をシェイプできます。スムーズなトランジションから大胆でドラマチックなシフトまで、楽曲に応じた細かな調整が可能です。

グライドタイム設定では音符指定もmsec指定も可能になっている
7月18日まで50%オフのイントロセール実施中
Fluid Chords 2は、前作の革新的なコンセプトをさらに発展させ、より実用的で表現力豊かなツールに進化しました。TRIGGERモードとREALTIMEモードの使い分け、強力な内蔵音源、他社プラグインとの連携機能など、あらゆる制作スタイルに対応できる柔軟性を持っています。
通常価格12,861円のところ、7月18日まで7,678円というイントロセールが実施されているこの機会に、ぜひ手に入れておきたいプラグインです。従来の音楽制作では不可能だった表現を実現し、新しいインスピレーションを与えてくれる、まさに次世代のハーモニー・ツールと言えるでしょう。
これまでのMIDIの概念を覆すコード・ベンディング体験は、一度試すとその革新性に驚かされるはずです。音楽制作の新たな可能性を切り開く、Fluid Chords 2の進化した世界をぜひ体験してください。
【関連情報】
Fluid Chords 2製品情報
【価格チェック&購入】
◎ハイ・リゾリューション ⇒ Fluid Chords 2
コメント