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これはDTM革命!?MIDIでもループでもAIでもない、Celemonyの新製品『Tonalic』の破壊力

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先月、Melodyneで知られるCelemonyからDTM革命といっても過言ではない新たなツール、Tonalic(トーナリック)なるものが発売されました。これはMIDIでの打ち込みでも、オーディオレコーディングでも、ループ素材活用とも異なるし、昨今話題のAI音楽生成とも違う、まったく新たな手法による音楽制作ツールであり、DAWのプラグインとして活用できるソフトウェアです。

基本的なコンセプトはプロのスタジオミュージシャンを雇って、自分の思い通りに演奏してもらう、というツール。考え方は従来からあるオーディオループに近いのですが、テンポやピッチをプロジェクトに追従させるだけでなく、思い通りのコード進行で演奏させることが可能であり、必要に応じて、まるでMIDIのように、その演奏の中身をいじれてしまう、というものなのです。VST3、AU、AAXの各プラグイン環境で動作し、Studio One Pro 7.2.3/Fender Studio Pro 8であればARA対応で(現状ではほかのDAWではARA対応しません)、まさにDAWの機能として使えるものとなっています。実際どんなものなのか、試してみたので紹介してみましょう。

DTM革命ともいえるCelemonyのTonalic

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AIでもMIDIでもループでもない新たな音楽制作手段

英語の動画ではあるのですが、まずはCelemonyによる1分間のTonalicの紹介動画があるので、ちょっと御覧になってみてください。

なんとなくでもニュアンスを感じ取れたでしょうか?日本語字幕がないので、そのまま翻訳してみたのがこちら。

世界中の伝説的なスタジオには、共通した雰囲気があります。
それは、ここで数多くの名曲が生まれてきた、その“魂”とも言える雰囲気です。

そこは、ミュージシャンがただ演奏する場所ではありません。
音楽を「創り出す」場所なのです。

Celemony独自のDNAテクノロジーによって、
ミュージシャンの最高の演奏は「Tonalic」へと昇華されます。

AIでも、ループでも、MIDIでもありません。
生きたレコーディングが、
まるで楽曲と一緒に演奏しているミュージシャンのように振る舞います。

あらゆるコード進行に、
あらゆるテンポに、
あらゆるグルーヴに自然に追従。

どんなDAWを使っていても、
どんな制作スタイルであっても、
Tonalicはあなたの音楽的意図を理解します。

人間ならではの表現力を宿したまま、
本物のギター、ベース、ドラムトラックを、
驚くほど簡単に生み出すことができるのです。

Melodyneを生み出した開発チームによる設計。
世界トップクラスのスタジオミュージシャンによる演奏。
そして、あなたの楽曲によってドライブされる存在。

Tonalic。
あなたのそばで演奏する、もう一人のミュージシャン。

何を言っているか、よく分からないですか?

NAMM Showでお会いしたCelemonyのTobias Diemerさん

先日のNAMM Showでお会いしたCelemonyのTobias Diemerさんも同様の説明をしてくれたのですが、ちょっと見ただけでは何がすごいのか分からなかったのも事実。もう少し具体的に紹介していきましょう。

オーディオループとMIDI、それぞれの限界

オーディオループ素材を並べて簡単に楽曲を作るという手法は四半世紀前に誕生し、今では当たり前の楽曲制作方法となっています。いい感じのループを選んで、トラックに並べていけば、簡単に曲を組み立てていくことができるという意味では、非常に便利な手段ではありますが、ここには限界もあります。

それはこうしたループ素材は、オーディオデータなので、融通が利かないという点です。確かにテンポをDAWに合わせて調整することはできるけれど、極端に変えると破綻してしまいます。またピッチを変えることは可能ですがCのコードをDやFに変えることはできても、これをC7やDsus4、Fmにすることはできません。

それを実現するためにはMIDIを使う必要がありますが、MIDIで1つ1つ打ち込むとなると、かなりな手間が必要となるし、ある程度の知識がないと難しいのも事実です。またこうした打ち込みだと単調になりがちで、プロミュージシャンによるグルーブは得られないし、そもそもギターの演奏などMIDIの打ち込みでは再現性が低くなりがち、という問題点もあります。

そうした従来のDTMの限界を超えて、誰でも簡単にプロのスタジオミュージシャンをDAWの中に召喚し、自分の思うように演奏してもらう、というのがTonalicの考え方なのです。

プロの演奏フレーズを選ぶところから始まるTonalic

では実際に使ってみましょう。TonalicはスタンドアロンでもDAWのプラグインのインストゥルメントとしても起動できるソフトですが、ここではプラグインとして起動させてみましょう。

Tonalicの起動画面

起動するとまず画面にはミュージシャンたちの写真や、楽器の写真が表示されています。そう、Tonalicには30人以上のミュージシャンが演奏したギターフレーズやベースフレーズ、ドラムフレーズ、、パーカッションフレーズのライブラリが膨大に収録されており、こうした写真から選べるようになっています。

Tonalicの検索画面

もちろん、検索機能を使うことで、ジャンルやリズムのニュアンス、ハーモニーの動きなどから絞り込んでいくことも可能です。そして、表示された素材をクリックすると、その演奏がプレビューとして聴くことが可能になっており、AccompanyがONになっていれば、ギターフレーズだとしても、一緒にドラムやベースなどが鳴る形です。

すぐにプレビューすることができる

そういう意味では、これまでもよくあるオーディオループ素材となんら変わらないですよね。

コード進行に合わせて“演奏が変わる”という衝撃

この絞り込んだ結果の一覧には、ピアノロールのサムネイルのような感じで、1小節とか2小節分の音の動きが表示されており、そのフレーズの長さがどのくらいなのかが分かるのですが、ギターやベースをプレビューしていて気づくのは単に1小節とか2小節をループしているわけではない、ということ。そう、コード進行が設定されていて、それに対応する形で演奏されているんです。

プレビュー中にコードが変化していく!?

これは、単にプレビューがそうなっている、というわけではありません。気に入ったフレーズがあったら、これを画面下へドラッグ&ドロップして持っていくことで、ループ素材のように並べていくことができます。普通のループ素材ならDAWのトラックへドラッグ&ドロップするところですが、実はTonalicではここが特殊なトラックとなって、DAW側のトラックには何も表示させずに使うんです。

トラックにコード設定していくことが可能

そして、その上がコード進行を設定するところになっており、自由にコードを設定していくことができます。しかも演奏させてみるとものすごく自然に実現できています。これはオーディオループには絶対できないことですよね。もちろん、テンポはDAWの設定に追従する形となっています。

ギターもベースもドラムも、すべてが連携するTonalicの仕組み

いまはギターのフレーズを並べてみましたが、ここにベースフレーズやドラムフレーズ、パーカッションフレーズを重ねていきたい、という場合どうすればいいのでしょうか?

これも簡単です。DAWのインストゥルメントトラックとして、ベース用、ドラム用、パーカッション用など、必要なだけTonalicのトラックを作成していけばいいのです。こうすることで、複数のTonalicが立ち上がりますが、実態は1つであり、お互い連携しているんです。

DAW上で複数のインストゥルメントトラックとしてTonalicを起動していく

実際、新たに追加したTonalicの画面を見ると、いま設定したコード進行がそのまま同じように表示されています。

複数トラックでTonalicを起動しても実は連携した同じものとなっている。実際に設定したコードが 別トラックでも同じように見える

さらにMultitrack Viewモードに切り替えると、Tonalicの下のトラックが複数になり、先ほどのギターのトラックも見える状態で、並べていくことができるのです。

Multitrack Viewモードにすれば複数トラックを1つのウィンドウで操作できる

3つ、4つとトラックを増やしていけば、Tonalic自体がまるでDAWのような感じで使うことができます。その際、Multitrack Viewモードにしておけば、表示しておくTonalicのウィンドウは1つだけでOKです。

4つのトラックにTonalicを設定しているが1つのウィンドウで操作可能

もちろん、Tonalicとはまったく別に自分で打ち込んだMIDIトラックや演奏したオーディオトラックをDAWのトラック側で重ねていくこともできるし、従来の手持ちのループ素材をDAWのトラック側で並べていくこともできます。

プロ演奏を“演出”できる多彩なコントロール機能

コード展開が可能である、というだけでもTonalicの凄さが分かると思いますが、TonalicをDTM革命だというのは、その先がまだいろいろあるからです。

まずはトラックに設定したフレーズをクリックすると、そのフレーズを演奏したミュージシャンの写真や名前が表示されるとともに、使った楽器やレコーディングしたエンジニアやスタジオの名前が表示されます。そしてそこには同じ環境でレコーディングされた別パターンが表示されているので、曲の中で少し別のフレーズに変えたいという場合、ここから選んで差し替えることが可能です。

選択したフレーズの詳しい情報や、バリエーションを表示

またTransitionsを選べば、オカズのようなパターンを選ぶことができるし、Endingsを選べばエンディング用のパターンを選ぶことができるようになっているのです。

TransitionsやEndingsをさまざまなバリエーションパターンが表示される

さらに、ミュージシャンの写真の下を見るとDrive、Ambience、Effectといったパラメータが、さらに右側にはSwing、Timing、Nudge、Shift、Speedといったパラメータが並んでいます。

各パラメーターでサウンドを調整していくことが可能

これを調整することで、よりドライブがかかった歪みのあるサウンドにしたり、リバーブ感をなくしたり…といったこともできるし、テンポをスウィングさせるとか、やや前ノリにするとか後ノリにするといったタイミングの調整もできてしまうのです。

MelodyneのDNAが生きる、Refineによる演奏エディット

さらに、これらプロのミュージシャン達が演奏したフレーズをより自由に、より大胆にエディットすることができるのもTonalicの大きな特徴です。トラックに並べたフレーズを選択した上で、Refineボタンをクリックしてみてください。

画面右下のRefineボタンをクリックすると…

このRefineボタンのアイコン、どこかで見たことあるような……と思う方もいるかもしれません。そう、これMelodyneに通じるものであり、プロが演奏したフレーズをまるでMIDIのピアノロールのように自由自在にエディットすることが可能になっているのです。

Melodyne風な画面でフレーズを調整することができる

そう、冒頭のYouTubeの動画のナレーションにも合った通り、TonalicはCelemony独自テクノロジーであり、ボーカルなどの単音はもちろん複数の音が重なったサウンドでも解析できるのDNAテクノロジーが搭載されています。そしてこのDNAテクノロジーによって、プロが演奏したフレーズを自在にコントロールできるようになっており、コード進行に合わせることもできたし、必要に応じてユーザーが直接エディットしてしまうことまで可能にしているのです。

プロが演奏したフレーズをちょっぴりいじる…といったことも簡単

もちろんMIDIのループ素材であれば、こうしたエディットも可能ですが、MIDIで鳴らす音源には表現力の限界があり、ここまで生々しいグルーヴ感を得ることはできないし、リアルなギターサウンドなどを実現するのは困難です。そうしたことを実現できるのがCelemonyのTonalicなのです。

Fender Studio Pro 8で真価を発揮するTonalicの統合力

このようにTonalicは、CubaseでもAbleton Live、FL Studio、Ability、Logic、Pro Tools……などVST3、AU、AAXのプラグインが使えるDAWであれば、どれでも使うことが可能ですが、Fender Studio Pro 8(正確にはStudio One Pro 7.2.3以上)であれば、ARAによって、より統合的に使うことが可能になっています。

先日リリースされたFender Studio Pro 8はTonalicと有機的に連携するようになっている

さすがARAを規格化したCelemonyという感じですが、完全にFender Studio Pro 8の機能として融合しており、使いやすくなっています。

ブラウザ画面の中にTonalicというタブがある

具体的には画面右側のブラウザのタブにTonalicというものが現れるのでこれをクリックすると、このブラウザがTonalicの検索画面として機能するようになります。

フレーズをドラッグ&ドロップでトラックにもっていくことができる

そして、このブラウザからフレーズを選んでFender Studio Pro 8の中へとドラッグ&ドロップすると、これがTonalicのトラックとして構成されるのです。そう、ほかのプラグインで使うDAWの場合、ドラッグ先はTonalicの画面下にあるトラックでしたが、Fender Studio Pro 8であれば、オーディオトラックやMIDIトラックと同じように新たなトラックとしてDAW上に並べていくことが可能なのです。

Fender Studio ProにおいてはMIDIでもオーディオでもなくTonalic専用トラックになっている

そしてそのエディットは画面の下側でできるので、プラグイン画面で操作するより断然使いやすくなるのです。

Fender Studio ProのコードトラックにTonalicは追従する

しかも、TonalicトラックにあるフレーズをMIDIトラックへドラッグ&ドロップすることが可能で、こうすると完全にMIDIトラックとして機能させることができ、さらに自由度高くエディットできるとともに、手持ちのインストゥルメントで鳴らすことも可能になるのです。こうしたことができるのは現時点においてはFender Studio Pro 8のみとなっています。

TonalicトラックからMIDIトラックにドラッグ&ドロップすることでMIDIデータに変換される

Tonalicは3エディション展開、まずはEssentialから試すのもアリ

そんなTonalicは大きく以下の3つのバージョンがあります。ここまで記事で紹介してきたものはTonalic Studioなのですが、先ほどのピアノロール画面でMelodyneのように自由にエディットできるRefine機能や各パラメータコントロール機能が搭載されていないTonalic Arrenger、さらにはギターのみに限定されますがMelodyne 5ユーザーやFender Studio Pro 8ユーザーに無料配布されているTonalic Essentialというものも存在しています。

それぞれの機能の違いをまとめたのが以下の表です。

項目 🟠 Tonalic Studio 🟡 Tonalic Arranger 🟢 Tonalic Essential
位置づけ プロ向け上位版 スタンダード版 入門・無料配布版
入手方法 サブスク/プリペイド購入 サブスク/プリペイド購入 Fender Studio Pro 8ユーザーおよびMelodyne 5ユーザー限定の無料ギフト(購入不可)
コンテンツ量 ギター・ベース・ドラム・パーカッション(7,000以上のパターン) ギター・ベース・ドラム・パーカッション(7,000以上のパターン) ギターのみ(限定セレクション)
収録ミュージシャン数 30名以上 30名以上 1名(Uwe Bossert)
対応スタイル カントリー、ロック、ソウル、R&B、ファンクなど10以上 カントリー、ロック、ソウル、R&B、ファンクなど10以上 Pop / Rock のみ
コード・テンポ・グルーヴへの追従
検索・プレビュー・バリエーション機能
ARA連携(Studio One Pro 7 / Fender Studio Pro 8)
プラグイン形式 VST / AU / AAX VST / AU / AAX VST / AU / AAX
ライブラリの継続追加 ❌(固定コンテンツ)
ロイヤリティフリー商用利用
ノートレベル編集(Refine機能) ✅ ピッチ・タイミング・ダイナミクス・ボイスリーディングを個別調整
ドラム・シンバルの独立コントロール
Drive / Ambience / Effects コントロール
ノートレベルの細部編集ワークフロー
月額(プリペイド) 4,480円 3,180円 無料
年額(プリペイド) 44,800円 31,800円 無料
永久ライセンス ✅(無期限)

この表からもわかるとおり、Tonalic Essential以外は永久ライセンスというわけではなく、30日間または1年間のプリペイドライセンス方式となっています。

Celemonyの本国サイトから直であれば、そのほかにも、期限が経過すると自動で課金されるサブスク版もありますが、いずれにせよ、買い切りではないことに抵抗を感じる人も少なくないとは思います。

とはいえ、このDTM革命に乗らないという手はないと思います。もしFender Studio Pro 8もしくはMelodyne 5を持っていれば、機能は限定されるけれど、Tonalicがどんなものなのかが分かるTonalic Essentialを使うことができるので、まずはそこから初めてみてはいかがでしょうか?

【関連情報】
Tonalic製品情報(beatcloud)
Tonalicサイト(英語)
Tonalic Essentialダウンロード(Melodyny 5ユーザー用)
Tonalic Essentialダウンロード(Fender Studio Pro 8ユーザー用)

【価格チェック&購入】
◎beatcloud ⇒ Tonalic Studio(1年分) , Tonalic Studio(30日分)
◎beatcloud ⇒ Tonalic Arranger(1年分) , Tonalic Arranger(30日分)

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