スポンサーリンク

AIマスタリングの新時代へ。古い楽曲を蘇らせるUnlimiter、自分だけのAIアシスタントを作成できる機能など、新機能を多数搭載。約30%OFFのイントロセールも開催中!

この記事は約18分で読めます。
この記事にはアフィリエイトなどPRが含まれています

業界標準ともいえるAIマスタリングツールのiZotope Ozoneが、メジャーバージョンアップし、Ozone 12として本日9月3日から発売がスタートしました。今回のバージョンアップでは、単なる機能強化にとどまらず、音楽制作のワークフローそのものを変革する可能性を秘めた、数々の画期的な機能が搭載されています。中でも注目すべきは、過度に圧縮されダイナミクスを失ったオーディオを復元する業界初の機能「Unlimiter」と、より求めているサウンドに近づけることのできるようになった自分だけのアシスタントを作成可能な「Custom Master Assistant flow」機能。

そのほかにも、2mixから各パートを分離してEQ調整できる「Stem EQ」や、低域を完璧にコントロールする「Bass Control」、さらに進化したマキシマイザの新モード「IRC 5」が搭載されるなど、これまでよりもフレキシブルで完成度の高いマスタリングを行えるようになっています。また、Ozone 12の発売と同時にiZotope Ozone 12イントロセールも開催中。Ozone単体のアップデート/アップグレード、クロスグレードが約30%OFFになっているほか、Ozoneを含んだバンドル製品もお得な価格で展開されています。そんな Ozone 12を実際に試してみたので、どのような進化を遂げたのか、イントロセール情報も合わせて紹介していきましょう。

海苔波形の楽曲のリマスタリングを可能にしたUnlimiter、低域を完全にコントロールできるBass Control、AIアシスタントは自分仕様にできる機能などを新搭載したOzone 12

スポンサーリンク
スポンサーリンク

AIが過去の音源を蘇らせる。業界初の復元機能「Unlimiter」

今回進化したOzone 12の目玉機能の一つが、新搭載の「Unlimiter」モジュールです。これは、過剰に圧縮・リミッティングされたことで失われてしまったオーディオのダイナミクスを、AI技術を用いて復元するという、まさに業界初といえる画期的な機能なのです。

過度に圧縮された音源のダイナミクスを復元するUnlimiter

DTMの歴史を振り返ると、2000年代頃から続いた「音圧戦争」により、多くの楽曲が過度なコンプレッションやリミッティングをかけられ、波形が矩形波のようになってしまう、いわゆる「海苔波形」状態のものが少なくありません。当時はそれが最先端のサウンドでしたが、ダイナミクスレンジの広い現在のオーディオ環境で聴くと、のっぺりとして迫力に欠ける印象を受けることもあります。

これまでは、一度潰されてしまったダイナミクスを元に戻すのは、ほぼ不可能とされてきました。しかし、このUnlimiterは、iZotopeが誇る最先端の機械学習技術によって失われたトランジェントを検出し、音楽的に復元させてくれるのです。

使い方は非常にシンプルで、楽曲を再生して「Learn Threshold」をクリック。すると、最適な位置にスレッショルドが設定されるので、あとは「Amount」を調整して、波形のピークを復活させるだけ。

「Learn Threshold」でスレッショルドを自動設定し、「Amount」で復元量を調整するだけのシンプルな操作性

これを使えば、たとえば昔作った自身の楽曲のマスター音源が2mixしか残っておらず、現在の基準でリマスターしたくてもダイナミクスがなく手が出せなかった古い音源でも、ダイナミクスを蘇らせ、現代的なマスタリングを施すための下地を作ることができます。また、リミックスのために手に入れた音源がすでにコンプレッションで潰されてしまっている場合などにも、この機能は絶大な効果を発揮します。やりすぎてしまった処理を元に戻すという、これまでにはなかった新しい選択肢が加わりました。

Unlimiterを適用する前(上)と適用した後(下)の波形比較。潰れていたピークが復元され、ダイナミクスが回復しているのが分かる

自分仕様のアシスタントを作れるCustom Assistant flow

Ozoneシリーズの代名詞ともいえるAIアシスタント機能「Master Assistant」も、Ozone 12で大きな進化を遂げました。従来のMaster Assistantは「Auto-Master」と表記され、新たに登場したCustom Assistant flowは、「Custom」と、2つの選択肢から選べるようになりました。

全自動の「Auto-Master」と、カスタマイズ可能な「Custom」が選択できる

Customを選択すると、左側に数十種類のジャンルターゲット、右側に各モジュールのオンオフ、intensity、ラウドネス、アウトプットレベルなど、Master Assistantをどう作用させるか、細かく調整することが可能です。たとえば、マキシマイザはお気に入りのプラグインがあるからOzoneではオフにしておくといった場合や、ラウドネス値はあらかじめ低めのターゲットにする、モジュールはEQとImagerだけ使うなど、すべてお任せにするのではなく、自分好みのいつもの設定を作ることができるようになっています。

Custom Assistant flowの設定画面。ジャンルターゲットの選択や、使用するモジュールのオン・オフなどを細かく設定できる

ちなみにintensityは、どれだけ元の状態から変更を加えるか決めるパラメータ。5段階から調整することができ、一番左では元の周波数特性やダイナミクスを維持した控えめなモジュールの設定となり、逆に一番右ではよりジャンルターゲットに合わせるように派手にモジュールが設定されるようになります。EQモジュールでこの変化を見てみると、intensityを一番左のSubtleにした状態が以下の画像です。

intensityを最も左の「Subtle」に設定した際のEQカーブ。原音に近い、ごくわずかな補正となっている

一方、一番右のTransformativeにした状態が以下の画像。

intensityを最も右の「Transformative」に設定した際のEQカーブ。より大胆な変化が加えられている

こうした設定を活用して、単なる自動化から一歩進んで、AIの挙動を自分のスタイルに合わせて作り込むという、新しいアプローチが可能となりました。

ミックス段階にまで踏み込む、ステムEQと低域コントロール

また、今回のアップデートでは、Ozone 11で搭載されたステム分離機能「Stem Focus」をさらに発展させたようなモジュール「Stem EQ」が搭載されています。これは、ステレオの2mix音源からボーカル、ベース、ドラム、楽器の各パートをAIが分離し、それぞれに対して個別にEQ調整を可能にするという画期的な機能。

新モジュールとして追加された「Stem EQ」。2mix音源をパートごとにEQ処理が可能になる

ミックスが完了し、マスタリング段階に入ってから、「ボーカルが少しこもって聴こえる」「ドラムのハイハットが耳に痛い」といった問題に気づくことはよくありますよね。従来であれば、再びミックスのセッションファイルに戻って修正する必要がありましたが、Stem EQを使えば、マスタリングのプラグイン内で直接、問題のあるパートにだけEQを適用できます。時間がない場面や、ミックスのプロジェクトファイルが手元にない場合などに便利に使うことのできる画期的なツールとなっています。

実際にStem EQのモジュールを立ち上げてみると、上部にVocals、Bass、Drums、Otherが並んでおり、それぞれをクリックすると、そのパートのEQが調整できるようになっています。ソロボタンを押すと、そのパートだけ絞って聴くことができ、細かな調節も行うことが可能ですよ。

上部のタブでパートを選択し、EQカーブを調整する。ソロ再生にも対応している

また、低域のコントロールに特化した「Bass Control」モジュールも強力な新機能。低域はマスタリングにおいて最も扱いが難しい帯域の一つであり、ここの処理が楽曲全体の印象を大きく左右します。Bass Controlは、低音のエネルギーを直感的に視覚化し、バランスを調整することで、ミックスの重心を加えたり、キックをタイトにしたりといった処理を的確に行うことができます。これにより、カーオーディオやクラブ、スマートフォンのスピーカなど、あらゆる再生環境でも力強く響くマスターサウンドを目指すことが可能になるのです。

低域に特化した新機能「Bass Control」モジュール。クリアさやパンチを加え、低音のエネルギーをバランスよく調整する

よりパワフル、よりクリアに。進化したMaximizerと各種アップデートポイント

Ozoneの核となるモジュールであり、多くのユーザーに愛されてきたMaximizerも、Ozone 12でさらなる進化を遂げました。新たに追加されたアルゴリズム「IRC 5 Mode」は、OzoneのMaximizer史上、最も先進的でパワフルなモードとなっています。

従来のMaximizerでも十分に高品質な音圧を得ることができましたが、このIRC 5は、ラウドネスを極限まで高めても歪みやポンピングといった副作用が少なくなっており、優れたクリアさとパワーを両立させています。これまでラウドネスを追求する際には、多少の音質変化はトレードオフとして受け入れざるを得ない側面がありましたが、IRC 5はそうした点を改善し、プロフェッショナルな仕上がりを実現することができるのです。

Maximizerに搭載された新アルゴリズム「IRC 5」。ラウドネスとクリアさを高い次元で両立させる

そのほかにも、Ozone 12には数々の改良が行われており、Ozone 11で導入されたStem Focusは、新しいニューラルネットワークの搭載により、アーティファクトを最小限に抑え、よりクリーンな分離精度を実現しました。またマスタリングEQであるStabilizerモジュールには、新たに25種類のジャンルターゲットが追加され、より多彩なサウンドに対応できるようになっています。ユーザーインターフェイスも、さらに洗練され直感的なデザインへと進化。膨大な機能をスムーズに使いこなすことができ、クリエイティブな作業に集中することができますよ。

なおElements、Standard、Advancedの3つのラインナップで何が違うかをまとめたのが以下の表です。これを参考に、何を買うべきかを考えてみるとよさそうです。

Ozone 12機能比較表

Elements Standard Advanced
Master Assistant: Custom Flow
Master Assistant: Assistant View
Modules available as separate plugins
Bass Control
Clarity
Dynamic EQ
Dynamics
Equalizer
Exciter
Imager
Impact
Low End Focus
Master Rebalance
Match EQ
Maximizer
Spectral Shaper
Stabilizer IMPROVED
Stem EQ
Unlimiter
Vintage Compressor
Vintage EQ
Vintage Limiter
Vintage Tape

※赤字はOzone 12の新機能

初めてOzoneを購入する方必見。Ozoneを最も安く購入するための裏ワザを紹介

今回のイントロセールでは、新規購入は対象となっていませんが、なにかiZotope製品を1つでも持っていれば購入できるクロスグレード製品や過去のOzoneからアップデート、たとえばStandardからAdvancedにするアップグレードがセール価格で展開されています。

商品名 タイプ 希望小売価格
(税込)
セール価格
(税込)
割引率
Ozone 12 Elements NEW ¥9,200
Ozone 12 Standard NEW ¥36,900
Ozone 12 Standard:
Crossgrade from any paid iZotope product
CRG ¥33,900 ¥25,382 25%
Ozone 12 Standard:
Update from any previous version of Ozone Standard
UPD ¥21,500 ¥16,500 23%
Ozone 12 Standard:
Upgrade from Ozone Elements or Elements Suite
UPG ¥27,100 ¥20,530 24%
Ozone 12 Advanced NEW ¥84,800
Ozone 12 Advanced:
Update from any previous version of Ozone Advanced
UPD ¥50,800 ¥33,810 33%
Ozone 12 Advanced:
Upgrade from Ozone Elements or Elements Suite
UPG ¥74,900 ¥55,376 26%
Ozone 12 Advanced:
Upgrade from any previous version of Ozone Standard
UPG ¥67,800 ¥50,808 25%
Ozone 12 Advanced:
Crossgrade from any paid iZotope product
CRG ¥75,500 ¥55,322 27%

また、一部バンドル製品もイントロセールとなっているので、以下の表を確認してみてください。なお、9月3日にリリースされるMPS 8、および最新Everything Bundleについては、本バージョンよりCatalystシリーズ(FXEQ、Velvet、Aurora、Cascadia、Plasma)がそれぞれ付属となるとのこと。一方Mix & Master Bundle AdvancedにOzone 12 Advancedは含まれますが、Catalystシリーズは付属しないとのことです。

商品名 タイプ 希望小売価格
(税込)
セール価格
(税込)
割引率
Elements Suite 11 NEW ¥24,600
Elements Suite 11:
Upgrade from any Elements
UPG ¥16,900 ¥12,675 25%
Mix & Master Bundle Advanced NEW ¥101,800
Mix & Master Bundle Advanced:
Crossgrade from Ozone Advanced or Nectar Advanced
CRG ¥60,100 ¥45,075 25%
Mix & Master Bundle Advanced:
Crossgrade from Ozone Standard, Nectar Standard, or Neutron
CRG ¥75,500 ¥56,625 25%
Music Production Suite 8 NEW ¥135,700
Music Production Suite 8:
Update from Music Production Suite 1-6.5
UPD ¥77,100 ¥58,623 24%
Music Production Suite 8:
Update from Music Production Suite 7-7.1
UPD ¥61,600 ¥46,576 24%
Music Production Suite 8:
Upgrade from Mix & Master Bundle Advanced
UPG ¥84,800 ¥63,600 25%
Music Production Suite 8:
Crossgrade from Ozone Standard, Nectar Standard, or Neutron
CRG ¥101,800 ¥76,350 25%
Music Production Suite 8:
Crossgrade from Ozone Advanced or Nectar Advanced
CRG ¥84,800 ¥63,600 25%
Music Production Suite 8:
Crossgrade from RX Standard or RX Advanced
CRG ¥77,100 ¥57,825 25%
Music Production Suite 8:
Crossgrade from any Elements or Catalyst Series
CRG ¥125,900 ¥94,425 25%
iZotope Everything Bundle NEW ¥509,300
iZotope Everything Bundle:
Crossgrade from RX Advanced
CRG ¥251,500 ¥188,625 25%
iZotope Everything Bundle:
Upgrade from Music Production Suite
UPG ¥213,900 ¥160,425 25%
iZotope Everything Bundle:
Upgrade from Post Production Suite
UPG ¥185,100 ¥138,825 25%
iZotope Everything Bundle:
Update from prior Everything Bundle
UPD ¥61,600 ¥46,576 24%

もし、初めてOzoneを購入するとなったら、まずなにかしらiZotope製品を持っていれば、そのままクロスグレード版を購入すればOK。もしかしたら過去のキャンペーンなどで、有料版をゲットしている可能性もあるので、一度確認してみるといいでしょう。

一方で、iZotope製品を持っていない方であれば、新規購入してしまいそうですが、ちょっとストップ。実はOzone 12 Elementsを購入してから、Ozone 12 StandardやOzone 12 Advancedをゲットするほうが、お得に購入できてしまうのです。まずOzone 12 Standardを購入する場合から見ていきましょう。

Ozone 12 Standardの新規購入は、今回セール対象外なので、価格は36,900円。一方、9,200円のOzone 12 Elementsを購入してから、24%OFFとなっている20,530円のOzone 12 Standard: Upgrade from Ozone Elements or Elements Suiteを購入すると、29.730円でOzone 12 Standardをゲットできるのです。

Ozone 12 Standard 新規購入 36,900円
Ozone 12 Standard 裏ワザ価格 29,730円
差額 7,170円

同様にOzone 12 Advancedであれば、新規購入は84,800円。一方で、またも9,200円のOzone 12 Elementsを購入してから、26%OFFとなっている55,376円のOzone 12 Advanced: Upgrade from Ozone Elements or Elements Suiteを購入すれば、64,576円となるのです。

Ozone 12 Advanced 新規購入 84,800円
Ozone 12 Advanced 裏ワザ価格 64,576円
差額 20,224円

新規購入の価格は希望小売価格(税込)を参考にしているので、差額が若干左右するとは思いますが、この買い方がもっともお得なはず。Ozone 12 Elementsだけでまずはいいや、という方もいると思いますが、その方はそのまま購入してOK。前述のように、今後もっと機能が充実している上位版にしたいとなっても、アップグレード版を購入すれば、通常よりも安く上位版にできるので、とりあえず持っておいて損はないですよ。逆にOzone以外、ほかのiZotope製品もクロスグレード版で購入できるようにもなりますしね。

以下に、ギタリストでエンジニアである青木征洋さんによるいOzone 12の新機能紹介ビデオがあるので、参照してみるとわかりやすいと思います。

以上、iZotope Ozone 12の主な新機能について紹介しました。今回のバージョンアップでは、これまで困難だった過圧縮音源のダイナミクス復元や、ユーザーのワークフローに合わせたAIアシスタントのカスタマイズなど、多くの実用的な機能が追加されています。AIによるマスタリングの新たな可能性を秘めたOzone 12、試してみてはいかがでしょうか。

【関連情報】
iZotope Ozone 12 製品情報

【価格チェック&購入】
◎MIオンラインストア ⇒ Ozone 12 Advanced , Ozone 12 Standard , Ozone 12 Elements

コメント