d-girlsリミックスコンテスト vol.2の結果発表。グランプリは海外からの応募作品!? リミックスアルバムも11月に発売が決定

6月29日~7月22日で行われた、TRANCE系アイドルグループ・d-girlsの楽曲のリミックスコンテスト。数多くの方に関心を持っていただくとともに、計84作品もの応募をいただきました。優秀な作品が数多くあり、悩ましいところでしたが、その中から14の作品を最終選考楽曲としてノミネート。さらに絞り込んでグランプリ作品を確定。その結果が先日、東京・恵比寿のLIQUIDROOMで行われたd-girlsのワンマンライブにおいて発表&披露されました。

グランプリに輝いたのは、香港からの応募作品、Polykeeperさんによるリミックスでした。英語版も中国語版も存在しないDTMステーションで行ったリミックスコンテストに海外からの応募があったのにもビックリでしたが、その1つが最後まで残り、ライブ当日、d-girlsメンバーによるダンス&ボーカルが披露されたのです。実際にライブ会場に足を運ばれた方も多かったと思いますが、改めてリミックスコンテストの結果およびライブ当日の様子についてレポートしてみたいと思います。

8月13日に東京・恵比寿のLIQUIDROOMで行われたd-girlsのワンマンライブ

昨年に続き、今年も行われたd-girlsのリミックスコンテスト。今回のテーマ曲となったのは、5月に発売されたベストアルバム「d-girls’19」に収録されている、「Smaile again」というTRANCEを基調とした楽曲。

作曲・アレンジはd-girlsのプロデューサーであるdencuさん、作詞はd-girlsの実質リーダーである杉本よしみさん、という作品。実はd-girlsの前身となるユニット、d-tranceで歌われた曲をd-girlsがカバーした作品であり、オケは当時のものがそのまま使われていました。このオケのマルチトラックデータおよびd-girlsのメンバー5人それぞれのボーカルがリミックス用の素材として公開されたのです。こうしたマルチデータが公開されることはあまりないので、多くのDTMユーザーにとっても有益な研究素材になったのではないか、と思っています。

そのリミックスコンテストに、昨年とまったく同数の84件の応募があったのです。コンテストのスタートから2週間近く、ほとんど応募がなく、今年は失敗か……なんてヒヤヒヤしていましたが、最後の1週間で一気に応募が増え、ダウンロード&試聴作業が大変だったのは嬉しい悲鳴といったところでした。

その作品の選考はdenchuさんと私が担当。優秀作品が非常に多くて、絞り込むのはとっても難しい作業でした。ただ、グランプリを早く決めなくてはならないという事情もあったのです。そう、このグランプリ作品を、8月13日のライブ会場において披露し、d-girlsメンバーがこれに合わせてダンスし、歌うことが決まっていたので、急いで振り付けを決めたり、練習をする必要があったからです。なかなかすごい綱渡りですよね。

議論の末、絞ったのが以下の14人の方の作品でした。それぞれYouTubeで公開しましたので、聴いてみると、本当にさまざまな作風があるので、面白いですよ。

DJKurara   JUNTA   Ken Plus   Kita-Ke   kuro
momantai   N-sKing   Polykeeper   なかでぃ   ひじりいちろう
阿部隼大   西園寺成弼   東雄アモ   武田麻生最終選考に残った14人のみなさん(敬称略)

この14人ノミネート作品を絞り込むところまでは、スムーズにいったのですが、最後に議論になったのがグランプリ作品の決定。denchuさんと私との間で、少し意見が割れたために、一発で確定とはなりませんでした。その中で、お互いが出したカードがPolykeeperさんの作品だったのです。

Polykeeperさんを囲むd-girlsメンバー

前述の通り、Polykeeperさんは、香港在住の香港の方で、応募のやり取りも英語。実は昨年の第1回のリミックスコンテストでも応募していただき、グランプリは逃したものの、ノミネート作品にはいり、昨年リリースしたリミックスアルバム「CHANGE THE WORLD -Remixー」にも収録していたんですよね。

グランプリ受賞者 Polykeeperさんインタビュー

ーー今回のライブのために海外からいらっしゃったんですよね?
Polykeeper:こんにちは香港から来ましたPolykeeperと申します。私自身も音楽プロデューサーとして香港で仕事をしています。今回はd-girlsのライブのために昨日来ました。時々、東京には遊びに来ているんですよ。

--今回のリミックスで使ったDAWやプラグインについて教えてください。
Polykeeper:私はCubaseユーザーで10年以上使ってきていますが、今回は少し新しい試みをしてみたいと思い、Cubase 10に加えサウンドデザインツールとしてAbleton Live 10も使っています。プラグインはWavesのRenaissance collectionを使っています。これは私のとっても好きなエフェクトなんです。また音源にはSerumとMassiveを使っています.

--読者のみなさんへ一言お願いします。
Polykeeper:まず、d-girlsのみなさんとDTMステーションに心から感謝します。まさかグランプリになるとは思っていなかったので、大変光栄です。オリジナルの曲「Smile Again」は本当にすばらしく、リミックス作業もとても楽しくできました。また今回のライブに招待していただき、本当にありがとうございます。日本のアイドルのライブショーに参加するのは今回が初めてでした。パフォーマンスは本当にエネルギッシュで素敵な雰囲気で楽しかったです。リミックスアルバムの第2弾も出るとのことなので、楽しみにしてます。

さて、その8月13日のリミックスコンテストの発表会でもあるd-girlsのワンマンライブの会場には、最終選考に選ばれた14人をご招待しました。そのうち、都合のついた7人の方が参加してくださったのですが、その中に香港から駆けつけてくれたPolykeeperさんもいたんですね。ただ、そのPokykeeperさんを含め、グランプリが誰であるかは、あえてお伝えしていませんでした。せっかくなら、ノミネートされたみなさんにも当日のドキドキ感を味わってもらおうというdenchuさんの計らいですね。

後半の1曲目としてグランプリ作品が公開された

そのライブ、前半はノンストップで進行。d-girlsメンバーのトークビデオを挟んで、今回のリミックスコンテストの概要をビデオで説明。そして後半の第1曲目で、Pokykeeperさんの曲が披露される形になりました。もっともライブ中には誰が作ったリミックスなのかの解説はなかったので、それが誰の曲であるか理解したのはPolykeeperさん本人だけだったのですが!改めてその作品は以下のものです。

ところで、今回のワンマンライブもPAエンジニアは難難波浩史さん、マニピュレーターは須賀勇介(Command S.inc)ささんで、Cubaseを使って操作を行うという流れは1年前の赤坂BLITZでのワンマンライブのときとほぼ同様。「Cubaseによるパラ出しで赤坂BLITZのライブを演出。アイドルグループd-girlsのリミックスコンテスト結果はCDで発表に!」で詳細を書いているので、そちらも参考にしてみてください。

マニピュレートにはCubaseが使われていた

一方で、音とは直接関係ないのですが、ライブを見ていて個人的にとっても興味を持ったのが、ビジュアルポイというものを使った演出です。そうライブ中、d-girlsメンバーが持っていた光る棒。といっても、サイリュームとかペンライトというわけではないんです。これをバトンのように持って回すとハートの形や星の形が浮かび上がったり、d-girlsという文字が表示されたり…。

バトンのように使うビジュアルポイは、曲の進行に合わせて文字やグラフィックが現れる

しかも、みんなが持っているポイ同士が同期・連携しているし、そもそも曲にピッタリ合った形で表示が変化しているんですよね。実際その時の様子をiPhoneで少しだけ撮影してみたので、どんな動きをしているものなのかご覧ください。

とっても面白いですよね。肉眼で見たときのほうが、残像が残るからなのか、よりグラフィックがクッキリと見えたのですが、雰囲気はお分かりいただけると思います。このd-girlsのライブに限らず、最近さまざまなイベントやライブなどでも使われているそうなので、ご覧になったことがある方もいると思います。

数多くのLEDが内蔵されているビジュアルポイ

今回、そのポイの演出をおこなっていたPOI LABのKiMさんにお話しを伺ったところ、これは予め表示させる情報を各ポイに記憶させ、POIのLEDを用いて表示を行っている、とのこと。その表示情報の編集はPCのソフトを用いて行っているそうですが、画面を見るとわかる通り、一番下には曲のデータが波形としてあり、これに合わせてプログラミングしているわけですね。

専用のソフトを用いてポイに表示させるグラフィックを曲に合わせて仕込んでいく

これがCubase側とMTCやMIDIクロックなどで同期しているのかな?と思ったら、そこまでではありませんでした。クルマのキーレスエントリーのようなリモコンを使い、各ポイに対して一斉にスタートをかけると、あとはそれぞれが時間の進行に合わせて動いていく、というもの。曲の頭で確実にスタートさせなくてはいけないというリスクはありますが、1曲あたり3~5分程度ですから、同期信号などなくてもズレずに動いていた、というわけです。

リモコン操作でビジュアルポイに仕込まれているのシーケンスをスタートさせる

このビジュアルポイ、購入すると1セットあたり20万円程度するとのことで、誰でも簡単に導入できるいうわけにはいかなそうですが、ライブのステージ演出としては面白いと思います。

さて、その後ライブの最後には事前告知もあった大きなお知らせが…。そう、これまでd-girlsは杉本よしみ(@yoshimi_1106)さん、瀬戸千花(@seto_chika)さん、斉東由奈(@saito_yuna)さん、こだま霞(@kdm_kasumi)さん、百瀬めい(@_momose33)さんの5名のメンバーで活動していたのですが、ここにd-girls候補生として崎山サラ(@Sarahsakiyama)さん、来栖蘭(@KurusuRan)さんの2人が加わることに。

d-girls候補生の来栖蘭さん(左)と崎山サラさん(右)

まだ候補生という段階ではありますが、7人のグループになるということで、その雰囲気も少し変わってくるかもしれません。DTMステーションとしては、今後も変わらず応援していきたいと思っています。

ライブ終了後、候補生を入れたd-girlsメンバー7人と、リミックスコンテストの最終選考となったみなさんと記念撮影

以上、リミックスコンテストの発表を兼ねたd-girlsのワンマンライブについてレポートしてみました。前述のリミックスアルバムは11月リリースの予定ですが、10月27日開催予定のM3で先行リリースできるかもしれません。詳細については、また追ってお伝えしますので、情報をお待ちください。

【関連情報】
d-girls公式サイト
YouTube d-girls officialチャンネル
POI LABサイト

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