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一家に一台!VUメーターをDTMerが持っておくべき理由

レコーディングスタジオやマスタリングスタジオには必ずあるVUメーター。見た目にもカッコいいけれど、単にカッコいいというのではなく、スタジオに存在する大きな理由があります。それは、これを見れば、音楽制作に適正な音量を一目で把握することができ、CDにしたりネットにUPする作品を正しく、効率よく、作っていくことができるからです。とくにストリーミング全盛の時代になった今、その重要性が高まってきています。

そんなVUメーターに、ものすごいこだわりを持って開発する日本の小さな、小さなメーカーがあります。HAYAKUMOは今年、音楽制作者の要望を徹底的に詰め込んだVUメーター、FORENOを発売。日本の伝統と職人の技で作り上げた、このVUメーター、FORENOは国内外の制作現場で絶賛されているようですが、DTMerにとっても大きな武器となるアイテムです。開発者である早雲健悟さんにいろいろとお話を伺うとともに、実際にFORENOを使ってみたので、改めてVUメーターとは何なのか、どうしてこれが音楽制作に有効なのかを見ていくことにしましょう。

HAYAKUMOが発売した最高精度のVUメーター、FORENO

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「VUメーターって、写真やビデオで見たことあるけど、何に役立つのかよくわからない」、「DAWにメーターがあるんだから、特に必要性などないのでは?」という方も少なくないと思います。

改めて紹介すると、VUメーターとは“ブイユーメーター”と読み、80年ほど前に誕生した音量感を計測するため測定器で、VUとはVolume Unitと呼ばれる音量の単位を示しています。DAWに搭載されているメーターは、一般的にピークメーターと呼ばれるもので、その時々の音量レベルを即反映させる、非常に細かな動きをするものであるのに対し、VUメーターはとっても緩やかな動きをするメーターです。

VUメーターは300msecの反応速度でレベル表示を行う音量感を測定するメーター

正しくいうと、針の反応速度が300msec(0.3秒)となっているので、それに伴うゆっくりな動きなのですが、そのことによって、人間の聴感上の音量感に近い形でレベルを捉えることが可能となっています。瞬間的な音量の動きや、極一瞬の「ピークを越えたのでは!?」という部分は捉えることができないけれど、曲のダイナミクスの状況などを感覚的に捉えることができるので、音楽制作に大きく役立ってくるのです。

とはいえ、アナログのメーターってなんとなくレトロな印象もあるし、ビンテージ機材にしかない印象。それをなぜ日本のベンチャーが取り組んでいるのか、FORENOの開発者であり企画者であるHAYAKUMOの社長、早雲健悟さんに聞いてみました。

HAYAKUMOの代表取締役で、FORENOの企画開発を行った早雲健悟さん

私自身は技術者ではなく、昔、べスタクスで営業をしていましたし、今も営業が本業です。そんな私がVUメーターを作ることになったキッカけは、2016年ごろ、COLDFEETのWatusiさんから、『手頃な価格のVUメーターがあったら、日本の音楽制作環境をよくすることができる、なんとか作れないだろうか?』と言われたことでした。ちょうどVUメーターのデッドストックが数百個、手に入ったので、Watusiさんからアドバイスをしてもらいながら、元べスタクスのエンジニアと回路設計を行い、板金屋や量産を請け負ってくれる工場を回りながら、なんとか作り上げたのが2017年8月に発売したFORMAというVUメーターだったのです

そのFORMAが完成したタイミングで、Watusiさんが「なぜVUメーターが必要なのか」というテーマで分かりやすく説明する3分半のビデオがYouTubeにUPされているので、これをご覧いただくとすごく理解しやすいと思います。

Watusiさんには以前「キックを並べれば、かっこいい4つ打ちになるのか!?リズム作りの奇才、Watusiさんが教えるビート・メイキング・セミナーが11月スタート」という記事で登場していただいたこともありましたが、音楽をお弁当箱に例えながら、VUメーターの必要性、ピークメーターとの違いを分かりやすく教えてくれています。

簡単にいうと、CDにしたり、テレビ・ラジオで放送する上で、音楽にはお弁当箱のような大きさや深さが決まっていて、そこに収めないと、無理やり小さくされてしまう。そうならないようにチェックできるのがVUメーターであり赤い領域になる手前、0dB以内に収める必要があるんだ、と語っています。

デザインにも徹底的にこだわったFORENO

また、ピークメーターではあまり振れない重低音もVUメーターはしっかり捉えてくれるので、直感的に音楽を制作していくことができるのだとも話しています。そのFORMAという3年前に登場したVUメーターは2年足らずで売り切れてしまったのだとか……。そうデッドストックのパーツを利用していたので、それ以上の再生産ができないため、国内からはもちろん海外からも「売ってくれないか?」という声が早雲さんの元に多数届いたのだとか…。

3年前に発売し、部品を使い切ったことで生産完了となった前モデルのFORMA

VUメーターって計測器なので、非常に厳密な規格が存在するんです。針の動き方はもちろんのこと、照明用ランプにいたるまで、事細かに決められています。日本でも以前はNHKが『BTS 5703(VU計)』という規格を作っていましたが、その後JIS規格の『JIS C 1504(VUメータ)』というものに統合されていきました(現在はJIS規格も廃止)。そういった厳密な規格に対し完全に準拠したメーター部品は世界中を探しても、それほどありません。その中で、おそらく世界的に見ても一級品といえるものを作っているメーカーが、神奈川県伊勢原市にあったんです。昭和7年創業の扶桑計測器株式会社という会社で、実際にその製造工程を見てみるとまさに熟練の職人が、まるでお米に絵を書くような、神ワザで作っているんです。それだけに、1つ1万円以上とかなり値も張るのですが、それを採用して作り上げたのが、今年1月に発売したFORENOなんです」と早雲さん。

VUメーター部品には扶桑計測器製の1個1万円以上する世界最高性能といえるものが採用されている

最初のFORMAを出した際に、Watusiさんやユーザーから寄せられた要望をできる限り聞き入れて、完成させたそうで、まさにFORMAのアップグレード版。ちなみに、回路設計をしているのはFORMAと同様、元べスタクスの方ですが、実はティアックの社員番号二桁だった方で、間もなく80歳というベテラン中のベテラン。FORENOは、そんな日本の英知を終結させたような作品だったんですね。

そうはいっても、プラグインのVUメーターなどもある中、ハードウェアVUメーターの意味合いはどれだけあるのでしょうか?

ソフトウェアのVUメーターも存在するが、まったくの別物であると早雲さんは指摘する

機能としては近いかもしれませんが、やはりまったくの別物だと認識しています。バーチャルなものはとことんリアルを追求してきますが、やはりリアルを超えることはありません。特に物理的な針の動作は瞬間的にワープすることなく、常に連続的なのです。そこに音を視覚的に捉えるためのVUメーターとしての本当の価値があります。また、VUメーターはいつでも、すぐに確認できるようにしたいところですが、プラグインなどだと画面の後ろ側に行ってしまったりと見逃してしまいがち。その点は各現場からも、『常にいつでも針が振れているのが確認できるからいいよね』といった声をいただいています」(早雲さん)

FORENOのリアパネル。下のコンボジャックに信号を入力し、上のXLRからスルーしてモニタースピーカーへ

では、実際、このFORENOはどうやって使えばいいのでしょうか?これはオーディオインターフェイスのメイン出力をそのままFORENOの入力に突っ込むのが手っ取り早い手段。コンボジャックとなっているので、XLRでもTRSでもOKです。初期出荷状態では+4dBuの信号でピッタリになるように調整されていますが、バックパネルにあるキャリブレーションで調整することで-10dBVで利用することもできます。

そしてFORENOに入った信号で、VUメーターが振れるわけですが、FORENOには入力された信号をそのままスルーアウトさせる端子があるので、これをパワードのモニタースピーカーへと接続するのです。

可能であれば、メイン出力とは別に用意したVUメーター用の出力を使ってFORENOに接続してほしい、と早雲さん

このスルーアウトは音質劣化がほぼないように設計してありますが、もし、オーディオインターフェイスにマスターアウト以外にもう1系統あれば、そちらをFORENOに接続していただくのがベストです」(早雲さん)

実際に試してみたところ、このスルーアウトを通した際の音の変化はまったくないといっていいレベル。そもそも、FORENOの電源をオフにしても、そのままスルーされる仕組みになっているんですね。ただ、音量調整のためにオーディオインターフェイスの出力を動かしてしまうとVUメーターの調整をゼロからやり直さなくてはならないため、別系統にしておくと便利だというのが早雲さんの指摘のようです。

フロント中央部に用意されたアッテネーター。3dB刻みで調整できる

ところで、このFORENOには、Watusiさんなどからの要望で搭載されたもう一つ大きな機能があります。それがフロント中央にあるATT=アッテネーター機能です。見ると0dB、-3dB、-6dB、-9dB、-12dB、-15dBと3dB刻みで切り替えることができるようになっています。この辺の理由はFORENO誕生の背景なども、Watusiさんが語っているビデオがあるので、これを見ると分かりやすいと思います。

このビデオの中にもある通り、作曲したり編曲したりという段階で必要とするリファレンスと、ミックス段階でのリファレンス、そしてマキシマイザーなどをかけてマスタリングする段階でのリファレンスでは、それぞれ違いがあります。一般的なVUメーターであれば、どの段階の作業をしているのかを頭で描きつつ、どのくらいの針の触れがいいのかを判断する必要がありますが、アッテネーターを使うことで、それぞれの段階に適した針の触れ方にすることができるため、常に0dBを超えないことを基準に調整することができるのです。

サイドは木製で、フロントに10度の角度を付けたことでデザイン性と視認性を高めている

そんなFORENO、デスクトップ環境に置くのにはぴったりだし、デザイン的にもカッコイイし、また、パネル面が角度的に10度ほど上に向いている辺りも非常に使いやすいところ。さまざまな点に、とことんこだわった設計になっていますが、主にプロの方々から、「これをラックにマウントしたい」という声が結構集まっていたのだとか……。

FORENO(上)とFORENO-Rack(下)

そうした要望に応えるため、早雲さんは機能的にはまったく同一ながら2Uのラックに収まるFORENO-Rackも開発し、7月から発売するのだとか……。こうした選択肢が増えるあたりも気が利いていて嬉しいところだと思います。

FORENO-Rackをラックにマウントするとこんな感じに…

以上、HAYAKUMOのVUメーター、FORENOについて紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?音楽制作をするのであれば、1台持っていて絶対に損のない重要なアイテムだと思います。

※2020.07.29追記
2020.07.28に放送した「DTMステーションPlus!」から、第156回「待望のメジャーアップデート!Studio One 5」のプレトーク部分です。「一家に一台!VUメーターをDTMerが持っておくべき理由」から再生されます。ぜひご覧ください!

【関連情報】
FORENO製品情報
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