デジタルダビング機能付きレコードプレイヤーとSOUND FORGE Audio Cleaning Lab 2で8,980円。手持ちのレコードをキレイにアーカイブ

「昔のレコードコレクションがいっぱいあるけど、レコードプレイヤーがなくて……」、「実家に行ったらレコードがいろいろ出てきたけど、捨てるのも忍びないし……」なんていう人も少なくないはず。捨てるか捨てないかはともかくとして、年々劣化が進むアナログレコードは、少しでも早くデジタル化しておくことをお勧めします。とはいえ高級レコードプレイヤーとフォノイコライザー搭載のアンプをセットで買って……なんていうとかなりの予算が必要になってしまい躊躇するところ。でも、もっと手ごろな価格で、もっと扱いやすいレコードプレイヤーも登場してきています。

そんな一つがソースネクストが6月30日までの期間限定で8,980円で発売しているSDカード/USBメモリーへのデジタルダビング機能付きのレコードプレイヤーとSOUND FORGE Audio Cleaning Lab 2(以下Audio Cleaning Lab)のセット。この木目調のレコードプレイヤーはデジタルダビング機能に留まらず、アンプ・スピーカー内蔵でこれ単体で再生ができたり、FMラジオ機能も装備するなど多彩な機能を持った機材です。一方のAudio Cleaning Labは、レコードのプチプチノイズやヒスノイズの除去の機能を装備したり、マスタリング機能も備えるWindows用のソフト。さらに、iZotopeのノイズ除去ソフトRX 7 Elements、そしてマスタリングソフトのOzone 9 Elementsもセットとなった、贅沢なソフトセットです。実際に使ってみたので、どんなものなのか紹介してみましょう。

多彩な機能を持ったレコードプレイヤーとAudio Cleaning Lab、RX 7/Ozone 9 Elementsがセットで販売中

今回紹介するレコードプレイヤーはクマザキエイムという日本の会社の製品で、非常にさまざまな機能を持ったユニークなプレイヤーです。主な仕様としては以下のようになっています。

 

電源 AC100V 50/60Hz
消費電力 12W
外形寸法 360(W)x335(D)x115(H)mm
重量 2.4kg
出力端子 ヘッドホン:3.5mmステレオミニ
音声:RCAピン
入力端子 SD/SDHCカードスロット
USB Type-A
内蔵スピーカー インピーダンス:4Ω
実用最大出力:3W+3W
再生方式:ステレオ
レコードプレイヤー 回転数:33.3、45、78rpm
駆動方式:ベルトドライブ
ラジオ 受信バンド:FM
受信周波数:76~108MHz
メディア・レコーダー
/プレイヤー
対応メディア:SD/SDHCカード
USBメモリー
ディスク容量:32GB(最大)
ファイルフォーマット:MP3
付属品 ACアダプタ
ドーナツ盤用アダプタ
取扱説明書

この表を見るとだいたい雰囲気は分かると思いますが、ほかにアンプやスピーカーを用意する必要もなく、これだけで再生できるのが楽で嬉しいところ。

ターンテーブルの手前に3W+3Wのステレオスピーカーが内蔵されている

3W+3Wのステレオ出力なので、大きな音で楽しむことはできませんが、必要あればリアにあるRCA端子からアンプに接続してもいいし、これをオーディオインターフェイスに接続し、DTM用のモニタースピーカーから出力するのもあり。実際、試してみたところ、やはりこの内蔵スピーカーで再生するより、モニタースピーカーからのほうが音量だけでなく音質もよくなるし、下手なレコードプレイヤーよりも断然いい音じゃないかと感じました。

プレイやーはクマザキエイムの製品で、マニュアルも日本語で付属する

このクマザキエイムのレコードプレイヤーのユニークな点は、SDカードやUSBメモリーに、レコードの音をダイレクトにダビング=録音することができるという点。使い方は至って簡単。フロントのスロットにSDカードを挿すか、USB端子にUSBメモリーを挿した上で録音ボタンを押して、レコードを再生するだけ。たったこれだけの操作でデジタル化できてしまうのですから、本当にお手軽。

フロントにはSDカードするっと、USB端子があり、PCなしにレコードの音を録音していくことができる

ダビングが終わったら、そのままこのプレイヤーで再生することもできますが、もちろんPCへ持っていってコピーして保存するもともできるし、PCで再生することも可能です。レコードをデジタル化するとなると、いろいろと面倒なイメージがありますが、これであれば録音ボタンを押して、レコードを再生するだけの簡単作業。昔のレコードを懐かしく聴きながら、どんどんデジタルアーカイブしていくことができるわけです。

USBメモリーを挿せば、ここにレコードの音を録音していくことができる

さらにこのプレイヤーはFMラジオ機能があるので、これでFMの番組を聴くこともできるし、このFMラジオをSDカードやUSBメモリーに録音していくこともできるのです。残念ながらタイマー機能録音機能までは持っていないので、手動で録音するしかないのですが、Radikoを録音するのも難しい昨今、FMラジオがそのまま録音できるという機能は意外と便利だったりもします。

FMラジオの受信機能も装備

ただし、レコードやFMラジオをSDカード/USBメモリーへ録音する際のフォーマットはMP3の96kbps。まあ、レコードのFMラジオなので、MP3の96kbpsで十分ともいえるのですが、やはり大切なレコードをデジタル化する上では、ちょっと物足りなく感じるのも事実。そんな場合はリアのRCA端子からアナログ出力し、手持ちのオーディオインターフェイスで24bit/96kHzなどで録音してしまうのも手。

より高音質にデジタル化するには、リアにあるRCAピン端子からオーディオインターフェイスに接続するのがお勧め

そのためのソフトとしてAudio Cleaning Labが付属しているのです。このAudio Cleaning Labも膨大な機能を持ったユニークなソフトですが、レコードプレイヤーからの音をキレイに録音していくためには解像度を24bit、サンプルレートを96kHzに設定。さすがに96kHzまではいらないかもしれませんが、解像度のほうは24bitにしておくのがお勧めです。

録音フォーマットを24bit/96kHzなどに設定することも可能

その上で、試しにレコード側を再生してみると、レコーディングレベルが表示されるとともに、その隣にレコーディングレベルの状況が表示されます。「レベルは最適です」と出ていればOKですが、「レベルが低すぎます」「レベルが大きすぎます」という表示の場合はオーディオインターフェイスの入力ゲインを調整して最適になるようにしてみてください。

レベルが適正になっているのを確認の上、レコードボタンをクリックすれば、高音質にレコーディングしていくことが可能

準備ができたら、これでレコーディングしていくことで、先ほどのMP3での録音よりも、かなり高音質に録音していくことができます。これだけでも十分ではあるのですが、Audio Cleaning Labなら、さらにこれをブラッシュアップしていくことが可能なのです。

ノイズ除去のためのさまざまなプリセットが用意されている

そのブラッシュアップとしてはクリーニングとマスタリングの大きく2段階に分けて行っていきます。クリーニングとは、その名の通り音をキレイにしていくもので、レコードのプチプチしたノイズ(クラックルノイズ)やサーというノイズ(ヒスノイズ)などを取り除いてく機能。プリセットとしてアナログレコード用、カセットテープ用などがあり、アナログレコード用としては

並の状態(クラックルノイズ)
悪い状態(強いクラックルノイズ)
良い状態(弱いクラックルノイズ)
非常に悪い状態(強いクラックルノイズ)
頻繁に再生された、または汚れている(クラックルノイズ)

というプリセットがあるので、これを選ぶことで、各種ノイズリダクション機能が効いてノイズ除去してくれます。

iZotope RX 7 Elementsも付属しており、キレイにノイズ除去していくとが可能

必要に応じて、そのノイズ除去を手動で行うこともできるのですが、特筆すべきポイントは、ノイズリダクションソフトの最高峰ともいわれるiZotope RX 7 Elementsもここに同梱されており、これと連携することが可能ということ。これをオンにすればRX 7の機能でノイズ除去してくれるので、どれが一番効果的なのか、自分で試してみるといいと思います。

RX 7 Elements機能はAudio Cleaning Labの中にも融合されているし、独立して使うことも可能

このクリーニングが終わったら、マスタリングです。このマスタリングも「サウンドを最適化」、「ダイナミクスを最適化」、「アナログ・レコードとカセット」……とさまざまなプリセットが用意されているのでこれらを選んでみると、音圧や音質などを自動的に調整してくれます。プリセットによって、その結果は結構違うので、自分の気に入ったものを選んでみるといいと思います。

iZotope Ozone 9  Elementsも付属している

さらに、このマスタリング機能のほうは、プロ御用達のマスタリングソフト、iZotope Ozone 9のエントリー版、iZotope Ozone 9 Elementsが同梱されており、これと連携するようになっているので、先ほどのプリセットを使うよりも、Ozone 9をオンにして、Ozone 9のAI機能でマスタリングしてしまうのが、簡単でいい結果が得られるように思いました。

Ozone 9 ElementsのAI機能で、自動でいい感じにマスタリングすることもできる

このようにしてクリーニング、マスタリングした結果はWAVデータの形式でハードディスクやSSDに保存するのもいいですし、Audio Cleaning Labの機能を用いて、ここから直接CDに焼いてしまうのもあり。この辺は必要に応じて扱いやすい方法で保存するようにしてください。

先日紹介した学研大人の科学、トイ・レコードメーカーと並べるとこんな感じ

これだけのハードウェア、ソフトウェアがセットで8,980円というのは、やはり破格値だと思いますが、いかがでしょうか?Audio Cleaning Lab自体はWindows専用のソフトではありますが、RX 7 ElementsおよびOzone 9 ElementsはWindowsだけでなくMacでも使えるので、MacのDAWや波形編集ソフトを持っている方なら、それらとRX 7およびOzone 9を連携させて使うのも十分ありだと思います。もちろん、先日紹介した学研大人の科学のトイ・レコードメーカーで制作したレコードを再生することもできるし、この組み合わせは結構便利に使えます。6月30日までと期間限定なので、気になる方は早めに入手しておくことをお勧めします。

【関連情報】
録音できるレコードプレーヤー+SOUND FORGE Audio Cleaning Lab 2 製品情報

【価格チェック&購入】
◎ソースネクスト ⇒ 録音できるレコードプレーヤー+SOUND FORGE Audio Cleaning Lab 2

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1件のコメント
  • ムサイ

    SPがあるので、イオンの33.45.78聴けるプレイヤー買い、聴き、音の貧弱なので、やはり、SP聴けなくていいからしっかりしたプレイヤー買うべきだと思った。カートリッジ交換もできない、ターンテーブル回転も頼りない。壊れたので買い替えたのだが、前はデノンのDDモーターのを使っていた。

    2020年6月24日 7:36 PM

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