最先端のテクノロジーが導入されたライブ&イベントスペース『LUSH HUB』がオープン。最高品質のライブ配信を支えるテクノロジーとは?

8月12日にメディア・インテグレーションが運営するライブ&イベントスペース「LUSH HUB」(ラッシュ・ハブ)がグランドオープンしました。このスペースは、着席で50人程度、スタンディングなら150人が入る広さの場所に、最高12K対応のカメラシステム、WAVES Live eMotion LV1を利用した音声ミキサー、高品位のPAシステム、120inchのグリーンバック、Full RGB/Full DMXによる多彩な照明……など、最新テクノロジーが導入された配信スタジオにもなっているのが最大の特徴です。

ここに導入されたビデオとオーディオのシステムは、それぞれNDIとSoundGridというIPネットワーク伝送規格で構築されており、かなりシンプルなのに多チャンネル広帯域伝送を実現。マイクは、EarthworksやLewittといったプロ機材が用意されており、最高品質のスタジオクオリティサウンドを配信することが可能となっています。先日プレオープンとして配信が行われたタイミングで、LUSH HUBでの配信現場を見学することがきたので、実際どうなっているのか紹介してみましょう。

最先端のテクノロジーが導入されたライブ&イベントスペース『LUSH HUB』がオープン


運営元であるメディア・インテグレーションは、渋谷にあるRock oN CompanyやそのECサイト、プロの制作現場を支えるROCK ON PRO、輸入事業……など、多くの事業を展開する音楽業界に必須な存在。そんなメディア・インテグレーションの新規事業として、LUSH HUBというライブ&イベントスペースをスタートしました。

リアルライブも音楽ライブ配信もできるイベントスペース

LUSH HUBという名前には、緑が青々しく茂る、力強く伸びていくというLUSHと、中枢という意味のHUBから、ここを中心にカルチャーが広がることを想定して付けたとのこと。またロゴに関して、LUSHの「S」が白く抜けているデザインになっており、気になったので聞いてみたところ、ここにはサウンド、ストリーミング、渋谷、世界、シナジー……などの言葉を連想してもらいたくて、こういったロゴにしたのだとか。言葉を限定せず、この場所から感じられるものを感じてほしいという思いが詰まっているとのことでした。

LUSH HUBのロゴ

今回配信現場を見学するにあたって、どうしてLUSH HUBができたのか、LUSH HUB 理事長の嶋田直登さんにお話を伺ってみました。「昨年はコロナで大変な時期でした。配信も音楽も行うユーザーが増えたので、私たちももっと発信力を強化しようと思い、このようなスペースを作りました。着手したのが昨年の夏ごろで、今年8月12日に無事グランドオープンを迎えることができました。コンセプトは、時代に立ち向かうクリエイターとオーディエンスのために……となっています。メディア・インテグレーションは渋谷・梅田に実店舗を構えるRock oN Companyのほか、オンラインで製品を販売するEC事業部、海外ブランドを取り扱う輸入事業部、法人向けシステム導入を行うROCK ON PROが存在していますが、LUSH HUBはこれらとは独立した事業となっています。ですが、技術的なところは横の繋がりを使って、培ってきた技術や経験が結集した場所となっています。今の時代に大変な思いをしているクリエイターの方々に、自由な発想で新しいことをここから生み出していってほしい、そしてそれを新しいカルチャーとして発信していきたいと思っています」と嶋田さん。
LUSH HUBの理事長 嶋田直登さん

この日行われた配信は、大野雄介 feat.モリシー(Awesome City Club)さんのライブ。以下の動画は配信のアーカイブとなっているので、どんな雰囲気で音楽ライブ配信が行われたのか、ぜひご覧ください。

配信の様子を観ていただくと分かる通り、お二人の背景がクロマキー合成されていて、次々と映像が切り替わっています。これは、120inchのグリーンバックがステージに設置されているからであり、これを使って、配信ライブ以外にも撮影スタジオとしても使えるようになっています。

キーヤーにはTriCaster内蔵の機能に加え、Blackmagic Design Ultimatte 12を採用している

今回のライブ配信では、二人分のマイクとギターがステージ下のDSPro StageGrid 4000というステージボックスに繋がっていて、その後LANケーブル1本で卓に繋がり、会場と配信のミックスが行われていました。

DSPro StageGrid 4000を使って、マイクなどを接続

卓は、WAVES Live eMotion LV1というWavesのプラグインをリアルタイムに使える機材を採用しており、これが高音質に音楽ライブ配信を行っていった秘密でもあります。フィジカルコントローラを繋いで音量調節などを行い、タッチパネルの画面でEQやコンプを操作できる仕組みになっており、普通のライブハウスの設備とはまた違う設備になっています。これまでだと、かなりのケーブル本数が必要な場面でも、新しい技術を採用した機材を使うことで、ケーブルの本数を減らしているので、トラブルなどにもすぐに対応できそうな設備ですね。

小スペースだが、かなりパワフルに多チャンネルを扱うことができる

また、コロナが収まれば、ここでライブを行うことができるようになっていて、冒頭でも書いたように着席で50人程度、スタンディングなら150人のキャパシティーを持っています。そのため、PAスピーカは定評のあるADAMSONを採用、当日会場でも外音を出していたのですが、いい音でした。

リアルのライブでも使用可能

そして、驚いたのはHEADRECのバイノーラルマイクが、会場の真ん中に置かれていたこと。そう見学しにいったときにお客さんはいなかったのですが、あえてPAスピーカ―から出した音をこのバイノーラルマイクで拾うことで、ライブの臨場感を出していたのです。細かいところまで音にこだわっているといわけですね。

バイノーラルマイクを使って会場の雰囲気を出していた

また、嶋田さんも話していたように事業部間の横の繋がりがあるので、同社輸入事業部が取り扱うEarthworksやLewittなどのマイクや、Sym ・Proceedなどの高品位マイクプリも使用可能とのこと。これもメディア・インテグレーションが運営しているところならでは。

もちろん、配信ライブでは映像も重要な部分。そのため、12Kまでの超高解像度に対応したデジタルシネマカメラ Blackmagic Design URSA mini 12Kを採用しており、映画制作と同等のクオリティーでの撮影が可能とのこと※1。またサブカメラも同社Pocket Cinema Camera 6Kと4Kを導入しています。またこれらもビデオ伝送NDIを全面的に採用。LANケーブル1本で様々な信号の双方向伝送が可能なシステムとなっています。スイッチャーは、Newtek TriCaster Mini 4K NDIのビデオスイッチャー、映像にも妥協ない環境に仕上がっています。

※1 実際に配信される映像・音声の品質は、使用する配信プラットフォームの上限品質に依存します。

映像機材も妥協ない環境が整っている

また、照明卓にはプログラムが可能なAvolites Quartz、灯体はFull RGB。監視カメラのような見た目のリモートで操作できるカメラも常設してあるので、技術スタッフの人数が少ない場合でもワンマンオペレーションで配信を行うことが可能になっているようです。

監視カメラのようだが、リモートでカメラを操作できるようになっている

そして会場は、かなり広々としていて、ライブスペースのほかに演者の控室に使える部屋が多数用意されていました。しかも、それぞれの部屋はオシャレで、ゆったりできる環境になっていましたよ。意外とイベントスペースをレンタルしても、控室が少なかったりするので、嬉しいところですよね。

控室や休憩スペースなども充実している

LUSH HUBは、しっかりした環境が整っているので、基本的には何でもできるようになっています。具体的には、音楽ライブ配信、ライブ、そのどちらも可能ですし、たとえば新製品発表会などにここを利用することも可能。グリーンバックがあるので撮影スタジオとしても使えるし、広々とした空間なので展示会場などとして活用することができるそう。挙げればきりがないですが、ファンミーティングもできるし、通常のトーク配信だって、ゲームの大会を配信することだってできますよ。

なお、現在LUSH HUBに興味のある方は、ホームページのContactからメッセージを送る形になっているみたいです。場所は渋谷にあってアクセスもいい環境のLUSH HUBを紹介してみました。

本日8月12日18時から、オープンイベントが配信予定です。ゲストは、古坂大魔王さん、本間昭光さん、江島啓一(サカナクション)さん、土岐彩香さん、DÉ DÉ MOUSEさん、SO-SOさん、Carpainterさん、と豪華なゲストが勢揃いします。リアルタイム視聴者には豪華ゲストのサイン入りTシャツを抽選でプレゼントという企画も行うようなので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか?

本日豪華ゲストによるオープンイベントが配信される

#WHATISLUSHHUB

 

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