アニソン系の曲が簡単に作れるループ素材集、SoundPool

MIDIを使ってゼロの状態からコツコツと入力していくのがDTMの王道ではあるし、演奏できる人なら自分でキーボードやギターを弾いたものをレコーディングし、音を重ねていくことで作品を作り上げていことができます。

でも、市販のループ素材を使えばもっと手軽に作れてしまいますよね。最終的にその音を使わないにしてもループ素材の利用は曲を組み立てていく上でとっても便利に使うことができます。ただ、自分の作りたい曲にマッチしたループ素材が見つからないという人も多いでしょう。今回はちょっと変り種の多いループ素材のシリーズ、SoundPoolについて紹介してみましょう。

AHSのSoundPoolの詰め合わせjamバンドパック 


が発売されています。ネット上にもいろいろな素材が転がっているので、これらをダウンロードして集めてくれば、それだけでもかなりいろいろな曲を作ることができるでしょう。

ただ、その素材集の大半は海外モノというのが実情で、そこになんとなく抵抗を感じている人もいるのではないでしょうか?「もっとJ-POP的なものが作りたい」とか、「アニソンやゲームミュージックにマッチした素材が欲しい」、中には「演歌っぽい素材はないんだろうか……」なんて思っている方もいるのではないでしょうか?

でも、中には純国産の素材集というのもあるんですよね。AHSが出しているSoundPoolというシリーズがそれ。私もSoundPoolの存在自体は以前から知っていたのですが、「ドイツのMAGIXが作っているライブラリを輸入したもの」であるとばかり思っていたのですが、ちょっと違ったんですね。
AHS製の国産ループ素材、SoundPool Vol.10のパッケージ

先日、AHSの尾形社長とお会いしたときに、たまたま話題になって聞いたのですが、「確かに当初はMAGIX製品だったけれど、だいぶ以前からAHSで自ら作っているんですよ」とのこと。また、同社のMusicMaker専用の素材集なのかなと思っていたら、「これは普通のWAVファイルによるループ素材集だから、WAVファイルが読み込めるDAWであれば何でも使えます」ということです。
実は以前にいただいていたサンプルが私の家で放置されたままになっていたのですが、試してみてちょっとビックリでした。現在SoundPoolはVol.1~14までのシリーズとなっているのですが、今回試したのはVol.10「あにおん♪スイートPOP」というもの。その名のとおり、アニソンっぽい素材集になっています。AHSのサイトの紹介によると「『Sound PooL vol.10』は、明るくスイートなJ-POPを主体とした学園アニメ音楽などを作成するのに特化した日本発の著作権フリー音楽ループ素材集です」となっています。

トータル2.19GBのファイル容量で4,181個のループ素材が入っているのですが、大きく7つの素材集として別れています。そのうちの「Kirakuru_Main」というものからいくつかを鳴らしてみたのでちょっと聴いてみてください。

確かに普通の素材集とちょっと雰囲気が違いますよね。これらの素材を組み合わせると、どんな雰囲気になるのでしょうか?ACIDやSONARなどのDAWで組み合わせていってもいいのですが、MusicMaker MXには「ソングメーカー」というちょっと便利な機能があるので、これを使ってみました。

MusicMaker MXに搭載されている自動作曲機能、ソングメーカー

まあ、インスタント作曲機能といってもいいものなのですが、使う楽器や「イントロ」、「サビ1」、「Aメロ」などと選んでいくだけで簡単にループ素材を組み合わせてくれるお手軽機能なのです。ときどきコードが外れて妙になることもありますが、そこはご愛嬌。ボタン一発ですぐに作曲してくれるので、いろいろと試してみればいいのです。実際、試してみたのでちょっと聴いてみてください。

なかなか面白いですよね。尾形社長によると、「テーマを決めた上で、作曲家さんにお願いして、曲を作ってもらい、それを反対に素材としてバラバラにして素材集にしているのです」ということ。つまり、元の曲というのがあるのです。このSoundPoolの中にもWAVファイルが収録されているけれど、AHSのサイトにいくと、MP3でその一部が掲載されていました。以下に並べておくので参考までに聴いてみてください。

Initial Day
作詞:清田伸雄 作曲:足立美奈子 歌:愛甲ミカ

キラ☆クル♪ミライ
作詞:清田伸雄 作曲:足立美奈子 歌:折笠 奈緒美

妄想少々開放少女
作詞:清田伸雄 作曲:足立美奈子 歌:jamバンド

なんかあの曲に似てる!」なんて思ってしまうものもありそうですが、これが素材集になっていると思うと、やっぱり楽しいですよね。

もちろん、SoundPoolにはほかにもいろいろなテーマのものがあります。具体的にいくつかをピックアップしてみると、
Vol.7 特撮ヒーロー、ロボットアニメ系(70~80年代)
特撮ヒーローやスーパーロボット・アニメ音楽などで使用されるような「熱い」音楽を作成するのに特化した日本発の著作権フリー音楽ループ素材集です。

Vol.8 JPOP、アニメ系(カッコいい系)
少し苦味を増したCoolでPOPなリアルロボット・アニメ音楽などを作成するのに特化した日本発の著作権フリー音楽ループ素材集です。

Vol.9 70~80年代魔女っ子系
70年代から80年代の魔法少女が活躍するアニメなどで使用されるような音楽を作成するのに特化した日本発の著作権フリー音楽ループ素材集です。

Vol.13 演歌系
演歌を題材にした日本発の著作権フリー音楽ループ素材集です。

Vol.14 ゴシック系JPOP
ゴシック系J-POPを題材にした日本発の著作権フリー音楽ループ素材集です。
などなど。たとえばVol.8に収録されているサンプル曲「」はボーカロイドを使った曲でAHSにも結構問い合わせがあるのだとか……。

気になる素材集がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか?

【関連サイト】
AH-Software
SoundPool製品紹介ページ

【関連記事】
DAL:ボカロに馴染むDAW「Music Maker MX」
~手頃な14,800円。初心者向け自動作曲機能も ~

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2件のコメント
  • やぷーす

    iPad関連の質問です。
    ableton live8をMacBookで使用中です。
    OSはライオンの最新状態です。
    iPad2の音源(ielectribeやAnimoogなど)アプリを、LIVE8で通常音源として
    使う方法を何かで見たんですが、方法と雑誌を忘れてしまいました。
    Apple iPad Camera Connection Kit経由で
    接続すると思うんですが、なかなか上手く行きません。
    ちなみに、KORG nanokeyでAnimoogを接続した所、弾くことができなした
    何かご存知でしたら、教えて下さい。
    よろしくお願いします。

    2012年1月10日 12:25 PM
  • 藤本健

    やぷーすさん
    こんにちは。質問の件、iPad系の記事の掲示板のところに書き直してもらってもいいですか?
    たとえば
    http://www.dtmstation.com/archives/51512066.html
    あたりに。
    数日後にここでの書き込み、消させていただきますね。

    2012年1月11日 12:25 AM

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