Win/Mac双方に対応した国産フリーソフトシンセ、Synth1の実力

Daichiさんの作ったSynth1というVSTのソフトシンセをご存じですか?まだソフトシンセが今ほどポピュラーでなかった10年前の2002年に誕生したフリーウェアで、私も2003年にAllAboutでこれと似たタイトルで記事にしたことがありました。Clavia NORD LEAD 2をお手本にして開発したというこのSynth1は、非常にデキがいいだけに、今でも多くの人に使われていて、数多くの作品が生まれています。

ただ、Synth1はWindows用であったために、Macユーザーにはあまり知られていなかったかもしれません。ところが2011年、これがMacにも移植されていたんですね。またWindowsユーザーでも使ったことがない方も少なくないと思うので、改めて紹介してみたいと思います。
あのSynth1がMacでも動作するようになっていた!


Synth1はアナログシンセのエミュレータで、

●2オシレータ+1サブオシレータ、FM変調、リング変調、シンクロ、モジュレーションエンベロープ
●4タイプのフィルタ、ディストーション
●2LFO(ホスト同期可能)
●アルペジエ-タ搭載(ホスト同期)
●テンポディレイ(ホスト同期)、ステレオコーラス/フランジャ搭載
●レガートモード、ポルタメント
●32音ポリフォニック
●プリセット128音色つき。
●動作軽量化の徹底。SSE利用等。
●オートメーション対応

という特徴を持つプラグインタイプのソフトシンセです。フリーウェアであるということもあり、国内で最も多く使われているソフトシンセかもしれません。

FL STUDIOでSynth1を起動させた画面

先日「フリーウェアでPCを楽器にして遊ぼうよ!」という記事を書いて、MiniHostというソフトを紹介した際、最初の画像にSynth1の画面を入れたところ、妙にいろいろな方から反応をいただきました。

Synth1が使えるのか!」といった声から「Synth1には長年お世話になってきた」、「Synth1のRydeenのデモは秀逸だった」などいろいろ。確かに私自身も当時、DaichiさんのページにあったRydeenのMP3のデモを聴いて驚いた覚えがあります。

改めて「Synth1」のキーワードで動画検索してみると、たくさん出てきますね。やっぱりRydeenのデモの影響なのか、特にYMOのコピー作品がいっぱい見つかります。結構どれもよくできているんですが、いくつかピックアップしてみました。


Music Makerで作ったRedeen(MELLさん作)

https://www.nicovideo.jp/watch/nm13508476
Cubaseで作ったBehind the mask、ボーカルは初音ミク(umaisakeさん作)


DominoとvstHostで作ったComputer Game(ももさん作)

なかなか、すごいと思いませんか?Music Makerを使っているものやCubaseを使っているものDominoを使っているものなど、DAWもいろいろなのも面白いところですね。VSTインストゥルメント環境で使えるのでWindows用のDAWならどれでも使えるので、ぜひ試してみてください。シンプルなアナログシンセだけにシンセサイザの勉強をするのにも最適だと思います。

しかしWindows版だけでなく、実は2011年9月にMac版がリリースされていたんですね。移植を行ったのはDaichiさんご本人ではなく、MTさんという方のようですが、さっそく私も試してみました。

Lion上でReaper、Synth1をインストールすると簡単に動いてくれた
現在、Macのプラグイン環境というとやはりAUAudioUnits)が主流となっていますが、このSynth1においてはWindowsと同様のVSTインストゥルメント対応となっています。そのためLogicGaragebandで使うことはできませんが、CubaseAbleton liveなどでも使えるほか、オンラインソフトのDAWであるReaper(個人ユースであれば$60)でも利用可能です。

試しにLion環境でRepaerを起動させて試したところ、バッチリ動きます。画面もWindows版と同じだし、音も聴いた感じでの違いはないようです。プリセット音色は別途インストールしなくてはならないなど、インストール手順がやや多くなっていますが、ダウンロードしたものを指定のフォルダにコピーするだけのことですから簡単だと思います。

現在まだ検証中とのことでβ版という扱いになっていますが、使った感じでもまったく問題はなさそうです。さらにDaichiさんによると、VSTインストゥルメント版だけでなく、AU版、さらにはiOS版も開発中とのことです。これらが登場すれば、10年を経てSynth1はますます勢いづいていきそうですね。ぜひ、これからの発展を期待したいところです。