が、12月9日、正式にCakewalkの株式が正式にGibsonに譲渡。そして12月18日、いよいよ国内での体制も固まってきたようで、2014年1月より日本語版のSONAR X3シリーズがティアックから発売されることが発表されました。まだ、細かな情報まで把握しきれていないのですが、これまで調べて分かったことをまとめてみたいと思います。
まず「なぜSONARがティアックから発売されるの?」という疑問のところから、解いていきましょう。ローランドが米Cakewalkを売却した先はギターメーカーとして著名な米Gobson。そのGibsonは今年5月、TASCAMブランドを展開する日本のメーカー、ティアックを買収し、子会社化していたのです。
SONAR X3シリーズのパッケージのイメージ写真。マニュアルがPDF化されるため従来のものよりコンパクトになる模様
という3つの製品となります。まだ価格などは発表されていませんが、基本的にはSONAR X2の価格体系が維持される模様です。また従来のSONAR X2などのユーザーがSONAR X3へアップグレードしたいという場合もアップグレード価格が適用されます。具体的には、SONAR X2 PRODUCERからX3 PRODUCERへは15,000円(税抜き)、SONAR X2 STUDIOやX1 STUDIOからSONAR X3 STUDIOへは10,000円(税抜き)などとなっています。
SONAR X3へのバージョンアップポイントを少しピックアップしてみましょう。まずはプラグイン関連ですが、今回、各エディションともにVST3に対応しました。これにより、最新の各種プラグインを最適な形で利用できるようになっています。
それに呼応する形で、PRODUCERには超強力なプラグインシンセが3つ追加されています。まずは、Applied Acoustics SystemsのSTRUM ACOUSTIC GS-1というアコースティックギターの物理モデリング音源。国内では定価21,000円で販売されている音源ですが、これのSession版というものが搭載される形です。キーボードを使ってリアルなアコギサウンドを得られるのはなかなか快適です。
エレピ音源のLounge Lizard EP-4
同じくApplied Acoustics SystemsのLounge Lizard EP-4というエレクトリックピアノの物理モデリング音源もSONAR Editonがバンドルされます。こちらは1970年代のRhodesやWurlitzerなどのエレピを再現するというもので、このビデオを見てもなかなかいいサウンドが出せているのが分かります。
もう一つはXLN AUDIOのAddictive Drumsという強力なドラム音源が搭載されていること。こちらはサンプリング系の音源で、Tama Starclassic、Sonor Designer、DW Collectors Seriesの3種類のドラムキットを基本として搭載し、マルチマイクで収録したというものです。ここにさまざまなエフェクトを使ってエディットしたプリセット音色が用意されているので、あらゆるジャンルで利用できるほか、3,000種類以上のドラムパターンも用意されているので、即利用できるようになっています。
一方、エフェクトのほうではPRODUCERとSTUDIOにNomad Factory Blue Tubes FXというビンテージ系のアナログエフェクトが搭載されているほか、PRODUCERには強力なテープエミュレータやQuadCurve EQ ZoomというEQなども新たに搭載されています。
一方で、これまでのSONARと大きく変化する点が2つあります。それはCakewalkがローランドグループからGibsonの子会社へと変わったことに起因する点ですが、従来搭載されていたボーカルエディット機能が、V-VOCALからMelodyneへ変わることと、R-MIXが非搭載になるということです。
SONAR X3 シリーズの国内取り扱いについて(ローランド)