DTM用にHaswell Core i7/Windows 8.1マシンを組んでみた

第4世代Intel CoreプロセッサであるHaswellマイクロアーキテクチャ。昨年、このアーキテクチャに対応したCore i7がリリースされて以来、買わなきゃ、買わなきゃ、と思っていたものの、欲しい機材がなくて、なかなか導入できないでいました。しかし、先日ようやく良さそうなものが登場したので、この正月休みに組み立ててみました。

Core i7 4770KというCPUを組み込み、メモリー16GBSSDHDDという構成でできた爆速マシンにWindows 8.1を導入。予算約10万円でできたこのPC、なかなか快適なマシンとなったので、どんなものなのか、簡単に紹介してみたいと思います。
HaswellアーキテクチャのCore i7 4770Kを搭載したPCを作ってみた


みなさんは、DTM用のマシンって、どんなものを使っていますか? DAWやソフトウェア音源、エフェクトを動かす上で、それほど多大なCPUパワーを使うわけではないので、あまりセンシティブになる必要はないと思いますが、やはり気持ちよく使えるマシンが欲しいところですよね。

大手メーカー製のPCの場合、いろいろと不要なソフトがインストールされているために、妙なトラブルが起きそうで、個人的には避けています。できるだけシンプルな環境のマシンにDAWプラグイン、それにオーディオインターフェイス用のドライバMIDIインターフェイス用ドライバといったものだけをインストールするのに留めておくと、快適に使えます。

その一方で、1年に1度程度はPCを新調するようにしていたのですが、以前「Sandy Bridge対応PCでこの夏は節電だ!」という記事を書いて以来、新調する必要性をまったく感じなかったために、そのままになっていました。まあ、実際上、今でも問題はなかったのですが、DOS/VパワーレポートなどのPC雑誌の記事を書くこともあるので、さすがに3年も前のマシンを使っているのでは恰好がつかず、そろそろ買い替えなくては……と思っていたわけです。

Haswellアーキテクチャ最速のCore i7 4770Kをアキバで33,780円で買ってきた 

UAD-2などの拡張ボードをいっぱい挿すというユーザーの場合、タワー型が必須となると思いますが、私の場合は基本はCPUパワーで十分なので、机の上に置けるキューブ型PCが大好き。ここ何年もShuttleのベアボーンで組んでいたので、今回もそうしようとHaswell対応機種の登場を待っていたのです。

これまで4コア(ハイパースレッディングで8コア)のマシンしか使ったことがないので、6コアへのチャレンジも検討したのですがHaswellアーキテクチャの場合まだ4コアしか出てないんですよね。ちょうど同じタイミングでアレンジャーの鈴木Daichi秀行@daichi307)さんがIvyBridgeアーキテクチャの6コアのPCを組むと話していたので、とっても気になっていたのですが、私はやっぱりHaswellで行くことにしました。

今回購入してきた部材でPCを組み立てた。ベアボーンなので30分足らずで完成! 

2013年6月のHaswell発売直後からアナウンスはあったものの、SH87R6というものが出たのが9月末。すぐに飛びつこうと思ったのですが、たまたま忙しくて、すぐに導入できなかったのですが、ネットの評判を見ると「熱処理の問題でフルパワーを発揮できない」など、なんとなく不評。
※結果的にはDTMでの利用ならSH87R6Core i7 4770Sあたりの組み合わせで十分だったようですが…

どうしようかと思っていたところ、12月になってそうした問題をクリアしたSZ87R6というベアボーンが登場したので、これを購入し、組み立てることにしたのです。CPUはHaswellの最高スペックのCore i7 4770Kをアキバで購入。モノによってネット通販などを組み合わせつつ揃えたのが以下の品目です。

メーカー 製品名 購入価格
ベアボーン Shuttle SZ87R6 34,800円
CPU Intel Core i7 4770K 33,780円
メモリ ADATA DDR3 1600 8GB×2 14,800円
SSD CFD S6T128 128GB 10,880円

このほかに、3TBのHDD、さらに光学ドライブとしてBlu-rayドライブも必要だったのですが、これは手元にあったものを利用したので、完全に新調するのであれば、あと2万円弱必要となりますね。
組み立て作業はCPUとメモリーを取り付け、SSD、Blu-rayドライブ、HDDドライブを組み込むだけ

組み立て作業自体はいたって簡単。ベアボーンのフタを開け、ここにCPUをはめて、メモリーを搭載。SSD、Blu-rayドライブ、HDDのそれぞれをネジ止めして、SATAケーブル、電源ケーブルを接続すれば出来上がりです。所要時間30分程度でした。

拡張スロットにFireWireボードも入れておいた 

なお、最近はほとんど使わないものの、ときどきFireWire(IEEE1394)のオーディオインターフェイスを接続することもあるので、念のため手持ちのFireWireボードもPCIeスロットに入れておきました。
※私が使っているのはAREAというメーカーのGT-Vという2,500円程度の安い製品ですが、VIAチップ搭載で、オーディオインターフェイスとの相性は非常にいいようです。

Windows 8.1をクリーンインストール

さて、問題はOSをどうするかです。先日、「とりあえず動くけど、危険もいっぱいなWindows 8.1のDTM」という記事を書きましたが、それから3か月経って、主要オーディオインターフェイスのWindows 8.1対応は完了した模様です。もちろん、まだに出ていないものもありますが、そろそろいいだろうと、Windows 8.1をクリーンインストールを行ってみました。ダウンロード版のWindows 8.1をUSBメモリーからインストールしたのですが、こちらも30分程度で完了です。実は、これまでいつもDVD-ROMでのインストールでUSBメモリーからWindowsを入れたのは初めてだったのですが、これは快適ですね!

今回はClassic ShellではなくStart Menu 8をインストールしてWindows 7風にしてみた

Windows 8.1にしたとはいえ、いまだModernUI(Metro)には親しめないので、従来のWindowsと同様にスタートボタンを使えるようにするツールとしてStart Menu 8というのをインストールしてみました。これまで使っていたWindows8のPCにはClassic Shellというのを入れていたのですが、Start Menu 8のほうがデザインがスマートかな、と思い、今回はこちらに変えてみました(無料版なので、不要なソフトが2つ勝手に入ってきてしまいましたが、これらは速攻削除)。

Windows 8.1対応ドライバも出そろってきたので、これをインストール。画面はRolandのQUAD-CAPTURE

なんで、標準テーマはウィドウの枠がオレンジになるのか?」という納得いかない面はあるものの、パフォーマンスとしては非常に快適です。なぜか、これまでのWindowsにあった標準のベンチマークツール「Windows エクスペリエンス インデックス」がWindows 8.1ではなくなってしまったのですが、波形編集ソフトSoundEngineでお馴染みのCoderiumさんが、便利なツール「WIN SCORE SHARE」という便利なツールをフリーウェアで出していたので、これを使って測定、表示させたものが以下のものです。CPUパワーを見ても、まさに爆速ですよね。
WIN SCORE SHAREでベンチマーク結果を表示させると、非常に高速なマシンになっている 

 

※ほぼ同時にマシンを組んでいた鈴木Daichi秀行さんから連絡があり、IvyBridgeの6コア、4930Kで同じベンチマークをとったところ、プロセッサ、メモリともに8.6というスコアだったそうです。

ちなみに、電源を入れてBIOS画面が表示されてから、起動がスタートしてデスクトップ画面に切り替わるまで約9秒。まさにストレスフリーですね。

ワットメーターを見ると、処理負荷が小さいときは32Wだった
ビデオのエンコードなどでCPUをブン回すとファンの音が気になる、という人がいるようですが、CubaseやSONARを動かす上では、ほとんど問題なくエアコンのファンより静か。気になる電力のほうはというと、ブラウザでネットを見る程度だと32W。DAWを動かしてソフトシンセなどを複数動かしている状態だと40W強といったところですから、電力面でも心配はなさそうですね(CPU的にはMax84Wなので、大きな負荷をかければPC全体で100W以上はいくはずですが……)。

当面、このマシンをメインPCとして活用していこうと思っています。

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