Banner B0
640x200伸縮サイズ
Banner B1
640x200伸縮サイズ
Banner A0(728x90)伸縮サイズ

鈴木Daichi秀行さんに、アレンジャーってどんな仕事か聞いてみた

モーニング娘。をはじめとするハロプロ関係から、AKB48、いきものがかり、JUN SKY WALKERS、さらにはアニソン……と、トンでもないほど多くのアーティストの楽曲を手掛け、次々とヒットさせている、いま日本一のアレンジャー&プロデューサーといって間違いない、鈴木Daichi秀行(@daichi307)さん。だいぶ以前からTwitter上ではやりとりさせていただいていたのですが、先日Facebookで友達リクエストをいただいたのをキッカケに、初めてDaichiさんにお会いし、自宅スタジオ「Studio Cubic」に遊びに行ってきました。

 

地下はCubase7を中心に据えたアレンジ用のスタジオ、2階にはProToolsを中心に据えたミックス用のスタジオとボーカルやギターなどの収録ができるブースという、すごいところで、機材の山に圧倒されてしまいました!そのDaichiさんといろいろお話をし、アレンジャーとはどんな仕事なのか、DAWなどをどのように使っているのか、どんなソフト、どんな機材を使っているのかなど、いろいろと伺ってきたので、紹介してみましょう。


鈴木Daichi秀行さんのStudio Cubicに遊びに行ってきました。


Banner B2
640x200(320x100)
伸縮サイズ
Banner B3
640x200(320x100)
伸縮サイズ
Banner A1(728x90)
伸縮サイズ

--Daichiさんが、DAWとかシーケンサを使いだしたのって、いつごろなんですか?
Daichi:もともとKORGのM1とか01/Wの内蔵シーケンサを使っていたのですが、最初に買ったのはMacとCubaseでした。93年ごろだったと思いますが、まだMIDIシーケンサのころのCubaseで、Cubase ScoreとかCubase Audioなんてバージョンがあったころですよ。Macも、まだ白黒の画面でしたよ(笑)。当時、打ち込みが入るバンドをやっていたのですが、その時手伝ってもらっていたマニピュレータさんが使っていたのがCubaseだったので、同じシステムを導入してみたんです。

 

--でも、Daichiさん、内蔵シーケンサを使いこなして、MacのCubaseで……って、そこが初めてじゃないでしょ!もともとPCを触っていたのでは?
Daichi:よくわかりますね(笑)。親父が新しモノ好きで、小学生のころからPC-8001mkIIとか、ぴゅう太とかで遊んで、BASICのプログラムとかを書いてましたよ。マイコンBASICマガジンとかでゲームのプログラムを入力したりね。さすがにマシン語は分からなかったけど、そんな経験があったからか、小さな画面で数字だけで入力するシーケンサを使っても違和感はなかったんですよ。
※PC-8001mkIIは1983年にNECが発売した8ビットパソコン。ぴゅう太は1982年にトミーが発売した日本語BASIC搭載の子供用パソコン


地下のスタジオはCubase7を核に、膨大な機材が……

--やっぱり(笑)!それからCubase、一筋?
Daichi:そうですね。最初、MOTUのPerformerとかも買ってみたんですけど、僕の使い方は基本的にキーボードを弾いてリアルタイムで入力し、その後クォンタイズやエディットという使い方だから、Cubaseがマッチしたんですよね。当時、バンドでデビューし、ここでCubaseを使っていたのですが、バンド解散後は、アレンジャーとして仕事をするようになったんですよ。

 

--ここで、今日ぜひ、伺いたいのが「アレンジャー」って何?ということです。「編曲をする人」ということで何となくイメージできるものの、イマイチどんなお仕事なのか、よくわからなくて……。

Daichi:いま僕の仕事は、本当にいろいろな作業があるんだけど、もともとはみんな分業だったんです。本来のアレンジャーの仕事は、コードの再構築であり、楽器ひとつひとつが、どういうことをするのかを指示するのが役割です。つまり作曲者が作ったメロディーを元に、コードを作り替えたり、コード進行をいじったり、またプレイヤーが演奏するための譜面を書いたり、プレイヤーに指示をするといった内容でした。その一方で、マニピュレータという人がいて、シーケンサにデータを打ち込んだり、サンプラーを操作したりしていたのです。でも、今はアレンジャーが打ち込みもするし、シンセのエディットもする。またレコーディングに関しても、エンジニアに渡すまでの過程である程度行うし、シンセやドラムの音を作ってオーディオデータ化していったりもします。


アレンジャーというお仕事について、丁寧に教えてくれた鈴木Daichi秀行さん

 

--そうか、確かに最近「私はマニピュレータです」という人ってあまりいませんよね……。
Daichi:僕がアレンジャーの仕事を始めたころが、ちょうど境目でした。機材もコンパクトに、また安価になってきたこともあって、ある程度自宅でできることが増えてきていました。また当時、第一線で活躍しているのは、年上の本当にスゴイ方々ばかり。そんな中で仕事をもらうには、特殊なことをしていかないと生き残れない。だから、本来の仕事にプラスする要素が増えていきました。

 

--でも、まだDAWとしてオーディオが自由に扱える時代ではなかったから、自宅ではMIDIでの打ち込みが主体ですよね?
Daichi:でも、ちょうどADATが出てきていたんですよ。ADATならS-VHSのテープに8トラック録ることが簡単にできて、それをスタジオに持ち込むことができました。僕もこの手の機材を使うのが好きだったから、結構早くから導入してました。ギターも家で録って持って行ってたりもしてましたが、まだPODが出る以前だったから、仮のレコーディングとしてで、スタジオで録り直してたりはしてましたけどね……。


地下スタジオにはアウトボードとして使うエフェクトなどの機材もいっぱい!

--その後、CubaseなどのMIDIシーケンサも進化して、DAWとなってきました。
Daichi:システムはどんどん進化し、コンパクトになってきて、今ならそれこそノートPCとI/Oさえあれば、何でもできちゃう。ソフトシンセで音は出せるし、スタジオでやらなくちゃいけない作業が大幅に少なくなりました。昔はDTMでできるのは、あくまでもプリプロだったんですよ。それでイメージを固めて、スタジオでプレイヤーが演奏したものをレコーディングするという流れでした。でも、いまのDAWを使えば、プリプロの段階で最終形が見えやすくなり、プロプロ段階で完成系に近いものができてしまう。だから、実際にプロプロでほぼ完成し、あとはそのままミックスダウンというケースも少なくないですね。


ProToolsを中枢に据える2階のミックススタジオ

--この地下のスタジオでCubaseで作って、それを2階のProToolsでミックスというわけですね?

Daichi:そうですね、レコーディングをするにしても、昔のようにベーシックなところからやるんじゃなくて、ピアノを差し替える、ドラムを差し替える、ブラスやストリングスを差し替えるといった感じで、必要なところだけを差し替える感じですよ。


ボーカルなどをレコーディングするブース。以前は畳の部屋だったんだとか…

--ボーカルは?
Daichi:リズムのグルーブ感とかがあるから、基本的には楽器すべてが録り終わった後で、2階に来てもらって録ることが多いですよ。だからここで、すべて完結。マスタリングは、分業ということでここではやりませんが。


ミックススタジオにはビンテージ機材もいっぱい

--ここで、もう一度、アレンジャーというお仕事について伺いたいのですが、作曲者とはかなり綿密な打ち合わせややり取りがあるんですか?
Daichi:ほとんど会うこともないんですよ(笑)。メロディーが届くだけですよ。もっとも今は、ある程度の伴奏がないと評価してもらえないので、作曲者も伴奏まではつけてきますが、イントロもないケースも多いですし、伴奏はあくまでも参考用。だから、基本的にはメロディーラインだけを使ってアレンジを構成していくんですよ。中には、「このピアノのラインだけは使って」といったオーダーが来ることもあるので、そのときは、それを使うようにしていますが……。

 

--ところで話は大きく変わりますが、Daichiさん、ときどきPCを組み立てたりしてますよね?あれは、Cubase用ですか?
Daichi:はい、最初はMacを使ってましたが、2000年ごろにNUENDOが登場してきた辺りで、NUENDOを試すと同時に、PCを導入したんですよ。MacがMac OSXに切り替わるタイミングでもあって、どうせ一から構築し直すならPCにしちゃおう、ってね(笑)。そう、それまでのMacだとWAVESのTrueVerbとか使うと4本差すだけで、マシンパワーがいっぱい。そこでWindowsに切り替えたら、マシンパワーが全然違って便利だったんですよ。

 

--その時は、どこかのメーカーのPCを買ってきて…?
Daichi:いいえ、最初から自作PCですよ。当初はWindows2000を使ってました。

 

--いまでこそ、Windowsを使うミュージシャンも増えてきてますが、すべてにおいて先駆的ですよね!
Daichi:まあ、スタジオはProToolsでMacだから、そこはウチでもMacを使ってますけどね。自分でPCを組めば、目的にマッチしたものが作れるし、何かトラブルがあっても自分で解決できるから、精神衛生上もいいんですよ。メインマシンとバックアップ用のサブマシンを用意していて、2、3年置きに新たなマシンに作り替えています。

 

--現在Cubase7を使っているようですが、音源はどんなものを使っているんですか?

Daichi:そんなに特殊なものは使ってませんよ。HALion Sonicとかも使うし、サンプラー系はNIのKONTAKTとか、またSpectrasonicsのOmnisphereとかStylusとか……。あとreFXのNUXUS2なんかもよく使いますね。エフェクト系はUniversal AudioのUAD-2 OCTO COREを使っていますが、これもなかなかいいんですよ。


I/Oとして使っているAntelopeのOrion 32やSSLのX-Logic Alpha-Link MX

 

--オーディオインターフェイスはどうしているのですか?

Daichi:これまでMOTUのHD192を使っていましたが、最近買い換えて、まさにシステム構築中という感じです。RMEのMADIのインターフェイスを入れ、ここにAntelopeのOrion 32SSLの16chのインプットがあるヤツを接続して……ってすごい入力数になっています。別に一気にマルチでレコーディングするというわけではなく、エレキのときは、このセッティングでこのチャンネルに、アコギはここに……っていうように、楽器ごとにセッティングを決めて、1つずつのチャンネルに入れて、その後動かさないようにしているんです。これなら、セッティング時に調整することなく、すぐに制作が始められますからね。また、制作途中で変更要請がくることもあるのですが、セッティングを残しておけば、すぐに再現できますからね。


Cubase7のVSTコネクションを見ると、各I/Oにアウトボード類がセッティングされているのが分かる

 

--なるほど、Daichiさんの業務効率を考えると、チャンネル数がたくさんあるといいわけなんですね。
Daichi:はい。アレンジは一人でセッションしながら、音を重ねて行くという感じが多いんです。バンドものとか、打ち込みの入っていないアコースティック系のアンサンブルの仕事も多いから、こうしておくと効率のいい仕事ができるんですよ。ドラムは鍵盤でリアルタイムに打っていくのですが、生にはかなわない面もあるので、ここでドラマーに叩いてもらうケースもよくあります。またパーカッションとか自分でできるものは、生でレコーディングしていくんです。

 

--こうしてCubaseで完成したものをProToolsへと持って行くわけですよね。

Daichi:うちにあるサーバーにWAVで渡し、ProTools側で受け取ります。いまはCubaseで全トラックを一気にWAVで書きだすことができるから簡単ですよ。OMFとかは使いませんね。ProTools側の作業は自分でやることもあるし、エンジニアに来てもらってやることもありますが、ミックスダウンまでやって、完成、というわけです。


最後にDaichiさんと一緒に記念撮影(^^) 

 

--なるほど、とっても勉強になりました。DTMユーザーにとっても参考になることがいっぱいです。お忙しい中、本当にありがとうございました!

 

【関連サイト】






Commentsこの記事についたコメント

3件のコメント
  • 愛原春

    初めまして、愛原春と申します。
    以後よろしく…お願い致します。
    「それこど」という言葉は、「それこそ」にしたかったのではないかと思います。
    誤字でしたら、修正したほうがよろしいかと思います。
    失礼致します。

    2013年3月26日 5:53 PM
  • 藤本健

    相原春さん
    ご指摘ありがとうございます!いま修正しました。

    2013年3月26日 6:10 PM
  • 【音楽サロン,インタビュー情報など】鈴木Daichi秀行さんの全てを解説!! - 【業界のトップの作曲家が多数】音楽スクール&情報サイト-MusicViral

    […] →DTMステーションのインタビュー記事はこちら […]

    2019年1月16日 6:11 PM

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です