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老舗フリーシンセ、Crystal Soft Synthがやっぱり超高性能だ!

フリーウェアソフトシンセといえば、やっぱりDaichiさん開発のSynth1が一番人気であることは間違いないと思います。NordLead2を参考に開発したというSynth1は、2002年誕生のVSTプラグインの老舗中の老舗ですが音のよさ、使いやすさの面から、いまも多くの人に使われる定番シンセですよね。

 

一方、同時期(2004年ごろ?)に誕生したCrystal Soft Synth(以下Crystal)というアメリカ製のフリーウェアのソフトシンセがあるのをご存じですか?私も存在は何となく知っていたものの、しっかり使ったことがないままだったのですが、試してみたら、ものすごい高機能、高性能な音源だったんですね。また、600円の有料ではあるけれど、iPhone/iPad版として出ているので、これがどんなものなのか紹介してみたいと思います。


誕生から12年以上が経つフリーソフトシンセ、Crystalは今も健在。バックにあるのは14年が経過したSynth1


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Synth1については、DTMステーションでも以前、「Synth1開発者のDaichiさんにインタビュー、iPad版も来春登場だ!」という記事で取材させてもらいました。古くからDTMの世界に携わっている人たちではありましたが、よくこれだけ完成度の高い音源を早期に作られたものだな、と感心してしまいます。


いまだ、その人気は高く、不動の地位にある日本が誇るフリーシンセ、Synth1 

 

そのSynth1より少し後に誕生したフリーウェアのソフトシンセで、Synth1と同様、現在はWindows、Macの64bit/32bitの環境で使えるようになっているCrystalという音源が今回のテーマです。どんな音が出る音源なのか、以下のYouTubeビデオでさまざまな音色が紹介されているので、早送りしつつ、聴いてみると雰囲気がつかめると思いますよ。

 

 

これを見てもわかる通り、Synth1がシンプルでオーソドックスなシンセサイザであるのに対し、Crystalはかなり複雑な構成になっているんですよね。でも、そのUI上は複雑に見せず、シンプルな音源に仕立てあげているのが大きな特徴にもなっているのですが、これがどんな音源なのかひも解いていきましょう。


CrystalはWindowsのVSTおよびMacのVST/AUで動作するフリーのプラグイン・ソフトシンセ 

 

まず、このCrystalはWindowsではVST、MacではAudioUnitsおよびVST環境で動作するプラグインとなっており、どちらも32bit/64bit版が用意されています。インストール方法は割愛しますが、ごく一般的な方法であり、Macならあまり迷うこともないと思います。Windowsの場合は、ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、それをVSTプラグインフォルダに入れればOKです。


まずはプリセットを読み込んで鳴らしてみよう 

 

またCrystalには、多くのプリセット音色がありますが、さらにCrystalサイトには数多くの音色データライブラリもフリーでダウンロード可能になっています。これらもいっしょに入手しておけば、かなり即戦力として使える音源になりますよ。

 

さてDAWから起動すると、なんだかよく分からないパラメータがいっぱいある画面が出てきますが、まずはプリセットの音色を読み込んでキーボードを弾いてみてください。アンビエント系の音色を中心にさまざまな音が出てくると思います。触ってみるとわかると思いますが、このプリセット音色、その多くが非常に分厚いサウンドでありつつも、モノ音源が多く、和音を出すことができないんですよね。そのため、最初、これはモノシンセなの?と思ったら違いました。


Polyというボタンを押すとポリフォニックのシンセになる 

 

左上にあるVoice1、Voice2、Voice3のボタンの下にあるPolyボタンを押すと12音ポリ、または24音ポリを選択することが可能になっていますよ。そして、このVoice1~3がCrystalの要となっています。それぞれ独立した3つのシンセサイザとなっていて、それをレイヤーさせて音を作っていくのです。


Voice1のみ音が出るようにするとともに、Voice1タブをクリックしてVoice1のエディット画面に 

 

わかりやすくするために、ここではVoice1のみを見てみましょう。画面左上においてVoice1のみが点灯した状態にしておけば、Voice1のみの音が出るようになります。そしてVoice1タブをクリックすると、このシンセの基本構造が見えてきます。


まずはオシレーターに波形を設定する

 

左下がオシレーター、上がフィルタ、右下がアンプとなっているので、ここまでくると、シンセを知っている人ならなんとなくわかりますよね。オシレーターではTypeを選ぶと、いろいろな波形を選択することが可能になります。ここではSawSquareというCrystal標準オシレーターであるノコギリ波・矩形波のほかにサイン波、ノイズなどがあるほか、サンプリングした波形もいろいろ選べます。


CrystalSoundFontというフォルダを作成し、その中にSoundFontファイルを入れておくと波形を読み込むことができる

またCrystalをインストールしたフォルダにCrystalSoundFontというフォルダを作成し、そこにSoundFontのファイルを入れておけば、SoundFontの波形を利用することも可能になっていますよ。


FMボタン(再度押すとリングモジュレータを示すRingとなる)をオンにすると、FMサウンドを生成できる

 

その下にあるRing/FMというボタンを押すことで、リングモジュレータを利かせた音、FM音源を実現することも可能です。ただ、Voice同士を掛け合わせるのではなく、その下のModFreq、ModIndexというパラメータを使い、1つのVoice内で単純な合成をするだけなので、FM音源といってもあまり自由度は高くないかもしれませんね。


さまざまなフィルタータイプが用意されている

またフィルターセクションではローパス、ハイパス、バンドパスのほかにも、いろいろなフィルタを選択することができ、下にあるパラメータで簡単に音を作っていくことができますね。また、必要に応じて、ここにある大きなエンベロープジェネレータでアタック、ディケイ、サステイン、リリースといった単純なものに限らず、かなり複雑な形に仕立てていくことができますよ。


エンベロープジェネレータの波形はマウスで自由にエディット可能 

 

同様にアンプセクションでは、アンプ部用に独立したエンベロープジェネレータでアタックやリリースなどを設定していくことができるので、ここまでは比較的わかりやすく音作りができそうですね。


トップ画面でもあった、Modulation画面に戻る

 

さて、ここで最初の画面であるModulationタブに移ってきましょう。ここにはさまざまな波形を選べるLFOや、やはり独立した複雑な波形を作れるエンベロープジェネレーターがあるわけですが、一番注目すべきポイントは右下のModulation Matrixというところであり、ここがCrystalの最大の特徴です。


Sourceを何にするかを選択する

縦に6列同じものが並んでいますが、何(Source)から何(Target)へモジュレーションをかけていくのかを設定していくのです。Source側をクリックすると、CrystalのこのModulationページのパラメータのほか、MIDIの各種パラメータを選択することもできますね。


Targetをどこにするかを設定する

 

また、右のTargetではVoice1~3の各種パラメータやLFO、ディレイなどのパラメータに影響を与えることも可能です。この辺、いじっていくと泥沼にハマりそうな気もしますが、音作りの自由度はものすごく高くなっているのが分かると思います。


Mixerタブを開くと、さらに細かな設定ができるミキサーが登場する 

 

さらに、一番右側のタブであるMixerを開いてみると、こうして作っていった音のバランスを調整できるようになっているのです。基本的にVoice1~3のミキサーは画面左上の各Voiceボタンの横のレベルを調整することで実現できるのですが、ここではキーボードをスプリットした上で、各スプリットでの音量バランスなど、かなりきめ細かく調整できるんですね。

 

こうして見てみると、Synth1とは大きく正確が異なり、やればやるほど泥沼にハマっていきそうなシンセではありますが、自由度が高く、シンセ好きにはたまらない音源といえそうですね。


iPhone/iPadアプリであるCrystal XT。トップ画面でタッチしながら演奏を行う 

 

そして、このCrystalはWindowsおよびMacで動くフリーウェアのプラグインである一方、iPhone/iPadで動作するアプリ、Crystal Synth XTとしてもリリースされています。こちらはフリーではなく、600円となっていますが、こいつもかなり使えるんですよ!

 

iPhone版とiPad版では画面やできることに違いがあるのですが、いわゆるユニバーサルアプリとなっているので、600円でiPhone版、iPad版の両方を入手することが可能です。


 iPhone画面なら簡易的に音が作れ、ある意味プラグイン版より使いやすい

 

実際に試してみたところ、iPhone7 & iOS10の環境でも問題なく動作させることができ、もちろんCoreMIDI、CoreAudioに対応しているので、ほかのシンセアプリなどと同様に使うことが可能です。


iPad版は機能的にはパソコン版とほぼ同等

Windows/Macのプラグイン版との大きな違いは、メイン画面であるPlay画面に、スティールドラム風な音階表示があり、ここをタップすると演奏ができるという点。また、iPhone版では、プラグイン版のような細かなエディット画面はない代わりに、フィルタ、エフェクト、オシレータ、アンプのそれぞれに1つずつ選択肢から選ぶだけで、音作りができてしまうという点。自由度が低い分、まったくシンセが分からない人でも適当に選ぶだけでいろいろと音を変化させられるのは楽しいように感じました。


Audiobusにもしっかり対応している

 

一方のiPad版はほぼプラグイン版と同じエディット画面を装備しているので、同じ音作りが可能であり、音色データも互換性があるようですね。なお、Audiobusには対応していましたが、Inter-App Audioにはまだ対応していないようですね。

 

プラグイン版を試してみてからiOS版を入手するのも良し、すぐに音が出せるiOS版をすぐに買ってみるもも良し、いろいろと遊んでみてはいかがでしょうか?

【ダウンロード】
◎Windows/Mac版(フリーウェア) ⇒ Crystal soft  Synth
◎iPhone/iPad版 ⇒ Crystal Synth XT


Commentsこの記事についたコメント

1件のコメント
  • katatumuri

    素晴らしいシンセですよね。
    確かCrystalの開発者の方はSpectrasonicsのOmnisphereのエンジン開発に携わってたはず

    2016年9月26日 7:55 PM

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