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日本ヲタ文化大好き中国人が生み出したまったく新しいシンセ、WIGGLEが画期的だ!

今年4月にリリースされ、いま世界中のユーザーが驚愕している画期的なまったく新しいシンセ、WIGGLEというものがあるのをご存じですか?2nd Sense Audioという中国の小さな小さなベンチャー企業が生み出したWindows/Macで使えるソフトで、国内ではディリゲントが代理店として扱っている12,500円のソフトなんですが、これがとっても面白く、凄いんです。

 

そのWIGLEというシンセのアイディアを作り出した2nd Sense Audio代表の汤楠(Nan Tang)さんは、中国最大のDTM情報サイト、Midifan.comの代表・編集長でもある方。先日、来日された際に、お話をしたので、その内容を少し紹介するとともに、WIGGLEがどんなシンセなのか実際に使ってみたので、見ていくことにしましょう。


2nd Sense Audioというベンチャー企業が生み出した画期的シンセサイザー、WIGGLE

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Nanさんにお会いしたのは、9月中旬だったのですが、Nanさんが今年日本に来たのはすでに11回目とのこと。昨年末の冬コミから年越しでいたのが1回目で、3月は福岡での初音ミクEXPOに参加、同じ3月にはビックサイトでのAnime Japan、4月は幕張でのニコニコ超会議に参加し、6月はシンセイベントである渋谷での東京モジュラーフェスティバル 2016、さらに7月には隅田川の花火大会も見て、つい先日は幕張でのマジカルミライに行ってきたばかりなんだとか……。


先日お話を伺った、2nd Sense Audioの代表であり、Midifan.comの編集長でもあるNan Tangさん

 

日本人だって、これだけ各地を回ってる人はいないでしょう……。まさに筋金入りという感じですが、これだけ頻繁に日本に来てホテルに泊まっていると膨大な費用になるから、いまは秋葉原にマンションを借りて、そこに滞在しているんだそうですよ。羨ましいというか、なんというか……。

 

最初に日本に来たのは10年前のKORGでのプレスカンファレンスでした。それ以来、NAMM SHOWへの飛行機の乗り換え時に東京に来ることなど、ちょくちょく来ていましたが、今ほど頻繁に来るようになったのは昨年からなんですけどね」と笑いながら話すNanさんは私の同業者でもあるんです。


Nan Tangさんが運営する中国のDTMサイト、Midifan.com

中国のDTMサイト、Midifan.comを始めたのは2000年でしたが、それ以来、本当に数多くのDAWやソフトシンセなどを見てきました。が、いろいろ見ていただけに、ちょっと飽きてしまったんですよ。どれも過去の音源の復刻版やサンプリング音源ばかり。もっと面白い、斬新なものが作れないかとアイディアを練った結果作ったのがWIGGLEです」とのこと。自分も何か作らないとマズイのでは……なんてちょっと焦ってしまいましたが、Midifan.comとは違う事業なので、別会社として2nd Sense Audioを立ち上げたんですね。


2nd Sense Audioのメンバー、左からJason Houさん、Shaoduo Xieさん、Nan Tangさん 

 

でも原稿書いて、サイトの運営もできて、ソフト開発までできちゃうのでしょうか?「プログラミングはできないので、Ample Soundという中国のソフトシンセメーカー出身の友人Shaoduo Xieを引っ張ってきたのとともに、カナダの音楽学校を卒業した北京在住のミュージシャンJason Houをサウンドデザイナーとして迎え、3人で開発を行ってきました」とNanさん。約1年ちょっとかけて作ったのがWIGGLEなんですね。

WIGGLEとは英語で「ぐにゃぐにゃ動く」といったニュアンスの言葉なのですが、これは、まさに波形がぐにゃぐにゃと動く、奇妙なシンセサイザ。まずは、このビデオをご覧になってみてください。

 

サウンドも斬新ですが、波形がぐにゃぐにゃと動いていたのが分かりましたよね。このWIGGLEがどんな構造になっているのか、簡単に解説をしていきましょう。


Win/Macのハイブリッドで、VST、AAX、AU環境で動作するほか、スタンドアロンでも起動する

まず動作環境から確認していくと、WIGGLEはWindows、Macで動くハイブリッドの音源で、スタンドアロンでも動作するし、プラグインでも動作するというもの。プラグインとしてはVST 2.4(32bit/64bit)、AudioUnit(32bit/64bit)さらにAAX(32bit/64bit)の各環境で動作します。


最初に起動すると、こんな画面が出てきて、キーボードを弾くと、すごいサウンドが飛び出してくる

さっそく起動すると、こんな画面が登場するのですが、まず基本となるのは、上部左右に計4つあるOP1~4というオペレータ。これ1つ1つがシンセサイザとなっているのですが、もっとも特徴的なのが、ここに表示される波形のグラフです。アナログシンセでいうところの、サイン波とか矩形波、ノコギリ波などに相当するベースとなる波形がこのグラフで表示されるのですが、サンプリングデータを読み込むことはできず、この波形自体はユーザーが描くようになっています。


一つ一つのオペレータが独立したシンセサイザとなっている 

 

お絵かきのように描くのではなく、4つの点で描くだけなので、基本的には単純なのですが、そこにシェイプをかけていくといったこともできるため、意外と複雑な波形まで作れます。そして最大のポイントはこの4つのポイントを鳴らしながらリアルタイムに動かすことが可能になっているということ。そう、ぐにゃぐにゃと。普通のシンセサイザは、ベースとなるのが単純な波形であれ、サンプリングデータであれ、固定されたままですが、これがリアルタイムに動くと、ものすごく複雑な音が作れるようになるのです。また、動く速度やレンジは水平方向、垂直方向ともに自由に設定が可能であり、テンポに同期させることも可能です。


波形に対してフェイス変調を掛けるといったことも可能

またその波形にフェイズ変調を掛けるという妙なパラメータもあるので、トンでもないほどに複雑な波形を作り出すことができるんですね。

 

OP1~4はそれぞれ完全に独立したシンセサイザとなっているため、自由に音作りをすることができ、4つのオペレータの音量バランスは中央のOP MIXというミキサーを使って決めることができるのですが、ここにはいっぱいのノブが並んでいますよね。実はここ、FM変調が可能になっており、OP1に対してOP1~OP4それぞれのFM変調比率を設定したり、OP2にもOP1~OP4、OP3やOP4にもOP1~OP4の変調比率を設定できるようになっているんです。


FM MATRIXというところで、どのOPからどのOPへどの程度変調を掛けるかを決められる

 

そう同じ4オペレータとはいえ、YAMAHAのFM変調とはずいぶん違う考え方であって、OP1-OP2-OP3-OP4といった直列変調はできないけれど、クロスでいろいろな変調が可能なのです。もうこの時点で論理的に音色づくりをするというよりも、ある意味、偶然によっての音作りという気がしなくもないですが、とにかく複雑な音作りになっているんですよね。


フィルターやエフェクトなどのセクション。一番右にあるのはモジュレーションエリア 

 

さらに、画面下にはフィルター、EQ、ディストーション、フェイザー、ディレイ、コーラス、リバーブと各種パラメータが用意されているので、これらを使って音作りが可能です。また、画面右下にはMODULATIONSというエリアがあります。ここには8つの独立した波形を作ることができるのですが、それぞれドラッグ&ドロップで、さまざまなパラメータへもっていくと、その波形でモジュレーションを掛けることができるんです。たとえば、これでエンベロープを作成し、フィルターにかけたり、LFOを作ってビブラート効果に利用するなど、いろいろですね。


MORPH PADでは、キャプチャした4つのサウンドを動かしながらモーフィングしていくことができる

また、ユニークなのは画面中央にあるMORPH PADというもの。この角に①~④という数字がありますが、最初これがオペレータなのかなと思ったら違いました。ある音色を作った時点でこの①~④のいずれかをクリックすると、そこがキャプチャされます。同様に最大4つまでのキャプチャを行った後に、MORPH PADの中でカーソルを動かすと、それぞれキャプチャした音色に近い形にモーフィングされたサウンドを作りだすようになっているんです。しかも、モーフィングするバランスを複数設定した上で動かしていくことができるんです。もう、説明していても、訳がわかならなくなりそうですが、ものすごい斬新な設計なんですよね。

 

複雑ながら1画面に収めた上で、非常にわかりやすいUIになっていると思いますが、実はこの画面以外にもSEQUENCER画面、UTILITY画面というのもあるので、少し紹介しておきましょう。


最大32ステップで、さまざまな設定が可能なステップシーケンサも搭載されている

 

まずSEQUENCER画面はその名の通りシーケンサ。いわゆるアナログステップシーケンサ的なものになっています。最大32ステップとなっていますが、各ステップの長さ、ベロシティ、音程を自由に決められるので、さまざまなパターンを作ることが可能。基本的にはキーボードを押すと、このシーケンサが機能する形になっているんですね。


演奏用ではなく、各パラメータを動かすためのシーケンサも8つ独立して用意されている

 

さらにSeq Modなる8つの独立したシーケンサが用意されています。こちらはなんと、あらゆるノブに割り当てることが可能になっており、たとえばフィルタのCUTOFFをコントロールするシーケンスパターンと、オペレータのディケイレベルをコントロールするパターンを別々に作るなんてことまで可能なんです。

 

こう考えてくと自由度が高すぎて、やればやるほど泥沼にハマりそうな気がしなくもないですが、これはなんとも新しいシンセサイザですよね。


WIGGLEで発音したサウンドを録音し、それをDAWへドラッグ&ドロップすることでオーディオクリップが作れる 

 

しかも、このWIGGLEをDAW上で動かすと、さらに面白いことができるようになっているんです。まず先ほど作ったMIDIのシーケンスパターンですが、これをDAW上へドラッグ&ドロップすると、DAWのMIDIクリップとしてトラック上に置くことが可能になるんです。

 

さらにWIGGLE本体には録音機能があり、WIGGLEで演奏したものをオーディオとして記録していくことができるのですが、これもドラッグ&ドロップでDAWのトラック上にもっていけばオーディオクリップとして取り出すことができるんです。なんともよくできたソフトですよね。


誰でも自由にダウンロードでき、20日間はフル機能を無料で使えてしまう 

 

そしてもう一つ嬉しいのは、その体験版について。「このWIGGLEは多くの人に思う存分使ってもらえるよう、誰でもフリーでダウンロードできるようになっていて、インストール後20日間は全機能を制限なしで使えるように解放しています。20日を超えると音が出なくなる機構をつけていますが、その時点で購入いただいて、アクティベーションしていただければ、そのまま製品として使えるようになっています」とNanさん。

 

至れり尽くせりな感じですよね。これほどすごいシンセサイザが中国から登場していたのはビックリでしたが、個人的には中国のソフトシンセメーカーってまったく知らなかったので、Nanさんに聞いてみたところ、この2nd Sense Audioは4社目になるとのこと。具体的にはKong AudioSound MagicAmple Soundに続く会社とのことですが、今後まだまだ登場してきそうですよね。また2nd Sense Audioとしては、もう次のプロダクトを開発中とのことですが、これにも期待したいところですよね。


取材後のNanさんと藤本の記念撮影。今後、Midifan.comとDTMステーションで連携をするかも!? 

 

この取材の最後に、NANさんからは、「Midifan.comとDTMステーションで、うまく記事転載などをしませんか?」なんて申し出もいただきました。誰がどう翻訳するかなど、課題はありそうですが、そんなことが実現できると、また面白くなりそうですよね。進展があったら、またみなさんにお知らせしたいと思います。

【関連情報】
WIGGLE製品情報(代理店:ディリゲント)
2nd Sense Audioサイト
Midifan.comサイト(中国語)

【チュートリアル連載】
ダイナミック・ウェーブシェイピング・シンセWIGGLEでウィグらす!(ディリゲント)

【デモ版ダウンロード】
WIGGLEデモ版ダウンロード

 

Commentsこの記事についたコメント

7件のコメント
  • タケシ

    欧米音楽の進化が止まってる昨今、次の新たな音楽制作エリアならびに音楽配信市場は中国や東南アジアだと思います。
    日本人はまだまだこの意識が薄いと思います。

    2016年9月30日 12:24 PM
  • コピーライト

    お金にならなければ興行打てず配信できずで、現実問題としてアジアでの音楽(権利ビジネス)は相当難しいですね。それより、これまでの「音楽を金で買う」時代から、「音楽を自ら制作して自分で聞く・SNSで聞かせる」時代へとドラスティックに音楽のあり方を根底からひっくり返す必要があります。既に要素技術(このソフトシンセもその一つ)はあるので、後は「誰が最初にやるか?」だけかと。

    2016年9月30日 9:20 PM
  • ねむねむ☆

    サイトデザインや広告量で負けているじゃないですか(笑)
    内容はDigital Audio Laboratoryも含めて藤本さんの勝ちです。
    向こうがソフトならこちらはハードで、人脈を活かして別注カラーを出しましょう。
    TR-909カラーのDJ-808とかをメーカーから出させてくださいよ。
    我々一般人がメールで要望しても聞きやしない。

    2016年9月30日 9:22 PM
  • 藤本健

    ねむねむ☆さん、ありがとうございます。がんばりますw

    2016年10月1日 8:07 AM
  • タケシ

    いやいや、今後、アジア市場での音楽の可能性が最もあると思います。時代は常に変化するものなので、アジアでの音楽購入の新たなシステムや配信方式が登場する可能性は高い。それにアジア音楽は未知のメロディーやコード進行やリズム感がいっぱい残されてます。欧米音楽は21世紀に入ってから進化が停滞してます。EDMも90年代のテクノほど革新的じゃありませんし。
    それに「音楽をお金で買う」という行為は無くなりませんよ。寧ろ、無料で音楽配信する事が尻すぼみになるでしょう。
    そうじゃないとミュージシャンは音楽で食っていけませんからね。

    2016年10月1日 10:50 AM
  • コピーライト

    既に音楽で食っていけないミュージシャンだらけなのに、一体どんな根拠で仰っているのやら私には全然分かりかねますw 実際、ここ10年ほどの間に収入がなくなって死んでしまった方が何人もいます。それに目をつむって遠い未来の夢を語っても、現在困っている音楽家には何の力にもなりませんし、死んでいった人の慰めにもなりません。そもそもコンテンツの内容が問題なのではありません。音楽への関わり方が根底から変わったのです。既に現在の配信・定額聞き放題のサービスがその答えを示しているのに、今後音楽に積極的にお金を払う習慣が戻ってくるとは到底思えないです。まだ反論があるなら迷惑になるので2chの作曲板にでもスレを立ててください。伺いますよw

    2016年10月2日 5:27 AM
  • タケシ

    >今後音楽に積極的にお金を払う習慣が戻ってくるとは到底思えないです。
    未来になれば状況は変わると私は思っています。

    2016年10月2日 2:54 PM

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