露骨な比較はやめておきますが、SteinbergのUR22mkIIと真っ向勝負する形で出てきた製品であり、Windows、Macで利用できるのはもちろんiPhone/iPadでも利用できるようにするなど、現在のDTMシーンにマッチする形で、Rolandが自信を持って出してきた製品です。発売直前の量産モデルを一足早く触ってみたので、実際どんな製品なのかレポートしてみたいと思います。
Rubixシリーズは4in/4outのRubix 44、2in/4outのRubix 24、そして2in/2outのRubix 22の3製品となっており、最初に発売されるのがRubix 22なのです。
QUAD-CAPTUREと並べてみると、まったく新しいシリーズになったことを実感できますが、大きさもデザインも、そして重さもかなり違うんですね。QUAD-CAPTUREの場合はアナログの2in/2outに加え、S/PDIFコアキシャルというデジタル端子を使った2in/2outを備えていたわけですが、Rubix 22はデジタル端子は廃して、横幅はコンパクトになっています。
当然MacならCoreAudioドライバで、またWindowsであればASIOドライバおよびWASAPI、MMEのドライバで動作させることが可能なオーディオインターフェイスとなっていますから、Cubase、Studio One、SONAR、Ableton Live、Ability、Pro Tools、FL Studio、BITWIG Studio……と、どんなDAWとの組み合わせにおいても動作させることができますよ。
実際に入力してみると分かるのは、適音量の入力があると、端子横のインジケーターが緑に点灯し、レベルオーバーすると赤く点灯するのです。見てみると分かるとおり、このLEDのインジケーター部分が前面パネルだけでなく、本体上部にまで切り込みが入って点灯するようになっており、かなり凝ったデザインになっていることが分かりますよね。
そのモニターの仕方で競合製品と大きく異なるメリットが1つあります。それはダイレクトモニタリングする際にステレオであるかモノラルであるか、さらにはダイレクトモニタリングをしないかの3つをスイッチで切り替えられるという点です。たとえばギターを1chに接続してモニターする場合はモノラルにすれば、両チャンネルからモニターされ、ギターの音がセンターに来ます。一方で、1ch、2chそれぞれにマイクを接続した場合、ステレオの設定にすれば1chは左から、2chは右から出てくるようになるのです。
前面の右側にあるつまみでヘッドホンおよびメイン出力のレベルを調整する
ここで1つ試してみたのはRubix 22のWindowsのASIOドライバを使った際のレイテンシーです。このレイテンシーはドライバの設定画面でバッファサイズの切り替えで大きく変わるのですが、Rubix 22で設定できるのは7段階。このうちの一番小さい1を選んで192kHzでチェックしてみたところ5.47msec。
192kHzでの実測レイテンシーは往復で5.47msecだった
これだけの数値が出ていれば、使用する上ではまったく問題はなく、非常に快適に使えそうですね。レイテンシーに関しては、後日、AV Watchの連載記事「藤本健のDigital Audio Laboratory」でも詳しく取り上げてみようと思っております。
microUSBで電源供給しつつLighting-USBアダプタ経由でiPadと接続してみた
iPadのDAW、Auria ProからもRubix 22を認識し、Rubix 22に接続した音をレコーディングできる
こうすることで、iOSからはRubix 22を認識するとともにオーディオ入出力の制御が内蔵のオーディオ機能からRubix 22に切り替わるのです。つまり音楽を再生すればRubix 22から高品位な音が出てきますし、Rubix 22のマイク端子に取り付けたコンデンサマイクの音を、iPhoneやiPadのアプリでレコーディングしていくことも可能になるのです。
以上、Rubix 22のファーストインプレッションということで紹介してみましたが、なかなか使えるオーディオインターフェイスが登場した感じです。現在の熾烈なオーディオインターフェイス競争の中で、台風の目のような存在になるのではないでしょうか?今後、Rubix 24やRubix 44が登場してきたタイミングで、また詳しく紹介できればと思ってます。
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【価格チェック】
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