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DTMerにとってのGENELECと、GENELECが日本法人を設立した理由

プロ用のモニタースピーカーとして憧れを持って見ている人も多いGENELEC(ジェネレック)のスピーカー。このGENELECは北欧・フィンランドのメーカーだったってご存知でしょうか? 1978年創業のGENELECは世界中のミュージシャンが使うプロ・クォリティーのメーカーとして、小さなスタジオ・モニター・スピーカーから放送局などで使われるラージスピーカーまで、さまざまなラインナップの製品を作り続けてきています。

 

国内でもオタリテックが取り扱う形で31年の歴史を持っているのですが、先日、GENELECの日本法人、株式会社ジェネレックジャパンが設立され、小型モニターも含めて値下げすることでDTMユーザーを含めたより幅広いユーザーにアプローチしていくとのこと。先日、そのジェネレックジャパンの設立レセプションがフィンランド大使館で行われるとともに、The Onesシリーズという同軸スピーカー(ウーファーとトゥイーターを1つのユニットに組み込み、その発音位置を同軸にそろえたタイプ)もお披露目されました。これは、世界最小の4スピーカー/3ウェイ同軸スピーカーとのことで、発表後、いろいろなメディアでも取り上げられて話題にもなっているものです。そのレセプションの前に、GENELECのマネージング・ディレクター(CEO)のSiamäk Naghaianさん、およびR&DマネージャーのAki Makivirtaさんにインタビューすることができたので、ご紹介しましょう。


GENELECの日本法人、ジェネレックジャパンが設立され、同軸モニターのThe Onesシリーズも発表に

 


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--GENELECは1978年設立とのことですが、改めてどんな会社なのか概要を簡単に教えてください。

Naghaian:当社は法人としては1978年設立となっていますが、法人設立の数年前からフィンランドの放送局とジョイントプロジェクトとして事業をスタートしているので、すでにスタートしてから40年を超えています。ただ、40年経った今も我々の目的は創業時とまったく変わっていません。つまり、プロフェッショナルのためのモニタリングツールを作ることであり、できる限り中立な形で音を出せるスピーカーにすること、そこに注力をして展開しています。そして、創業当時からアンプを内蔵するアクティブモニターを開発してきています。

マネージング・ディレクターのSiamak Naghaianさん(左)、とR&DマネージャーのAki Makivirtaさん(右)

--現在モニター環境というとアクティブモニターが中心になっていますが、ピュアオーディオを含むリスニングオーディオの世界などでは、パッシブスピーカーが主流のように思います。その当時からアクティブモニターというのは一般的だったのですか?

Makivirta:当時からアクティブ技術は知られてはいました。でも実用的なものはポピュラーではなく、メインストリームでは決してありませんでした。そこがGENELECを設立した理由でもあるのです。実際、GENELECとアクティブモニターは同義語のようにもなっていますし、当然近年ではアクティブモニターがメインになり、とくにプロ市場においては、これが当たり前になっています。そうした世界を作ってきたのは我々であると自負しております。

レセプションおよびインタビューはフィンランド大使館で行われた

--これまでも日本で実績のあるGENELECですが、このタイミングでGENELEC Japanを設立した背景、理由などを教えてください。

Naghaian:GENELECにとって日本は、製品展開する場として大きな実績があるだけではなく、特別な歴史、魅力的な歴史がある国なのです。日本の多くのユーザーのみなさんは非常に積極的に製品に対する意見をフィードバックしてくださり、そうした意見が製品の研究開発においても、非常に貴重な情報となってきました。やはり我々にとって、多くの知見のある日本のユーザーとより強くつながっているということは今後ますます重要になると考え、このタイミングで日本法人を設立した次第です。もっと早く設立すべきだった……とも思っているところです。GENELECは1998年にアメリカ法人、2005年に中国法人を作っていますが、今年日本法人を作ったこのタイミングの背景には市場の急激な変貌というものがあります。音楽の制作環境が非常に変化してきているのです。つまり楽曲の作られ方もそうですし、流通もネットへシフトしてきていて、1998年にアメリカに作ったころとはまったく違う時代に入ってきまました。この新しい時代へどう対応していくか、という点でジェネレックジャパンが大きなカギを握ると考えています。

GENELECは来年設立40周年を迎える

 

--これまでもGENELEC製品は普通に日本で流通していましたが、このたび日本法人であるジェネレックジャパンが設立されたことで、一般ユーザーにとって何か変わることはあるのでしょうか?

Naghaian:基本的に大きくは変わらないかもしれませんが、一般ユーザー向けの製品については多少価格的に買いやすくなると思います。一方で、日本のユーザーの皆様から見て、GENELECがより近い存在になるはずですし、直接的にやり取りができるようになります。もちろんユーザーサポートにも力を入れて、メーカーとユーザーが近い関係を構築し、緊密な連携、連絡をできる関係を作り上げていきたいと思っております。

レセプションには大御所のレコーディングエンジニアなどが集まった

--個人の音楽クリエイター、DTMユーザーから見てもGENELECは憧れの製品ですが、価格的になかなか手が出しにくいのも事実です。プロ、アマ含め、個人ユーザーをどのように捉えていますか?

Naghaian:それはとても興味深い質問ですが、もちろんGENELEC製品は個人ユーザーの方々にぜひ買っていただきたい製品である、と考えています。価格については、ぜひトータルコストとして捉えてほしいと思います。当社の製品の寿命は非常に長く、何十年に渡って使っていけるのです。実際、これまでの当社の40年の歴史において、修理不可能になったものは1つもないのです。そういう意味で、利用1年あたりの価格とみれば、非常に価値のある、とても安い製品を作っていると考えております。そして最高品質の製品を提供するということを常にかんがえているので、お客様の対象としてはプロの方々はもちろんですが、セミプロ、プロになる余地のある方というところに絞っています。そのため、万人を対象とした製品ではないかもしれませんが、DTMをしているみなさんにはぜひ使っていただきたいです。

新発表のSAMファミリー、The Onesシリーズは同軸のアクティブモニターとなっている

--一方で、音楽制作ではなく、音楽を聴くことを目的とした人に対してはどうなのでしょうか?

Naghaian:そこは絶対的にあると考えていますし、そのトレンドはすでに表れてきています。最近のハイレゾブームなどもあるのでしょう、リスナーの方々が音質面でGENELEC製品を選択しにきていますし、それと同時に制作する人と、聴く人の線引きもあいまいな時代になってきています。実際、聴いている人が、プロデューサーになる…そういったこともある時代ですから。また制作している人がモニターしている環境で、そのままリスナーが聴くというのが一番ベストな関係でもあります。まさに作った音そのもので聴くことができるわけですから。そういう点でも、今後、リスナーの間でも広がっていくと確信しております。

部屋・空間のキャリブレーションを行い、スピーカーの数も自由に追加できるGLMシステム

--さて、ここでもう少し現行製品について詳しく伺いたいのですが、今回発表されたThe Onesシリーズを含めたSAMファミリーは自動的にキャリブレーションを行ってくれるということで、とても興味があります。デモは見たことがあるものの、自分では使ったことがないので、よく分からないので、少し解説をお願いします。

Makivirta:まずSAMとはSmart Active Monitoringの略で、従来からあるアクティブモニターにスマートな機能を搭載したことを意味しています。ここでいうスマートとは、非常に賢く柔軟性のある機能ですね。そのスマート機能を実現するためのシステムとしてGLM=Genelec Loudspeaker Managerというものがあり、これが対となっているのです。SAMとGLM、この2つで空間の音響特性を計測した上で、部屋の特性が分かったときにスピーカー側で補正が行える。これによって、中立的な特性を得ることができるようになっているのです。どこのスタジオ、どこの部屋においても、同じ音を再現することができるようになる、というわけなのです。従来のアクティブモニターではスピーカー単体として、いい音が出せるというものでしたが、SAMとGLMが実現する世界は、空間としていい音が出せるシステムなのです。

GLMなどのテクノロジーについて語るMakivirtaさん

--リスニングオーディオの世界でもルーム補正を行う製品はいろいろありますが、GLMならではのポイントなどあれば教えてください。

Makivirta:確かにEQで調整するシステムは各社からも出てはいます。そのEQで調整するという意味では同じかもしれませんが、GENELECのシステムは、どうEQをかけて部屋に合わせた補正を行うのかという点で、プロの環境で徹底的な検証・研究を続けてきた実績があるので、その結果に違いがあると考えています。やはりプロの制作環境と、一般のリスナーの自宅環境では求められているものが違いますので、必然的に補正の手法なども変わってきます。EQそのものは誰でも作ることができますが、この空間をどう測定し、部屋の情報をどう取り込むのか、部屋の特徴をつかんで、どのように計算してどう補正していくかという点で、我々独自のノウハウがあるのです。

今年フィンランドは独立100周年。そのフィンランドの中でもGENELECは歴史ある会社だという

--とくにDTMユーザーの場合、最近ヘッドホンだけで完結させている人を多く見かけます。彼らに対してアドバイスなどあればお願いします。

Makivirta:GLMを使った補正では、いかに各部屋、空間の特性を捉えて中立的な音にするかを行っていますが、ヘッドホンを使えば、部屋の特性を完全に除外できるという意味では非常に効果的なデバイスです。しかし、これは実際の空間で出す音を確認する重要なポイントを省略するので、裏腹という要素があります。やはりヘッドホンは音場を再現するという面では難があり、そこにおいてはスピーカーのほうが圧倒的に有利です。もちろん、使い分けというものは必要だと思いますが、やはりヘッドホンだけで制作したのでは、リスナーに届く音を確認することができないので、ぜひ賢明な選択をすることをお勧めします。

GENELEC製品はDTMユーザーにとっても決して高くない製品だというNaghaianさん

--最後に、日本のDTMユーザーへのメッセージがあれば、ぜひお願いします。
Naghaian:モニタースピーカーは、音楽制作環境の構築において、極めて重要な投資だと思います。GENELEC製品は高いという印象を持っている方も多いかもしれませんが、特にエントリーレベルの製品は決して高くはありません。そして長年使い続けることができるという点でもリーズナブルな製品です。小さなサイズから大きなサイズまで、いずれの製品も最高レベルのサウンドを実現しているので、ぜひご検討ください。

 

--ありがとうございました。

【関連情報】
ジェネレックジャパン公式サイト
The Ones製品情報