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プロ用クロックで著名なAntelopeが打ち出したアナログプリアンプ搭載のオーディオインターフェイス、Discrete 4がスゴイ!

プロ御用達のクロックジェネレーターでお馴染みのメーカー、Antelope Audio(アンテロープ・オーディオ)から、非常に高性能、高音質なオーディオインターフェイスが2種類発売されました。マイクプリアンプ4つを装備するDiscrete 4(ディスクリート4)と8つを装備するDiscrete 8。いずれもマイクプリアンプ部に、超高品位なアナログ回路を搭載しているのが特徴なのですが、このオーディオインターフェイスの中には強力な頭脳も搭載されており、PCのCPUパワーを使うことなくビンテージ機材を復元したEQやコンプなど約50種類のエフェクトを使うことが可能になっています。

 

さらに同時発売されたEdge(エッジ)というやや特殊なコンデンサマイクをセットで利用することで、SONYC-800GNeumannU87U67とソックリにモデリングする機能なども装備しているのです。先日そのDiscrete4をお借りして試してみたところ、apollo twinあたりが競合となると思える、なかなか強力な機材でした。実際どんな機材なのか紹介してみたいと思います。


Antelopeの新オーディオインターフェイス、Discrete4を使ってみた


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クロックジェネレーターで有名なブルガリアのメーカー、Antelope。ヨーグルトのイメージが強い国で、どうしてこんなハイテク機材が…と不思議に思っていましたが、実はAntelopeのオーナーがヨーロッパ生まれのアメリカ人で、EU内でビジネスをするにはどこがいいかを探した結果、ブルガリアを選んだのだとか……。そのため、社員もブルガリアの人を中心に世界中から優秀なエンジニアを集めているのだそうです。


Antelopeは東欧ブルガリアに本社がある超ハイテク企業

 

そのAntelopeが先日発売したDiscreteシリーズはディスクリートという名前からも想像できるように、ディスクリート回路で構成されたオーディオインターフェイスなのです。「ディスクリートってどういう意味?」という人も多いと思うので簡単に説明すると、オペアンプなどのICチップに頼らず、トランジスタや抵抗、コンデンサといった昔ながらのアナログ部品で構成される回路のことを表します。もちろん、オーディオインターフェイスですから、基本的にはデジタル回路が中心ですが、ここに搭載されているマイクプリアンプがディスクリート回路である、ということなんですね。


マイクプリアンプがディスクリート回路で構成されているDiscrete 4

 

もちろん「ディスクリート回路なら良いものである」という単純な話ではないのですが、Antelopeがこだわりを持って作った、いいオーディオ性能を持っているということであり、高い自信があるからこそ、製品名を「Discrete」としているわけですね。

フロントの左側にマイク、ライン、ギター入力兼用のコンボジャックが2つある

さて、そのDiscrete 4、まずは入出力など基本的なスペックからチェックしていきましょう。1Uの2/3ラックサイズのDiscrete 4は前述の通り、4つのマイクプリアンプを搭載しており、当然4つのマイク入力があるのですが、フロントに2つ、リアに2つの端子が用意されています。


Discrete 4のリアパネル。右側にコンボジャックの入力、その左にラインアウト、モニターアウトがある

このうちフロントにある2つはギター入力も兼ね備えるもので、どのタイプのものを接続しているかはコンピュータ上のソフトウェア画面のスイッチで切り替える方式になってます。


フロント右側には独立したヘッドホン出力が4つも装備されている

 

一方、フロントの右側には4つのヘッドホン端子があり、これらはすべて独立した信号を割り当てられるようになっているのです。リアには4つのTRS出力によるラインアウト、さらにステレオでのモニターアウト(これはヘッドホン1と同じ信号)がやはりTRS出力×2の形で搭載されています。これらを合わせるとアナログで4IN/12OUTという構成ですね。


コントロールパネル上で入力信号の切り替えを行う

さらにリアにはADATの入出力およびS/PDIFの入出力、そしてワードクロック出力も2つ用意されています。44.1kHzまたは48kHzでの動作時にはADATが8ch、S/PDIFが2chとなるので、デジタルで10IN/10OUTを装備していることになります。ちなみにサンプリング周波数的には、最高で192kHzまで対応しています。

ところでこのクロックに関して特筆すべき点があります。それはAntelopeが誇るマスタークロック製品、「Isochrone Trinity」や「OCX HD」と同等の第4世代 64bit AFCテクノロジー Master ClockがDiscrete 4に搭載されているということ。つまり、Discrete 4をクロックジェネレーターとして使うことも可能なわけです。その意味では、クロックだけのためにDiscreteを買っても損はないレベルですよね。

 

デジタル系はADAT入出力、S/PDIF入出力があり、ワードクロックの出力も装備。PCとはUSBもしくはThunderboltで接続

そしてDiscrete 4のPCとの接続はUSBが用意されているほかThunderbolt2も使えるようになっています。ただし、Thunderbolt2が使えるのはMacのみ、USBはMacでもWindowsでも利用可能です。またDiscrete 4を使う場合には、WindowsでもMacでも予めドライバとAntelope Launcherというソフトをインストールするのですが、Antelope Launcherから起動するコントロールパネルと呼ばれるミキシングコンソール画面で、こうした入出力に関するルーティングを設定する形になっています。


このミキシングコンソール画面でDiscrete 4のすべての機能を引き出していく

なおDAW側から見ると16IN/16OUTとなっており、どの信号をどこに割り当てるかについては、ミキシングコンソール画面で行っていくわけです。

DAW側から見るとDiscrete 4は16IN/16OUTのインターフェイスとして見える

さて、DTMステーション的には、先ほどのディスクリート回路よりももっと注目したいのが、Discrete 4内部に搭載されているチップ、FPGAです。FPGAとはプログラム=ファームウェアによって、回路自体を自由に書き換えることが可能な超高性能なLSIです。何十万台、何百万台という機材を開発するならばゼロからデジタル回路を設計して専用のLSIを開発するところですが、数千~数万台の規模の機材で、超高性能なものを自由に作るとなるとFPGAを使うというのが、昨今の流れです。

Antelopeとしては、機材の中でエフェクトやマイクシミュレーションなど、さまざまな処理をしたいという考えから、FPGAを使うという選択肢をとったようで、Discreteに限らず、以前にも紹介したZen TourやOrion Studioなども含め、FPGAを使っているんですね。オーディオインターフェイスメーカーとしては、RMEもFPGAを使っていることで知られています。


本体のフロント中央にはディスプレイおよび3つのボタンとプッシュ式エンコーダがあり、これであるレベル系の調整は可能

 

一方、エフェクト処理などをするならDSPを使うという考え方のメーカーも多く、恐らくそちらのほうが主流だと思います。Discreteと比較的コンセプトの近い製品としてUniversal Audioのapollo twinやArrowがありますが、これらはDSPを使っています。FPGAとDSPのどちらがいいのかは一概には言えませんが、AntelopeとUniversal Audioのソリューションで比較すると、AnetlopeはFPGAひとつで非常に高性能な処理能力を持っているのに対し、Universal Audioは複数のDSPを搭載したり、さらに複数の機材を接続することで処理能力を拡張できるというメリットがありますね。

では、そのFPGAで具体的にどんなことができるのでしょうか?それが冒頭から触れているエフェクトとマイクモデリングなのですが、順番に見ていきましょう。

16chでの表示も可能

まずは、Discrete 4のコントロールパネルであるミキシングコンソール画面をご覧ください。画面表示切替で8ch表示、16ch表示が可能となっており、各チャンネルの入力をマイクプリアンプからの音にするのか、コンピュータのDAWからの音にするのか、ADATか、S/PDIFかといった設定が可能です。


DAW側との入出力の設定画面

反対にヘッドホンやモニター出力へどのチャンネルを出力するのか、ADATやS/PDIFのデジタル出力に何を設定するのか、ラインアウトは、DAWへは……と一つずつ設定することが可能であり、それぞれにフェーダーやPANなども搭載されているので、かなり大規模なミキシングコンソールになっていることが分かると思いますが、これもすべてDiscrete 4内部をいじっているので、PCに負荷はかからずFPGAで動いているわけです。


AFXではFPGAを使ったエフェクト、アンプシミュレータなどを組み込むことが可能

 

ここで、AFXというところをクリックすると、エフェクトに関する画面が登場します。とりあえず、プリセットを呼び出してみると、このようにギターアンプシミュレータやEQ、コンプなどがセットで登場してきます。ここでギターを接続して弾いてみると、かなり迫力あるサウンドが飛び出してくるのですが、もちろん1つずつ細かく選んで、設定していくことができます。


さまざまなエフェクトが用意されており、その数は約50種類

ちょっと見てみましょう。メニューを見るとEqualizer、Compressor、PowerGateというAntelopeオリジナルの定番エフェクトがあるほかに、階層構造でVintage EQs、Vintage Compressors、Guitar Amp、Guitar Cabinatというメニューが用意されています。

 

たとえば、このVintage EQsを見てみると、21種類のEQが並んでいます。ここで一番上のVEQ-1Aを選ぶと、PultecのビンテージEQとそっくりが画面が登場し、このチャンネルに対して、このEQを掛けることが可能になります。


VEQ-1Aを選んでみるとTube-TechのPE 1C風な画面が登場

同様にVintage Compressorsを見てみると、13種類のコンプが並んでいますが、一番上のFET-A76を選ぶと、Universal Audioの1176風な画面が登場し、ここでまさに1176の感じで掛けることができるんですね。

FET-A76を選択すると、1176風な画面が登場

さらに、ギターアンプシミュレータ、キャビネットシミュレータがあり、これらも存分に使うことが可能です。


ギターアンプシミュレータ、キャビネットシミュレータもいろいろ用意されている

また、このインサーションで使うエフェクトとは別に、AuraVerbというリバーブも用意されており、こちらは各チャンネルからセンド・リターンで利用可能となっています。

各チャンネルからセンド・リターンで扱えるリバーブ、AuraVerb

こうしたビンテージエフェクトがたくさん使えるという面でも、Universal Audioのapollo twinやArrowなどUAD-2と似ていますが、やはり違いもいろいろあります。UAD-2の場合、こうしたエフェクトは基本オプション扱いであるため、最初からapollo twinやArrowに付属しているいくつかのエフェクト以外は別途購入が必要となります。それに対し、Antelopeの場合はすべて標準で使うことができるという意味でお得感が大きいんですよね。しかも、このライブラリは少しずつ増えているというのも嬉しいところで、今後新しいエフェクトを無料入手できる可能性もあるわけです。

 

一方、UAD-2の場合は、VSTやAU、AAXなどのプラグインとして使えるのに対し、Antelopeの場合は、あくまでもコントロールパネルのミキシングコンソール内で使えるエフェクトという扱いです。とはいえ、ルーティング設定によってDAWの音にエフェクトをかけて、DAWに戻すことは可能となっています。さらにAntelopeではAFX2DAWというプラグインツールをリリースすることがアナウンスされています。まだ詳細は、ハッキリわかりませんが、名前からすると、FPGAによるエフェクトをVSTやAUなどのプラグインで使えるようにするツールのようにも思えます。この辺、詳細が分かったら、また記事で紹介できればと思っているところです。

 

ちなみに、Discrete 4にはBasic FX packというものと、Premium FX packというものの2種類があります。Basic FX packのほうは、2chのチャンネルストリップにのみ使えるというもの、Premium FX packのほうは最大16chまで使えるという違いがあります。

Antelopeのコンデンサマイク、Edge

ところでDiscrete 4には、もう一つ重要な機能が搭載されています。それがマイクモデリング機能です。AntelopeではEdgeというボーカルなどに使えるコンデンサマイクと、Vergeという主に楽器用のマイクの2種類があります。

Edgeはアタッシュケースに入っており、ホルダー、ケーブル、スクリーンもセットになっている

今回そのEdgeを合わせてお借りしたのですが、これは2ch分を備えたちょっと特殊なマイク。MSマイクではないとのことでしたが、指向性なども調整可能になっているんですね。これをDiscrete 4に接続して使えば、それだけでかなりいい音で録れる高性能マイクなのですが、Edge Emulationというモードにすることで、まったく違う特性のマイクに仕立てあげることが可能になるのです。


標準のEdgeモードとして使うのもいいけれど……

 

現在そのメニューとしてTokyo 800T、Berlin 47 FT、Berlin 67、Berlin 87という4つが用意されています。名前とアイコンを見るとわかる通り、それぞれSONYのC-800G、NeumannのU47 FET、U67、U87を表しているわけです。


U87やSONYのC-800G風なマイクサウンドにエミュレーションすることができる

切り替えてみると、確かにまさにという音に変化するので、かなり面白いです。ちなみに、Antelopeでも以下のようなビデオをアップしているので、トーク用として使ったデモではありますが、参考になるのではないでしょうか?

 

 

Discrete 4とこのEdgeをセットにした製品を最初から購入するのも手ですが、まずはDiscrete 4のBasic FX packからスタートし、オプション追加の形でPremium FX packにアップグレードしたり、Edgeを追加するということも可能なので、自分にニーズ、予算にあったもので初めてみてはいかがでしょうか?

【製品情報】
Discrete 4製品情報

【価格チェック&購入】
◎Rock oN ⇒ Discrete 4 Basic FX pack
◎Amazon ⇒ Discrete 4 Basic FX pack
◎サウンドハウス ⇒ Discrete 4 Basic FX pack
◎Rock oN ⇒ Discrete 4 Premium FX pack
◎Amazon ⇒ Discrete 4 Premium FX pack
◎サウンドハウス ⇒ Discrete 4 Premium FX pack
◎Rock oN ⇒ Edge
◎Amazon ⇒ Edge
◎サウンドハウス ⇒ Edge

Commentsこの記事についたコメント

5件のコメント
  • パルマ

    Antelopeさんの最近の製品は大変興味深いです。実は最近オーディオインターフェースの購入を検討しておりました。しかし、周りから既存製品のドライバが不安定との話があり直前で泣く泣く断念したことがあります。
    やっていることは面白いし製品のルックスもいいだけにもったいないです。そこが改善されれば是非導入したいです。

    2018年2月25日 5:13 AM
  • 藤本健

    パルマさん
    ドライバの安定性の話は人によっていろいろなので何ともいえませんが、
    すくなくとも私の使ったマシン、Windows 10(fall creators update)およびmacOS X(Sierra)では非常に安定して使うことができました。

    2018年2月25日 10:37 AM
  • バナナ

    気になっていた製品ですが、発売から間もないためか国外含めてまだ評判が見当たらないので見送ってしまいました。
    こちらはRMAAなど使ったレビューの予定はあるのでしょうか?

    2018年2月25日 6:46 PM
  • 藤本健

    バナナさん
    こんにちは。そう、あんまりネット検索しても情報少ないんですよね。
    表面的なカタログ情報の書き写し的な情報ばかりで…。
    すみません、短期間しか借りることができず、RMAAとりませんでした…。
    もう一度、借りられるか聞いてみます!

    2018年2月27日 6:41 PM
  • ギン

    IFをそろそろアップグレードしたくてRMEのBABYFACEとDiscrete 4で悩んでしまってます(笑
    やっぱり安定性は気になるのでそういった意味ではRME強いのでしょうが、クロックやプラグインにつられそうです

    2018年3月11日 4:46 AM

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