スポンサーリンク

あのReasonが完全無料に!15種類のデバイスを収録し、単体DAWとしてもプラグインとしても使える「Reason Free」の実力

この記事は約17分で読めます。
この記事にはアフィリエイトなどPRが含まれています

すでにご存じの方も多いとは思いますが、8月27日、あのReasonの無料版である「Reason Free」がリリースされました。今年5月にReason 14がリリースされたという記事を書きましたが、そこからまだ4カ月ほどしか経っていないタイミングでの発表です。Reasonは1994年、スウェーデンのPropellerhead Softwareとして設立されて以来、四半世紀以上にわたってあの独特なラック型UIを守り続けてきたソフトですが、今年1月にLANDRの傘下に入ったことで、その展開スピードは明らかに加速している印象があります。

今回のReason Freeも、その勢いを象徴する動きと言えそうです。気になっていたけど、まだ使っていなくて……という方も少なくないと思うので、実際にこのReason Freeをダウンロードして試してみました。Reasonは単に「無料のシンセ」というわけではなく、さまざまなエフェクトやシーケンサが統合されたソフトであり、DAWでもあるユニークなソフトウェア。これを使うとどんなことができるのか、有料版のReason 14と何が違うのかなど、紹介していきましょう。

Reason 14から15個のデバイスに絞った形で無料で公開されたReason Free。非常に高機能で、拡張性にも富んだソフトになっている

スポンサーリンク
スポンサーリンク

Reason Freeとは何か

Reason Freeは、Reasonの心臓部である「ラック」を、無料かつ無期限で使えるようにしたプラグインです。VST3・AU・AAXの各フォーマットに対応しており、Ableton Live、Logic Pro、FL Studio、Cubase、Pro Tools、Bitwig、Reaperなど、主要なDAWにそのまま読み込めます。トライアル期間や機能制限、ウォーターマーク(透かし音)は一切なく、ダウンロードすればずっと使い続けられるのがポイントです。

2026年8月27日より配布が開始されたReason Free

さらに、プラグインとしてだけでなく、単体のDAWとしても動作します。無料版のDAWモードはオーディオ・MIDIトラックあわせて最大16トラックまでという制限はありますが、シーケンサーやBlocksモード、コンピング、タイムストレッチ、オーディオスライスなど、Reason DAWの基本機能はひと通り体験できるようになっています。

つまり普段使い慣れているDAWがあるなら、そのDAWのプラグイン音源とし利用できる一方、DAWが入っていなくてもReason Free一つで音楽制作もできるし、リアルタイムに演奏する楽器としても利用できるもの、というわけなのです。

Reason FreeはCubaseをはじめとする各種DAWのプラグインとしても利用可能

利用にはReason Studiosの無料アカウント登録が必要ですが、これはメールアドレスと名前、パスワードを入力してメール認証をするだけで完了する、いたって簡単なものでした。

Reason Freeを入手するにはメールアドレス、名前、パスワードを登録してサインアップする必要がある

ダウンロードしてわかった、有償版との「切り分け方」

登録が済むとすぐにダウンロードが始まりますが、インストーラーのサイズは約6.7GB。もともとファイルサイズの大きいReasonですが、さらに大きなものになっていますね。とはいえ、ダウンロード自体は5~6分ほどで完了しましたし、インストールと起動はいつも通り軽快でした。

ここで気づいたのが、このインストーラー、実は有償版のReason 14とまったく同じものだということです。つまりReason Free専用のインストーラーが別に用意されているわけではなく、共通のインストーラーを使い、初回起動時のログイン画面でアカウント認証を行うことで、使える機能を出し分けている、ということのようです。

Reason Freeのインストーラー。実はReason 14と同じインストーラーになっている

これを実際に確認するため、少し試してみました。スタンドアロン版のReasonを起動すると、ファイルメニューに「終了してログアウト」という項目があるので、まずReason Free用に新規作成したアカウントからログアウト。その状態で再度Reasonを起動するとログイン画面が現れるので、今度はもともと持っていた自分のReason 14のアカウントでログインしてみたところ、画面は完全にフル装備のReason 14へと切り替わりました。

Reason Free自体がDAWでもあり、Reason Freeの場合16トラックまでという制限はあるものの、これだけで音楽制作ができる

つまりReason Freeは、クライアント側のプログラムで機能を制限しているのではなく、ログインしているアカウントのライセンス情報をサーバー側でチェックし、それに応じて使えるデバイスやトラック数を切り替える、いわば「エンタイトルメント方式」を採っているというわけです。すでにReason 14やReason+をお使いの方は、このインストーラーをわざわざ入れ直す必要はなく、ログインするアカウントを変えるだけで違いを確認できます。

収録されている15個のデバイス

Reason Free上でデバイスブラウザを開くと、インストゥルメント・エフェクト・ユーティリティーの3タブに分かれてデバイスが並んでいます。実際に確認してみると以下の表のような構成になっています。

インストゥルメント

デバイス名 概要
Europa Shapeshifting Synthesizer 3基のスペクトラル・ウェーブエンジンを核とするウェーブテーブルシンセ。600以上のパッチを収録
ID8 インストゥルメントデバイス ピアノ・ドラム・ベース・ストリングスなど36種のGM互換プリセットを持つ、アイデアスケッチ向けの音源
Kong ドラムデザイナー 16パッド・9種類のドラムモジュールを備えたドラムデザイナー
MIDI Out Device MIDIインターフェイス経由で接続した外部音源・外部機器を鳴らすための出力デバイス
Monotone Bass Synthesizer アナログフィルターを備えたモノフォニックのベースシンセ

エフェクト

デバイス名 概要
Audiomatic Retro Transformer 1ノブでレトロな質感を作れるキャラクターエフェクト
MClass マキシマイザー ルックアヘッド処理とソフトクリップを備えたブリックウォールリミッター
RV7000 MkII Reverb コンボリューションとアルゴリズムの両方を備えたリバーブ
Scream 4 ディストーション 10種類のダメージタイプとボディEQを持つディストーション/オーバードライブ
The Echo アナログ・テープ的な質感を持つステレオディレイ

ユーティリティー

デバイス名 概要
Combinator コンビネーター 複数のラックデバイスをまとめて1つのプリセットにできるマクロシステム
Pulsar Dual LFO 2基のLFOを備えたモジュレーションデバイス
Spider Audio マージャー/スプリッター オーディオ信号の分岐・統合を行うユーティリティ
Spider CV マージャー/スプリッター CV信号の分岐・統合を行うユーティリティ
オーディオトラック シーケンサー上にオーディオを配置するための基本トラック
ミックスチャンネル ミキサー上の基本的なチャンネルストリップ

もっとも、インストゥルメントに入っているMIDI Out Deviceは単に外部MIDI出力するためのデバイスなのでインストゥルメントというよりはユーティリティーと呼んだほうがいいと思います。また、ラックを右クリックしてコンテキストメニューを表示させるとプレーヤーデバイスというメニューがあり、この中にScales & Chordsというものも用意されています。これは楽器にスケール感覚をプラスできるもので、よく使われるスケールからあまり使われないスケールまで、リストからキーとスケールを選択すれば、演奏は常に正しいキーで行われます。コードボタンをオンにすれば、Reasonがユーザーの音楽にぴったりのワンフィンガーコードマジックを追加してくれます。コードの色分け、音符の数、転回形など、さまざまなコントロール機能を使って、非常に便利なハーモニーツールを自由に活用できます。

プレーヤーデバイスとして用意されているScale &Chords

なお、先ほどのユーティリティーに入っているオーディオトラックやミックスチャンネルもデバイスというには大袈裟なので、公式には全15デバイス、という表現をしているようですね。

なお、このデバイスブラウザにはNative InstrumentsやUnversal Audio、Arturia、DOTEC-AUDIO……など、手元にインストールしてあったサードパーティ製のVST3プラグインも、Reason純正デバイスと同じ並びでずらりと表示されていました。WindowsではVST3、MacであればおそらくAUも含めて、手持ちのプラグインがそのままラックの中に統合される作りになっているようです。

ReasonをDAWのプラグインとして利用できる一方で、Reasonの中にVST3やAUのプラグインを入れて使うことも可能

実際に鳴らしてみて気になった2つのシンセ

15あるデバイスをすべて細かく紹介していくと、かなりの文量になってしまうので、ここでは昔からのReasonユーザーにはあまりなじみがないと思われる2つのインストゥルメントを、簡単にピックアップしてみましょう。

ウェーブテーブルシンセサイザ、Europa Shapeshifting Synthesizer

Europa Shapeshifting Synthesizerは、2017年に登場した比較的新しいシンセです。3基のスペクトラル・ウェーブエンジンを核としたウェーブテーブルシンセで、単純な波形の切り替えにとどまらず、倍音成分を細かく操作できるスペクトラルフィルターや複雑なモジュレーション、内蔵エフェクトまで一通り備えています。収録パッチは600以上と非常に豊富で、Reason Freeの中では最もシンセらしい存在感を放つデバイスと言えそうです。

非常にパワフルなウェーブテーブルシンセサイザ、Europa Shapeshifting Synthesizer

モノフォニックベースシンセ、Monotone Bass Synthesizer

Monotone Bass Synthesizerは、その名の通りモノフォニック(単音)専用のベースシンセです。実際に鳴らしてみると、アナログチックでかなり太い音が出ます。Reasonには以前からSUBTRACTORというアナログシンセ然としたデバイスがありますが、Monotoneはモノフォニックにしてベース専用に振り切った分、より図太く扱いやすいサウンドになっている印象です。極端に言えば、このMonotoneだけを目当てにReason Freeを導入する価値すらあるかもしれません。

モノフォニックのベースシンセサイザ、Monotone Bass Synthesizer

なぜ無料化したのか、その狙いを探る

デバイスブラウザの一番下には「Get more Devices」というボタンがあり、クリックすると有償プランの案内画面に飛びます。ここに表示されていた内容が、今回の無料化の狙いをよく物語っていました。

デバイスの一番下にある「Get more Devices」というのボタンをクリック

年払いの場合、フルDAWとプラグインの両方が使える「Reason+」が月額14.08ドル、プラグイン専用の「Reason Rack Plugin」が月額8.25ドルで、どちらも7日間の無料トライアルが用意されています。以前の記事で紹介した年間サブスク価格(Reason+が169ドル、Rack単体が99ドル)とちょうど一致する内容です。

有料のプランを勧誘されるようにはなっているが、無視してもOK

画面では「All 93 Reason Rack Devices」「3,000ドル相当のツール」といった打ち出し方で、無料版の15デバイスとの差が数字ではっきり示されていました。さらにReason+には「Unlimited AI mastering」「Unlimited distribution by LANDR」といった項目も並んでおり、LANDR本体が持つAIマスタリングや配信機能がそのままバンドルされていることがわかります。今年1月の買収がどのような形で製品に落とし込まれているのか、この価格表からもよく見えてきます。

このように無料版から有償プランへ誘導する手法自体は、Reasonが初めてというわけではありません。たとえばNative Instrumentsは「KOMPLETE START」という無料バンドルを配布し、Native Accessという共通プラットフォーム経由で上位のKOMPLETEシリーズへの導線を作っています。ただしReason Freeがこうした施策と違うのは、機能を絞った簡易版ではなく、Reason+と同じ完成品のデバイスがそのまま収録されている点、そして今使っているラックの中のボタンひとつで、価格やトライアル、機能差までがシームレスに提示される点です。使っている最中に「もっと欲しくなったら、その場で確認できる」という導線の作り方は、なかなか巧妙だと感じました。

Rack Extensionマーケットプレイスも無料開放、デバイスは膨大に!?

そして、もうひとつReason Freeで見逃せない非常に重要なポイントがあります。それはRack ExtensionのマーケットプレイスがReason Freeのユーザーにも開放された点です。Rack Extensionは2012年にPropellerhead時代から導入された、サードパーティ開発者も参加できるReason専用のプラグイン規格で、これまでは正規版のReasonを持っているユーザーでなければ購入・利用できませんでした。

今回のReason Freeでは、フル版を持っていなくてもこのマーケットプレイスにアクセスでき、数百点にのぼる追加デバイス(無料・有料含む)を選んで自分のラックに組み込めるようになっています。海外メディアでは、この変化についてRack Extension開発者にとってもようやく無料プラグインの中で自社製品を販売できるようになった、という開発者目線での意義が指摘されていました。

先ほどの画面においてAdd-onsをクリックすると…

さきほど、「Get more Devices」をクリックすると、有償プランの案内が出る、という話をしましたが、実はこのページ、すべてが有償というわけではないんです。さっきのページの左上にある「Add-ons」をクリックすると、そのRack Extantionマーケットプレイスに行くことができます。この中で、Instrumentsというタブを選択すると、追加可能なインストゥルメントが数多く羅列されます。

数多くあるInstrumentsを安い順に並び変える

2026年9月5日現在、Instrumentsだけで293個もあります。そして、右上のソートボタンを押して「Price lowest to highest」を選べば、無料のものがズラリと表示されますよ。数えてみると無料のものが26個もありますね。同様にEffectsはトータル640個あり、そのうち135個が無料のデバイスでした。

見つけた無料のデバイスを無料で購入

これらを無料で購入したうえで(特にクレジットカードなどの登録も不要なので、まったく心配はいりません)、その後、Reason Freeと一緒にインストールされているReason Companionというソフトを起動してインストールすることで使えるようになりました。

Reason Companionを利用して入手したデバイスをインストールする

このように表面的にはReason Freeは「無料のデバイスが15個」詰まったシステムとなっていますが、実際には好きなデバイスを数多く利用できるユニークなシステムとなっており、「Reasonのエコシステム全体への入口が無料になった」という点が本質的な変化だと言えそうです。

無料で入手したシンセデバイスがReason Free上で利用可能になった

Reason 14にアップデートすることで、過去Verとの互換性も実現

(※2026.9.7に追記)
冒頭でも触れた通り、もともとPropellerhead Softwareが出していたReasonですが、現在はLANDR傘下になって再スタートし、今回Reason Freeがリリースされたわけです。では、過去のすべてを断ち切って、このReason Freeが出たのかというと、そうではなく、過去のバージョンとの互換性を保ち、過去のPropellerheadsのソフトウェアもしっかりサポートしながら、現在のバージョンへとアップデートされているのです。

昔から持っているアカウントでReason Studioにログインすると自分の持っていたソフトが一覧表示され、ダウンロードも可能

実際、25年ほど前に作ったPropellerhead時代のアカウントも現在に引き継がれており、このアカウントでReasonをアクティベートすることができるし、ReasonサイトであるReason Studioにもログインできるようになっています。このReason Studioに入ると、しっかりReason 2.0から現在バージョンに至るまで、自分の持っていたReasonやReCycle、ReCordなどが一覧で表示されています。そして、それらのバージョンは非サポートとされつつも、いまもアップデータがダウンロードしてインストールできるようになっているのはスゴイですね。

画面をスクロールしていくと、Reason 2.0まであった

また、データの互換性という意味でもしっかりサポートされています。さすがに無料版のReason Freeだと、搭載されているデバイスが15と限られていて、昔からあったSubtraktorやNNーXT、Malström…といったでデバイスが搭載されていないので、過去データを読み込むことはできません。

Reason 14にアップデートすると、過去バージョンのReasonデータも読み込めるようになる

しかし、最新版のReason 14にアップデートすると、ちゃんと過去バージョンのデータもすべて読み込める形になっているんですよね。ここまで過去の資産、過去のユーザーを大切にし、互換性を保っているメーカーも少ないのではないでしょうか?

初心者からベテランまで楽しめる作り

Reason Freeが良いのは、音楽理論に詳しくなくても扱えるデバイスが揃っている点です。前述のScales & Chordsを使えば単音を弾くだけでスケールに沿ったコードが鳴りますし、ID8はピアノからストリングスまで幅広い音色を1台でカバーしてくれるので、アイデアを形にするまでのハードルが低くなっています。一方で、裏面のケーブルパッチングやCombinatorによる音作りなど、経験者が深く突き詰められる要素もきちんと残されているので、DTM初心者からベテランのReasonユーザーまで、幅広い層が楽しめる内容になっているのではないかと思います。

無料でここまで揃っているとなると、まずは試しに導入してみるだけの価値は十分にあるはずです。手持ちのDAWのプラグインリストに、久しぶりにReasonの名前を並べてみてはいかがでしょうか。LANDR傘下でのReasonがこれからどう展開していくのか、引き続き注目していきたいと思います。

【関連記事】
▶ あのReasonが14になって返ってきた! 昔のUIはいまも健在、DAWとの連携も強化され、LANDRから発売に

【関連情報】
Reason Free製品情報
Reason 14製品情報

【価格チェック&購入】
◎LANDR ⇒ Reason Free(無料)
◎LANDR ⇒ Reason 14 DAW , Reason 14 Rack , Reason+

この記事を書いた人

DTM、デジタルレコーディング、デジタルオーディオを中心に執筆するライター。インプレスのAV WatchでもDigital Audio Laboratoryを2001年より連載。「Cubase徹底操作ガイド」(リットーミュージック)、「ボーカロイド技術論」(ヤマハミュージックメディア)などの著書も多数ある。趣味は太陽光発電、2004年より自宅の電気を太陽光発電で賄うほか、現在3つの発電所を運用する発電所長でもある。

藤本 健をフォローする
DAWシンセサイザフリーソフト

コメント

  1. ブラザー より:

    以前のバージョンのユーザーだった者です。
    昔作った曲データが14でどんな風に鳴るのかワクワクしながらロードしようとしたら、ファイルリストに表示すらされませんでした。
    どうやらReasonFreeで作成した.reasonfreeという拡張子のファイルしかロードできない仕様らしく、心底がっかりしました。
    昔は他のユーザーが作った曲を自分のReasonで開いてラックのルーティングやらトラックの打ち込みなど確認して研究したりしたものですが、そういう使い方を拒絶されるのは残念でなりません。

    • 藤本 健 より:

      ブラザーさん

      コメントありがとうございます。確かにReason Freeだとデバイスが少ないから過去資産は読み込めませんね。一方、Reason 14にアップデートすれば過去データもすべて読み込むことが可能です。その点について記事後半に追記しました。

      • ブラザー より:

        藤本さん、詳細に追記していただき感謝です。
        Freeとはいえ最新のReasonなので、まさか今までのデバイスが含まれていないとは思いもせず、完全に当方の思い込みでした。メーカーが変わってもReasonが存続してくれることはありがたいです。