CoreMIDIサポートのiOS4.2リリース、一部アプリが対応

11月22日、AppleからiPadおよびiPhone用のOSの新バージョン、iOS 4.2がリリースされました。このiOS 4.2にはAirPlayやAirPrintなどさまざまな機能が搭載されています。またiPadユーザーにとっては、これまでiOS 3.2であったので、初のiOS 4.xということで、フォルダ機能が使えたりマルチタスクなるなど、大きな機能強化となっています。

しかしDTM観点から見た際の最大のポイントはCoreMIDI対応です。そう、OSが標準でMIDIをサポートするようになったのです。これがどんな意味を持つのでしょうか?

iOS 4.2がリリースされた


以前の記事「CoreMIDIとGenericMIDIって何だ?」でも触れたとおり、iOS 4.2はCoreMIDI(GenericMIDI)に対応しています。つまり、MIDIキーボードやMIDIインターフェイスをiPadやiPhoneへ接続できるようになったのです。

iOS 4.2ではCoreMIDIがサポートされている

確かにこれまでもそうした機材は存在していました。具体的にはLINE6のMIDI MobilizerやAKAIのSynthStation25などです。ただ、これらはそれぞれ独自の規格であり、MIDI MobilizerやSynthStation25に直接対応したアプリでないと使うことができなかったのです。

ところがiOS 4.2になり、もっと多くの機材が接続できるようになりました。そうUSBを使って接続できるようになったのです。とはいえ、iPadやiPhoneにUSB端子はありません。そこでiPad Camera Connection Kit経由で接続することで利用できるのです。これはUSBオーディオを接続するのと同じ考えですね。

ただし、利用できるのはGenericMIDIなどと呼ばれる機材。要するにWindowsやMacとUSB接続する際にドライバ不要で利用できるものです。また、iOS 4.2になってiPad Camera Connection KitがiPhoneでも利用可能になることを期待していたのですが、残念ながらそれは期待外れ。従来と同様、接続すると「iPhoneはこのアクセサリに対応していません」というメッセージが表示されて利用することはできませんでした。したがって、現状iPhoneで直接CoreMIDIデバイスを利用する方法はなさそうです。

iPhoneではCamera Connection Kitは使えなかった

iPadで接続すると、とりあえずエラーは出ません。が、実はCoreMIDI対応のアプリが現状存在しない(私がまだ知らないだけの可能性もありますが)ため、接続したところで、何もできないのが実情です。下記追記の通り、一部アプリが対応しています。

先日リリースされたKORGのiMS-20がCoreMIDI対応になっているのでは…と期待していたのですが、まだだったようです。

ここから先は単なる私の推測ですが…。おそらくiMS-20などがCoreMIDI対応したアップデータを出してくれるでしょう。そうすれば、MIDIキーボードを弾くとiMS-20が鳴るという理想的な環境が作り出されるはずです。

また、以前紹介したSoundFont対応シンセ、bs-16iの作者であるbismarkさんはTwitter上で、「次の長期休みにはCoreMIDIかAKAIかどっちかトライしようと思います」と表明しているので、正月明けの対応を期待したいところ。そのほかのアプリも少しずつ対応したものが増えてくるのではないでしょうか…。

一方、気になっているのがLINE6やAKAIの動向です。そう、これまで独自規格でMIDI対応を行ってきており、すでにいくつかのアプリも登場しています。が、OS自体がCoreMIDI対応したため、今後ファームウェアアップデートなどによって、CoreMIDI対応に切り替わるのでは……と予測しています。その場合、特にMIDI Mobilizerの場合既存のアプリとの整合性を図る必要があるのが難しいところですが……。

きっと近いうちにアプリ、ハードともになんらかの進展があることを期待しているところです。また新たな情報があれば、記事にしていきたいと思います。

※追記1
コメントを寄せていただいたPretty Popさんからの情報でYonac SoftwareのminiSynth PROがCoreMIDI対応しているようです。さっそく試してみたのですが、確かに接続された旨の表示はされるものの、私が使ったRolandのA-300PROでは演奏することができていません。

miniSynth PROがCoreMIDI対応しているようだが…

※追記2
さらに「音楽方丈記」の情報によると、「Domestic Cat-MIDI Monitor」という無料のMIDIモニターアプリがあり、KORGのK25を使ったところ入力・出力ともに接続できたようです。まだ試していませんが、やはり動くようですね。

※追記3
さっそく「MIDI Monitor」を試してみました。Roland A-300PROでもしっかり認識されて動作を確認することができました。

MIDI Monitorは無事動きました

※追記4
12月18日にリリースされたiMS-20 v1.1によって、CoreMIDI対応がされました。

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Commentsこの記事についたコメント

4件のコメント
  • prettypop

    こんにちは。
    miniSynth PROがCoreMIDI対応してます。
    AKAI LPK25と繋いで演奏出来ました 🙂
    iMS-20のCoreMIDI対応は楽しみに待っています!

    2010年11月23日 10:16 PM
  • 藤本健

    PrettyPopさん、情報ありがとうございます。
    さっそく、miniSynth Pro購入して使ってみました。
    とりあえず、手元のRolandのA-300Proでテストしたのですが、
    画面上には「MIDI Connection MIDI Device Connected」との表示は出るのですが、演奏できませんでした…。何かほかに設定が必要ですか?
    ちなみにMIDI chは1chにしていましたが、2~16chで試してもうまくいきませんでした。

    2010年11月23日 11:00 PM
  • prettypop

    AKAI LPK-25で試してみましたが、特になにもしないで直接繋いだだけで使えました。
    USBハブ不要で使えるのが気に入りました。
    ただ、やはりミニ鍵盤はやっぱり弾きにくいので、鞄にすっと入れられるような小型軽量の普通サイズのMIDI鍵盤あると良いんですけど…

    2010年11月24日 12:45 PM
  • prettypop

    今日のアップデートでiMS-20がCoreMIDI対応しましたね 🙂

    2010年12月18日 10:18 PM

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