AKB48チームBのメンバーである竹内美宥(Twitter:@take_miyu112)さん。慶應義塾大学(SFC)に通う傍ら、Logic Pro Xを使って作曲したり、楽曲を打ち込んだり、レコーディングもしている思い切りのDTMユーザーなんです。実際に制作した作品を竹内さん自らYouTubeに次々とアップしており、見てみるとどれもかなりいい出来。ちょっと昔の歌謡曲のカバーなどをいろいろ発表しているのもグッとくるところです。

その竹内さんに、4月に放送したDTMステーションPlus!のゲストとして出演していただき、DTM話とともに、歌も披露してもらったのですが、ご覧いただけたでしょうか? 番組の中だけでは話し足りなかったので、改めて竹内さんにインタビューさせてもらうとともに、どんな機材をどう使っているのか、今後DTMとどう付き合っていき、どんなことを目標にしているのかなど、伺ってみました。なお、今回の取材と撮影場所は、DTMステーションPlus!の番組を使わせていただいている音楽学校メーザー・ハウスで行いました。


AKB48 チームBのメンバー、竹内美宥さんのDTMへの取り組みについていろいろ伺った

 
--竹内さんが音楽や楽器をはじめたのは、いつごろどんなキッカケだったんですか?
竹内:音楽で溢れた家なので、言葉が喋れれないうちから歌っていたみたいです。母といっしょに歌ったり、ハモったり……。おもちゃの小さなピアノを1、2歳のころから弾いて、4歳からはピアノのスクールに通っていました。


4月4日にニコニコ生放送およびFresh!で放送したDTMステーションPlus!で竹内さんにゲスト出演いただいた


--お母さんは以前、劇団四季に所属されていたんですよね?
竹内:そうですね、オペラ座の怪人ライオンキングなど、舞台に立って、歌ったり踊ったりしていました。それまでも生徒に教えたりもしていたので、母の影響は大きく受けています。ピアノは2009年に13歳でAKBに入るまで習っていました。


音楽が溢れる家庭で育ち、小さいころからピアノも習ってきたという竹内さん

--ほかにも楽器はやっているですか?
竹内:中学校の3年間、吹奏楽部でトランペットをやりました。本当は、サックスがよかったんですが、ジャンケンで負けてしまって……(苦笑)。ほかの楽器だと叔父の影響でギターをちょっと。私が5歳くらいの時、母に怒られて物置に入れられたことがあったんです。その物置に叔父のギターがあって、ポロポロ弾きながら歌ったとき、いつかギターをちゃんと弾いてみたいな…と思ったのを今も覚えてます(笑)。高校に入ってから誕生日に叔父にアコギをプレゼントしてもらい、それから独学ですが、TAB譜を見ながら練習していました。AKBで「GIVE ME FIVE!」というシングル曲があり、バンドの形でメンバーが歌うというものなのですが、そこでリードギターを担当したことがあります。その期間はちゃんと先生に教えてもらって、間奏部分にあるソロを弾いたりもしました。先生から「君は才能あるじゃん!」なんておだてられたこともあり、自分でもGIVE ME FIVE!と同じギターを買っちゃったんですよ(笑)。ほかにも21歳の誕生日にAKBの作曲をされている方々から、アコギをプレゼントしてもらったり、ふと仕事終わりに寄ったお茶の水の楽器屋さんで衝動買いしちゃったり……、まさに宝の持ち腐れなんですけど、ウチにギター、いっぱいあります(笑)。


小学校の2、3年生からGarageBandを使っていた竹内さん。Logicの入った赤いMac Book Proはいつも持ち歩いている

--さて、今日の本題ですが、竹内さんがDTMを最初にはじめたのはいつ頃なんですか?
竹内:一番最初は、小学校の2、3年生のころなんです。キッカケは、さっき話をした叔父が、「ゾウ列車」という名前のオリジナルの曲を私に披露してくれたことがあったんです。すごく不思議な感じだったんですが、どうやってるのかな……ってすごく興味を持ち、聞いてみたら、GarageBandで作っているということを知りました。後日、自分でGarageBandを触り、Apple Loopsを重ねてみたら、まるで「ゾウ列車」みたいな音が出てきたんですよね(笑)。ここで「K」のキーを押すと鍵盤が出てくるので、これでメロディーも弾ける。これなら私にもできるかも!っていろいろと遊びました。パソコンは元々大好きで、ゲームしたりネットサーフィンはしていたらか、特に違和感もなかったんですよ。

--なんと、そんな小さいころからDTMユーザーだったわけですね!その後はどうだったんでしょう?
竹内:大学に行こう!」って高1の後半に決めたんですが、その後予備校に通ったりもしたため、AKBでの活動も少し少なくなっていたんです。でも、このままじゃ影薄くなっちゃうし、何か音楽でできることないかな、ってネットを見ていたら、DTMをするにはオーディオインターフェイスと鍵盤、マイクなどが必要だって知ったんです。鍵盤はやはり叔父にもらったヤマハのMOX8があったので、予備校の授業の合間にヨドバシカメラに行ってRolandDUO-CAPTUREオーディオテクニカのコンデンサマイクを買ってきたんです。貯まっていたポイントを使ったこともあり、かなり安く買えちゃいました!


DTM機材を最初に買ったのは大学受験のため予備校に通っているときだった

--最初からコンデンサマイクだったんですね。
竹内:普段からレコーディング現場は見ているので、やはりコンデンサマイクがいいなって、憧れがあって……。ものすごい高いんだろうと思っていたら、結構手ごろなものもあってビックリしました。これを使って自分の歌を録ってみると、とっても鮮明になるんですよね。当時、秋元康先生から「Google+を積極的に利用して、みんな個性を出していこう!」って言われていたんで、作った曲をGoogle+に投稿してみたら、みんなから「面白い!」って反響をもらい、とっても嬉しかったんですよ。その時は打ち込みというわけではなく、単純にキーボードでの弾き語りだったんですが、これはいろいろな可能性がありそう、って思いました。

--それが高校2年生くらいですか?
竹内:そうです。当時YouTubeを見ても、自分でそうした歌を発表しているケースはあまりなかったので、やってみたら面白そう、と思ったんです。ただAKBのメンバーの活動は、基本的にちゃんと許可を得ないとダメ。でも、自分の趣味の延長線上ということで、怒られることを覚悟してYouTubeに載せてみたところ、秋元先生から「面白いことやってるね」っておっしゃっていただけて!それで、今も続けているんですよ。2~3か月に1本くらいのペースなんですが、できれば1週間に1本くらいのペースに上げてみたいな、って。

 
先日のDTMステーションPlus!でも歌ってもらった「異邦人」のカバー作品

--どれも、すごく完成度高いなと思って見てましたが、いろんな人が手伝ってくれているわけですか?
竹内:全部ひとりでやってますよ。やはり叔父の影響で一眼レフで写真を撮ったりするのですが、そのカメラを使って動画も撮影しています。もっとも安い三脚にカメラを乗せて自宅で撮っているだけですけどね。ちなみにビデオ編集は今までiMovieを使っていたのですが、先日Adobeさんのイベントに出た際に1年分のライセンスをいただいたので、これからPremiereを使ってみようと思っているところです。

--DAWはLogic Pro Xを使っているんですよね。
竹内:最初はGarageBandから始めて、弾き語りでピアノと歌だけだったのですが、ドラムとかもっといろいろな楽器を入れて遊んでみたいないと思うようになってきました。一方で、やっぱりボーカルは納得がいくまで何度も何度も録り直していて大変だったんですが、AKBのレコーディングでスタッフさんがボーカルの編集をしているのを見て、ビックリしたんです。「こんなことができるんだ!」って。調べてみたら、Logicでもピッチ編集ができることを知り、これを使えばいいのか!って乗り換えたんですよ。ここ最近、Logicの勉強もしているので、使い方も少しずつ覚えて、知識も増えてきましたが、まだまったく使いこなせてはいなんですよ……。今はベースをどうすればカッコいいフレーズになるのか、ドラムの強弱はどう打ち込めばいいのかなど、少し教わりながら勉強しているところです。


DTMについて、打ち込み手法など、いろいろ勉強中


--ところで音源はどんなものを使っているんですか?
竹内:これまではLogic標準で入っているEXS24を中心に使ってきました。私が曲を作る場合は、必ずグランドピアノを入れるということを決めているのです。でも、それに加えてベースとかドラムとか気に入った音を見つけて入れています。母の影響もあって、昔の歌謡曲とかレトロっぽいものが好きなんですが、そんな曲を作るときはマリンバを入れることも多いですね。あと、打ち込みだと、どうしても安っぽい感じになるので避けていたのがトランペットとかトロンボーン。生っぽくないからなんですが、「重ねていくと結構いいよ」という話を聞いて、どうするのがいいかいろいろ研究中です。そんな中、今とってもワクワクしながら使っているのがNative InstrumentsKOMPLETE 11なんです。

--この前のDTMステーションPlus!の番組でGETしちゃいましたもんね!
竹内:あの後、すぐに外付けHDDを初めて購入し、ここにKOMPLETEの音源をインストールしました。まずはピアノから試しているのですが、これまでのEXS24とは全然違う音で「ホントにテンションが上がります!」。HIGH-DEFINITION ACOUSTIC PIANOSの中の緑色のMAVERICKなんかもすごくいいですよね。あと面白いのがUNA CORDA。この音は曲のポイントとして使うのがよさそうで、音があまり入っていない静かなところで使うと壮大なイメージになるのかな……なんて思って試しているところです。他にもあまりにもたくさんの音源があるので、ワクワクしているところで、もっともっと使いこなしていきたいです!


メーザー・ハウスの教室の外に並ぶパーカッションにテンションの上がる竹内さん

--番組内では、エスニック系のサウンドが好きだという話をされていました。
竹内:私、普通のロック系のバンドの音よりも、ジャズっぽい感じの音や、ボンゴとかコンガが入った曲に惹かれる傾向があるんです。最初は何の音なのかちゃんと分かっていなかったのですが、そうしたパーカッションについて調べてみると民族楽器としていろいろなものが存在していることを知りました。さらに民族楽器を意識するようになって、YouTubeで調べてみると、いろんな演奏が聴けるんですよね。「これは面白い!」って母と一緒に驚いて見ていました。こういう楽器を使って新しい曲を作ってみたいな……なんて話をしていたら、19歳の誕生日祝いにって、母がETHNO WORLDという音源を買ってくれたんです。これはKONTAKTを使った音源なんですが、もらった当初はLogicもまともに分かってないのに、どうすればいいのかな……と放置状態だったんです。でも、今回KOMPLETEを入れたのをキッカケに最新のETHNO WORLD 6 COMPLETEにバージョンアップして使ってみたところ、ちょっとビックリです!


さまざまな民族楽器のサウンドが出せるETHNO WORLD 6

 
--ビックリとは、どういう意味でですか?
竹内:いろんなパーカッションが入っているんだろうな…と軽い気持ちで音を出してみたら、すごくリアルな音が出てきて驚いたのですが、それ以上に凄かったのが、声で向こうの人たちの「あ~~」とか「う~~」とか、何を言っているかは分からないけど言葉を喋っているというか、歌声みたいなのが、いろいろ入っているんですよ!「これ、楽器よりもさらに異国感が伝わるぞ!」って。これまでYouTubeでもAKBの曲をいくつかカバーしているんですが、原曲とはだいぶ違う感じでカバーしようとしたときに、これらのサウンドは使えそうだと思って、ホントにワクワクしています。KOMPLETEにしてもETHNO WORLDにしても、本当に音がめちゃめちゃいいんですよね。家でモニタースピーカーから音を出しながら「メッチャ、音いい!!」って一人で声出して言っちゃうくらいなんですよ(笑)。まるで、目の前で本当に人が叩いているみたい。


竹内さんの自宅のDTM環境 

--ちなみにモニタースピーカーって何を使ってるんですか?
竹内:YAMAHAHS5です。以前、どのモニターにしようかと探していたとき、母から「これがよさそう」って勧められて決めたんですが、これで音量上げて家で鳴らしていると、とってもテンション上がりますよ!iMacRolandQUAD-CAPTUREを接続し、そこからHS5に繋いでいます。それとは別にYAMAHAの安い小さなスピーカーも置いてあって、MOX8からも同時に音を出す場合なんかに使ってます。ちなみに普段はモニタースピーカーで聴いていますが、ボーカルのピッチ修正を行うようなときはオーディオテクニカのモニターヘッドホンを使ってますね。


DTMステーションPlus!の番組でも使っている音楽学校メーザー・ハウスで取材・撮影させていただきました

--番組中もそうでしたが、竹内さんが本当に楽しみながらDTMをしているのが、とっても分かります!今後DTMを使って、どんなことをしていきたいですか?
竹内:私は音楽をキッカケにしてAKBに入りました。そして井上ヨシマサさんの「10年桜」という曲に衝撃を受け、AKBの音楽をとってもリスペクトしているんです。いつかは自分の作った曲をAKBとして歌えたらいいですが、さすがにそれはまだ夢の夢。そんな中、もしかしたら行けるかも……と、今思っているのがアレンジです。AKBの楽曲の中には、あまり知られていない昔のめちゃくちゃいい曲がたくさんあるので、こうした曲をアレンジして、YouTubeでもいくつか発表しました。が、ただカバーしてYouTubeで発表するだけじゃなく、自分のアレンジでAKBのコンサートができたら……なんて考えているんです。もちろん、そんなに簡単なことでではありませんが、自分のアレンジでコンサートをするというのを目標に頑張ってみたいな、それがもしできたら最高ですよね!

 
これまでAKB48の楽曲いろいろカバーしてYouTubeで公開している。「毒蜘蛛」

--ありがとうございました。これからの活躍も楽しみにしています。

【竹内美宥さん関連情報】
AKB48公式サイト|竹内美宥
YouTubeチャンネル
Twitter : @take_miyu112

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