これまでDTMステーションでも、何度か取り上げてきたUniversal Audioapollo twin。apollo twinはアナログ2in/6outに加えadat/SPDIF入力も備えたオーディオインターフェイスでありつつ、内部にUAD-2という超強力なDSPを搭載し、プロ御用達のプラグインをいろいろ使えると同時に内部的に業務用ミキサーコンソールも顔負けなミックス機能も備えたスーパーマシンです。

このapollo twinにはThunderbolt接続タイプUSB接続タイプがあるのですが、今年に入ってブラックボディーの新モデルでThunderbolt接続タイプのapollo twin MkIIが誕生。さらに昨年末からThunderbolt接続タイプが、MacだけでなくWindowsでも利用可能となったのです。ただ現状においては、まだThunderboltを装備したWindowsマシン自体、あまり見かけないというのが実情。とはいえ、Intelの次世代CPU自体にThunderbolt3機能が実装されることが発表されたので、今後Windowsマシンでも普及していくのは確実です。それなら一足早く、Thunderbolt3(USB Type-Cの端子)を搭載したマシンを入手し、apollo twin MkIIをWindowsで使ってみたいと思い、超ミニPCを組み立てて接続してみました。ちょっと人柱的実験ではありましたが、とっても快適に動かすことができたので、レポートしてみたいと思います。


apollo twin MKII(左)と超小型PCのIntel NUC7i7BNH(右)

apollo twinを記事で取り上げる度に、買おうかな……と思いつつも、安い機材ではないだけに、二の足を踏んでいました。というのも従来のapollo twinはMacでしか使えないし、apollo twin USBはWindowsでしか使えないため、両方で使ってみたい私としては、どうすべきか悩ましかったのです。


先日ついに購入した、届いたばかりのapollo twin MkII CORE DUOモデル

ところが、「apollo twinがWindows 10でThunderbolt接続に対応した意味の大きさ」という記事でも書いた通り、Windowsマシンでも使えるようになったので、これを試してみたいと思っていたんですよね。ただ私が今、メインで使っているマシンは、「DAW専用のSkylake Core i7/Windows 10マシンを10万円で組んでみた」という記事で紹介したもので、性能的な不満はまったくないものの、Thunderbolt端子は装備していないんですよね。


MacBook Proではお馴染みのThunderbolt対応のUSB Type-C端子だが、Windowsマシンではまだ珍しい存在

探してみると、Thunderbolt端子搭載したマザーボードはときどきあるけれど、今さら大きいデスクトップを持ちたいとは思いません。またせっかく新調するならThunderbolt2ではなく、USB Type-C端子を使うThunderbolt3搭載の小さなマシンがいいな……と探してきたところ、本家Intelから、小さくて超強力なベアボーンが登場したという情報をDOS/V POWER Reportの編集長から連絡をいただいき、飛びついたんです。


今回購入したPCは、まさに手のひらに乗る小さなマシンだけど、かなりの強力なパワーを持っている

そう、まさに手のひらに乗る超小型マシン、Intel NUCの最新機種、NUC 7i7BNHというもの。ここには最新のCPUである、Kaby Lakeこと第7世代CoreのCore i7-7567Uを搭載したもので、実売価格が税込み65,000円弱と手ごろだったんです。ただし、ここにはメモリもストレージもないので、これを別途入手して組み立てる必要があります。まあ、組み立てるといったって、フタを開けて、カードを挿すだけなので、誰でも簡単にできますよ。


ベアボーンであるPC本体と32GBのメモリ、256GBのSSDを購入、トータル10万円

いま、メモリやSSDの価格っていくらくらいなのかを調べてみると、これがまたずいぶん安くなってるんですよね。せっかくならメモリはフルの32GB、SSDも250GB搭載してみようと、かなりなハイスペックマシンにした結果、トータル10万円也。OSは手元にあるWindows 10を使い、最新のCreators Updateを入れてみたんです。ちなみに、メモリはCrucialのDDR4 16GB x2、SSDはSamsungの250GB 960 EVO M.2 Type2280というものをAmazonで買いましたが、相性のほうもバッチリですね。



箱を開けて中身を取り出し…


裏ブタの4つのネジをドライバで外す


M.2といわれるタイプのカード型のSSDを挿し…


16GBのDIMMを2枚挿し込んだら、フタを元に戻し、これで完了!

まあ組み立て自体は5分で完了。別PCでUSBメモリに入れて用意しておいたWindows 10をインストールしてみたところ、HDDがないからか、結構早く作業で、ほぼ自動処理、30分程度で起動してくれました。ファンレスではないけれど、HDDがないから、結構静かですね。CPUをフル稼働させると、それなりのファンノイズになるとのことでしたが、まったく問題ないレベルですね。


Windowsインストール前にBIOS画面を見てみると、SSD、メモリをしっかり認識している

そして気になるのがWindows PCでのUSB Type-C端子。手元にあるTouch Bar搭載のMacBook Proでは使ったことがあるけれど、Windowsでホントに使えるのかはIntel純正マシンとはいっても、ちょっと不安です。とはいえ、ここで躊躇していても始まらないので、思い切ってapollo twin MkIIのDUO COREモデルを買っちゃいました!


届いたapollo twin MkIIの箱を開けてみると、ブラックボディーの本体が登場

マニュアルにしたがって、まずはUADソフトウェアをインストール。そして、いざ接続しようと思ったら、apollo twin MkIIにはThunderboltケーブルって入ってないんですね!急いで某量販店で調べてみたら、そもそもUSB Type-CとThunderbolt2を直結するケーブルなんてものは存在しない。そこでAppleのUSB Type-C-Thunderbolt変換アダプタを購入して手元にあるThunderbolt2ケーブルで接続してみました。

※Universal AudioはUSB Type-C-Thunderbolt変換アダプタにはStarTech社製のものを推奨しています。


AppleのUSB Type-C-Thunderbolt変換アダプタを介して接続

が、電源を入れてもまったく認識されず、「何か大失敗を犯したのでは!?」とちょっと焦りました。そこでWindowsのデバイスマネジャーを見てみると、そもそも、この超ミニPC内のThunderbolt機能が認識されていません。そうか、考えてみれば当たり前だったかも……。Windows 10をインストールしたけれど、このNUC用のドライバ類は1つもインストールしていませんでしたから。というわけで、インテルサイトから、ドライバ類をダウンロードして、インストールしてみました。


改めてThunderboltのドライバ類の入ったソフトウェアをインストール

その後、apollo twinと接続してみると、「新しいThunderboltデバイスが取り付けられました」というメッセージが表示され、その後、認証を行った結果、あっさりと動作することを確認。Thunderboltの接続状況を見ても「つながれたThunderboltデバイス」としてしっかりapollo twin MkIIが表示されています。


今度は無事、Thunderboltデバイスを見つけてくれた模様

ここで、UADソフトウェアの核となっているConsoleを起動してみると……、しっかりapollo twin MkIIとの接続が確立しているようで、オーディオを再生してみるとレベルメーターが動き、接続しているヘッドホン、モニタースピーカーからしっかりと音が出ます。そして、フロントの端子にギターを入力してみると、これもレベルメーターが触れてモニターされてくるので、動作は間違いないようですね。



Consoleを起動してみると、しっかり認識され、問題なく動いてくる模様

ここで試しにStudio One 3 Professionalを起動して、オーディオインターフェイスをapollo twinに設定。さらにVSTプラグインのフォルダとして、UADソフトウェアをインストールしたフォルダを指定してみました。


Studio One 3 Professional上でUAD-2のプラグインを使うことができた

これによって、Studio OneにはUnivesal Audio.Inc.のプラグインが一挙にズラりと並びます。まだUADのプラグインを買ってないので、お試しの14日間デモモードということにはなるのですが、チャンネルストリップを1つ組み込んでみたところ、しっかり動いてくれ、GAINを上げていくと、いい感じにサチってくれます。


CPUメーター、ディスクメーターは、まったくといっていいほど触れていない

あまりにも簡単に動いてやや拍子抜けという感じではありました。まあ、軽いプロジェクトではありますが、パフォーマンスモニターを表示させてみるとCPU使用率4%、ディスク0%と、ほぼ負荷0の状態で再生されるので、改めてこのPCパワーのすごさと、apollo twin MkIIのDSPのパワーを実感します。

ちなみに、apollo twin MkIIなど、Universal Audio製品を扱っている国内代理店のフックアップでは、国内PCメーカーであるOM FACTORYのPC、「ARMSTRONG」や「ARMSTRONG MINI」を扱っており、これらはapollo twin MkIIでの動作を保証しているとのことです。価格的にはだいぶ上がりますが、確かにOM FACTORY、DAW専用の爆速マシンをいろいろ作ってみるので、業務用で使うなら、そちらのほうが安心ではありますね。

以上、10万円で作った超ミニPCとapollo twin MKIIの動作検証をレポートしてみました。もっとも、非常に多くの機能を持つapollo twinの使い方は、私もまだほとんど習得できていないのが実情。これからいろいろと使ってみようと思うので、面白い話があれば、またレポートしてみたいと思います。

【価格チェック】
◎Amazon ⇒ apollo twin MkII Solo / Duo / Quad
◎サウンドハウス ⇒ apollo twin MkII Solo / Duo / Quad
◎Amazon ⇒ Intel NUC 7i7BNH
◎Amazon ⇒ Crucial [Micron製] DDR4 ノートPC用メモリー 16GB x2
◎Amazon ⇒ Samsung SSD 250GB 960 EVO M.2 Type2280