現在、日本のAI作曲サービスSOUNDRAW(サウンドロー)主催の楽曲コンテストが開催中です。募集期間は6月30日まで。最優秀賞受賞者には賞金20万円、優秀賞受賞者2名には賞金5万円、MOVEMENT賞に選ばれるとプロユースのスタジオでのレコーディング体験、SOUNDRAW賞ではSOUNDRAWライセンス1年分と、かなり豪華な内容となっています。
主催のSOUNDRAWは日本発のAI作曲サービスで、生成した楽曲はステムで書き出したり、展開を自分でカスタマイズできたり、コードが表示されたり、キーを変えれたり、楽器を選べたり…と、まさに作曲をサポートするAI作曲サービスとなっているのです。またプロが作ったオリジナルのビートのみを学習しているので、出力される結果の質も高く、著作権的にクリーンな楽曲を生成できることが最大の強み。今回の楽曲コンテストでは、このSOUNDRAWを使うことが条件になっていますが、生成した楽曲をそのまま応募してもOK。初心者でも参加しやすい内容となっています。これにあわせて30日間無料で使えるクーポンも発行されているので、SOUNDRAWでどんなことができるのか、コンテストの内容も含め、紹介していきましょう。

SOUNDRAWを使ったオリジナル曲コンテスト実施中
プロレベルのトラックを生成するSOUNDRAW
さっそくですが、まずはSOUNDRAWで生成されたサウンドがどんなものか、Fivio Foreign(フィヴィオ・フォーリン)やFrench Montana(フレンチ・モンタナ)、Trippie Redd(トリッピー・レッド)といったアーティストとコラボしているので、ぜひこちらをご覧ください。以下の楽曲は、100% SOUNDRAWによって生成されたビートとなっています。
いかがでしょうか?かなりクオリティが高く、本当にAIが生成したトラックなのか疑うほどですよね。SOUNDRAWから生成されるトラックの特徴は、どちらかというとビート寄り。ボーカルは入っていないので、これをオケとして、自分で歌メロを追加したり、ラップをしたり…など、いろいろな使い方ができますね。またそのまま映像作品のBGMとしても使われているそうです。ステム書き出しもできるので、SOUNDRAWが生成したものを素材として、サンプルのサブスクサービスであるSpliceのような使い方もできますね。
ちなみに音楽の生成AIでいうと、SunoやUdioといった海外のサービスがありますが、これらのサービスには著作権に関する重大な問題も出てきています。ユニバーサル・ミュージック、ワーナー、ソニー・ミュージックといった世界的レーベル3社が、SunoおよびUdioをアメリカで提訴。無断で膨大な既存楽曲を学習に使用したとして、膨大な金額の賠償請求となっているようです。もちろん、まだ裁判の判決が出ているわけではないので、今後どのような展開になるかはわかりませんが、こうした背景から、「AIが作った楽曲は本当に安全に使えるのか?」と心配に思う方も多いと思います。そんな中、SOUNDRAWはプロが作ったオリジナルのビートのみを学習しているので、出力される結果の質も高く、著作権的にクリーンな楽曲を生成できることが最大の強みとなっているのです。
たった数ステップで思った通りのトラックを作ることができる!
使い方は非常にシンプルで、結構思った通りのトラックを作っていくことができるので、簡単に生成する手順を紹介していきましょう。公式からも日本語のチュートリアル動画が公開されているので、お時間ある方はぜひ、こちらも観てみてくださいね。
まずはSOUNDRAWページ(https://soundraw.io/ja/)にアクセスします。生成するまではアカウントを持っていなくてもできるので、一旦ログインしない状態のまま、トラックを生成してみようと思います。まずは、「無料で生成してみる」をクリックします。

生成まではログインの必要なし
次のページでは、Choose the Lengthで生成する楽曲の長さ、Tempos used to generate tracksでテンポ感を選択できるのですが、これは後からでも変更できるので、その下に表示されている音楽ジャンルを選んでいこうと思います。

楽曲の長さやテンポは後から変更することも可能
さらに下の方にいくと、ムードやテーマも選択できるのですが、とりあえずエレクトロダンスを選んでみました。

音楽ジャンルやムード、テーマを選んで楽曲を生成していく
すると、ほんの数秒で6種類の楽曲が生成されます。また下のほうにある「さらに作曲する」というボタンを押せば、どんどん生成させることが可能となっています。生成されたトラックには、左からジャンル、タグ、キー、テンポ、そして曲の長さが表示されています。

「さらに作曲する」ボタンを押すと、さらにトラックを生成することができる
たとえば、0001をクリックしてみると、その楽曲を再生するとともに、さらに詳細を編集することができるようになっています。縦軸には、メロディー、バッキング、ベース、ドラム、フェードが並んでいて、横軸には各セクションのテンションが表示されています。

パートや各セクションのテンション感を変更できるようになっている
横軸は、クリックするとQuiet、Mid、Intense、Extremeの4つを切り替えることができ、そのテンションによって、使用されるパートが変更され、Extremeになるとサビのようなテンション感になります。

Quiet、Mid、Intense、Extremeの4つからテンション感を決めることが可能
縦に並んだメロディー、バッキング、ベース、ドラムのボックスはクリックすると、オフ、弱い点灯、強い点灯の3段階で切り替えることができます。オフの場合は、そのパートはミュートになり、強い点灯にするほど、そのパートが目立つようになります。フェードは右側と左側をそれぞれ調整でき、これはボリュームのフェードではなく、テンション感を調整する機能となっています。ここもオフ、弱い点灯、強い点灯の3段階で変更できるのですが、たとえば右側の矢印を強い点灯にすると、次のセクションに向けて盛り上がりのあるサウンドになるといった具合ですね。

パートを加えたり、セクションでの盛り上がりなどなど、自分好みにカスタマイズできる
これらを使って、楽曲全体を作っていくことができるのですが、下にある長さ、テンポ、楽器、キー、音量、といった機能を使ってさらにカスタマイズすることも可能。長さを+または-で変更すれば、楽曲全体の尺を変更できます。

楽曲の尺を変更可能
テンポは、生成されたものから前後10を変更でき、

楽曲が破綻しない範囲でテンポ調節ができる
楽器も、さまざまな種類から選ぶことが可能です。

再生される楽器も複数用意されている
またキーも、High、Mid、Lowの3種類から選択できます。

キーの変更はHigh、Mid、Lowの3種類
簡易的なミキサーも付いているので、ここで各パートのボリュームを変更できるようになっていますね。

各パートのボリュームも調整可能
また、一番下にはコード進行が表示されているので、このデータを書き出した後に自分でパートを付け加えるときに参考にすることができますよ。

コードが表示されているので、初心者でもSOUNDRAWで生成した曲を元に作曲・編曲が行いやすい
そして、ダウンロードしたいとなったら、右にあるダウンロードボタンを押します。ここからは、アカウントが必要になるのですが、今はコンテストも開催しているので「BTF」クーポンコードが発行されています。

ダウンロードするにはログインが必須
これを使えば、1ヶ月間無料でSOUNDRAWを使うことが可能となっています。プロモーションコード欄にこのBTFを入力して適用をクリックすると、すべてのプランを無料で使用できます。

プロモーションコード欄にこのBTFを入れると、今なら1ヶ月間無料で使用できる
このクーポンコードを使用したとしても、利用するにはクレジットカードの登録が必要となります。ちなみに支払いサイクルはトライアル終了時からスタートする形になっています。つまり年間プランでも月間プランでも、トライアル中にキャンセルをすると支払いは発生せず、そのままキャンセルしなければ、選択した年間または月間のプランでの支払いがスタートする、という流れです。

とりあえず、1ヶ月間だけ使いたい人は、月額に切り替えてプランを選択する
ログインが完了したら、再度ダウンロードボタンを押すことで、MP3、WAV、WAV+ステムから選んでダウンロードが可能になります。

MP3、WAV、WAV+ステムから選んでダウンロードが可能
ダウンロードしたものをDAWに並べてみました。書き出されるデータはMix、Melody、Backing、Bass、Drum、Fill 1、Fill 2の7トラック。フィルが分かれているところからも、クリエイタのことを考えて作られているのだな、と感じますね。ここでは紹介しきれなかったですが、ほかにもSOUNDRAWでは、生成した楽曲のリンクを共有したり、気に入った雰囲気のものができたら、それと類似した楽曲を生成することも可能。音楽ジャンルを複数選ぶことができたりもするので、ぜひ使って試してみてくださいね。

Mix、Melody、Backing、Bass、Drum、Fill 1、Fill 2の7トラックに分けて書き出しできる
AI生成は無制限、ダウンロードは有料
ちなみにSOUNDRAWの料金表は以下のようになっています。
Plan | Creator | Artist Starter | Artist Pro | Artist Unlimited | Enterprise |
対象 | 個人・法人(社員9人以下) | 法人(社員10人以上) | |||
クリエイター | アーティスト・音楽プロデューサー | 全員 | |||
1ヶ月の価格(月額) | ¥1,293 | $25.99 | $38.99 | $64.99 | ご相談 |
1ヶ月の価格(年間) | ¥1,072 | $19.49 | $23.39 | $32.49 | ご相談 |
商用利用 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
BGMとして利用 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
楽曲を配信してマネタイズ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
月間ダウンロード数 | 無制限 | 10 | 20 | 無制限 | 無制限 |
ダウンロード形式 | mp3 | mp3 | mp3, wav, ステム | mp3, wav, ステム | mp3, wav, ステム |
API | × | × | × | × | ○ |
プランは大きく分けて、クリエイタとアーティストに分かれていますが、生成した楽曲を元に自分の作品にする場合はアーティストを選択することになります。クリエイタは、映像制作者向けの内容ですね。利用規約やライセンスについては、SOUNDRAWページでご確認ください。
今回の場合、クーポンコードはどのプランでも使用することができますが、ダウンロード形式にステムが入っているものを選択するといいでしょう。Artist ProまたはArtist Unlimitedがこれに該当するので、たくさんダウンロードしたいのであればArtist Unlimited、20曲の制限でOKであればArtist Proですね。
解約する場合は、右上のアイコンからアカウントを選択して表示されるページにある解約ボタンを押すと解約可能。ただし、解約した翌日からはダウンロードなどできなくなってしまうので、更新したくない場合はサブスクリプションの終了日近くで、この手続きを行っておきましょう。

アカウントページの解約ボタンから解約可能。ただし、解約すると翌日には、ダウンロードが行えなくなる
SOUNDRAW楽曲コンテスト開催中!1ヶ月無料になるクーポンコードは「BTF」
さて、楽曲コンテストについても紹介していきましょう。特設ページはこちら(https://explore.soundraw.io/beat-the-future/2024-04)。開催スケジュールと各賞は以下の通りとなっています。
募集期間:2025年4月25日〜6月30日23:59
結果発表:2025年7月12日 @YouTube Live
最優秀賞(1名)
賞金20万円
インタビュー
応募楽曲の配信サポート
優秀賞(2名)
賞金5万円
応募楽曲の配信サポート
MOVEMENT賞(1名)
プロユースのスタジオでのレコーディング体験
応募楽曲の配信サポート
SOUNDRAW賞(1名)
SOUNDRAW Artist Pro ライセンス1年分
応募楽曲の配信サポート
応募締め切りは6月30日なので、まだ結構余裕がありますね。賞金総額30万円のコンテストとなっており、冒頭にも書いたようにSOUNDRAWで生成したものをそのまま応募してもOKなので、SOUNDRAWを試すついでに応募してみてもよさそうですね。
参加するには、まず特設ページにある公式LINEのQRコードから友達追加をして、エントリーを行っていきます。その後楽曲が完成したら、楽曲提出用フォームにアクセスして楽曲を提出します。コンテストのルールなどは、特設ページや公式LINEをご確認ください。
審査員は、以下の3名。

審査員はプロの作曲家とSOUNDRAW株式会社のCEO 楠 太吾さん
前迫さんは、昨年「プロに一歩近づく作曲コンテスト、賞金30万円の『DTM甲子園』エントリー開始!」という記事も書きましたが、MOVEMENT PRODUCTIONの代表も務める、2018年にミリオンセラーを記録した欅坂46の「ガラスを割れ!」や同年オリコン年間ランキング・作曲家部門において1位を受賞した経験を持つ作曲家。また安室奈美恵、青山テルマ…など名だたるアーティストへの楽曲提供も行うAILIさんを迎えた、豪華な審査員となっていますね。
そんな、審査員の中からSOUNDRAWのCEO 楠 太吾さんと前迫 潤哉さんからコメントをいただきました。
「音楽制作って、ゼロから始めようとすると、本当に難しく感じるものです。SOUNDRAWでは、そんなハードルをできるだけ低くし、誰でも最初の一歩を踏み出せるような仕組みにこだわってきました。今回のコンテストでは、生成されたビートをそのまま使っても、アレンジしてもOK。自分の音楽を作る楽しさを、ぜひこの機会に体験してみてください」(楠 太吾さん)
「DTMを始めたばかりの方から、すでに楽曲制作をしているアーティストまで、幅広い層にチャンスがあるのがこのコンテストの魅力です。SOUNDRAWのステムを書き出して、自分なりにトラックを組み替えるだけで、オリジナル性のある作品が完成します。作品を見る際は、アイデアと個性を重視して審査していきたいと思っています。また、今年の夏にはMOVEMENT PRODUCTIONが主催する作曲コンテストDTM甲子園も開催予定です。DTM甲子園でもSOUNDRAWを使った参加はOKですので、まずはSOUNDRAWを試してみてくださいね」(前迫 潤哉さん)

前迫 潤哉さん(左)、楠 太吾さん(右)
以上、日本発のAI作曲サービスSOUNDRAWでしたがいかがだったでしょうか?簡単に使えて、思ったように楽曲を生成できるので、現在は海外ユーザーが8割ですが、これからもっと国内のユーザーが増えるのではないかな、と思っています。コンテストも開催しているので、ぜひこの機会に試してみてくださいね。
【関連記事】
プロに一歩近づく作曲コンテスト、賞金30万円の『DTM甲子園』エントリー開始!
【関連情報】
SOUNDRAW
楽曲コンテスト特設ページ
SOUNDRAWライセンスページ
MOVEMENT PRODUCTIONサイト
コメント