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  • C414の伝統を引き継ぎつつ、現代にマッチしたモダンマイクが誕生!元AKG社員約30人が集まってできたメーカー、Austrian Audio始動

9月20日にAKGの元社員、約30人で設立したオーストリアのメーカー、Austrian Audioから、コンデンサーマイクOC818OC18が日本で発売されました。OC818はデュアルダイヤフラム搭載で、録音後に周波数ごとの指向性を変更したり、別売りのOCR8 Bluetoothドングルを接続することで、255パターンの指向性の変更、遠隔でのパッドの切り替え、フィルターの調整ができる、世界初のワイヤレス・コントロール・オプションを装備しています。

このOC818とOC18は、AKGの定番マイクC414に搭載されているCK12マイクカプセルの設計をベースにまったく新たに開発されたCKR12を搭載。サウンドのキャラクターは近いものがありますが、あくまでビンテージトーンを目指して作ったものではなく、モダンマイクロフォンとして作ったとのこと。長い経験を持つ社員たちによる熟練した技術で作られた、ハイクオリティなこのマイクは、シリアルナンバーが連番でなくとも個体感度差は1dB以内。そのため、どれを組み合わせてもステレオのペアマイクとして使える上、OC818とOC18でもペアになるというユニークなマイクです。先日、新製品発表会のために来日していたAustrian Audioの営業部長、デイヴ・カールセンDave Karlsen)さんからお話を伺うことができたので、紹介してみましょう。

Austrian Audioの営業部長、デイヴ・カールセン(Dave Karlsen)さん

--まずはAustrian Audioについて、教えてください。

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デイヴ:2015年にAKGを所有していたハーマン・インターナショナル・インダストリーズがサムスン電子に買収された後、オーストリアのウィーンにあったAKG本部は閉鎖されてしまい、社員のほとんどが解雇されてしまいました。そこで、そのメンバー約30人が集まって立ち上がったのがこのAustrian Audioです。Austrian Audioには、それこそ歴史に名を残している業界標準のマイクやヘッドホンを作った人たちがいる会社なのです。開発チームにはノイズキャンセリングのテクノロジーやソフト、ファームウェア、DSPなどいろいろな分野のエキスパートがいて、すでに複数特許を取得しています。会社全体で30人強となっていますが、そのうちエンジニアが25名という開発主体の会社。エンジニアは、それぞれ20年、30年と長いキャリアを持っているので、そのキャリアを全部足し算するとだいたい335年分のノウハウを持っているチームなのです。今回、ついにAustrian Audioブランドの初の製品OC818とOC18をリリースできてわけですが、設立してからこれまでの2年間は、自社ブランド製品の開発をしつつ、その運転資金を稼ぐために、ODMビジネスを行うとともに、ヨーロッパ全土を見渡しても最大級といえる社内の無響室を使った測定ビジネスなども行ってきました。

Austrian AudioのOC18(左)とOC818(右)

--今回、ようやくリリースできたという新製品、OC818、OC18について教えてください。
デイヴ:OC818という名前は、お気づきだと思うのですがC414の型番を想起する形で名付けています。ですが、Austrian Audioのエンジニアは、過去のもののコピーはしないという強い信念を持っています。あくまで、伝統は引き継ぎつつも新しいものを作るという思いを持ってOC818とOC18を開発しました。このマイクを開発するにあたり、まず最初はカプセルを作ることから始めました。搭載してあるカプセルの名前はCKR12というのですが、これはC414に搭載してあったCK12を元に遥かに進化したカプセルとなっています。現代の音楽制作は、昔にはなかったワークフローが生まれてきているので、よりモダンなワークフローに合わせて、1から設計を見直して開発しました。

インタビューに答えてくれるデイヴ・カールセンさん

--そのCK12とCKR12の違いはなんなのでしょうか?
デイヴ:CK12は金属のリムで作られていたので、熱などに弱く、膨らんだり、縮んだりして、音質が安定しませんでした。また経年劣化により、マイクのクオリティが変わってしまい、いい状態のものもあれば、悪い状態のものもあるという、バラつきがありました。そこで、それらの弱点を克服するために新たに開発したのが、このCKR12になります。CK12は金属を使っていたのに対し、CKR12はセラミックを使っています。そのため、金属と同じぐらいの十分な重さを稼げているのにも関わらず、金属を使っていた際に起こりえた弱点を補うことができました。またカプセルのまわりには、サスペンションを搭載しているので、余計な振動の影響を受けない作りになっています。そのカプセルは、昔からAKGでカプセルをハンドメイドしている女性の職人、モニカが、Austrian Audioに移籍して、AKGと同じウィーンでハンドメイドでしています。彼女は当社のマイク生産の要を握る重要な人物で、たとえるのであればメインシェフみたいなもの。同じ素材で料理を作っても同じ味にならないように、モニカがハンドメイドでカプセルを作っているということは、我々にとって重要な意味を持っているのです。とはいえ、今後、彼女の熟練した技を伝承するためにも、新人女性アシスタントを採用し、今まさに教え込んでいるところです。

ハンドメイドのカプセル、CKR12

--CK12とCKR12、そこに音質的な違いは存在しますか?
デイヴ:CK12とCKR12の音の方向性は近いといえます。CKR12を開発するにあたって、CK12のカプセルを20個ほど用意して、その中で一番音がいいものを指標にしています。ですが、ビンテージトーンを目指してCKR12を作ったのではなく、あくまでモダンマイクロフォンとして開発しました。その意味では、違う音のカプセルなのです。

--そのCKR12を搭載した、OC818について詳しく教えてください。
デイヴ:OC818の内部の回路は整理されているので、ボディーの中に十分な空間を設けています。また回路板が入っている部分には、ディフューザーを搭載していて、マイクカプセル以外に当たった余計な音をダイヤフラムが拾わないような工夫をしています。これらの工夫により、セルフノイズを最小限に抑えてあるうえに最大SPL158dBなので、大音量の楽器にも対応しています。さらに、このマイクには2つの大きな特徴があります。それは、デュアルアウトプットを使ったプラグインでの制御とBluetoothによるリモートコントロールです。

普通は中を開けることはできないが特別にCKR12がどのように装着されているか見せてもらった

--まずデュアルアウトプットを使ったプラグインでの制御について教えてください。
デイヴ:このOC818には2枚のダイヤフラムが搭載されています。付属mini XLRケーブルをC818の背面に挿すことでそれぞれ一枚づつを別々のアウトプットとして信号を出せるようになっています。この2つの信号をDAWに録音することで、無料のVST/AU/AAX対応のプラグインPOLARDESIGNERを使い、録音後に周波数帯を最大5つまで分けて、それぞれの周波数帯に対して、異なる指向性を選ぶことができます。なので、低音域の指向性を無指向、高音域の指向性を単一指向にするなど、他のエフェクタとは違う積極的な音作りを可能としています。

--次にBluetoothによるリモートコントロールについても教えてください。
デイヴ:Bluetoothによるリモートコントロールは、別売りのOCR8 BluetoothドングルをOC818に挿して使う機能となっています。これはiPhone/iPad、Android対応のアプリPOLARPILOT APPを使って、あらゆる設定を遠隔でコントロールできるものです。アプリ上ではクリップを確認できるので、もしクリップしていたら、手元でパッドを入れることができますし、指向性の変更やフィルターの操作も遠隔で行えます。たとえば、ライブシチュエーションなど、いちいちステージに上がって、パッドを入れる必要がないですし、コンサートホールなどに吊ってあるマイクに対して、便利に使えます。またアプリでの指向性の変更は、255段階で変更できるようになっていて、もし気に入ったものがあればプリセットとして保存も可能です。ここでの指向性の変更などは、あくまで100%アナログで行っているということも重要な部分です。Bluetoothを介してシグナルをマイクまで送っていますが、あくまでそのシグナルはトリガーであって、それを受けて内部の電圧を調整して、指向性を変えているのです。なので、指向性を変更するまで、アプリで操作してから、2秒ほど時間がかかります。またOC818本体のフロントには、パッドとハイパスフィルター、そして指向性を切り替えるスライダーがあります。単一指向、超単一指向、無指向、双指向までは他のマイクと同じですが、指向性のスライダーを一番右に合わせると、1つだけさきほどのプリセットをカスタムセッティングできるようになっています。

Bluetooth接続できるリモートコントローラー、OCR8 Blueoothを取り付けることができる

--一方で、OC18はどういった作りのマイクになっているのでしょうか?
デイヴ:OC18はシングルダイヤフラムとなっていますので、指向性は単一指向のみの仕様です。ハイパスフィルターやパッド、インピーダンス、SPLなどの性能はOC818とまったく同じです。なので、この2種類のマイクを組み合わせて、マッチドペアとして使うことができます。というより、そもそもマッチドペアという概念自体このマイクにはないのです。どういう意味かというと、OC818とOC18はどのシリアルのマイクでも、個体感度差を誤差1dB以内に調整しているので、5本でも6本でもきれいに揃うのです。それにより、異なる2つ機種でもステレオペアとして使えるというわけです。

--Austrian Audioは、今後も新しいマイクを開発されていくのですか?
デイヴ:もちろん、新製品を次々と出していく予定で開発を進めています。Austrian Audioには、世界トップクラスの技術力を持ったメンバーが数多く在籍しています。それは伝統的な技術を伝承しているエンジニアだけでなく、ソフトウェアだったり、ハードウェアだったり、さまざまな分野のプロフェッショナルがいるのです。そのため今回のOC818、OC18とは違う方向性を持ったマイクを作っていきます。またマイクだけでなく、ヘッドホンの開発も行っていまして、それも近いうちにリリースする予定です。

--今後がいろいろ楽しみですね。ありがとうございました。

今回、OC818、OC18の発表会では、デイヴ・カールセンさんによるプレゼンテーションの後に、実際にOC818、OC18を試用された二人のレコーディング・エンジニアによる対談も行われました。登壇されたのはエイベックス・エンタテイメント prime sound studio formの森元浩二.さんとスタジオ・サウンド・ダリの橋本まさしさん。お二人による使用感についても、紹介しておきましょう。

 

レコーディングエンジニアコメント

レコーディングエンジニアの森元浩二.さん(左)と橋本まさしさん(右)

橋本まさしさん
多くの人がOC818とOC18がC414やC12と同じ音がするのか気になるところだと思いますが、結論からいうと同じ音はしません。音のキャラクター的には同じ路線ですが、あくまで別物ですね。それでも僕が気に入った点は、OC18で録る歌の質感です。それから、驚いたのはすごくマイクに近い位置で歌っても、吹かれないところです。なので、家で手軽に歌を録るとか、扱いが楽なので、現代のマイクとしてかなり優秀だと思います。また録音した後に指向性をいろいろ変更できるのは、映像の世界と一緒で、現実の音じゃないものを作れるので、これこそ今後のマイクの姿ではないかなと思いました。

森元浩二.さん
C414XLSよりも味付けがナチュラルで、音の情報密度が高いので、EQやコンプの掛かりがよかったですね。今回ドラムのトップマイクとピアノで試してみたのですが、ドラムのトップマイクにラージダイヤフラムのマイクを使うと、オンマイクとの距離差で、300Hz辺りの位相で困ることがあるのですが、このマイクはそんなに困らなかったんです。なぜかうまく馴染むんですよ。ピアノの場合もかなり好印象でした。POLARDESIGNERを使っての指向性をあとから変えられるのは、音作りの幅が広がっていいですね。一回弾き語りを歌とギターの真ん中あたりにマイクを立てて録音したのですが、今まで聴いたことないような、歌が前に出て、ギターがうしろにいる音が録れたりもしました。あとは、大きな音でも録れるマイクなので、ギターアンプを録音してみたいですね。表と裏のダイヤフラムを使って、芯のあるギターの音を録りつつ、部屋鳴り感も録れそうな気がします。

製品はしっかりしたケースにマイクホルダーなどとともに収められている

OC818の価格は130,000円(税別)で、付属品として専用のキャリングケースとSpiderショックマウント、マイク・クリップホルダー、Mini XLRケーブル、ウィンドシールド、日本語マニュアルが付いています。また初回の出荷分に関して、数量限定でポップスクリーンと世界に818個しかないAustrian Audioのメモリアルアルバムのようなスペシャルブックレットが用意されているとのこと。一方のOC18の価格は90,000円(税別)、シングルダイヤフラムなのでMini XLRケーブルは入っていませんが、それ以外はOC818と同様のものが付属しています。またマッチドペアはないとのことでしたが、Live Setという名前で2本セットも販売されています。価格は、OC818の2本セットが240,000円(税別)、OC18の2本セットが170,000円(税別)と少し安く購入することができるそうです。ただLive Setには、Spiderショックマウントは付属していません。またBluetoothリモートコントロールするためのOCR8 Bluetoothドングルは20,000円(税別)となっています。

【関連情報】

Austrian Audioサイト

OC818製品情報
OC18製品情報

【価格チェック】
◎Rock oN ⇒ OC818
◎宮地楽器 ⇒ OC818
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◎サウンドハウス ⇒ OC818
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