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  • プラグインでVTuberにチャレンジ!? トークボイスを大きく変化させるエフェクト3製品を試してみた

VSTやAU、AAXといったDAW用プラグインは、一般的には音楽制作のために用いるものですが、中にはちょっと違った使い方をするものも存在します。今回とりあえげる3つのプラグインは、音楽制作にも利用できないわけではないですが、基本的にはしゃべる声に対して利用するエフェクト。このオンラインミーティングやネット配信が盛り上がる今、こんなプラグインを使って遊んでみるのも楽しそうです。

紹介するのはFLUX::SEIRCAM TraxMcDSPFutzBoxKROTOSDehumaniser Simple Monstersの3種類。いずれも、オモチャプラグインというわけではなく、ポストプロダクションなどでも用いられる本気の業務用プラグイン。映像作品を作る……といった場合にもいろいろと活用できそうです。今回、声優の葵井歌菜(あおいかな)さんに協力をいただき、声のサンプルをレコーディングしてもらったので、それを利用しつつ、どんな声に変化させられるのか、紹介してみたいと思います。

しゃべり声を変化させる3種類のプラグインを試してみた

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それではさっそくFLUX::SEのIRCAM Traxから順番に見ていきましょう。FLUX::SE(正式名称はFLUX SOFTWARE ENGINEERING)はフランスのソフトウェア開発メーカーで、マスタリング用プラグインなど、数々の業務用プラグインソフトを出して高い評価を得ている企業。サウンドをさまざまな形でグラフィカルに表現する分析ツール、Pure Analyzer Systemなどは、多くの制作現場でも見かけます。

そのFLUX::SEのIRCAM TraxはIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)の技術を使って開発されたリアルタイム・ボイス & ソニック・モデリング・プロセッサー。簡単に言ってしまえば、男性の声を女性へ、女性の声を男性の声にリアルタイムに変換したり、年齢を変化させて若い声にしたり、年取った声にしたり、さらには息の成分を変化させて、コソコソしゃべるような声にしたり、かすれた声にしたり……自由自在に変化させることができるというユニークなプラグインです。

フランス国立音響音楽研究所の技術を元に開発されたTRAX

まずは、自宅にレコーディング環境を備えている声優の葵井歌菜さんに24bit/48kHzで録音してもらった声を使って、Traxで声を少し変化させてみたので、ご覧ください。


葵井歌菜

@kana_aoi_kana

声優・ナレーター。2016年「ふらいんぐうぃっち」木幡茜役でデビュー。
「WIXOSS」シリーズ リメンバ役、「旗揚!けものみち」ローゼ役・「モンスターストライク」ミダク役ほか多数。日本テレビ系列「ワケあり!レッドゾーン」、パチテレ「5匹でポン!」「ノリ打ちでポン!」などの番組ナレーションの他、マクドナルド、UNIQLO、リクルート等のCMナレーションも多数務める。
2019年、「Live of Re:Union」にてドラマーデビューも果たし、2020年には「ポケットモンスター」シリーズの歌唱も担当するなど、音楽方面も精力的に活動中。
YouTubeチャンネル

元々カワイイ感じの女性ボイスが、かなり雰囲気が変化していくのが分かると思いますが、何をしているのか簡単に紹介してみましょう。

SourceとTagetを設定することで、性別などを簡単に変更できる

元々の声が何であるかを設定するSource、変化させる対象であるTargetという項目があり、起動した状態では両方ともManとなっているので、何も音の変化がないのですが、ここでSorceをWomanに設定すると、女性の声が男性の声へと変わります。

Young < > Oldで年齢、Flat < > Expr.で抑揚などを調整可能

さらにYoung < > Oldというパラメータを動かすことで、声の年齢が変わっていくことが分かります。また、Targetとは別にMale < > Femaleというパラメータもあり、これを利用することで、より男性っぽい声になったり、あえて女性っぽい声に振っていくといった調整も可能。その右にあるBreathyを調整することで、音声の息成分が増えていき、かすれた声に変化していきます。

このビデオでは使いませんでしたが、Flat < > Expr.を調整することで単調な声になったり、強く抑揚をつけるといった効果も出すことが可能です。「でも知りたいのは、男性ボイスを女性ボイスに変化させられるのか、という点だ!」という人も多いはず。というわけで、私の声でちょっとだけ試してみたのがこちら。

やっぱり、いかにも女性がしゃべっているようにするには棒読みではダメで、それなりの演技が必要なのかもしれませんね。ただ、Traxの可能性という点は見えてくるのではないでしょうか?

ちなみにこのTraxは単純に性別変換をするためだけのもの、というわけではありません。数多くのパラメータがあることからも想像できるように、いろいろな用途に使えるエフェクトで、楽器のサウンド変化にも使えるし、ボーカルにも利用可能。たとえばVOCALOIDの歌声に適度にかけてみると、普通のパラメータ調整とはまったく違う雰囲気の歌声にすることができるので、声のバリエーション展開という意味でも有効活用できそうです。

タブをMusicやInstrumentに切り替えることで、声以外に使えるエフェクトとして活用できる

さらに、上記ビデオでは使っていない、TRAX Cross Synthesisは、音量、周波数と位相の関係を操作できるフェイズ・ボコーダーと、A/B2つのプリセットをフェーダーでモーフィングする仕様を組み合わせることで、素材の特性を時間軸に沿ってなめらかに変化させることを可能になります。

またTRAX Source Filterを利用することで素材をエネルギー/ラウドネス曲線に関わるタイム・エンベロープと、音色に関わるスペクトラル・エンベロープに分けて再構築することが可能で、従来のフィルターとは別次元の音色変化を実現できます。こうした機能を活用することで、さらに積極的な声質変化や多彩なエフェクトとして活用できそうです。

続いて紹介するのは、McDSPのFutzBoxというエフェクト。これもちょっと変わったエフェクトで、たとえばAMラジオで放送させるような声にするとか、電話の声、さらにはメガホンを使った声にする……といったユニークなエフェクトです。

電話やラジオ、メガホンなどを通した音にすることができるMcDSPのFutzBox

これも葵井歌菜さんの声を使って試してみましょう。

これをご覧になれば、だいたいの雰囲気はお分かりいただけますよね。ここでは膨大にあるプリセットの中から適当に切り替えていっただけなのですが、いろいろと違ったサウンドになるのが分かると思います。

一般的にメガホンの音にするにはディストーションを使って歪ませる一方で、EQで高域、低域をカットすることでそれっぽい音にできるとか、電話の音にするには400Hz~3kHzくらいの帯域だけ残してバッサリカットする……などと言われてはいますが、よりリアルにするのは、なかな難しいところ。でも、このFutzBoxを使うことで、簡単に各種機材を通したような音にすることができるのです。

画面上側がシミュレーター、画面下部がエフェクトという構成

画面を見てみると分かる通り、画面上部がシミュレーター、画面下部が各種エフェクトとなっており、そのシミュレータには携帯電話、ヘッドホン、スピーカー、ラジオ、オモチャ……などなど13カテゴリー、計150種類以上のメニューが用意されているので、これらを使うだけでも、豊富なバリエーションな音に変化してくれます。

シミュレーターとして数多くのプリセットが用意されている

またその隣にはビット解像度を落としたり、レートを落とすなどLo-Fi化するパラメータも用意されているので、これらを使うことでも独特なサウンドに仕立てられます。

さらに、下のエフェクトにはフィルター、ディストーション、EQ、ノイズジェネレーター、ゲートとあるので、シミュレーターと組み合わせることで、その雰囲気を強調したり、自分だけのサウンドを作ったりすることも可能になります。

そして3つ目に紹介するKROTOSののは、またまったく違う効果を発揮するエフェクトです。まあ、エフェクトというよりも、モンスター声生成器といったほうがいいかもしれませんが、これも葵井歌菜さんの声を元にして、いろいろ遊んでみたので聴いてみてください。

怪獣や恐竜の声って、作ろうと思ってもなかなか作れないですよね。再生速度を非常に遅くしてみるとか、EQやリバーブを掛けてみるなど、いろいろ試してみてもなかなかうまく行かないから、何かの音をサンプリングして……なんてことになりそうですが、著作権の問題などを考えると危険です。また、怪獣の鳴き声ならともかく、なんとなくでも言葉をしゃべらせようとすると、サンプリングだと無理がでるでしょう。

モンスターボイスに仕立てることができるDehumaniser Simple Monsters

でも、このKROTOSのDehumaniser Simple Monstersを使うと、人の声を元にしてモンスター声を作り出すことができるので、もちろんしゃべらせることも可能です。でも、どうしてこんな声を作り出せるのでしょうか?

モンスターボイスに仕立てるためのサンプリング素材がいろいろ用意されている

画面左側に波形があるので見てみると、ここでサンプリング素材を読み込んでおり、これと元声のモジュレーションをしているんですね。ただ、単なる変調というわけではないようで、画面右側にはSize(大きさ)、Fury(怒り)、Age(年齢)といったパラメータを使うことで、怪獣っぽさを作り上げており、この3つのパラメータだけでも、すごい声に仕立て上げることが可能。ゲームの効果音づくりなどでも、かなり使えそうです。

以上、簡単に3つのプラグインを紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?いずれもリアルタイムで掛けられるエフェクトなので、マイクに向かってしゃべった声を変化させて、そのまま配信する……といったことにも使えます。もっとも、DAWなどのプラグインホストを使ってエフェクトをかけるのもいいのですが、配信ソフトにOBSを使った場合、これがVSTプラグイン対応となっているので、これららを直接使って配信できるので、声の演出という意味では、手軽に面白いことができそうですよ。

【関連情報】

FLUX::SE IRCAM Trax製品情報
あなたの声や、ボーカロイドの性別・年齢を自在に変えられるとしたら?
McDSP FutzBox製品情報
KROTOS Dehumaniser Simple Monsters製品情報

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