こんな時だからこそ、家でじっくりDTMスキルを身につける!プロのテクニックを学べる実践的DTM教材、Groove Jackとは

先日「家にいながらピアノのレッスン!MIDIキーボードとPC/スマホでできるドイツ生まれのピアノ学習アプリ、flowkey」という記事でピアノレッスンのためのアプリを紹介しましたが、せっかく家にいることが長いのだから、この機会にしっかりDTMについて学んでおこう…という方も多いと思います。

そうした中、現役のプロがDTMでの楽曲制作の工程を1から解説するという教材、「Groove Jack」というものがリリースされました。対象は中・上級者向けとなっているものの、見てみたところ初心者でもしっかり編曲や打ち込み、音作りなどを動画で学べる実践的な内容となっています。今回リリースされたのは、プロの曲作りが動画で学べるDTM講座の第1弾とのことで、テーマは、ゲームのオープニング主題歌の制作を想定したものとなっています。有料の教材ではありますが、実践的な内容が盛りだくさんで、多くの人にとっても学ぶことが多い内容だったので、少し紹介してみたいと思います。

動画で学べる超実践的DTM講座「Groove Jack」


「これまでいろいろ曲を作ってきたけど、プロのレベルになかなかならない」「WebやYouTube動画を見ながら独学で勉強したけど、限界を感じる」……など、音楽制作の実力面、スキルアップという面で、うまくいかないと悩んでいる方も多いと思います。そうした状況を打破するには、やはり音楽学校やDTMスクールに通ったり、先生についてレッスンを受けるというのが王道。とはいえ、いまの状況で新たに学校に通うというのもなかなか難しいところ。

もちろんオンラインレッスンというのも一つの手ではあるし、オンラインレッスンを打ち出している学校や先生もいるので、それらを探してみるのもいいのですが、今回紹介するのは、ビデオやデータ素材を利用したDTM教材を使って勉強するという手段です。

プロの手法を1から動画で学ぶことができる

動画で学べるプロの作曲編曲講座「GROOVE JACK」は、楽曲が完成するまでのプロの制作過程を細かいテクニックの解説を交えながら、順を追って解説したビデオになっています。もともと、この教材を制作した担当者自身が、実際に音楽制作で苦労した経験が元となって、DTM講座教材を企画したのだとか……。

幼少のころからピアノと音楽理論を学び、作曲編曲の専門学校を出てプロを志してきましたが、品質や作業スピードの面で、どうにもプロレベルまで到達することができませんでした。では、一流のプロは普段どのように制作をしているのだろう?といろいろ調べてみたのですが、あまりそうした情報を見つけることができませんでした。教則本やYouTube動画などでは基礎や部分的なテクニックの紹介ばかりで、体系だったものはありません。『1曲まるごとプロが解説してくれる、実践編となる教材があったら……』と思ったものの、見つからなかったのです。そこで『それならプロの技術を丸ごと盗める教材を自分用に作ろう!』と決意したのが始まりです」と担当者。

知人のプロの作曲家に頼み込み、1年以上の制作期間をかけて作ったのが、Groove Jackであるとのこと。その動画の一部が公開されているので、少しご覧になってみてください。

いかがでしょうか?どんな教材か、雰囲気が伝わると思います。製品版の動画でも、同様の女性声優によるナレーションで制作の過程やそこでのテクニックが詳細に解説されています。ご覧いただいても分かるとおり、DAWとしてはCubaseが使われていますが、Cubaseユーザーに限らず、ほかのDAWユーザーでも違和感なく学ぶことができる内容になっています。その動画は全14本、トータル2時間54分とかなり充実した内容となっています。また、このmp4形式の動画のほかに、ミックス前後のデータ、WAVのパラデータ、MIDIデータなども付属しています。

教材として全14本の動画が用意されている

ここで疑問に思うのが、「そのプロって誰?」という部分。学んでみたいという人にとっても、そこが重要なポイントですが、GROOVE JACKのホームページにもプロと書かれているだけで、素性に関しての情報や名前の記載がまったくありません。そこで担当者に、その辺の事情を聞いてみました。

今回協力していただいた作曲家は、某メジャー音楽事務所に所属されていて、普段はTVアニメやゲームの主題歌、キャラクターソングなどのPOPS歌モノを中心に楽曲制作や編曲を行っている方です。当初は名前や顔を出して……と思ってはいたのですが、個人的に相談してみたところ、やはりこれが情報商材であること、また予算面や制作期間などの面から見て、事務所経由では、そもそも案件の成立自体が難しそう、ということになり、事務所を通さずに個人で副業的に受けていただいたんです。事務所には協業規定などもあるため、表立っては難しいということで、匿名ということになりました」とのこと。

教材として用意されているパラデータをStudio Oneに読み込ませてみた

確かに、ブランド色の強い事務所だとタイアップというのも難しいでしょうし、事務所を通せば当然コストも跳ね上がるので、教材を作る側の立場としては、匿名にせざるを得ないということだったのでしょう。

確かに匿名になってしまったのは残念なところですが、協力していただいた作曲家は、みなさんも知っているような有名アニメやゲームに楽曲提供をしているトッププロであることは、間違いありません。また完成した教材自体は、テクニックを惜しみなく公開していて、類似するものはほかにないと思います。ぜひプロのGroove(音楽)をJack(盗む)してほしいとの思いから、こんな名前を付けました」(担当者)。

ちなみに先ほどの動画のバックで流れていた曲が、まさに教材の曲であり、その制作過程を1から解説しているわけです。この楽曲自体は普通に公開されているので、ぜひ一度聴いてみてください。

まさに、アニメの主題歌、といった感じの曲ですよね。さて、その教材の中身は以下のようになっています。

01:本編動画(mp4)
メインとなるDTM講座の動画です。
プロが1から曲を作る過程を細かく解説していますので、見るだけで実用的なテクニックを習得いただけます。

02:完成音源(WAV)
教材使用曲の完成音源です。インスト版や、mix前の音源データも同梱しています。

03:音源パラデータ(WAV)
講座で作った曲の、パート別の完成WAVデータです。DAWに張り付けてソロやミュートしてご利用ください。
各パートの響きや役割を細かくご確認いただけます。

04:MIDIデータ(MIDI)
講座で作った曲の、パート別の完成MIDIデータです。

メインとなる動画教材のほか、インスト版やmix前後の音源、WAVのパラデータ、MIDIデータなどが付属。WAVのパラデータをそれぞれ並べて、単独で聴いたりできるので、動画で追いきれない部分が確認できる内容となっていますし、MIDIデータをインポートして、楽器がどういう関係で打ち込まれているか確認できるのは、嬉しいところ。たとえば、打ち込みのドラムフレーズもしっかり分かる内容となっています。

動画教材、2Mix音源、WAVのパラデータ、MIDIデータが付属

メインの動画教材は、それぞれセクションごとに分かれていて、以下のようになっています。

【前編】ラフ制作

01:メロとコードの作成
02:ドラムパートの打ち込み
03:ベースパートの打ち込み
04:ギターパートの打ち込み
05:ストリングスパートの打ち込み
06:シンセパートの打ち込み

【後編】ブラッシュアップ

01:ドラムパートの編曲
02:ベースパートの編曲
03:ギターパートの編曲
04:シンセパートの編曲
05:リズムループ
06:効果音
07:ストリングスの編曲
08:ブラッシュアップまとめ

プロの作業工程を1から見ることができ、音作りのテクニックやブラッシュアップの方法、なぜそこにどうやって音を追加したのかが丁寧に解説されています。プロの作曲家を目指している人にとって、「なるほど、そんなワザを使っていたのか」という発見がいっぱいあるはず。また動画内ではまさにプロ御用達の音源を多用しながら、その活用法がいろいろと解説されているため、すぐに欲しくなってしまうのが困ったところ。この音源の使い方だけでも見る価値があると思います。ちなみに、教材内で使われている音源は以下のとおりです。

DAMAGE(Heavyocity)
Evolve(Heavyocity)
DUNE2(Synapse Audio)
AVENGER(Vengeance)
SERUM(Xfer Records)
Hive(u-he)
ABP2(Ample sound)
AGF(Ample sound)
V-Metal(Prominy)
Addictive Drums2(XLN Audio)
BFD3(FX Pansion)
The Hummmersmith Grand(Soniccouture)
LA Scoring Strings(Audiobro)
Chris Hein Solo Violin(BEST SERVICE)
Sable Strings(Spitfire)
SABSTANCE(OUTPUT)
REV(OUTPUT)
Massive(Native Instruments)
Battery 4(Native Instruments)
Nexus(reFX)
StylusRMX(Spectrasonics)

前出の担当者によると、このGroove Jackは音楽スクールや、ゲーム会社サウンドチームの新人研修など、教育現場においても導入が進められているとのことで、やはり中上級者がメインターゲットではあるようです。とはいえ初心者でも十分理解できる内容だと思うし、必要に応じて何度でも繰り返し見ることができるので、プロが当たり前に実践していることがどんなことなのか、この機会に身に付けてみてはいかがでしょうか?

【関連情報】
Groove Jackサイト

【価格チェック&購入】
◎インフォカート ⇒ Groove Jack

Commentsこの記事についたコメント

3件のコメント
  • JR9_ODA

    ネット環境とPCスペック向上で、こんなことができるのは素晴らしいと思います。
    私には、9割が?の音源で作っているデモ曲のクオリティが高すぎて
    「休みの時に音で遊ぶ」スタンスではハードルが高そうです。
    興味があって、時間が取れる方はチャレンジされるといいかなって思いました。

    2020年5月15日 10:27 PM
  • ・・・

    完全な自分勝手な放言になります。申し訳ありません。3時間弱で5万円は、ちょっとお高いかと思います。正直、1万5千円くらいなら、払ったろかと思いながら、価格チェックしました。もう少しお安くして下さった方が、総売り上げは伸びる(つまりたくさんの方が購入する)んじゃないかなと思います。セールに期待します笑。でも政府から10万円貰えたら、再考慮しようかな(笑)。失礼しました。

    2020年5月18日 12:00 AM
  • ALFOS

    記事と動画を拝見しましたが、かなり勉強になりそうな内容ですね!
    お値段するので悩みますが、プロのデータという事を考えるとリーズナブルなのかも?
    それにしても曲のクオリティが高いので、すごく気になってます。
    こんな時だからこそ、国からの10万円が振り込まれたらチャレンジしてみようかなと思いました。

    2020年6月1日 10:37 AM

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