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ボーカロイドCULの妹、ROSAの製作を実現するクラウドファンディングがスタート

10年前、地上波テレビ番組「VOCALO Revolution」から誕生したVOCALOID 3のキャラクタ、CUL(カル)。CVを人気声優の喜多村英梨さんが担当したことから、大きな話題となり、DTMステーションでも「キタエリにインタビュー、CULの中の人ってどんな気分?」という記事を書いたことがありましたが、それから10年経過した今、CULの末妹となるロサROSA)というキャラクタを作っていこうプロジェクトが立ち上がり、ロサの日ということで6月3日からクラウドファンディングが開始されました。

ロサ製作プロジェクトでは、今回のクラウドファンディングで、まずは日本語版CeVIO AIトークボイスを作り、その後日本語版のSynthesizer V AI、さらには英語版のCeVIO AIトークボイス、英語版のSynthesizer V AIの製作を行っていくとのこと。すでにキャラクタデザインもできあがり、CVをコスプレライブアクターで、ボカロDJでもあるのしらゆき@Snow_White__y)さんが担当する、といったところまで決まっています。実際、どんなことを目指しているのか、ロサ製作プロジェクトの和泉ヒロトヒロトP)さん(@deecloud)、Ryo-skeさんにZoomでのインタビューができたので、お話を伺ってみました。

CULの妹であるロサのCeVIO AIトークボイスのクラウドファンディングがスタート

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--今回、CULの妹である、ロサが登場するという話、Twitterなどで見ていましたが、10年ぶりの新ソフトのプロジェクトということで、ちょっと驚きました。
ヒロトP:CULは11年前に「ボカレボ(VOCALO Revolution)」という番組内から生まれたキャラクタで、風雪月花という4姉妹の末っ子で、それぞれ青、白、黄、赤という設定。さらに実はCULには双子の妹の黒CULがいて……と細かく設定を作り込んでいましたが、その時から、このロサに関する構想があったのです。その4姉妹というか5姉妹のさらにその妹がいる……という。そういう意味では、いつかやりたい…と水面下でタイミングを計っていました。

10年前にリリースされたVOCALOID 3のCUL

--そのタイミングが今だったということなのですか?
ヒロトP:ここ最近になってAIを用いて、まさに人のようにしゃべったり、歌ったり…というソフトが出始めて、これは面白いと思ったのです。非常にリアルな声であり、従来の音声合成や歌声合成とは明らかに違う技術が出てきたな、と。このタイミングでやってみたいと、動き出したのです。思い立ってから、かなりすごいスピードで進めてきましたね。

歌ロサ(ROSA)とトークロサ(ROSA)の2パターンの完成版イラスト

--今回のクラウドファンディングでは、まずCeVIO AIのトークボイスの製作を…ということで、歌声からではないんですよね。この辺の背景も少し伺えますか?

Ryo-ske:今回のクラウドファンディングを行っている主体は、今年3月3日に立ち上げたばかりの株式会社ZAN-SHINという会社です。ヒロトP、私、またボーカリストでもある都弥可(つみか)などで運営する新時代のプロダクションとしてスタートさせた会社です。メジャーレーベルへの展開なども企画している中なので、ロサも後々には歌うシステムである歌声合成を目指したいと考えています。喋り、歌うキャラクターです。まずは認知を広げていく意味でも、より多くのユーザーがいる喋るシステムの音声合成を先に進めるべきだろう……ということになり、CeVIO AIトークボイスからの開始となりました。

現在GREEN FUNDINGにてクラウドファンディング実施中

--音声合成、いくつかのシステムがありますが、CeVIO AIトークを選んだ理由はどの辺にありますか?一方で、歌声はCeVIO AIソングではなくSynthesizer V AIなんですよね?
ヒロトP:私自身もこれまでVOICEROIDやCeVIOトークなど、いろいろ使って見てきましたが、CeVIO AIトークを試してみて、コレだ、と感じたのです。またいろいろ人に相談して話を聞いたり、調べてみてもCeVIO AIトークが良さそうだったので、これに決めました。また歌声のほうも現状のものをずっとリサーチしてきました。ソフトの親和性という意味ではCeVIO AIソングを使うのも手ではあったのですが、実際にSynthesizer V AIを試してみて、明らかにこちらのほうがいいな、と感じました。また、めちゃめちゃアップデートが速く、開発の勢いがあるという点でも、絶対に歌はSynthesizer V AIだな、と、あえてクオリティーのほうを取りました。ちなみにSynthesizer VはスタンダードとAIの2種類の歌声データベースがありますが、AIで、ということにこだわっていきたいので、スタンダードは作らず、AIのみで行く予定です。

CeVIO AIのトーク機能。画面はすでに発売されている小春六花のもの

--今回、CVをしらゆきさんが務める、とのことですが、そうなった経緯を簡単に教えていただけますか?
Ryo-ske:結構、あわただしく進めてきたのですが、会社設立後、4月17日に「ROSAオーディオション」としてAIを用いた音声合成、歌声合成を行うにあたっての中の人を募集しました。応募条件としてコスプレに抵抗がないこと、海外活動が可能であることなどいくつかを提示した結果、1週間の告知期間で60人に応募いただきました。その結果4月28日に一次選考結果を発表し、5人を選出。当初は都内で最終選考を行う予定だったのですが、緊急事態宣言の発出を受けて、すべてZoomを用いたフルリモートによる面接を行った結果、しらゆきさんに決定し、5月8日に発表したという形です。

--ロサはトークもソングも、日本語版だけでなく、英語版も計画しているのですよね?
ヒロトP:はい。CULが海外からの人気が高く、その影響もあってロサも海外からの注目が高いのです。具体的にいうと、やはりアメリカが一番多いのですが、インドネシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、台湾など東南アジアのファンが多く、ヨーロッパ各国からの応援もいただいています。Twitterの反応などを見ても、7割近くが海外からのものなんです。その背景には2013年以後、日本のドラマを海外に紹介するイベント「J Series Festival」などで、CULがバーチャルMCを務めるものを、タイ、インドネシア、フランス、ベトナム、ミャンマー、台湾などで行ってきた結果、多くの方が応援してくださるようになったことがあります。そこで、今回は日本語版のトークではあるものの、海外からの支援者向けにマニュアルを用意したり、海外の方でもわかりやすいようにボタンを設置しました。今回は、東北ずん子などを運営する、SSSさんに協力をいただき、GREEN FUNDINGでクラウドファンディングを実施していますが、GREEN FUNDINGとしても海外向けの発信ということ、過去ほとんどなかったようで、いろいろサポートしていただきました。

海外ユーザーにもわかりやすくするため、英語マニュアルも用意

--ロサのイラストを見ると、CULとはまたちょっと違った雰囲気でもありますね。
ヒロトP:今回のロサのキャラクター作成には吉田依世(@yoshida_iyo)先生に協力をいただいて作成し、歌ロサとトークロサの2パターンを発表しました。その結果、これらを元にした二次創作の作品も世界中の多くのファンのみなさんに作っていただいています。Twitterなどで「#ロサート」、「#rosart」、「#ろさーと」で見ていただくと、さまざまな作品を見つけることができるので、ぜひご覧になってみてください。

トークロサの二面図

--ところで、CULは株式会社インターネットから発売されていました。一方、Synthesizer Vについては株式会社AHSが販売しています。クラウドファンディング終了後の発売元などはどうなりそうですか?
ヒロトP:今回のクラウドファンディング、700万円を支援金が集まったところで成功となるので、まずはプロジェクト成功して、初めてその次の段階に入れるというところで、まだ具体的には何も決まっていません。ただ、やはりロサはCULの妹ですから、インターネットさんで発売できるように、インターネットさんにご相談しているところです。

歌ロサの二面図

--最後に、実際にプロジェクトが成功し、Synthesizer V AIなども出そろったら、ZAN-SHINとしてはどのような活動をしていく予定ですか?
Ryo-ske:ZAN-SHINの主業務は音楽事務所であり、さまざまな展開をしていくなか、株式会社IRIAMというところとのオーガナイザー契約も交わし、配信事業も行なっていくところです。同社は二次元のVTuberなどを使った生配信などを6月半ばからスタートする予定で準備を進めているところですが、こうしたところにもCULやロサを使った活動を推進していければ、と企画しているところです。

--楽しみにしています。本日はありがとうございました。

和泉ヒロト(略歴)
2010年1月に放送された、地上波初のボーカロイド専門番組「VocaloREVOLUTION!」をプロデュース、演出。 番組内で新キャラクターCUL(カル。CULTUREに由来)を生み出し、CULNOZA(カルノーザ)というクリエイター集団を組織。 2011年12月22日、株式会社インターネットよりVOCALOID3 CUL(CV.喜多村英梨)を発売。 2012年以後、現在も続く、ニコニコ公式チャンネル、YouTube Liveでの「ボカレボ公式生放送!」のMCを務める。 2013年以後、日本のドラマを海外に紹介するイベント「J Series Festival」等で、CULのバーチャルMCをプロデュース。タイ、インドネシア、フランス、ベトナム、ミャンマー、台湾などで行っている。 2020年以後、キャラクターREV(レヴ)の中の人を務め、音声合成歌唱ソフトDeepVocalやAI音声合成トークソフトTALQu(トーク)などをリリースした。
小柳良介(芸名:ryo-ske)
18歳でベーシストとしてデビュー。
その後、作曲家として複数の地上波のTV番組や映画、アーティスト等に楽曲提供。プロデューサーとしてTV番組などのタイアップやキャスティング、制作等しながら、自身も音楽活動を行い、24時間TVやバラエティー番組などにも出演している。
小田都弥可(芸名:元O`s 小田都弥可)
avexよりデビュー
同年には、
日本レコード大賞新人賞、
日本有線大賞、
日本作詞大賞、
ベストヒット歌謡祭などの賞を受賞しているまた、数々のTV番組主題歌やCMなどの歌唱を担当している

【関連情報】
音声合成ボイスバンク ロサ(ROSA) CeVIO AI トークボイス製作プロジェクト
ロサ(ROSA)音声合成ボイスバンク企画特設ページ