SHUREがライブ用モニターイヤフォンとコンシューマモデルを統合

7月12日、SHUREが記者発表会を開催し、カナル型イヤフォンのハイエンドモデル2機種を発表しました。トリプル高精度MicroDriver搭載のSE535デュアルのSE425のそれぞれで、SE530とSE420の後継モデルとの位置づけです。
実は今回の新ラインアップ、従来あったプロ用モニターイヤフォンのラインナップであるSLCシリーズとコンシューマ用のSEシリーズが統合されたというのが、ひとつのトピックス。あくまでもグレードの違いで製品を選択できるようになり、一般ユーザーもプロ用のモニターと同じ製品を利用できるようになったわけです。
SHUREがモニター用イヤフォンの発表会を開催



レコーディングスタジオでのモニターヘッドフォンというと、やはりSONYのMDR-CD900STが主流ですが、ライブ用のモニターというと、SHUREのインナーイヤー型のヘッドフォンがよく使われています。テレビやビデオなどで見かけた方も多いと思います。
従来のプロ用モニターイヤフォン、SLC5
これはSCL5SCL4といったラインナップで、一般には市販されていないものでした(とはいえ、SoundHouseなど楽器店系である程度の入手は可能でしたが……)。業務用としてはワイヤレスシステムとセットで使われるケースが多いわけですが、カナル型だけに周囲の音を遮蔽能力が非常に高く、大音響のライブにおいてもしっかり聴き取れるということで、評判のよかった製品です。
このプロのライブ用モニターがベースとなってSHUREの人気の高級カナル型ヘッドフォンが生まれたという経緯があったわけですが、今回登場の新製品はプロ用とコンシューマ用が併合されたのです。

具体的にはSE530とSCL5の後継がSE535SE420とSCL4の後継がSE425という関係。従来はプロ用、コンシューマ用で音作りに多少違いがあったものの、今後はいっしょになるわけです。
SE535とSCL5の後継となるSE535

実際に音を聴いてみたところ、とくにSE535は非常に好印象でした。高域まで非常にクリアに聴こえる一方、キックやベースもしっかりと出るスピード感のあるサウンド。解像度がとても高く、楽器の細かなニュアンスまで聴き取ることができます。とはいえ、いわゆるモニターヘッドフォンのようにキンキンして耳が疲れるということもなさそうなのは、さすがです。

SE420とSCL4の後継となるSE425

SE420とSCL4の後継となるSE425もちろんSE425もとてもいいサウンドなのですが、SE535と比較してしまうと、明らかにランクが違うのがわかってしまうのも面白いところ。高価なので、なかなか手が出しにくいのは確かですが、実際に音を聴くと欲しくなってしまいます。

そしてユニークなのはイヤフォン部とケーブル部が着脱式になるとともに、360度回転可能になったこと。ここには高周波用アンテナなどでも使われている金メッキのMMCXコネクターが採用されているのですが、やはり360度回転するため絡まりにくいのもメリットです。

MMCXコネクターの採用でSE535、SE425ともに着脱可能に

またケーブル内部にはワイヤーが入っていて、曲がり具合いを保持できるのも大きなポイント。ステージスタート前にしっかり、形を作っておけばより耳にフィットしやすくなりそうです。さらに、ケーブルはオプションとして販売されるようなので、ケーブルが壊れたらヘッドフォンごと買い換えるという必要がなくなったのも嬉しいところです。

まだ具体的な情報はないものの、今後ケーブルをサードパーティーが出してくることも考えられそうです。場合によっては純正よりも高音質なケーブルというのも出てくるかもしれません。

なお従来からあった、SHUREとしてのローエンドモデルであったダイナミックドライバタイプのSE115は今後も続くのですが、4色あったSE115に加え、クリアータイプのSE115-CLも誕生。SE115は、イヤフォン部とケーブル部は繋がっていますが、延長ケーブルを使う仕様だったため、動きの多いステージ用としては扱いづらいという欠点がありました。

それに対し、プロ用のSCL2という製品があったのですが、今回登場したSE115-CLのみは延長ケーブルを使わず、予め長いケーブルになっています。これによってローエンドモデルでもプロ用、コンシューマ用が統合されているのです。

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