3,300円のWindows 8を買ってちょっと使ってみた

10月26日に、Windows 8が発売されましたが、すでに導入された方はいらっしゃるでしょうか?発売日にヤマダ電機やビックカメラなどに寄ってみたら、PC売り場には本当に多くの店員がいて圧倒されてしまいましたが、確かに久々の新製品ラッシュという感じで、活気はありました。ただ、以前「Windows 8はDTM用プラットフォームとしてどうなの?」という記事にも書いたとおりで、個人的には積極的にWindows 8を導入してみたいという思いがしなかったのも事実。安いノートPCでもあれば、試しに買ってみようかと下見に行ったのですが、タッチパネル対応のPCは高すぎて買う気にもなれずに帰ってきました。

が、帰宅後に改めて調べてみたら、Windows 8って、OS自体の価格はずいぶん安いんですね。従来のWindowsのように1~2万円程度はするんだろうと思っていたら、XP、Vista、7からのアップグレードなら、5,800円程度で「Windows 8 Pro」という標準版のパッケージが購入できます。さらにダウンロード版だと3,300円。まあ、どちらも期間限定の特別価格だそうですが、この価格ならとりあえず買っておいて損はないと、1本ダウンロード購入しておきました。

嫌がってばかりでもマズイのでWindows 8を少しずつ使ってみることにした


ちなみにダウンロード版はダウンロード後にDVD-Rに焼いて使う形になるのですが、DVD-R以外にUSBメモリにコピーして、これをインストーラにできるので、光学ドライブがないマシンでもインストールできるし、インストール作業が高速に行えるというメリットもあります。

Windows 8 Proはアップグレード版をダウンロード購入すれば3,300円

気乗りはしないものの、せっかく買ったのだからと、とりあえずインストールしてみました。デスクトップPCに、Windows 7の環境を引き継がず新規の状態でインストールしてみたところ、所要時間は20分程度。SSDのマシンだからかもしれませんが、予想以上にスムーズに終わりました。

RolandのQUAD-CAPTUREのドライバも問題なくインストールできた

一方、以前の記事を書いた時点では対応していなかったRolandのオーディオインターフェイスも、Windows 8の正式リリース後すぐにドライバが公開されました。ためしにQUAD-CAPTUREの64bit版をインストールしたところ、問題なく使うことができました。

ClassicShellをインストールすると、従来のWindows風になる

さらにフリーウェアでClassicShellなるものが登場しており、これをインストールすれば、従来のWindowsと同様にスタートボタンも使うことができ、違和感はありません。また、個人的には気に入らないモダンUIも、起動後に自動的に飛ばしてデスクトップ画面に切り替わるから、ほぼWindows 7という形で使うことができます。まあ、邪道といえば邪道ですが、これなら使い勝手の面でも心配いらないですよね。

さて、このWindows 8でのDTM環境というものを考えると、実はいろいろなテーマが出てくるので、今後何回か記事で取り上げてみたいと思っているのですが、今回はWindows 8ならではの特徴ということで、「Windowsストア」について紹介してみましょう。

WindowsストアというのはAppleのiTunes StoreやGoogleのGoogle PlayのMicrosoft版といったところでしょうか…。Microsoftのアカウントを使ってログインすると、アプリケーションをダウンロード購入できるというオンラインのソフトウェア販売サイトです。そもそも、前述のWindows 8のダウンロード版もここから購入するのですが、Windows 8上でアクセスする場合には、モダンUIの画面に用意されている「ストア」を選択して利用します。そもそもWindows 8を起動する時点で、Microsoftのアカウントでログインした状態になっているために、ここでいちいちIDやパスワードを入力する必要もないんですね。

Windowsストアの「音楽&動画」には現在28本のアプリが並んでいる

このWindowsストアにはゲームやエンターテインメント、ニュース&天気、ビジネス……と20ジャンルあり、有料のソフトもあれば無料のソフトもあります。ただ、このWindowsストアで購入できるのは、従来からのWindowsのアプリケーションではなく、タッチパネルのディスプレイをメインターゲットにしたモダンUI用に作られた新しいアプリケーションのみになっているようです(個人的にはなぜこんなタブレット用のUIをPCに組み込まなくてはならないのか、いまだに納得いかないのですが…)。

2012年11月6日現在のアプリケーション数を数えてみると、全部で646本。この数をどう見るかはそれぞれですが、まあきっとこれからどんどん増えていくんでしょうね。

和田純平さん開発のFinger Piano

この中で注目すべきは「音楽&動画」というジャンル。DTM系はここにあるようです。このジャンルのアプリケーション数は28。そのうちDTM系といえそうなのが3本ありました。一つは以前にも取材させてもらった和田純平さんのFinger Piano。無料版のアプリとして提供されていますが、いち早くWindows 8に対応させているというのはさすがですよね。

単にパッドを叩くと音がなるSound Pad Lite

もう一つはSound Pad Liteというドラムパッドのアプリ。8つあるパッドを叩く音が出るという単純なものです。これでなんとなくレイテンシーが分かるわけですが、まあ、あまり期待するようなものではありません。

MAGIXのMusic Maker Jamも無料でダウンロードできる

そしてちょっと面白いのがMAGIXのMusic Maker Jamです。そう、これまでも何度か紹介してきたMAGIXのDAW、Music Makerのエントリー版。正しくはプレイバック専用にしてループシーケンサの面白さを体験できるお遊びソフト。ロックやジャズ、テクノといったスタイルを選択すると、あらかじめループパターンが組み込まれた楽曲データが読み込まれます。フェーダーを操作することで、自分の好きな感じにアレンジができわけです。

フィルターを使ってマウスで音を変化させることも可能

その楽曲データのパターンをある程度自分でいじることができたり、ループパターンを変更したり、フィルターを使って音を変化させることもできるようにもなっています。

収録されているのは4つのスタイル。別のスタイルも200円/本で追加可能

Music Maker Jamは無料のアプリであり、用意されているのは4つのスタイル。ヒップホップやレゲーなどほかのスタイルが欲しい場合は200円で追加購入できるようになっています。が、基本的にはMusic Makerのプロモーション的なアプリということなんですかね…。とりあえず、無料で遊べますから、Windows 8をインストールした方は、試しに入手してみてはいかがでしょうか?

Windows 8について、納得いかない、気に入らない…と言っていても、すでに今後発売されるPCは基本的にWindows 8なのですから、少しずつでも付き合っていかなくてはならないのが実情。Windows 8の真価を発揮させるためには、やはりタッチパネル式ディスプレイが必須のような気もします。しかし、その一方で、うまく使うと実はWindows 7よりもDTMには向いている…というような声も聞こえ始めました。その辺について、具体的な情報などが入ってきたら、紹介していく予定です。

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